リリスについて
- 1 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2014/08/22(金) 22:47:20.73 ID:U6wisFqT.net
- 初めてエヴァ見たんですけど
使徒はリリスを求めて?ネルフに攻撃しに来てるんですよね?
それでさっきミサトさんがいざとなったら一緒に自爆するわ
みたいなことを言ってました
最初からリリスを破壊すれば使徒は来ないのでないでしょうか
それともリリスがいないと何か不都合があるのですか?
スレ違いでしたらすいません
- 890 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2019/09/18(水) 19:39:58.51 ID:OR96reINS
- 890
- 891 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2019/10/06(日) 20:50:16.67 ID:G/9/BCY8G
- おくとーばー
- 892 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2019/10/26(土) 20:27:52.03 ID:EPyUrSZlh
- 10
- 893 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2019/11/04(月) 20:33:03.10 ID:nH5c4eRmj
- のーう゛ぇんばー
- 894 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2019/11/17(日) 20:33:24.40 ID:Zjgv4r0yT
- 894
- 895 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2019/11/26(火) 13:43:30.32 ID:lHTh79L++
- 895
- 896 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2019/12/04(水) 19:53:20.41 ID:DAzgISlQI
- 12月
- 897 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2019/12/16(月) 19:24:51.03 ID:Rm+srpsPc
- 897
- 898 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2019/12/25(水) 10:53:25.72 ID:1wJmYfOxs
- 898
- 899 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/01/04(土) 19:42:06.78 ID:ogCTnxzMb
- 899
- 900 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/01/13(月) 22:31:48.50 ID:OW2oYWD0B
- 900!
- 901 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/02/15(土) 19:53:32.10 ID:qBCIHycuU
- 2月
- 902 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/03/10(火) 21:14:30.54 ID:KP8UxdR4n
- 3月ですよ
- 903 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/03/27(金) 20:29:17.79 ID:TzPcyRlbn
- 3月尽
- 904 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/04/13(月) 19:34:42.20 ID:Qjsc44Vy4
- 4月ですよ
- 905 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/05/03(日) 21:46:49.18 ID:KZ+OiKWfG
- 5月ですよー
- 906 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/05/30(土) 23:36:02.37 ID:1Ad9Ouccd
- 5月末
- 907 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/06/03(水) 21:22:44.33 ID:Hf/thdixQ
