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NHK・BSで9月から旧エヴァTVシリーズを放送 2

1 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/18(土) 18:52:35.08 ID:???.net
人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビアニメシリーズが、NHK・BSプレミアムで9月16日から放送されることが26日、明らかになった。
HDリマスター版、5.1チャンネルサラウンドで放送される。また、番組の最後では「エヴァ噺(エヴァナシ)」と題し、
毎回さまざまなジャンルの著名人が同作の魅力を語る。
NHKはこれまで「赤毛のアン」「美少女戦士セーラームーン」「日常」「ラブライブ!」「進撃の巨人」などの民放のアニメを放送したことがあり、
「新世紀エヴァンゲリオン」の放送も話題になりそうだ。

「新世紀エヴァンゲリオン」は庵野秀明さんが監督を務めた人気アニメで1995〜96年にテレビ東京系で放送。
主人公・碇シンジが、謎の敵・使徒に対抗する手段を持つ人類として、人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」を操縦し、綾波レイらと戦う……
というストーリー。劇場版アニメも人気を集め、社会現象を巻き起こした。

「新世紀エヴァンゲリオン」は、NHK・BSプレミアムで9月16日から毎週金曜午後11時45分に放送。

まんたんウェブ 8月26日(金)17時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160826-00000016-mantan-ent

前スレ
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1472466487/

101 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:18:06.76 ID:???.net
シンジ「駄目か。待ち合わせは無理か…。しょうがない、シェルターへ行こう」

102 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:19:44.95 ID:???.net
レイ「キャッ!」
シンジ「(にげちゃだめだ‥にげちゃだめだ‥にげちゃだめだ」

103 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:23:59.96 ID:???.net
その数ヵ月後――
 彼は、決断を迫られていた。

104 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:24:39.92 ID:???.net
カヲル「ありがとう、シンジ君」
シンジ「カヲル君…どうして…」
カヲル「僕が生き続けることが僕の運命だからだよ。結果、人が滅びてもね。
だが、このまま死ぬこともできる。生と死は等価値なんだ、僕にとってはね。
自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだよ」
シンジ「何を…カヲル君…君が何を言っているのか分かんないよ!カヲル君!」
カヲル「遺言だよ。
さあ、僕を消してくれ。そうしなければ君らが消えることになる。滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体は一つしか選ばれないんだ」

105 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:26:05.47 ID:???.net
その18月前――
 長野県 第2新東京市(旧松本市)第三中学校講堂内
 弦楽四重奏 練習開始二十二分前

106 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:26:32.46 ID:???.net
チェロ――第四絃
 調絃

107 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:28:08.55 ID:???.net
Johann Sebastian BACH
 Suiten fur Violoncello solo Nr.1
 G-bur, BWV.1007

 1.Vorspier

108 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:36:56.40 ID:???.net
ミサト「‥発進、準備!!」
メカニック男「エヴァ初号機、発進準備」
メカニック男「主電源、接続」
メカニック男「第一ロックボルト外せ!」
メカニック男「アンビリカルブリッジ、移動開始!」
メカニック男「第一拘束具、除去」
メカニック男「同じく、第二拘束具を除去」
マヤ「了解、EVA初号機、射出口へ!」

109 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:41:02.67 ID:???.net
マコト「発信準備完了」
ミサト「発進!
最終安全装置、解除!
エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!」

110 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:42:42.18 ID:???.net
リツコ「エヴァの防御システムは?」
マヤ「シグナル、作動しません」
マコト「フィールド、無展開!」
リツコ「だめか!」

111 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:43:52.31 ID:???.net
流血――

112 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:51:08.21 ID:???.net
ミサト「状況は?」
シゲル「頭部破損、損害不明!」
オペレータ「活動維持に問題発生!」
マコト「パイロット、反応ありません!」
マヤ「だめです、完全に制御不能です!」
ミサト「なんですって?」

113 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:54:52.06 ID:???.net
リツコ「まさか…」
ミサト「暴走!?」

114 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:56:01.26 ID:???.net
冬月「勝ったな」

115 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 17:59:09.18 ID:???.net
ミサト「A.T.フィールド?」
マヤ「初号機もA.T.フィールドを展開。位相空間を中和していきます!」
リツコ「いいえ、侵蝕しているのよ」

116 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 18:00:01.04 ID:???.net
リツコ「あれがエヴァの…」
ミサト「本当の姿…」

117 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 18:03:46.27 ID:???.net
ミサト「シンジ君の荷物はもう届いてると思うわ。実は私も先日この町に引っ越してきたばっかりでね…さ、入って」
シンジ「あの…お邪魔します」
ミサト「…シンジ君、ここはあなたの家なのよ」
シンジ「た、ただいま…」
ミサト「おかえりなさい」

118 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 18:09:50.38 ID:???.net
冬月「彼女は?」
男「例の調査団ただ一人の生き残りです。もう2年近くも口を開いていません」
冬月「ひどいな」
男「それだけの地獄を見たのです。 体の傷は治っても、心の傷はそう簡単には癒えませんよ。名は、葛城」

119 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 18:13:34.18 ID:???.net
リツコ「ミサトさん?」
ミサト「そー。葛城ミサト、よろしくね!」

リツコ「母さん、先日葛城と言う子と知り合いました。
彼女は例の調査隊ただ一人の生き残りと聞きました。
一時失語症になったそうですが、今はブランクを取り戻すかのようにベラベラと良く喋ります」

