【経営破綻】SuperGT日産アンチスレ part6【撤退】

414 ：音速の名無しさん：2021/05/04(火) 14:31:01.70 ID:x9cZGMBk0.net

富士スピードウェイで迎えた第2戦
日産全体の予選最高順位7位
スタンドにこだまするファンのため息、どこからか聞こえる「今年は0勝だな」の声
車をしまい始めるピットクルー達の中、千代は独りコックピットで泣いていた。
SGTで手にできるはずの栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチーム・・・
それを今の日産で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」千代は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、千代ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいシートの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってブリーフィングをしなくちゃな」千代は苦笑しながら呟いた
GT-Rから降りて伸びをした時、千代はふと気付いた

「あれ・・・？お客さんがいる・・・？」
ベンチから飛び出した内川が目にしたのは、スタンドを埋めつくさんばかりの日産応援団だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように「GT！！日産！！」の応援が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする千代の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「カツマサ、練習走行だ、早く行くぞ」声の方に振り返った千代は目を疑った
「も・・・本山さん？」 「なんだチヨ、居眠りでもしてたのか？」
「お・・・オリベイラさんに、安田さん？」 「なんだ千代、そんなにビックリしやがって」
「柳田さんまで500に・・・」 　千代は半分パニックになりながらエントリーリストを見た

12号車 松田次生 J.P.オリベイラ
23号車 本山哲 B.トレルイエ
24号車 安田裕信 千代勝正
46号車 柳田真孝 R.クインタレッリ

暫時、唖然としていた千代だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
ビルドハイムからステアリングを受け取り、マシンに飛び乗る千代、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっているV8NAが発見され、FIA GT1とDTMは病院で静かに息を引き取った