- 6月ですね
- 908 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/06/28(日) 20:01:46.34 ID:T1LvMjMix
- 無事公開とはならなかったけど
例えば>>1への答えはちゃんと出るのかね
- 909 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/06/30(火) 20:03:51.31 ID:a3RHXDO+E
- 出るといいねえ
- 910 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/07/03(金) 20:10:17.45 ID:FHQTHrfus
- もう7月かー
- 911 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/08/10(月) 21:27:58.05 ID:ocKNWSCrL
- 8月になってた
- 912 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/09/06(日) 21:03:52.46 ID:/kFJnG7s4
- 9月になったか…
- 913 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/09/30(水) 22:48:25.57 ID:6oAmsmeZo
- 9月尽
- 914 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/10/26(月) 20:37:55.88 ID:jNWT0oUeJ
- 気がついたら公開日が決まってた
- 915 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/11/01(日) 19:45:10.26 ID:0moA9hCN9
- 11月ですよ
- 916 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2020/12/02(水) 20:16:57.43 ID:OurGF4uXg
- 12月
- 917 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/01/03(日) 21:04:05.54 ID:ZeLLOm9E3
- シン年あけまして
- 918 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/01/16(土) 19:47:16.43 ID:qzG/YtFvG
- 延期発表
- 919 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/02/03(水) 19:50:29.34 ID:qFoWW1Etd
- 2月
- 920 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/05(金) 23:20:13.47 ID:uE4vFPtQC
- びくりと身を強張らせて自失から醒めるシンジ
真っ暗な夜の底
怯えきった目がせわしなくさまよう
奈落のような見当識喪失と虚無の恐怖 焦燥
それから雪崩のように、何もかもを失った現実が立ち戻る
凝然と目を見開くだけのシンジ
瞬間、浮遊感に続いて巨大な地響きがシンジの全身を揺さぶる
はっとなるシンジ
現実をまた一つ思い出して、不安定だった視線がかろうじて落ち着く
曖昧だった視野が暗いながらも鮮明になる
押し寄せる暗闇に見えていたのは、シンジを乗せた擬Mk.9の巨大な黒い手のひら
地響きは歩み続ける擬Mk.9の足取り
手のひらの底で起き直ると、見上げる先には、塔のようにそびえる五指に囲まれた淡い星空
星座の位置は憶えているよりも大きく変わり、夜明けの兆しを映して光を弱めている
大きく息を吐くシンジ
両肩から少し力が抜ける
唇を噛む
シンジ(…あれから、ずっと眠ってしまっていたんだ)
もう一度頭上を仰ぐ
擬Mk.9の黒い頭部がほとんど影になって見えている
その中にいるはずの綾波レイを思うシンジ
少しだけ、絶望した心の痛みがやわらぐ
救いの予感 直後に湧き上がる強烈な自己嫌悪
乏しい荷物を確かめ、外衣の胸元を掴んでよろめきながら立ち上がる
- 921 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/05(金) 23:22:20.00 ID:uE4vFPtQC
- 特殊コーティングに覆われた指の一つに手をかけて外を覗く
曖昧な色の闇に覆われた荒野の眺望と焼け跡のような山稜
死んだ風景のただなかで、既に見上げるばかりに近づいてきている「黒き月」の巨容
自然物とも人工物ともつかない構造体の上縁部は早くも遠い暁光を受けて輝き始めている
