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【新ジャンル】「台詞系SS総合スレ」( ^ω^)

1 :創る名無しに見る名無し:2010/08/03(火) 11:42:40 ID:US9tVtIP.net
ここは新ジャンル系、ブーン系、台詞系の総合スレです

単発スレを立てる前に、まずはこのスレの利用を検討してみて下さい
また、単発スレを立てたい方は↓の≪単発スレについて≫をお読み下さい


≪過去スレ≫
台詞系SS総合スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1250934033/

≪注意点≫
このスレは常時age推奨です


≪単発スレについて≫
創作発表板はVIPと違い、放っておいてもスレが落ちません
新ジャンルなど台詞系の単発スレを立てるときは、
そのスレを>>1000か容量いっぱいまで投下する心づもりで

319 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 19:53:58.65 ID:R/RosYiF.net
【20××.12.31 23:55】

女『こんばんわー』

女『今年も残すところあと僅かですね!!』

男「おう、今日だけなんか時間が違うな」

女『今日だけはね、年越しをあなたとしたいなって思って』

女『いつもちょうどの時間に録音してたんだけど、今日だけ特別!!』

男「いやあ、今日は朝からヒマでヒマでね」

女『年越すぞー』

男「おおー」



320 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 19:59:12.31 ID:R/RosYiF.net


女『あと5秒!!』

女『せーのお』

男「ハッピーニューイヤー!!」

女『新年明けましておめでとうございます!!』

男「ハモらなかった…」

女『いやあ、今年もどうぞよろしくお願いします!!』

男「はあい、こちらこそ」

女『でも一緒に新年を迎えてるってのに、年号が違う、干支が違うって変な気分』

男「んー」



321 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 20:08:06.63 ID:R/RosYiF.net


女『ズバリ!!今年の目標は!!』

男「おお」

女『ああ、時間がない』

女『今年の目標は、CMの後で!!』

ガチャリ

男「…」

男「引っ張るねえ」

男「1月1日のテープは、と」

カチャカチャ

男「昼じゃねえか!!」



322 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 20:24:30.04 ID:R/RosYiF.net
【20××.1.1 12:00】

女『おはよう!!』

男「寝てたのか」

女『朝寝は最高ですね!!』

女『しかもコタツで!!』

男「ちくしょう、羨ましい」

女『今からおせちを食べるよ』

男「おお、作ったのか」

女『作ったのはちょっとだけ』

女『ほとんどお惣菜です』

男「なんだ、そっか」



323 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 20:28:57.92 ID:R/RosYiF.net
女『でも年末に買いこんでおいて正解だったわ』

女『しばらく外出しないだろうし』

男「まあ閉まってるしな、店も」

女『太っちゃうう』

男「運動しなさい」

男「って、おれも偉そうに言えないけども」

女『でもね、正月くらいはね、いいよね』

女『さあさあ、熱燗もいっちゃうよ〜』

男「おおおい、大丈夫かよ」

女『うひょ〜』

男「早いよ、酔うのが」



324 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 20:35:58.81 ID:R/RosYiF.net
女『という訳で、今年の目標は、太らず!!楽しく!!おいしく!!』

男「地味に語呂が悪いぞ」

女『お酒ももう少し飲めるようになりたいし』

男「うんうん」

女『頭痛も最近やわらいできてるみたいで調子いいし』

男「…うんうん」

女『料理もうまくなりたいし!!』

男「そこ重要だね」

女『いい一年にするぞ!!』

男「頑張れよ」



325 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 20:41:47.72 ID:R/RosYiF.net
【20××.1.10 14:00】

女『今日、町の方で成人式やってたよ』

男「ああ、ニュースでも、どこもかしこも成人式だな」

女『ああ、懐かしいなあ』

男「ほんの数年前だろ」

女『あなたは成人式、行った??』

男「ああ、退屈だった記憶しかないけどな」

女『私ね、成人式行けなかったんだあ』

男「どうして」



326 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 20:46:29.79 ID:R/RosYiF.net
女『インフルエンザにかかっちゃってね』

男「ああ〜」

女『昔から体は弱い方だったからなあ』

女『着物も予約してたのに、あ〜あって感じ』

男「そりゃあ残念だったなあ」

男「やっぱ女の子にとっては大イベントなんだろうか」

女『大きくなって、初めて泣いちゃった』

男「ん…」

男「残念だったな」

女『結婚式では絶対キレイな着物着るんだから!!』

男「おお、着物派か」

女『ドレスも可!!』

男「どっちでもいいのか」



327 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 20:54:51.72 ID:R/RosYiF.net
【20××.2.11 13:00】

女『先輩にバレンタインチョコをあげるべきか否か!!』

男「ううーん」

女『あなたなら、どっち!?』

男「懐かしいな」

女『どっち!?』

男「義理であげとけば??」

女『…』

女『義理じゃないの…複雑なの…』

男「なんで俺の言ったことがわかるんだよ」

女『あなたにあげたいなあ』

男「もらえるもんならもらいたいよ…」



328 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 21:00:14.34 ID:R/RosYiF.net
女『手作りって、重いかなあ』

男「別に、いいんじゃね」

男「手作りで義理チョコ作る人だっているだろ」

女『…』

男「あ、手作りはやめとけ、わりとマジで」

女『頑張ってみようかな!!』

男「やめとけって」

女『よし、材料買ってくる!!』

男「あああ、もうオチが見えちゃう…」



329 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 21:06:18.42 ID:R/RosYiF.net
【20××.2.12 16:00】

女『手作りチョコってどうやって作るの!!』

男「…」

女『なんでレンジの中がチョコまみれになるの!!』

男「…」

女『湯せんってなに!!』

男「…」

女『もうやだ!!』

男「ど、ドンマイ」

女『買ってきたチョコ配るもん!!』



330 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 21:18:51.29 ID:R/RosYiF.net
―20××.2.14―