120 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 18:20:20.96 ID:???.net
ミサト「よい子でいたいの?」
ミサト「よい子にならなきゃいけないの。
パパがいないから。ママを助けて私はよい子にならなきゃいけないの。
でも、ママのようにはなりたくない。パパがいないとき、ママは泣いてばかりだもの。
泣いちゃだめ、甘えちゃだめ。だから、よい子にならなきゃいけないの」
ミサト「でも父は嫌い。だからよい子も嫌い。もう嫌い。もう疲れたわ」

ミサト「んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、ぷはーっ!かぁーっ!やっぱ人生この時のために生きてるようなもんよねぇ。
食べないの?結構旨いわよ、インスタントだけど」
シンジ「いえ、あの、こういう食事、慣れてないんで…」
ミサト「だめよ!好き嫌いしちゃあ!」
シンジ「あっ、いや、あ、違うんです…あのぉ…」
ミサト「楽しいでしょ?こうして他の人と食事すんの」
シンジ「あ、あ、はい…」

121 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 18:22:09.81 ID:???.net
アスカ「あぁ、ミサトって言うのは、加持さんの前にあっちにいた人。あんまり好きじゃないんだ。生き方わざとらしくて」

122 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 18:26:05.50 ID:???.net
シンジ「(葛城ミサトさん…か。悪い人じゃないんだ…)」

リツコ「では昨日の続き、インダクションモード、始めるわよ。
目標をセンターに入れて。
スイッチオン。
落ち着いて、目標をセンターに」
シンジ「スイッチ…」

シンジ「いろいろあったんだ、ここに来て。
来る前は、先生のところにいたんだ。穏やかで何にもない日々だった。ただそこにいるだけの。
でもそれでも良かったんだ。僕には何もすることがなかったから。できることも、僕は何も無かったから…」
カヲル「人間が嫌いなのかい?」
シンジ「別に、どうでも良かったんだと思う」

シンジ「ただ、父さんは嫌いだった」

123 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 18:31:35.87 ID:???.net
マヤ「しかし、よく乗る気になってくれましたね、シンジ君」
リツコ「他人の言う事にはおとなしく従う、それがあの子の処世術じゃないの?」
シンジ「目標をセンターに入れてスイッチ…目標をセンターに入れてスイッチ…目標をセンターに入れてスイッチ…」

シンジ「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ。
わああああああああああ!うわああああああああ!うわああああああああ!」

ミサト『本日、澄み渡った青空より第4の使徒襲来。初号機の迎撃により、辛くも撃破』

124 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 19:03:45.19 ID:???.net
ミサト「シンジくーん。起きなさーい。いつまで学校休む気?
初号機はもう完全に直ってるのよ。パイロットのあなたがそんなことでどうするの?シンジ君?」

ミサト『四日前より、うっとおしい雨続く。サンプルの解体作業、悪天候により捗らず。この日、他に特に記すべきことなし』

ミサト『今日は久しぶりに太陽を見るも、結果として晴れ時々曇りとなり、この日も特に記すべき事項なし』

ケンスケ「夜はいいよな、あのうるさいセミが鳴かないから。小さいころは静かでよかったけど、毎年増えてる」
シンジ「生態系が戻ってる、って、ミサトさんが言ってた」
ケンスケ「フーン、ミサトさんね。まったく羨ましいよ、あんなきれいなお姉さんと一緒に住んでて、エヴァンゲリオンを操縦できて…」

ミサト「エヴァのスタンバイできてるわ。乗る?乗らないの?」
シンジ「叱らないんですね、家出のこと」
ミサト「……」
シンジ「当然ですよね、ミサトさんは他人なんだから」
ミサト「……」
シンジ「もし僕が乗らない、って言ったら、初号機はどうするんですか?」
ミサト「レイ、が乗るでしょうね。乗らないの?」
シンジ「そんなことできるわけ無いじゃないですか。彼女に全部押し付けるなんて。大丈夫ですよ、乗りますよ」
ミサト「乗りたく無いの?」
シンジ「そりゃそうでしょ、第一僕には向いてませんよ、そういうの。だけど、綾波やミサトさんやリツコさ…」
ミサト「いい加減にしなさいよ!人のことなんか関係ないでしょう!嫌ならこっから出て行きなさい!
エヴァや私たちのことは全部忘れて、元の生活に戻りなさい!
あんたみたいな気持ちで乗られるのは、迷惑よ!」
シンジ「……」

125 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 19:23:45.28 ID:???.net
トウジ「碇が居らんのやったら、いずれわしらもこの町から出て行くことになるやろう。
せやけど、わしら、なにもいわれへん。エヴァの中で碇が苦しんでる姿、見てるからなあ。
碇のこと、とやかく言うやつが居ったら、わしがパチキかましたる!」
シンジ「殴られなきゃならないのは僕だ!僕は卑怯で、臆病で、ずるくて、弱虫で…」

126 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 19:26:04.72 ID:???.net
ミサト「シンジ君、だめよ、逃げちゃ。お父さんから、何よりも自分から」

127 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 19:28:15.30 ID:???.net
ミサト「それでいいの?シンジ君」
シンジ「いいんです。一人のほうが。どこでも同じですから」
ミサト「…」