痛いほど両目をみはって見つめるシンジ
横倒しになった遠い最上端のどこかに落ちたはずのエヴァ第13号機と二本の槍
あそこに、それとももっとどこか別の安全な場所にいるだろう碇ゲンドウ
無意識に片手で自分の肩を掴むシンジ
指に力がこもるのを制止できない
やがてうなだれる
変わらない歩幅で移動を続ける擬Mk.9の動きが、少しずつ緊張と失望をほぐしていく
そこに綾波レイの無心な佇まいを思い出すシンジ
無理にでも小さく笑い、震える唇を引き締める
朝焼けの先触れのほの明かりの下を歩いて行く擬Mk.9
わずかずつ色を取り戻していく風景
その中に立つ異物
ぎくりとするシンジ
辺りに幾つも突き立っている「インフィニティのなり損ない」の残骸ではない、生きたエヴァ
もしくはエヴァに似た物体がこちらに頭部の欠けた奇妙な身体を向けて立っている
歩みを止める擬Mk.9
こみ上げる恐れと嫌悪に背筋を固くするシンジ
シンジ「エヴァ…? ネルフ、…父さんの?」
ヴンダーを襲った使徒ともエヴァともつかない敵を思い出すシンジ
ふいに擬Mk.9の指が握り込まれ、ヴンダー艦上でのように固くシンジの周囲を包み込む
シンジ「…綾波?!」
- 922 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/05(金) 23:23:48.01 ID:uE4vFPtQC
- うろたえを振り払い、わずかに明かりの射す隙間に飛びつくシンジ
顔を押しつけて外を窺う
まだ動いていない相手エヴァ
と、赤化した地形の連なりに見えていたその背後がにわかに蠢き、風景そのものが鏡のきらめきを放つ幾連もの光のタイルになって裏返って、隠していたものをあらわにする
息を呑むシンジ
先頭の一体とは別のタイプのエヴァらしき物体の無機質な戦列
不動だった群れが一斉に動き出す
擬Mk.9が身をたわめる気配
きつく擬Mk.9の指を掴んでいるシンジの手
冬月「…本当に来るとはな。あの複製体がエヴァを動かしたのも、しょせん予想のうちか」
碇「死んでいる訳ではないからな。生きている以上、行動はやめられない。それだけのことだ」
冬月「しかし、足止めはしなければならんよ。いいんだな?」
碇「ああ」
冬月「…無駄かもしれんがね」
碇「ああ。…そうだ」
- 923 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/05(金) 23:24:39.13 ID:uE4vFPtQC
- (公開日直前の見切り発車
改行失敗した…
どこまで行けるだろうか)
- 924 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:43:33.36 ID:GC30aIDg5
- 一瞬上体を沈め、飛び出す擬Mk.9
身構える間もなくネーメジス数体が蹴り飛ばされ、続いて次々真上から踏みつけられて転がる
勢いを殺さずそのまま列を突き抜けて疾走する擬Mk.9
エヴァの手とAFフィールドに守られながら、激しく流れる風景を見開いた両目で見守るシンジ
振り仰ぐと、指の隙間から夜明け空と擬Mk.9の頭部が見える
初号機に似た長い角を持つ黒いエヴァの顔
幾つも並ぶ眼窩は正面の二つを除いて黒く空いている
二つだけの赤い眼で背後の敵を一瞥し、前方を見据える擬Mk.9
きつく唇を噛みしめるシンジ
ふいに、周囲を囲う指列が緊張する
はっとするシンジ
擬Mk.9の足取りとは別の地響きが両側を並走し、追いついてくる
速度を上げる擬Mk.9
ただ擬Mk.9の頭部を見上げるしかできないシンジ
無意識に胸元を掴んだ手がわななく
やがて衝撃が襲う
後方片側から ついでもう一方から
振り払おうとする擬Mk.9の速度が乱れ、引き倒される
思わず目をつぶるシンジ
手のひらの暗がりの遥か上で、幾つもの重量がのしかかる
打撃音と破砕音 増す圧力 軋み
両手でシンジを固く包み込み、顔に押し当てるようにして身を丸める擬Mk.9
小さな暗闇の底でATフィールドの震えを感じ取るシンジ
すぐそこの死の予感が全身を縛る
上回る後悔が涙になって眼裏を刺す
シンジ(僕が、綾波をエヴァにしてしまったから)
- 925 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:44:36.49 ID:GC30aIDg5
- シンジ(自分でエヴァを降りたあの子を、僕がもう一度戦わせたから)
シンジ(レイのように。カヲル君と同じに)
シンジ(綾波まで)
死ぬことよりも、またも誰かを身代わりにすることの恐怖
自己憎悪と恐慌と絶望
シンジ(…ちがう)
顔をぐしゃぐしゃにしながら、無理やり涙を押し拭うシンジ
シンジ(…僕がここで泣いたって、何もならないだろ)
きっと頭上を仰ぐ
両手を伸ばし、足を掛けて、少しずつ歪み出す擬Mk.9の指の囲いを登るシンジ
揺さぶられ、何度も滑り落ちながらもやめない