編集「先生、なかなか反応いいですよ」

男「あ、本当ですか??」

編集「ええ、次の週が楽しみだってファンレターが、去年の倍届きました」

男「へえーえ」

男「なんか実感わかないですね」

編集「あはは、これから実感することになりますって」

男「だといいんですけど」

編集「あ、先生、これ」

男「え??」

編集「バレンタインですので、ね」

編集「チョコレートです」

男「あ、ありがとうございます」



331 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 21:25:32.25 ID:R/RosYiF.net
編集「ふ、深い意味はないので…」

男「そうですか…」

男「…」

編集「…」

編集「あ、すみません、迷惑だったら」

男「いや、頂きます」

男「嬉しいです、ほんとに」

編集「え、えへへ」

男「甘いもの、好きですし」

編集「よかったです♪」



332 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 21:31:21.42 ID:R/RosYiF.net
【20××.2.14 20:00】

女『おいっす』

男「おいっす」

女『チョコ配ったら、みんな喜んでくれたよー』

男「おれも一個もらったぜー」

女『お返し楽しみ♪』

男「…」

男「お返しか…考えてなかった」

女『ま、こういうものは気持ちよ、気持ち』

男「そうだよな」



333 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 21:37:39.29 ID:R/RosYiF.net
女『あなたはいくつもらった??』

男「一個だよ」

女『ファンの人からもらったりしないの??』

男「んーそういうのは届いてんのかなあ」

男「男か女かわからないようなペンネーム使ってるしね」

女『お返しはしっかりしなきゃダメだよ!!』

男「へいへい」

女『真心!!』

男「はいはい、真心ね」

女『ままごとじゃないよ!!』

男「はいはい」



334 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 21:47:17.16 ID:R/RosYiF.net


男「はあーあ」

編集「どうしたんですか、先生」

男「ああ、ちょっと煮詰まっちゃってね」

編集「はあ…」

編集「でも、まだストックはあるんですから、そんなに焦らなくても」

男「ねえ、これ面白い??」

編集「え」

男「これ、面白いかな」

編集「ええ、私は面白いと思いますよ」

男「僕も、この世界観はとても気に入ってるんだ」

編集「ええ、いいことですね」



335 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 21:55:21.35 ID:R/RosYiF.net
男「じゃあさ、読者は何を求めてるのかな」

男「この小説に」

編集「え…」

男「ハッピーエンド??どんでん返し??鬱な展開??」

男「それとも思いっきりSF方面に進んじゃう??」

編集「あ、ええと、鬱な展開は先生のカラーではないかと」

男「僕のカラーの話じゃなくてさ、この小説はどう終わるべきか、って話」

編集「ええと、私のような意見が参考になるとは思えませんが…」

男「いいんです、言ってください」



336 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 21:59:06.71 ID:R/RosYiF.net
編集「これ、読者は主人公の男性に感情移入して読むわけですよね」

男「多分ね」

編集「となると、相手の女性がとても気になるわけですよね」

男「うん、そうだね」

男「僕も、そうだ」

編集「え??」

男「ああいや、気にしないで」

編集「ですから、相手の女性はもともと知っている人間のうちにいるってのはどうでしょう」

男「つまり、どんでん返し系だね??」

編集「ええまあ、私の個人的な好みの問題なんですが」

男「でも、そうなると声で気づかなかったってことだよね」

編集「うう、やっぱり苦しいですかね」



337 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 22:04:06.50 ID:R/RosYiF.net
男「僕の頭から離れないバッドエンドがあるんだけど、一応聞いてくれる??」

編集「え、ええ」

男「男は毎日テープを聞いているうちに、自分の生活と彼女の話に違和感を感じ始める」

編集「…」

男「彼女が話す内容と現実に少しずつずれが生じるというか」

編集「…」

男「そこで確かめてみると、彼女はずっと病院にいたことがわかる」

男「テープはずっと病室で録音され続けていたんだ」

編集「…」

男「っていうものなんだけど、どうだろう」

編集「…」



338 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 22:09:10.76 ID:R/RosYiF.net
編集「先生らしくありません」

男「いや、僕らしさはこの際どうでもいい」

男「この終わり方は、受け入れられるだろうか」

編集「そうですね、面白いと思います」

男「そうか…」

編集「でも、先生は書きたくないんでしょう??」

男「ん」

編集「書きたくないものは、書かなくていいんじゃないでしょうか」

男「ありがとう」

編集「でも先生が選んだストーリーなら、私はいいと思いますよ、なんでも」



339 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 22:14:12.58 ID:R/RosYiF.net
男「もう一つあるんだけど」

編集「それも、バッドエンドですか??」

男「ええまあ、そうですね」

編集「どんな??」

男「途中まではちゃんと家での録音で、タイムカプセルは正常に作動しているわけですが」

編集「正常に作動…面白い表現ですね」

男「いつからか、彼女の未来日記になってしまうんです」

編集「つまり…書いてある日付が嘘、ということですか」

男「うん」

編集「それで、彼女は」

男「最後のテープを録音した後、死んでしまうんです」

編集「…」



340 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 22:22:03.32 ID:R/RosYiF.net
男「だめですよね、やっぱり」

編集「だめってことはありませんよ」

編集「先生はご自分の好きなように書いてください」

男「んん…」

編集「無理やりハッピーエンドにしたい理由でもあるんですか??」

男「いや、別に…」

編集「確かに先生はほのぼのとしたハッピーエンドがカラーかもしれませんが…」

男「うん、その路線で行くつもりだったよ」

編集「いろいろなカラーを早く試してみてもいいんじゃないでしょうか」

編集「まだまだ新米ですからね」

男「ははww」

編集「嫌味じゃないですよ」

男「わかってるって」



341 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 22:27:09.82 ID:R/RosYiF.net


男「あれから、試行錯誤して、なんとか形になりそうだ」

女『でねー』

男「君に、おれの言葉が届いたら、本当にいいんだけどなあ」

女『あはは』

男「小説のことも、君に対する気持ちも、話してしまえればいいのに」

女『そしたらマキさんがねー』

男「なんで…」

女『www』

男「聞いてくれないんだろうね、君は…」

女『そういえば最近ゴウちゃんが元気ないの…』

男「おれの話も、聞いてくれよ…」



342 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 22:38:05.60 ID:R/RosYiF.net
男「これが…最後のテープか…」