128 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 19:33:20.78 ID:???.net
シンジ「すごい!ビルが生えてく!」

トウジ「碇が居らんのやったら、いずれわしらもこの町から出て行かんならんようになるやろう。
せやけど、わしら、なにもいわれへん。エヴァの中で苦しんでる碇の姿、見てるからなあ」

ミサト「そして、あなたが守った街…」

129 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 19:36:38.47 ID:???.net
ミサト「一つ言い忘れてたけど、あなたは人にほめられる立派なことをしたのよ。胸を張っていいわ。
おやすみ、シンジ君。
がんばってね」

130 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/27(月) 19:38:38.28 ID:???.net
ミサト『一時的にサードチルドレンが不調をきたす。心身の疲労が主な原因と思われる。
大事を取り、四日間の休養を取らせる。現在は復帰。問題なし』

シンジ「た、ただいま…」
ミサト「おかえりなさい」

131 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:27:26.51 ID:???.net
アスカ「おはよう碇君」
シンジ「あ、おはよう」

132 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:28:37.41 ID:???.net
同、第三中学校講堂内
 弦楽四重奏 練習開始十分三十秒前

133 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:29:52.07 ID:???.net
アスカ「今日、なにやるんだっけ」
シンジ「パッヘルベルのカノン」
アスカ「いいわねーチェロは。和音のアルペジオだけなんだもの」

134 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:31:38.96 ID:???.net
ヴァイオリン――第二絃
 調絃

135 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:31:47.19 ID:???.net
Johann Sebastian BACH
 Partita III fur Violino solo
 E-dur,BWV.1006

 3.Gavotte in Rondo

136 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:32:54.30 ID:???.net
シンジ「はっ!」
アスカ「んっ…ママ…ママ……」
シンジ「…自分だって子供の癖に…」

137 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:35:27.78 ID:???.net
アスカ「ハロ〜ォ、ミサト!元気してた?」
ミサト「まあねー。あなたも、背、伸びたんじゃない?」
アスカ「そ。ほかのところもちゃんと女らしくなってるわよ」
ミサト「紹介するわ。エヴァンゲリオン弐号機専属パイロット、セカンドチルドレン、惣流・アスカ・ラングレーよ」

138 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:39:52.79 ID:???.net
――傲慢、高飛車、生意気、変り者、ワガママ、見栄っ張り、冷淡、二重人格、バームクーヘン、薄情者、自意識過剰、いけ好かん女、いやーんなカンジ

カヲル「怖いのかい?人と触れ合うのが。
他人を知らなければ裏切られることも互いに傷つくこともない。でも、さびしさを忘れることもないよ。
人間はさびしさを永久になくすことはできない。人は一人だからね。ただ忘れることができるから、人は生きていけるのさ。
常に人間は、心に痛みを感じている。心が痛がりだから、生きるのが辛いと感じる」

139 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:42:21.84 ID:???.net
加持「どうだ?碇シンジ君は」
アスカ「つまんない子。あんなのが選ばれたサードチルドレンだなんて、幻滅」
加持「しかし、いきなりの実戦で、彼のシンクロ率は、40を軽く超えてるぞ」

140 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:44:39.11 ID:???.net
アスカ「シンクロ率ゼロ……」
アスカ「サードチルドレン!」
アスカ「セカンドチルドレンたる自覚なし……」
アスカ「ちょっと付き合って」

141 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:45:24.50 ID:f9JPRG+P.net
シンジきゅん

142 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:47:53.25 ID:???.net
シンジ「赤いんだ、弐号機って。知らなかったな」
アスカ「所詮、零号機と初号機は、開発過程のプロトタイプとテストタイプ。
訓練無しのあなたなんかにいきなりシンクロするのがそのいい証拠よ。
けどこの弐号機は違うわ。これこそ実戦用に作られた、世界初の本物のエヴァンゲリオンなのよ。正式タイプのね」
シンジ「あ、あ、なんだろう?」
アスカ「水中衝撃波!爆発が近いわ…」

143 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:52:44.34 ID:???.net
アスカ「ハローゥ、シンジ!グーテンモルゲーン!」
シンジ「グ、グーテンモルゲン…」
アスカ「まぁた、朝から辛気臭い顔してェ。このあたしが声かけてんのよ、ちったぁ嬉しそうな顔しなさいよ。
で、ここにいるんでしょ、もう一人」
シンジ「誰が?」
アスカ「あんたバカぁ!?ファーストチルドレンに決まってるじゃない」
シンジ「ああ、綾波なら…」

144 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:53:08.80 ID:???.net
アスカ「ハローゥ!あなたが、綾波レイね。プロトタイプのパイロット。
あたし、アスカ、惣流・アスカ・ラングレー。エヴァ弐号機のパイロット、仲良くしましょ」
レイ「どうして?」
アスカ「その方が都合がいいからよ。いろいろとね」
レイ「命令があれば、そうするわ」
アスカ「変わった子ね」

145 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:57:15.32 ID:???.net
ミサト「それが見ての通りなのよ…」
トウジ・ケンスケ・ヒカリ・ミサト「はぁ〜…」
アスカ「当たり前じゃない。このシンジに合わせてレベルを下げるなんて、うまく行くわけないわ!どだい無理な話なのよ!」
ミサト「レイ」
レイ「はい」
ミサト「やってみて」
アスカ「…」

