安倍政権｢道徳教科化で愛国心のない生徒を排除する｣

実習生さん

道徳の教科化　内面を評価する危うさ
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/591441.html

　文部科学省は「道徳」の教科化に向けて、小中学校の学習指導要領改定案を公表した。
　これをもとに今後、道徳では初めてとなる検定教科書づくりを進め、２０１８年度以降、正式
教科にする方針だ。
　道徳の時間は１９５８年から導入され、学校や担任が教材を選んで週１回程度授業を行っ
ている。
　それが半世紀以上にわたって正式教科にならなかったのは、教科書を使い、成績も付けて
評価することが、児童生徒の内面に介入しかねない危惧があるからだ。
　その懸念はなお拭えない。道徳は教科になじまない。あらためて教科化に反対する。
　改定案で見過ごせないのは、小学１年生から国を愛する態度を身につけるよう求めたことで
ある。
　安倍晋三首相の愛国心教育への思い入れをくんだのだろうが、国や郷土の愛し方は人それ
ぞれだ。
　しかも、教科書検定の厳格化で、出版社は愛国心を盛り込んだ改正教育基本法に則した
内容を求められるようになった。特定の価値観が押しつけられる要素が高まったことは否定でき
ない。
　もう一つの大きな問題は、教科化が成績評価を伴う点だ。
　人の心の中は、たとえ身近に接する学級担任であろうとも点数化できない。文科省は数値
評価は避ける方向だが、記述式にすれば問題が解決されるわけではない。
　危ういのは、評価を盾に取れば、子どもの心を一定方向に仕向けることもできることだ。
　改定案は道徳科の目標を「物事を多面的・多角的に考える」とし、授業も子ども自身に考え
させる教授法に転換する。
　ならばなおさら、国の検定教科書ではなく、担任らが教材や題材を選ぶ現行でいいのでは
ないか。
　