【20××.3.19 18:00】

女『こんばんは』

男「おう」

女『今日でこのテープも、ちょうど一年だね』

男「ああ、そうか」

女『あなたは、全部、聞いてくれた??』

男「ああ、全部聞いたよ」

女『えへへ、楽しかったよ』

男「…おれもだよ」

女『私謝らないといけないことがあるの』

男「え」

女『ごめんね』

男「どういうこと??」



343 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 22:43:39.09 ID:R/RosYiF.net
女『私、ひとつだけ、あなたに嘘をついたの』

男「嘘??」

女『私、どうかしてたんだわ』

女『あなたがこのテープを聞いてくれなかったら、タイムカプセルは永久に地面の中』

女『それは、嫌だったの』

女『だから、あなたが私の声を聞いてくれますようにって、嘘をついたの』

女『単なる私のわがままなんだけど…ね』

女『結局嘘でしたって、言ってなかったのよね』

男「どういうことだ??」

女『でもきっとあなたは、もうわかってるんじゃないかしら』

女『許してくれる??』

男「許すもなにも、嘘って何なんだ」



344 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 22:49:29.45 ID:R/RosYiF.net
男「嘘…」

男「まさか…やっぱり君は日付を…」

男「いや、それとも、毎日の出来事は全部ただの妄想だったのか??」

男「やめてくれ…君は…元気で…このテープに言葉を吹き込んでいてくれなきゃ…」

女『本当にごめんなさい』

男「嫌だ、そんなの」

男「君はどこにいるんだ」

男「病院なんかにいないでくれ」

男「いや、元気で、生きていてくれよ!!」

男「じゃなきゃ僕は…」



345 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 22:55:13.78 ID:R/RosYiF.net
女『あともう一つ、謝らなきゃ』

男「え」

女『今日、あなたの世界では「土曜日」よね??』

男「あ、ああ、確かに今日は土曜日だ」

女『ということは、あなたの世界にいる私も、土曜日なわけ』

男「君の、1年後の、君か」

女『私のわがままに付き合ってくれる??』

男「わがままって、何の」

女『ずっと私の言葉を受け止めてくれていたあなたに、正面からぶつかってみたくなったの』

女『このテープが終わったら、あなたに会いに行くわ』



346 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/14(土) 23:04:06.91 ID:R/RosYiF.net
男「…」

男「は??」

女『ごめんね』

女『もし嫌だったら、居留守でも使ってね』

女『チャイムを鳴らして、あなたが出なかったら、諦めるから』

男「お、おいおい、マジか」

女『この家にいるあなたがテープを聞いていなかったら、すぐに帰るから』

女『じゃあ、1年間、楽しかった』

女『ありがとう』

男「お、おい」

女『じゃあね』

ガチャリ

男「…」

男「じゃあ、君の言った嘘っていうのは…」

そういえばもうすぐ4月だな、と、なぜかふとカレンダーに目がいった。

男「4月…嘘…4月…嘘…」

チャイムが鳴った、気がした。

★おしまい★


347 :創る名無しに見る名無し:2011/05/14(土) 23:45:22.35 ID:xhu+HdKi.net
四月…まさか!

乙でした!楽しかったのです!

348 :創る名無しに見る名無し:2011/05/15(日) 02:03:03.79 ID:P9/EKPd1.net
乙!
しかしオチの意味が解らない

349 :創る名無しに見る名無し:2011/05/15(日) 08:21:32.72 ID:8r1eoFru.net


350 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/15(日) 10:51:37.30 ID:JCrdI0c1.net
楽しんでいただけてよかったです
よかったらこちらも見てみてね
http://hamham278.blog76.fc2.com/

>>348
女『私、ひとつだけ、あなたに嘘をついたの』
 ↓
嘘をつくと言えば何月何日??
 ↓
その日のテープで言ったことは嘘だった
 ↓
なんだうそか

351 :創る名無しに見る名無し:2011/05/15(日) 11:00:04.96 ID:Z0Z1jjuh.net
なんだうそか

352 :創る名無しに見る名無し:2011/05/15(日) 22:02:07.61 ID:P9/EKPd1.net
>>350
解説ありがとうございます。

全然関係ない深読みしてた自分が恥ずかしい・・・

353 :創る名無しに見る名無し:2011/05/15(日) 23:26:08.67 ID:q1NPUozJ.net
>>352
kwsk

354 :創る名無しに見る名無し:2011/05/16(月) 00:37:13.78 ID:6CF6FNWe.net
>>353
普通に去年まで住んでたのが編集で去年のは途中までしかなくてこっそり編集が今年のを置いてったとかそういうのを妄想してた・・・

355 :創る名無しに見る名無し:2011/05/16(月) 01:02:00.19 ID:GJuPhmqb.net
>>354
だいたい一緒で焦った。

356 :創る名無しに見る名無し:2011/05/16(月) 18:58:11.92 ID:lAgwsTHp.net
>>354-355
終盤だけど>>336

357 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/16(月) 22:15:50.10 ID:kUtoqd0S.net
若干ミスリードのつもりでその辺書いていましたが、
今後の参考にさせてもらいます
色んな読み方があるっていう方が面白いですもんね

358 :創る名無しに見る名無し:2011/05/18(水) 16:58:11.10 ID:2M2Yzecb.net
久々にいいもん読んだわ

359 :創る名無しに見る名無し:2011/05/19(木) 04:15:16.15 ID:v4Bxt3j/.net
乙でした! 
すごく面白かった。引き込まれた

途中からメタ展開をほのめかせるのも、いいスパイスだったし

何より、作家とテープの彼女のキャラがとてもいい。セリフが秀逸!