146 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:59:16.12 ID:???.net
ヒカリ「で、ユニゾンはうまく行ってるんですか?」
ミサト「それが見ての通りなのよ…」
トウジ・ケンスケ・ヒカリ・ミサト「はぁ〜…」
アスカ「当たり前じゃない。このシンジに合わせてレベルを下げるなんて、うまく行くわけないわ!どだい無理な話なのよ!」
ミサト「レイ」
レイ「はい」
ミサト「やってみて」
アスカ「…」

147 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 20:59:57.72 ID:???.net
アスカ「もう、私がいる理由もないわ……誰も私を見てくれないもの」

レイ「私は人形じゃない」

148 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:02:02.13 ID:???.net
マヤ「シンクログラフ、−12.8。起動指数ギリギリです」
リツコ「ひどいものね。昨日より更に落ちてるじゃない」
ミサト「アスカ、今日調子悪いのよ、二日目だし」
リツコ「シンクロ率は表層的な身体の不調に左右されないわ。問題はもっと、深層意識にあるのよ」

リツコ「アスカのプライドガタガタね」
ミサト「無理もないわよ、あんな負け方しちゃ。て言うよりシンジ君に負けたって思っている方が大きいわね」

149 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:06:03.13 ID:???.net
アスカ「!」
アスカ・レイ「…」
レイ「心を開かなければ、EVAは動かないわ」
アスカ「心を閉ざしてるっていうの?この私が!」
レイ「そう、EVAには心がある」
アスカ「あの人形に?」
レイ「分かってるはずよ」
アスカ「あんたから話掛けてくるなんて、明日は雪かしらね!?」
レイ「…」
アスカ「何よ、私がEVAに乗れないのが、そんなに嬉しい?心配しなくっても、使徒が攻めてきたら無敵のシンジ様がやっつけてくれるわよ!
私たちは何にもしなくていいのよ!
あ〜ぁ、シンジだけじゃなく、機械人形みたいなあんたにまで同情されるとは、この私もヤキが廻ったわね〜」
レイ「私は人形じゃない」
アスカ「うるさい!人に言われたまま動くくせに!あんた碇司令が死ねといったら死ぬんでしょ!?」
レイ「そうよ」

150 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:07:19.79 ID:???.net
シンジ「おはよう」

151 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:08:02.29 ID:???.net
 同じく、第三中学校講堂内
 ヴィオラ――第三絃
 演奏練習開始
 五分四十三秒秒前

152 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:11:58.42 ID:???.net
トウジ「お、センセエ!なに熱心な目で見てんのや」
シンジ「いや、別に…」
ケンスケ「綾波かぁ?ひょっとして!?」
シンジ「ち、違うよ!」
ケンスケ「まったまた!あ・や・し・い・な!」
トウジ「あ、綾波の胸、綾波の太もも、綾波の」
トウジ・ケンスケ「ふ・く・ら・は・ぎ!」
シンジ「だから、そんなんじゃないって」
ケンスケ「だったら、何見てたんだよ」
トウジ「わしの目はごまかされへん!!」
シンジ「どうしてあいつ、いつも一人なんだろう、って思ってさ」
トウジ「ああ、そないいうたら、1年のとき転校してきてから、ずぅっと友達いてないなあ」
ケンスケ「エヴァのパイロットどうしだろ?シンジが一番よく知ってるんじゃないの?」
トウジ「そりゃそうや」
シンジ「ほとんど口、聞かないから…」

リツコ「いい子よ。とても。あなたのお父さんに似て、とても不器用だけど」
シンジ「不器用って、なにがですか?」
リツコ「生きることが…」

153 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:18:52.54 ID:???.net
シンジ「ごめんください…
ごめんください。碇だけど…綾波、入るよ。
………綾波のかな?いや、あの……僕、別に…う、わあああ、ああ!」
レイ「どいてくれる?」
シンジ「あ、あの…」
レイ「何?」
シンジ「え、いや、僕は…その…僕は、た、頼まれて…つまり…何だっけ…カード、カード新しくなったから、届けてくれって。
だから、だから別にそんなつもりは…」

154 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:19:30.59 ID:???.net
シンジ「ねえ、綾波は恐くないの?またあの零号機に乗るのが」
レイ「どうして?」
シンジ「前の実験で、大怪我したんだって聞いたから…平気なのかな、って思って」
レイ「あなた、碇司令の子供でしょ?」
シンジ「うん」
レイ「信じられないの?お父さんの仕事が」
シンジ「当たり前だよ!あんな父親なんて!
う…あの…(パン!)

155 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:22:13.09 ID:???.net
シンジ「綾波…?」
レイ「明日、午前0時より発動される、ヤシマ作戦のスケジュールを伝えます。
碇・綾波の両パイロットは、本日17:30(イチナナサンマル)、ケイジに集合。
18:00(イチハチマルマル)、初号機および零号機起動。18:05(イチハチマルゴー)、発進。
同30(サンマル)、二子山仮設基地到着。以降は別命あるまで待機。
明朝日付変更と同時に作戦行動開始。食事」
シンジ「何も、食べたくない」
レイ「60分後に、出発よ」
シンジ「また、あれに乗らなきゃならないのかな…?」
レイ「ええ、そうよ」
シンジ「僕は…嫌だ。もうあんな思い、したくない…」
レイ「じゃ、寝てたら?」
シンジ「寝てたらって…?」
レイ「初号機には私が乗る。赤城博士が初号機のパーソナルデータの書き換えの用意しているわ」
シンジ「リツコさんが?」

