欧米ではガイドラインを作成・報告・評価する共通の仕組みを確定することに よって、ガイドラインの質の向上を目指すAGREE Collaborationとよばれる共同研究が行われている 9(AGREE II :Appraisal of Guidelines Research and Evaluation II )。 そこでは、ガイドライン作成の手法の検討や実態調査、同じ疾患分野のガイドライン推奨の比較など さまざまな活動が行われており、2001年に公表されたAGREEが改訂されたものが公開されている。 ここでは最低2名(4名以上が望ましい)が、下表の23項目について、最高の質から最低の質までの7段階で ガイドラインを評価する。23の項目は6つのドメイン(領域・要素)、具体的には対象と目的、利害関係者の参加、 作成の厳密さ、提示の明確さ、適用可能性、編集の独立性からなっており、それぞれの特性における得点から、 ガイドラインの作成方法に焦点を当てた評価が行われる。しかし、AGREE共同研究の公式見解ではガイドライン比較の 際の意思決定の道具として使い、合格点を定めて「合格」「不合格」といった使い方はすべきではないとしている。
参考:AGREE「外部サイトへのリンク厚労省研究班による邦訳」 AGREE II (「外部サイトへのリンクAGREE Enterprise website)