エンディングを描ききらないってのもニクいですw

GJでした! よかったら、また書いてくださいな♪

360 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/05/19(木) 21:39:37.66 ID:cgAuz6xJ.net
ありがとうございます
褒められるってのは嬉しいもんですね
落ちるのを気にせずのんびり投下できたってのは新鮮でした
またここでなにか書きたいと思います

361 ::2011/05/22(日) 00:03:22.43 ID:L8om4mfN.net
次投下していい?

362 :創る名無しに見る名無し:2011/05/22(日) 00:42:16.63 ID:EVpfe82Z.net
どうぞ

363 :創る名無しに見る名無し:2011/05/22(日) 01:10:15.62 ID:EVpfe82Z.net
むしろ書いてください

364 ::2011/05/22(日) 01:23:16.72 ID:L8om4mfN.net
では失礼して。遅筆だがすまん。


新ジャンル「似非ビッチ」

 ○早朝の通学路にて 

男「今日から新学期。心機一転、頑張るか!」
 ドンッ
女「痛っ!」
男「あっ、すみません」
女「っ……。『あっ、すみません』じゃねえよ。ぶつかっておいてふざけんなよコラ」
男「え……ちょっと。元々そっちが当たってきたんじゃないか」
女「あ? なぁお前、もしかして今あたしになんか言った?」
男「いえ、何でもないです……。(何このビッチ怖い……)」

365 ::2011/05/22(日) 01:24:02.09 ID:L8om4mfN.net
 ○退屈という名のありふれた日常が支配するはずの教室で

男「はぁ、朝から変な女に絡まれちゃったな。思わず逃げ出しちゃったけど大丈夫かな」
友「よう、なんか朝っぱらからお疲れだな」
男「友か、おはよう。それがさぁ、今日学校来る途中で女にぶつかっちゃって、なんか因縁つけられたんだよね」
友「へぇ、それは災難だったな。女といえば今日このクラスに転校生が来るらしいぞ」
男「ふーん、良く知っているな」
友「ばか、今クラスの連中はその話でもちきりだぞ。知らんのはお前だけじゃねーの」
男「そうか、まあ正直あんまし興味ないからね」
友「けっ、つまんねーやつだな。人生損してんぞ」
男「余計なお世話。それよりそろそろ先生が来る時間だぞ、席に戻った方がいいんじゃないか?」
友「あ、ああ、そうだったな。そうするか」
 ガラッ
男「(チャイムが鳴るのと同時に扉が開いたな。まるで計ったかのようだ)」
先生「皆さんおはようございます。転校生を紹介しますね。今日から皆さんのクラスメートとなる女さんです。仲良くしてあげてください」
女「……よろしく。ただの人間には興味ねぇ。以上」
男「げ……。(さっきの女、だと……?)」
先生「女さんの席は男くんの隣です」
男「げ……。(よりにもよって隣とかないわ……)」
女「ん、お前……また会ったな。せいぜい仲良くしようじゃねぇか?」
男「はい……(なんという邪悪な笑顔……)」

366 ::2011/05/22(日) 01:26:06.76 ID:L8om4mfN.net
 ○お昼休みのチャイムが鳴る

男「はぁ……(あの女、授業中たびたびこっち見てきやがって、何のつもりだよ……。まあ昼休みは購買で何か買って、どっかに隠れてやり過ごすか……)」
女「おい、お前」
男「ぅ、僕に何かご用でしょうか……。(俺なんでこんな下手に出てるんだろ……)」
女「は? 用があるから声かけたに決まってんだろ。実は今日さぁ、あたし昼食持ってきてないんだわ」
男「はい? あの、すみません……。女さんが何を言いたいのか分かりかねます……」
女「あぁ?! かねますとか分かりにくい言葉使ってんじゃねーよ、男!」
男「ひぃっ……(怖っ! つか会った初日から呼び捨てかよ!)」
女「まあいい。とにかくあたしの分の昼食買ってこい」
男「(ははん……分かったぞ。このビッチ、これから俺をパシリとして良いように使おうって訳だ。冗談じゃない。ここは強気な態度でもって、俺の厳然たる意思を示さなくてはならない

な……)」
女「どうした? 早く買ってこいよ」
男「えっ……あ、そういうのは、その、困ります……」
女「あ?」
男「行ってきまーす」

367 ::2011/05/22(日) 01:30:33.98 ID:L8om4mfN.net

 ○購買部へパシリ→教室に帰還

男「はぁ、疲れた……。(あんまり使わないから知らなかったけど、購買って学食より混んでるのな……)」
女「おせぇし。ちゃんと買ってきた?」
男「ああ……いえ、ハイ……」
女「悪かったな。無理やり頼んだみたいで」
男「いえ……。(無理やり頼んだ”みたいで”? いや、何も言うまい……)それで、お代の方なんですけど……」
女「お代?」
男「いえ、あの、500円で良いですので。(ホントは800円したんだけど)」
女「ああ……。悪い、今あたし日本円持ってないんだよね。また今度でいい、よなぁ?」
男「え、あ、はい……全然大丈夫、です……(値引きしてやったのに踏み倒す気満々、と……)」



368 ::2011/05/22(日) 01:33:45.43 ID:L8om4mfN.net
今日はここまでで失礼します。

369 :創る名無しに見る名無し:2011/05/22(日) 01:38:16.58 ID:OXLR4s7B.net


370 ::2011/05/22(日) 08:37:59.12 ID:L8om4mfN.net


 ○放課後ふわふわタイム

女「おい、男」
男「はい、女さん。なんでしょう?(たった一日でこの上下関係が板についてしまうとは……我ながら情けない)」
女「お前んちってあたしの家と方向同じみたいなんだよ。だから一緒に帰るぞ」
男「あ、はい。(放課後、女の子と二人きりで下校。一見して誰もがうらやむシチュエーション……だが)」
女「おい、さっさとあたしの鞄持てよ。もたもたすんな」
男「……はい。(ち、畜生……)」