156 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:23:51.94 ID:???.net
リツコ「危険です!下がってください!」

レイ「さよなら」

157 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:26:50.26 ID:???.net
シンジ「綾波はなぜこれに乗るの?」
レイ「…絆だから」
シンジ「絆?」
レイ「そう、絆」
シンジ「父さんとの?」
レイ「みんなとの」
シンジ「強いんだな、綾波は」
レイ「私にはほかに何も無いもの。さよなら」

シンジ「綾波ッ!うぅ……ぐぅぅぅ…うぅぅぅぅ…綾波!大丈夫か!綾波!」

シンジ「自分には…ほかに何も無いって、そんなこと言うなよ…
別れ際にさよならなんて、悲しいこと言うなよ…」
レイ「何泣いてるの?ごめんなさい、こういう時、どんな顔をすればいいのか分からないの…」
シンジ「笑えばいいと思うよ…」

158 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:30:30.99 ID:???.net
シンジ「綾波!?ライフルも持たずに!」

レイ「構いません。行きます。
私が死んでも代わりはいるもの」

リツコ「自爆する気!?」
ゲンドウ「レイ!」
レイ「A.T.フィールド、全開…」

レイ「夢?」
アスカ「そう、あんた見たことないの?」

159 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:33:46.02 ID:???.net
ゲンドウ「ゼーレが動く前にすべて済まさねばならん。
今、弐号機を失うのは得策ではない」
冬月「かと言って、ロンギヌスの槍をゼーレの許可なく使うのは面倒だぞ」

160 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:37:00.86 ID:???.net
レイ「今日は寝ていて。後は私たちで処理するわ。
シンジ「うん…でも、もう大丈夫だよ」
レイ「そう、よかったわね」

レイ「クッ!」

161 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:42:29.38 ID:???.net
ミサト「レイ、応戦して!」

リツコ「綾波レイ。14歳、マルドゥックの報告書によって選ばれた最初の被験者、ファーストチルドレン。
エヴァンゲリオン試作零号機専属操縦者。過去の経歴は白紙、全て抹消済み」

マヤ「目標、さらに浸食!」
ミサト「発進!いいわね?EVA弐号機、リフトオフ!
出撃よ、アスカ、どうしたの?弐号機は?」
マヤ「だめです、シンクロ率が二桁を切ってます!」
ミサト「アスカ!」
アスカ「動かない…動かないのよ…」

レイ「私が弐号機で出るわ。
痛い…違う。寂しい?そう、寂しいのね。
泣いてるのは、私?」

162 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:47:40.91 ID:???.net
ミサト「レイっ!」
ゲンドウ「初号機の凍結を現時刻をもって解除、直ちに出撃させろ」
ミサト「え…」
ゲンドウ「出撃だ」
ミサト「…はい」

アスカ「何よ、私の時は出さなかったくせに…」

ミサト「A.T.フィールド展開、レイの救出急いで!」
シンジ「はい!」

レイ「碇君の匂いがする」
レイ「碇君…」
レイ「これは私の心…碇君と一緒になりたい…?
だめ!」
マヤ「A.T.フィールド反転!」
レイ「だめ、私がいなくなったらA.T.フィールドが消えてしまう。だから、だめ…」
ミサト「レイ、死ぬ気?」

163 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:49:42.90 ID:???.net
その12年前――

164 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:54:45.13 ID:???.net
冬月「今日も変わらぬ日々か。この国から秋が消えたのは寂しい限りだよ。ゼーレの持つ裏死海文書。
そのシナリオのままだと、十数年後に必ずサードインパクトが起こる」
ユイ「最期の悲劇を起こさないための組織。それがゼーレとゲヒルンですわ」
冬月「私は、君の考えに賛同する。ゼーレではないよ」
ユイ「冬月先生。あの封印を世界に解くのは、大変危険です」
冬月「資料は全て碇に渡してある。個人で出来ることではないからね。この前のようなマネはしないよ。
それと、何となく警告も受けている。あの連中が私を消すのは造作もないようだ」
ユイ「生き残った人々もです。簡単なんですよ。ヒトを滅ぼすのは」
冬月「だからと言って君が被験者になることもあるまい」
ユイ「全ては流れのままにですわ。私はそのためにゼーレにいるのですから。シンジのためにも」

165 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:56:26.25 ID:???.net
 IKARI YUI
 1977 - 2004

166 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 21:58:34.82 ID:???.net
ゲンドウ「3年ぶりだな。2人でここに来るのは」
シンジ「僕は、あの時逃げ出して、その後は来てない。ここに母さんが眠ってるって、ピンと来ないんだ。顔も覚えてないのに」
ゲンドウ「人は思い出を忘れる事で生きていける。だが、決して忘れてはならない事もある。
ユイはそのかけがえのないものを教えてくれた。私はその確認をするためにここへ来ている」
シンジ「写真とかないの?」
ゲンドウ「残ってはいない。この墓もただの飾りだ。遺体はない」
シンジ「…先生の言ってた通り、全部捨てちゃったんだね」
ゲンドウ「すべては心の中だ。今はそれでいい」