わずかに空いた指の隙間
ぎりぎり肩が通るその縁に取り付いて、苦鳴を洩らしながら身体を引っぱり上げる
すぐそこにある擬Mk.9の空ろな眼窩
シンジ「…綾波…!」
懸命に手を伸ばすシンジ
直後、何度目かの衝撃が視野全体を叩き潰す
シンジ「…あやな、み…!」
逆巻く暗闇の中で声を振り絞るシンジ
周囲から擬Mk.9の手の感触が奪われる
- 926 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:45:27.42 ID:GC30aIDg5
- 激しい揺れが止み、代わりに引きつるような緊張が周囲を覆う
何かどろりとした軟らかい触感の中に突っ込んでいるシンジ
まだ生きている
つぶってしまっていた目をこじ開ける
巨大な黒い円い縁に囲まれた視界
シンジを包む軟らかい流動体は堅い曲面の構造に大きく遮られ、その向こうに色褪せた荒野が見える
一瞬の混乱の後に理解が閃く
落ちたのは擬Mk.9の空の眼窩のひとつ、身体を包み守っているのは機能しない眼球が変化した軟組織と涙
エヴァと同じ目線で前を見るシンジ
周囲を囲むネーメジスたち
両手を別々に固定され、両腕を左右に引き絞られた姿勢で拘束されている擬Mk.9
力を込めているがほとんど動けない
砕かれた両足やずたずたになった装甲がかろうじて眼窩の縁から見える
完全に無力化すべく無機質に動作を続けるネーメジス
一体がすぐ傍にまで近づく
身体が剥き出す恐怖をこらえるシンジ
ひたすら目を見開く
シンジ(動けない、何ができる、この無理やり作ったエヴァで、何が)
脳裏をよぎる光景の断片
宙の第13号機を守ってヴンダーへ光線を放っていたMk.9
そのずっと前、同じヴンダー艦上で、破れた隔壁の向こうに現れた仮頭のMk.9
赤い廃墟に並んで坐っていたレイの姿
- 927 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:46:04.88 ID:GC30aIDg5
- 黒いプラグスーツの両手を見下ろしていた横顔
レイ(エヴァに乗っていれば、あなたを守ることができた。命令でもよかった。
何かできたと思えたのは、あのときだけだったから)
痛みに塗り潰された感情の塊が胸を焼く
シンジ「…綾波」
噛みしめるように名前を呼ぶシンジ
他に何もできない
シンジ(また誰か傷つく、いなくなる、…もうそんなの嫌なんだよ…!)
堪えていた涙が次々にこぼれる
擬Mk.9の体組織に落ちて溶ける
シンジ「…、綾波…!」
- 928 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:47:01.84 ID:GC30aIDg5
- 擬Mk.9の深部
拡散しかけて稀薄になった綾波レイの意識が形を取り戻す
エヴァたちの形を見渡す
レイ(…わたしは、なに)
レイ(…私は)
レイ(私は…自分。
この物体が今の自分。私の、今の願いの器。そのための力。私は)
レイ(EVANGELION Mk.9)
- 929 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:48:06.85 ID:GC30aIDg5
- ネーメジスの動きが止まる
擬Mk.9が頭部をもたげる
再び渾身の力で拘束に抗う
全機で押さえにかかるネーメジス
拮抗する力に負けて擬Mk.9の両腕の装甲が裂開していく
組み合ったエヴァたちの体勢が大きく歪み、やがて均衡を崩して擬Mk.9を押し潰そうとする
レイ(これも、エヴァ)
レイ(虚ろな器。私と同じ)
レイ(なら、あなたたちも)
レイ(私だわ)
攻撃態勢のまま凍りつく全ネーメジス
突然、擬Mk.9の装甲をあらかた剥がれた背中が痙攣し、大きく弾ける
そこから噴き出した何かが大きく伸び上がり、猛烈に旋回して次々に鈍ったネーメジスを打ち倒す
覆いかぶさった機体をはねのける触手様の突起
辺りを払って中央に戻る
地面に両手両膝をついて身を起こす擬Mk.9
背中からヴンダー強襲時の長距離航行ユニットを直接生やしている
伸縮する膜状の突起が群がるネーメジスを一掃し、そのまま端からめくれ上がるように形状変化して
あの時と同じ大出力ロケットを生やす
口を引き開けて潰れた声で咆哮する擬Mk.9
- 930 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:50:05.80 ID:GC30aIDg5
- ロケットの噴射口が白熱し、ネーメジスもろとも辺りに赤い砂塵の幕が爆発する
黒き月めがけて一直線に飛び立つ擬Mk.9
びりびり震える眼窩で声を失っているシンジ
傷んだ眼の縁にぎゅっと両手を押し当てる
見る間に高度が上がり、昇り始めた朝日の輝きをいっぱいに受ける擬Mk.9
黒き月のもとの最上部をめがけて増速する
と、急速に近づく最上部の周辺から多数の機影が飛び出してくる
模造ロンギヌスの槍を装備した飛行型ネーメジスの群れ