371 ::2011/05/22(日) 08:39:11.26 ID:L8om4mfN.net

 ○下校中、唐突に

女「おい、男」
男「はい。(さっきまで無言だったのに、突然なんだろ?)」
女「もうここでいい。付いてくんな」
男「え、どうしてですか?(まあ、そろそろお暇しようと思ってたとこだけど)」
女「いいから鞄返せ! 付いてくんなよ!!」

男「ちっ、なんだよ一体……。(あ……生徒手帳落としていったみたいだ。……しかたない、追いかけて渡してやるか)」



372 ::2011/05/22(日) 08:40:18.14 ID:L8om4mfN.net

 ○手帳を返そうと

男「女さーん!」
女「男?! ざけんな、付いてくるなって言っただろが!」
 ダッ
男「えっ! なんで走るんですか?!」
女「走ってなんかいねーよ! これはいわゆる競歩ってやつだ!!」
男「あ、それどうでもいいんで! とにかく逃げるの止めてください!(傍から見たらストーカーしてるようにしかねーんだよ!)」



373 ::2011/05/22(日) 08:52:53.86 ID:L8om4mfN.net
 ○女、転ぶ 
 
女「あぅっ!!」
男「あ、女さん! 大丈夫ですか?!」
 パンッ
男「(……手を払いのけられた……。)」
女「勝手にさわんじゃねーよ!! 穢れんだろうが!!! 
男「(むっ……。)ああ、そうかよ……勝手にしろ。せっかく助け起こそうとしてやってんのになんだよその態度。女だと思って下手に出てやればつけあがりやがって、もう知らねぇ」
女「え……」
男「ほらよ、お前の生徒手帳だ。さっき落したんだよ」
女「あ……」
男「そうか、汚らわしい俺が触ったもんなんていらねぇよな。まあそれについては処分するなり好きにしろ。だがな……俺たちはもう教室で会ってもお互い空気だから。じゃあな、女さん」

女「ま、待てよ……」



374 :創る名無しに見る名無し:2011/05/22(日) 10:28:31.55 ID:OXLR4s7B.net
似非要素きた

375 ::2011/05/22(日) 15:33:57.02 ID:L8om4mfN.net

 ○女なんか知らないから無視して帰る

女「待てってば! あたしがなんかしたんなら謝ってあげてもいいから!」
男「……。(どこまでも上から目線。救えないビッチだな。どうせ謝る理由も、便利なパシリがいなくなるのが嫌なだけだろ)」
女「おい男! こっち見ろよ!!」
男「……ベタベタ触んじゃねーよ」
 ドンッ
女「きゃっ」
男「あ……ごめ……(いや、何を助け起こそうとしてんだ俺……。自業自得だろ)」
女「待ってよ、男……」
男「……。(帰ろう……)」
女「待って……違うんだよ……」
男「…………。」



376 ::2011/05/22(日) 15:44:34.62 ID:L8om4mfN.net

 ○女≠ビッチ

女「待っ……Otoko! Please……! Please wait for me!!」

男「……え?(英語……?)」
女「I'm sorry!! I'm sorry!! Please forgive me!! っ……わぁぁぁん!!!」
男「え? ちょ、はい?!(なんで急に流暢な英語で涙ながら謝罪すんの? うわ、人集まってきてるし、どうすんのこれ……?)」
女「わああああああん!! I'm sorry!! Excuse me……Please!! Please!!」

男「ちょ、ちょっと女さん! こっち来て!!」



377 :創る名無しに見る名無し:2011/05/23(月) 18:07:20.45 ID:/I+19iBr.net
なん…だと…

378 ::2011/05/23(月) 22:15:35.81 ID:73HvVKbQ.net
遅筆ですみません。



 ○野次馬から退避、事情を聴く

男「ふぅ、ここまで来れば大丈夫か」
女「…………」
男「……色々聞きたいが、まずこれに答えてくれないか?」
女「Ok……」
男「あのさ……勘違いかもしれないけど、女ってもしかして日本人じゃないの?」
女「No. Half of my blood is a ********……」
男「や、英語はやめて日本語で。学校で英語を習ってるからって皆が皆、英会話が出来ると思うなよ?」
女「…………」
男「どうして黙ってる?」
女「男……。あたしが日本語で話してもブチギレない?」
男「(ブチギレ……?)ああ、怒らないよ。だから日本語で話してくれ」
女「分かった、今日だけだぞ」
男「なんでだよ……(何故か急に女が元気になったような……?)」


379 ::2011/05/23(月) 22:16:13.87 ID:73HvVKbQ.net

 ○女は語る

女「……実は、あたしには半分しか日本人の血が流れてないんだよ」
男「つまり、ハーフってことだな?(だとしたら妙な日本語も納得がいくが……。)」
女「…………」
男「あ、すまん。喋りたくない事情があるなら無理に言わなくても……」
女「いや、ちょっと某クイズミリオネアの某ミノさんみたいに答えを渋ってただけだが」
男「じゃあファイナルアンサーって聞けよ。つか某の意味ねぇ!」
女「OH、ナイスボケ!」
男「ツッコミだっつーの!(疲れる……)」


380 ::2011/05/23(月) 22:18:15.53 ID:73HvVKbQ.net


 ○女は語る2

女「そう……なんと、あたしはハーフだったんだわ」
男「そうだったのか」
女「反応薄い。それじゃあ芸人として失格と言わざるを得ない。やり直せ」
男「うるせぇよ。じゃあお前、そのてっきり染めてると思ってたブロンドの髪も地毛なのか?」
女「地毛? ああ、本物の髪の毛ってことな。あたぼーよ」
男「あたぼーって。お前、誰に日本語習ったんだよ」
女「日本語は人から教わるものじゃねぇ……自分で覚えるものなんだよ」
男「ドヤ顔で語ってる所悪いが、お前に日本語の何が分かるんだと俺は言いたい」