167 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:02:08.31 ID:???.net
リツコ「死ぬ前の晩、母さんが言ってたわ。MAGIは三人の自分なんだって。
科学者としての自分、母としての自分、女としての自分。その3人がせめぎあってるのが、MAGIなのよ。
人の持つジレンマをわざと残したのね」

ナオコ「そういう醒めたところ、変わらないわね。自分の幸せまで、逃しちゃうわよ」
リツコ「幸せの定義なんて、もっと分からないわよ。さてと、飲みに行くの久しぶりだわ」
ナオコ「お疲れさま」
リツコ「お疲れさま」

168 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:04:57.57 ID:???.net
ナオコ「…?何かご用?レイちゃん」
レイ「道に迷ったの」
ナオコ「あらそう。じゃあ私と一緒に出ようか?」
レイ「いい」
ナオコ「でも、一人じゃ帰れないでしょ?」
レイ「大きなお世話よ、ばあさん」
ナオコ「…何?」
レイ「一人で帰れるから放っといて、ばあさん」
ナオコ「人の事ばあさん、なんて言うもんじゃないわ」
レイ「だってあなたばあさんでしょ?」
ナオコ「怒るわよ、碇所長に叱ってもらわなきゃ」
レイ「所長がそう言ってるのよ、あなたの事」
ナオコ「嘘!」
レイ「ばあさんはしつこいとか、ばあさんは用済みだとか」
レイ(エコー)「ばあさんはしつこいとか、ばあさんは用済みだとか」
レイ「ばあさんは用済み。所長が言ってるのよ」
ユイ「あなたの事。ばあさんは用済みだとか」
レイ(エコー)「所長が言ってるのよ、あなたの事」
レイ(エコー)「あなたの事」
ナオコ「…あんたなんか」

169 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:07:28.40 ID:???.net
マヤ「エ、エヴァ、再起動…」
ミサト「すごい…」
マヤ「まさか…信じられません、初号機のシンクロ率が400%を超えています!」
リツコ「やはり目覚めたのね、彼女が」

170 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:11:57.34 ID:???.net
ミサト「使徒を…食ってる…」
リツコ「S2機関を自ら取り込んでいるというの?エヴァ初号機が…」
マヤ「ううっ!」
リツコ「拘束具が!」
マコト「拘束具?」
リツコ「そうよ。あれは装甲板ではないの。エヴァ本来の力を私たちが押え込むための拘束具なのよ。
その呪縛が今、自らの力で解かれていく…私たちには、もうエヴァを止めることはできないわ…」

171 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:12:37.20 ID:???.net
加持「初号機の覚醒と開放。ゼーレが黙っちゃいませんな。
これもシナリオの内ですか?碇司令」
冬月「始まったな」
ゲンドウ「ああ、全てはこれからだ」

172 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:16:47.50 ID:???.net
レイ「…まだ生きてる…」

173 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:17:59.75 ID:???.net
シンジ「綾波!」
レイ「…」
シンジ「良かった、綾波が無事で…」
レイ「…」
シンジ「あの、父さんは来てないんだ…」
レイ「…」
シンジ「ありがとう、助けてくれて」
レイ「何が?」
シンジ「何がって、零号機を捨ててまで助けてくれたんじゃないか、綾波が」
レイ「そう、あなたを助けたの…」
シンジ「うん…覚えてないの?」
レイ「いいえ、知らないの。
多分私は三人目だと思うから」

174 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:19:29.29 ID:???.net
シンジ「綾波…レイ…?!!!」
ミサト「まさか、エヴァのダミープラグは!」
リツコ「そう、ダミーシステムのコアとなるもの。その生産工場よ」
ミサト「これが!?」
リツコ「ここにあるのはダミー。そしてレイのためのただのパーツに過ぎないわ。
人は神様を拾ったので喜んで手に入れようとした。だから罰が当たった。それが15年前。
せっかく拾った神様も消えてしまったわ。
でも今度は神様を自分たちで復活させようとしたの。それがアダム。
そしてアダムから神様に似せて人間を作った。それがエヴァ」
シンジ「ヒト…人間なんですか!?」
リツコ「そう、人間なのよ。本来魂のないエヴァには、人の魂が宿らせてあるもの。
みんな、サルベージされたものなの。

レイ「…
これが涙?初めて見たはずなのに、初めてじゃないような気がする。私、泣いてるの?…なぜ、泣いてるの?」

魂の入った入れ物はレイ、一人だけなの。あの子にしか魂は生まれなかったのよ。ガフの部屋は空っぽになっていたのよ。
ここに並ぶレイと同じ物には魂がない。ただの入れ物なの。だから壊すの。憎いから。」
レイたち「ウフフフフ…」
ミサト「あんた、何やってるか、分かってんの!?」
リツコ「ええ、分かっているわ。破壊よ。人じゃないもの。人の形をしたものだもの」

175 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:23:51.80 ID:???.net
アスカ「遅い!」
カヲル「はは、ごめんごめん」

176 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:24:54.51 ID:???.net
演奏練習開始時間
 定刻――

177 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:26:32.65 ID:???.net
ヴァイオリン――第一絃

178 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:27:50.72 ID:???.net
カヲル「行こうか」
シンジ「うん」

179 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:28:42.25 ID:???.net
弦楽四重奏

180 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:28:47.50 ID:???.net
 JOHANN PACHELBEL
 Kanon
 D-dur