擬Mk.9の軌道を塞ごうとするが、相対速度過大で捉えることもできずすり抜けられる
朝焼けの空に飛散するネーメジス
みるみる迫る黒き月の表層
目を凝らすシンジ
第13号機の姿は見つけられない
そのまま降下し、短時間逆噴射して、上部岩盤にくずおれるように降りる擬Mk.9
バランスを失って倒れる
何とか衝撃から立ち直り、顔を上げるシンジ
すぐそばに口を開けている巨大な眼窩
傷ついた組織と一緒に流れだした涙がシンジを無事に黒き月に下ろしている
既に形象劣化した背中の突起は力を失い、二つの赤い目も光が弱い
その向こう、明るくなっていく空から反転して戻ってくる飛行型ネーメジスの機影
ぐっと感傷を押し殺すシンジ
精一杯に吐き出す
シンジ「…ありがとう。…ありがとう、綾波」
- 931 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:50:56.73 ID:GC30aIDg5
- もう一度だけ擬Mk.9を見上げ、飛来するネーメジスシリーズを睨み、そして脚に絡みつくエヴァの体液を振りほどいて走り出すシンジ
近くに見えた人工的な開口部へ飛び込む
暗闇の奧へ続く長いトンネル 先は見えない
ひるむ間もなく、背後で衝撃音とともに入り口が崩れ、道を塞ぐ
振り向かず駆けていくシンジ
風の音が背後に遠ざかり、次第に赤っぽい暗闇が深くなっていく
シンジ(…一緒に歩いてくれた)
シンジ(傍にいてくれた。話してくれた。…守ってくれた)
シンジ(綾波、綾波、…綾波)
シンジ(…ありがとう)
荒い呼吸がいつしか涙に変わっている
構わず走り続けるシンジ
たった一人の足音だけが暗闇の底に響いていく
- 932 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:54:36.94 ID:GC30aIDg5
- レイ(…あなたは)
レイ(わたし)
レイ(わたし…?)
レイ(そう、思い出したの。
あなたは、私。他のたくさんの私と同じく、私の形)
レイ(…いいえ、わたしは)
レイ(あなたの、夢)
レイ(…そう、あなたは、私の夢。
碇シンジのいない場所にいた、別の私という、夢。
碇シンジがいてもいなくても関わりなく存在する私。碇シンジと比べられたり、
重ねられることのない私。…お父さんだけがいる私)
レイ(自分にとても近い碇シンジと比べられるのが苦しくて、碇シンジとは別の、自分というものを
失いたくなくて、…そう願う自分が嫌いで、怖くて、…だからいっそ、何もないエヴァの中に、
消えてしまいたかったのね)
レイ(そう。…だけどそこには、誰との繋がりもなかった)
レイ(寒くて)
レイ(虚しくて)
レイ(…私しかいなかった)
レイ(それを、あなたが思い出させてくれたの)
レイ(そう、私も、あなたを思い出した。初めてのはずなのに、初めてじゃなかった。
…だから、ありがとう。夢を見てくれて)
レイ(ありがとう、夢を見せてくれて)
レイ(私は…あなたでいても、いいのね)
レイ(うん。…おかえりなさい)
レイ(…ただいま)
- 933 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/03/08(月) 00:55:55.61 ID:GC30aIDg5
- (駆け込み以上
先が続くかどうかは明日以降の気力次第…
書き続けられたこの場所に感謝します)
- 934 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/04/12(月) 22:08:18.69 ID:rbiR5w3F1
- 公開から一ヶ月
- 935 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/05/04(火) 19:29:29.82 ID:IokceT+zF
- 5月
- 936 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/06/06(日) 00:24:50.00 ID:F2dtAtNzO
- 6月6日
- 937 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/07/08(木) 19:12:32.21 ID:JGGuZG4AA
- 7月
- 938 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/08/04(水) 20:40:10.43 ID:LsUFwN6Vt
- 8月
- 939 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2021/09/06(月) 00:22:44.99 ID:h6qFMgD3S
- 9月
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