381 ::2011/05/25(水) 22:13:18.63 ID:M2ZYU7VY.net

 ○男、感想を言う

男「しっかし、日本語のイントネーションは日本人と遜色はないんだよなあ」
女「ばっきゃろ、褒めても何もでねーっつの」
男「何もいらねぇ。つか勘違いすんな、お前の日本語はかなり致命的な問題があるんだからな」
女「地名的? ああ、方言ってやつだろ。知ってる知ってる」
男「(駄目だこいつ、早く何とかしないと……)」


382 ::2011/05/25(水) 22:13:50.49 ID:M2ZYU7VY.net
 ○男、話をまとめる

男「えーと、それじゃあ何か? 全て誤解だったってことか?」
女「ゴカイ? おいおい、ここは地上だから一階だろ」
男「鼻で笑ってるのはこの際許すが、間違ってるのはお前の方だからな?」
女「何、だと?」
男「まあ、それはいい。本当はよくないけど。とにかく、俺は今までのやり取りでお前の日本語を大体理解した」
女「発言を許可する。申してみよ」
男「…………。まず言葉遣いが男らしすぎ。続いて用法間違えすぎ。おまけに発音が良いのが逆にたちが悪い」
女「つまりあたしは……」
男「そうだ、お前は……」

女「賞賛されている?」

男「もうやだこの子」

383 :創る名無しに見る名無し:2011/05/25(水) 23:09:27.19 ID:/1HRJKxp.net
この女は萌えた

384 :創る名無しに見る名無し:2011/05/26(木) 22:34:38.83 ID:/7I4vtp0.net
続きを

385 ::2011/05/26(木) 23:33:33.29 ID:xeui1Ejl.net
>>383,384
読んでくれてありがとう
書きため分が思いのほか早く尽きて新たに書いてるので遅れます。
申し訳ないですがしばらくお待ちくださいませ。


386 :創る名無しに見る名無し:2011/05/27(金) 19:51:24.56 ID:Hk+59Z9r.net
待ってる

387 ::2011/05/27(金) 21:42:16.91 ID:8OAMFBzK.net

 ○初めての友人?

男「まったく……。昨日転校して来たばかりで酷なようだが、俺はお前に友人が出来るか心配だよ」
女「馬鹿、余裕だっつーの。もう初日で友達が一人出来たしな」
男「おお、やるな! うちのクラスのやつか?」
女「……まあ、そうだな。で、その友達ってのが目の前のおm、」
男「それじゃあ俺は晴れてお役御免だな! 明日からはそいつに面倒見てもらえよな」
女「…………。あー……男、今のは嘘だ」
男「なんだよ? 見栄張ったのか?」
女「うるせぇ黙れ。いいから俺とお前は今から友達、そうだろう? なぁ?」

男「まず恐喝はやめろ。話はそれからだ」


388 ::2011/05/27(金) 21:43:57.06 ID:8OAMFBzK.net

 ○また今日も学校へ

男「はぁ……身体がだるい……。(昨日はなんだかんだでアイツに付き合ってて疲れたな……)」
友「よう、男。おはよう」
男「友か、おはよう。珍しいな、こんな時間に教室に来てるなんて」
友「おう、今日は早めに目が覚めたからな。それよりお前、元気ないぞ」
男「そう見えるか? 確かに疲れてはいるが、元気がないという訳じゃないんだが」
友「転校生……女の件か?」
男「……どうしてそれを知ってるんだよ」
友「まあ、な。ここだけの話……あの女には気をつけろよ、男」
男「ん? そいつはどういう意味だ?」
友「女って転校して来る前は色んな親父と寝てたらしいぜ」
男「は? なんだって?」
友「だから、縁交だって。やだよなぁ、うちの学校でも何人かやってそうなやついるけど、実際に身近にいるとなると嫌悪感が半端ないよな」
男「おい、ただの噂だろ。そんなの本気にするなよ。(とはいえ、アイツのことを良く知らないうちに聞いたらそう思うのも無理ないか……)」
友「だってよ、クラスの女子が言うには本人から聞いたって話だぜ?」
男「(女のやつ、また誤解を招くような発言を……。)友、それは何かの間違いだから鵜呑みにするなよ」
友「やけに女を庇うんだな……。お前、まさか……」
男「何を言おうとしてるのか分からないが、それを俺は全力で否定する」
友「本当かねぇ。……あーっと、しまった! 数学の課題やってなかったんだった、急いでやらないと!」
男「え、今日は課題なんて……」


389 ::2011/05/27(金) 21:45:47.06 ID:8OAMFBzK.net

 ○知らぬが仏というが

女「おい、男。てめぇ、今何を話してたんだ」
男「うおっ、びっくりした! べ、別に聞いて面白い話でもないよ。(流石にこれは言えねーよな……)」
女「ふーん……このあたしに隠し事とはいい度胸だなぁ、おい」
男「いやいや、隠し事なんてしてないって。それよりおはよう」
女「おう。ところで昨日の約束は覚えてるか? 忘れてたらねじり殺す」
男「ちゃんと覚えてるからそれはやめてね」



390 :創る名無しに見る名無し:2011/05/27(金) 22:07:17.94 ID:Hk+59Z9r.net
続きを期待

391 :創る名無しに見る名無し:2011/05/29(日) 02:53:14.87 ID:6kOlJWzv.net
書き溜め中かな?