181 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:31:14.96 ID:???.net
トウジ「済まんな、転校生、わいはお前をなぐらなあかん。なぐっとかな気がすまへんのや」
シンジ「…僕だって、乗りたくて乗っているわけじゃないのに」

トウジ「ほな行こか」

182 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:38:25.90 ID:???.net
ゲンドウ「参号機は現時刻をもって破棄。目標を第13使徒と識別する」

レイ「乗っているわ。彼」

シンジ「使徒…?これが使徒ですか?」
ゲンドウ「そうだ。目標だ」

ゲンドウ「シンジ、なぜ戦わない!?」
シンジ「だって、人が乗っているんだよ、父さん!!」
ゲンドウ「構わん。そいつは使徒だ。我々の敵だ」
シンジ「でも…でも、できないよ!…助けなきゃ…人殺しなんてできないよ!!」
ゲンドウ「おまえが死ぬぞ!」
シンジ「いいよ、人を殺すよりはいい!」
ゲンドウ「構わん。パイロットと初号機のシンクロ率を全面カットだ!」
マヤ「カットですか?」
ゲンドウ「そうだ。回路をダミープラグに切り替えろ!」
マヤ「しかし、ダミーシステムはまだ問題も多く、赤木博士の指示もなく!」
ゲンドウ「今のパイロットよりは役に立つ!やれ!」

183 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:43:40.29 ID:???.net
シンジ「何をしたんだ、父さん!」

オペレータ「システム正常!」
オペレータ「さらにゲインがあがります!」

ケンスケ「トウジのやつ、反省してた。妹に説教されたらしいよ。私たちを救ってくれたのは、あのロボットなのよ、って」

シンジ「やめてよ!!!!!
父さん、やめてよ、こんなのやめてよ!!!!!
クッソォ…止まれよ、止まれ、止まれ、止まれ、止まれ!止まれ!
やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!」

ヒカリ「これにしよっと。明日は食べてくれるかなぁ…」

184 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:50:14.60 ID:???.net
ミサト「シンジ君、何も言えなくてごめんね。
参号機のパイロットは…フォースチルドレンは…」
シンジ「トウジ…?」
ミサト「…シンジ君…シンジ君…」

185 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:52:50.80 ID:???.net
シンジ「僕の父さんって、どんな人ですか?」
加持「こりゃまた唐突だな。葛城の話かと思ってたよ」
シンジ「加持さん、ずっと一緒にいるみたいだし」
加持「一緒にいるのは副司令さ。君は自分の父親のことを聞いて回っているのかい?」
シンジ「ずっと、一緒にいなかったから…」
加持「知らないのか」
シンジ「でも、このごろ分かったんです、父さんのこといろいろと。仕事のこととか。母さんのこととか。だから…」
加持「それは違うなぁ。分かった気がするだけさ。人は他人を完全には理解できない。
自分自身だって怪しいもんさ。100%理解し合うのは、不可能なんだよ。
ま、だからこそ人は、自分を、他人を知ろうと努力する。だから面白いんだなぁ、人生は」
シンジ「ミサトさんとも、ですか?」
加持「彼女というのは遥か彼方の女と書く。女性は向こう岸の存在だよ、われわれにとってはね」

186 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:58:24.47 ID:???.net
リツコ「京都、何しに行ってきたの?」
加持「あれ?松代だよ、そのみやげ」
リツコ「とぼけてもムダ。あまり深追いすると、火傷するわよ。これは友人としての忠告」
加持「真摯に聞いとくよ。どうせ火傷するなら、君との火遊びでね」
ミサト「花火でも買ってきましょうか?」
加持「あー、おかえり」
ミサト「変わんないわね、そのお軽いとこ」
加持「いやぁ、変わってるさ。生きるって事は、変わる、って事さ」

ミサト「加持君、私変わったかな?」
加持「きれいになった」
ミサト「疲れたわ。綺麗な自分を維持するのに。綺麗なフリを続けている自分にもう、疲れたわ。
私は汚れたいの。汚れた自分を見てみたかったのよ」

リツコ「ホメオスタシスとトランジスタシスね」
ミサト「何それ?」
リツコ「今を維持しようとする力と変えようとする力。その矛盾する二つの性質を一緒に共有しているのが、生き物なのよ」
加持「男と女だな」

187 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 22:59:47.08 ID:???.net
加持『葛城、俺だ。多分この話を聞いている時は、君に多大な迷惑をかけた後だと思う。
すまない。リッちゃんにもすまないと謝っておいてくれ。
後、迷惑ついでに俺の育てていた花がある。俺の代わりに水をやってくれると嬉しい。場所はシンジ君が知ってる。
葛城、真実は君とともにある。迷わず進んでくれ。
もし、もう一度会える事があったら、8年前に言えなかった言葉を言うよ。じゃ』
電話『午後、0時、2分、です』
ミサト「バカ…あんた、ほんとにバカよ…」

188 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:02:28.39 ID:???.net
加持「よう、遅かったじゃないか」