392 ::2011/05/29(日) 14:41:57.38 ID:iDFXL6cB.net
てすと

393 ::2011/05/29(日) 14:46:15.79 ID:iDFXL6cB.net


 ○昨日の話

男「約束って、友達作りと日本語指南の話だろ?」
女「そうだ、よく覚えていたな。特別に褒めてやんよ」
男「そいつはありがとよ。だが具体的に何をすればいいんだ?」
女「そうだな、今は特にねぇよ。指示はまあ、逐一出してやるからせいぜい首を洗って待ってろよ」
男「えーっと……それは『必要ならお願いするので待っててね(はぁと)』って言ってると考えて良いんだよな?」
女「いや、お前はただ犬のように飼い主であるこのあたしの命令をバカみたいに待っていろってことだけど」
男「無自覚なんだろうが、お前は人を怒らせる天才だな」


394 ::2011/05/29(日) 14:48:46.11 ID:iDFXL6cB.net

 ○午前の授業終了、お昼休みへ

女「あ、男。今日もあたし、昼飯持ってきてねぇんだけどちょっとひとっ走り買って来い」
男「なんでだよ。友達とか言っておいてパシリに使うのかよ?」
女「ちげーし。転校してきたばかりで購買部ってのがどこにあるのか分かんねぇんだよ」
男「なら最初から言え。それ、お前の最大かつ最悪の悪癖だぞ」
女「あ? うるせぇよ。いいから早く買って来いや」
男「ほら、それが駄目なんだよ。人に物を頼む時はお願いします、だろ? まったく……」
女「オネガイ、シマス」
男「なんで丁寧語はカタコトなんだよ……」


395 ::2011/05/29(日) 14:51:05.13 ID:iDFXL6cB.net
 ○そして購買部へ……

男「つか、これからずっとそうやって人に買いに行かせてたら、パシリさせてるのと何も変わらないっつの」
女「なんと、男は友達じゃなくてパシリだったのか……」
男「パシリじゃねぇよ……って、こんなアホなやり取りしてたら昼休み終わっちまうぞ」
女「ようやくパシリする気になったようだな」
男「そんな気はさらさらねーよ。購買部の場所を教えてやるから一緒に買いに行くぞ」
女「仕方ねぇな、一緒に行って教えられてやるよ!」
男「だからそこはお願いしますだろ……」
女「オネガイ、シマス」
男「……前途多難だな」


396 :創る名無しに見る名無し:2011/05/29(日) 16:03:32.72 ID:6kOlJWzv.net
投下乙!

397 ::2011/06/04(土) 09:40:06.21 ID:XlX46CNo.net
 ○へぇー……っていう

男「ここが購買部だ、場所は覚えたか?」
女「バカにすんな。物の見事に覚えたっつの」
男「そいつはよかった。じゃあ買うぞ」
女「ああ。だがすごいヒトゴミだ……。まさに人がごみのようだな」
男「お前は購買部の前にいるのだ……ってこのネタが分かるかどうかはさておき、正しくは人混みだからな?」
女「人混み?」
男「そ、人が混んでるから人混み。人がゴミみたいにいっぱいいるって訳じゃないからな……ってなんで俺の頭をペシペシ叩く?」
女「《4ヘぇ》。テレビでやってた」


398 ::2011/06/04(土) 09:42:53.30 ID:XlX46CNo.net

 ○昼食

男「あー、腹減った。もうほとんど時間もない事だし急いで食べよう」
女「金払ってないけどいいのか?」
男「そういやそうだった。今日はお金持ってきたのか」
女「いや、日本のお金は相も変わらず1ゴールドも持ってねぇ」
男「日本の通貨は円だ。一応確認するが、払う気はあるんだよな?」
女「馬鹿にすんな。払う気はありかねない」
男「その言い方だと踏み倒す可能性の方が高く聞こえるんだけど」


399 ::2011/06/04(土) 09:54:42.18 ID:XlX46CNo.net


 ○放課後

男「ふぅ、やっと一日も終わりか。帰ったら何しようかなぁ」
女「おい、男。ついにお前が役に立つ時が来たぞ」
男「あれ? お前、帰ったんじゃなかったんだな。で、何だよ?」
女「日本のことわざに《塁(ベース)は友を呼ぶ》というものがあるらしいな」
男「得意顔で突然何言ってんだか」
女「つーわけで……磯野、野球やろうぜ」
男「俺は磯野じゃねぇ。(だが友達を作る方法としては間違ってはいないか……。)いいぞ、人数の方は集めたのか?」
女「あたぼーよ、クラスの何人かには声をかけた。皆来るって言ってたぞ」
男「お前にしては手際が良いな。ちなみになんて声をかけたんだ?」

女「放課後になったら体育館裏へ来い、だが何か?」



400 ::2011/06/04(土) 09:58:21.37 ID:XlX46CNo.net


 ○そして誰もいなかった

男「誰も来ないな……」
女「落ち着け、おそらく日直の仕事やってて遅れてんだよ」
男「そうか……。日直って基本二人でやるものだけど時には十人ぐらいでやる事もあるかもしれないよな……」
女「……なわけねーだろ」
男「だよな……。帰るか」
女「おう……」


401 :創る名無しに見る名無し:2011/06/05(日) 04:52:25.04 ID:3RyhjtNO.net
乙です!
これ笑えるなあw 会話のリズムもいいし
続きも楽しみにしてるよ!

402 ::2011/06/05(日) 08:41:22.88 ID:5kbiMpYv.net
>>401
ありがとう。需要ないかもしれないと思ってやってるけどレスもらえるとやっぱ嬉しいね。
書くの遅いけど頑張る。


403 :創る名無しに見る名無し:2011/06/05(日) 22:59:02.59 ID:5NgX5IR3.net
面白いよー

404 :創る名無しに見る名無し:2011/06/08(水) 15:22:29.24 ID:rcvxZ3bU.net
男は俺妹の京介なイメージだが
女のほうは想像できんな
絵師様の降臨を所望する

405 ::2011/06/11(土) 10:42:04.18 ID:8mhkgony.net
>>403
ありがとう、その一言だけでも頑張れる

>>404
そこまで言ってくれてありがとう
男はまさにそう。お節介やきなところとか
女はまあ新ジャンルだからイメージわかなくても当然と言えば当然かと

ちなみに女のキャラ設定は以下の通り。

 背は女子高生の平均的な身長よりも高く、髪はウェーブのかかったブロンド。日本人と白人のハーフなので地毛なのだが染めていると誤解されている。
容姿端麗だが、世間知らずなお嬢様なのが玉に傷。
海外で生活していたため日本語は得意ではなく、盛大に誤って使っている。
箱入り娘であり、俗世間の全てを娯楽媒体や家庭教師による歪んだ知識から吸収したので世間一般の常識を誤解している所がある。
コミュ力も怪しい所があり、勘違いされる事が数々ある。