アスカ「いい加減なこと言わないでよ!バカシンジのくせに!」
シンジ「だから何度言ったら分かるんだよ!だから、もう加持さんはいないんだってば!」
アスカ「うそ…」

189 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:04:46.87 ID:???.net
カヲル「フンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフーンフフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフーンフフン…(←第9をハミングで)
歌はいいねぇ」
シンジ「え?」
カヲル「歌は心を潤してくれる。リリンが生み出した文化の極みだよ。そう感じないか?碇シンジ君」
シンジ「僕の名を?」
カヲル「知らないものはないさ。失礼だが、君は自分の立場をもう少しは知ったほうがいいと思うよ」
シンジ「そうかなぁ…?あの、君は?」
カヲル「僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ、仕組まれた子供。フィフスチルドレンさ」
シンジ「フィフスチルドレン?君が、あの、渚君?」
カヲル「カヲルでいいよ、碇君」
シンジ「僕も、シンジでいいよ」

190 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:06:46.67 ID:???.net
カヲル「さあ行くよ、おいで、アダムの分身。そしてリリンの僕」

191 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:07:47.44 ID:???.net
マコト「EVA弐号機、起動!」
ミサト「そんなバカな!アスカは!?」
シゲル「303(サンマルサン)病室です。確認済みです」
ミサト「じゃあいったい誰が…?」
マヤ「無人です、弐号機にエントリープラグは挿入されていません!」
ミサト「誰もいない?フィフスの少年ではないの?」
マコト「セントラルドグマに、A.T.フィールドの発生を確認!」
ミサト「弐号機?」
マコト「いえ、パターン青!間違いありません!使徒です!」
ミサト「何ですって?
使徒…あの少年が?」
オペレーター「目標は第4層を通過、なおも降下中!」
シゲル「だめです、リニアの電源は切れません!」
オペレーター「目標は第5層を通過!」
冬月「セントラルドグマの全隔壁を緊急閉鎖!少しでもいい、時間を稼げ!」
アナウンス「マルボルジェ全層緊急閉鎖、総員待避、総員待避!」
冬月「まさか、ゼーレが直接送り込んでくるとはな…」
ゲンドウ「老人は予定を一つ繰り上げるつもりだ。我々の手で」

192 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:09:44.94 ID:???.net
ゼーレ「人は愚かさを忘れ、同じ過ちを繰り返す」
ゼーレ「自ら贖罪を行わねば、人は変わらぬ」
ゼーレ「アダムや使徒の力は借りぬ」
キール「我々の手で未来へと変わるしかない。初号機による遂行を願うぞ」

193 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:11:23.62 ID:???.net
シゲル「装甲隔壁は、EVA弐号機により突破されています!
マコト「目標は、第2コキュートスを通過!」
ゲンドウ「EVA初号機に追撃させろ」
ミサト「はい」
ゲンドウ「いかなる方法をもってしても、目標のターミナルドグマ侵入を阻止しろ」

194 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:14:30.40 ID:???.net
ミサト「しかし、使徒はなぜ弐号機を?」
冬月「もしや、弐号機との融合を果たすつもりなのか?」
ゲンドウ「あるいは破滅を導くためか、だ」

195 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:15:13.24 ID:???.net
シンジ「嘘だ嘘だ嘘だ!カヲル君が、彼が使徒だったなんて、そんなの嘘だ!」
ミサト「事実よ。受け止めなさい。
出撃、いいわね」

196 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:16:09.31 ID:???.net
カヲル「遅いな、シンジ君」

オペレーター「EVA初号機、ルート2を降下!目標を追撃中!」
シンジ「裏切ったな…僕の気持ちを裏切ったな…父さんと同じに裏切ったんだ!」

197 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:17:18.00 ID:???.net
オペレーター「初号機、第4層に到達、目標と接触します」
シンジ「いた!」
カヲル「待っていたよ、シンジ君」
シンジ「カヲル君!
アスカ、ごめんよ!」
カヲル「EVAシリーズ。アダムより生まれし人間にとって忌むべき存在。
それを利用してまで生き延びようとするリリン。僕にはわからないよ」
シンジ「カヲル君!やめてよ、どうしてだよ!」
カヲル「EVAは僕と同じ体でできている。僕もアダムより生まれしものだからね。
魂さえなければ同化できるさ。この弐号機の魂は、今自ら閉じこもっているから」
シンジ「ハッ…A.T.フィールド…!?」
カヲル「そう、君たちリリンはそう呼んでるね。なんぴとにも侵されざる聖なる領域、心の光。
リリンもわかっているんだろ?A.T.フィールドは誰もが持っている心の壁だということを」
シンジ「そんなの分からないよ、カヲル君!クッ!
うわぁぁぁ!」」

198 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:18:28.61 ID:???.net
オペレーター「EVA両機、最下層に到達」
オペレーター「目標、ターミナルドグマまで、後20」
ミサト「初号機の信号が消えて、もう一度変化があったときは…」
マコト「分かってます。その時はここを自爆させるんですね。サードインパクトが起こされるよりはマシですから」
ミサト「すまないわね」
マコト「いいですよ、あなたといっしょなら」
ミサト「ありがとう」

199 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:19:21.09 ID:???.net
カヲル「人の宿命(さだめ)か…人の希望は悲しみに綴られているね…」

200 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2017/03/28(火) 23:19:41.45 ID:???.net
ミサト「どういうこと!?」
マコト「これまでにない強力なA.T.フィールドです!」
シゲル「光波、電磁波、粒子も遮断しています!何もモニターできません!」
ミサト「まさに結界か…」
マヤ「目標およびEVA弐号機、初号機共にロスト、パイロットとの連絡も取れません!」

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