406 ::2011/06/11(土) 10:43:25.10 ID:8mhkgony.net

 ○下校

女「あ、そうだ。男、早くあたしの鞄持てや」
男「なんでだよ。自分で持てよ」
女「じゃあ自分で持つからお前の鞄持たせろや」
男「……はい? いやいいって、女に鞄持ちさせてたら傍から見て印象悪いだろ?」
女「鞄持ちは印象悪いのか?」
男「当たり前だろ。お前、鞄持ちを何だと思ってたの」
女「ああ? 友情を確かめるための儀式に決まってんだろ。言わせんな恥ずかしい」

男「俺はまずお前が恥を知るべきだと思うよ」


407 ::2011/06/11(土) 10:46:23.35 ID:8mhkgony.net

 ○下校2

男「そういえばお前、昨日なんで逃げたんだよ?」
女「に、逃げてなんかいねーし」
男「いや、明らか逃げてただろ」
女「は? いつ? 何時何分? 地球が何回周った時?」
男「お前は小学生か。いいから何か理由があるなら話してみろよ」
女「…………話すと長くなるぞ?」
男「(ん? 女の表情に影が……。何か事情があるのか……?)ああ……俺から聞きたいって言ったんだ。別に構わないよ」

女「昨日は……………。……お前に家を見られるのが恥ずかしくてな」

男「……それで?」
女「だから、お前に家を見られるのがな?」
男「あれ? 話すと長くなるって聞いたんだけど」


408 ::2011/06/11(土) 10:49:17.55 ID:8mhkgony.net


 ○下校3

女「おい、男。今日あたしんちに来いよ」
男「ん、恥ずかしいとか言ってたのにいいのか?」
女「おう、話したらふっきれた」
男「だけど、男の俺なんかがお邪魔してなんか言われない?」
女「ああ、ノープロノープロ。ただ、手土産は持って来いや」
男「分かったよ。だが土産は催促するものじゃないぞ」


409 ::2011/06/11(土) 10:51:10.27 ID:8mhkgony.net


 ○手土産を携え、女宅へ

男「で、でかい……」
女「ん? 何がだ?」
男「何がだってお前……。このバカでかい豪邸が本当にお前の家なのか?」
女「バカだと? テメエ、今私の家を侮辱したな」
男「してないからね? ……というかマジなの? お前、すごいお嬢様じゃねーか」
女「…………うるせぇ。早く入れ」
男「あ、ああ……(あれ、なんか怒ってる?)」



410 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 23:36:48.99 ID:FMv+HngY.net
続きを

411 ::2011/06/19(日) 10:55:41.10 ID:EaoNZIJM.net

 ○メイド

男「いやしかし、日本にも本物のメイドさんっているんだな。今までメイド喫茶にしかメイドってやつはいないと思ってたよ」
女「メイド喫茶ってなんだよ?」
男「んー、そうだな。喫茶店の店員がメイドの恰好をしてお客さんをもてなす所だよ」
女「は? 使用人が店で働くとか意味分からん。まさか主人から満足に給金がもらえずに副業でもしてるのか?」
男「違う違う。だから、メイドの恰好しているだけで本物のメイドじゃないんだって。いわゆる偽物のメイドさん」
女「偽物だと? 許すまじ職業詐称……」
男「お客さんは自ら騙されに行ってるんだからいいんだよ」


412 ::2011/06/19(日) 10:56:36.07 ID:EaoNZIJM.net

 ○天然

女「今帰った」
?「あら、今日は早いのね?」
男「……お邪魔してます」
?「えっとぉ、どちら様かしら?」
女「クラスのやつだ」
男「どうも……同じクラスの男と言います」
女「あら? あらあら! 転校早々お友達が出来たのね? 良かったわねぇ、女」
男「女、この人は?(女のお姉さんだろうか。女と違って随分と物腰が柔らかいな……)」
女「母だ」
男「……お母さん?!(若っ!!)」
母「そうなの。男くんよろしくねぇ」
男「あ、はい、よろしくです……。(女の天然ボケは母譲りか……)」
 

413 ::2011/06/19(日) 10:57:30.11 ID:EaoNZIJM.net

 ○母と娘

女「部屋に行く。邪魔しに来んなよ、ババア」
男「ババアって、こんな若いお母さん掴まえて……(振り向かず行っちまった……)」
母「男くん、いいのよぉ」
男「でも、いくらなんでも……」
母「『部屋で男くんとお遊びます。あまり意地悪なさらないでくださいね、お母様』」
男「はい?」
母「あの子はー、そう言ってるつもりなの。日本語下手な娘でごめんなさいねぇ」
男「ああ、なるほど……。(娘ときちんと意思疎通は取れている訳だな……)」
母「娘をお願いねぇ。私に似てお淑やかないい子だから」
男「はい……(お淑やか? いやそもそも私に似てって……)」


414 :創る名無しに見る名無し:2011/06/23(木) 20:24:00.42 ID:IXuDB80k.net
続き楽しみにしてる
でも焦らず納得いくものを投下していいんだぜ!

415 :U:2011/06/25(土) 00:49:37.18 ID:ESas8AOc.net

 ○女の部屋へ

女「遅いっつの」
男「悪い悪い、土産を渡してたんだよ。って、お前の部屋って和室かよ」
女「そうだ、いいだろ?」 
男「ああ、若干こじんまりしてるが悪くない」
女「……茶でも飲むか?」
男「そうだな、頼む」
女「ちょっと待ってろ」
男「……?(奥に入っていくが台所でもあるのか?)」

 …………。

女「準備できた。こっち来い」
男「……。突然和服に着替えて何やってんだ……?(ブロンドの髪と和服のミスマッチが物凄いな……)」
女「は? 飲みたいって言ったのテメエだろ」
男「(自室の隣に茶道部屋があるみたいだ。)……もしかしてお前が淹れるのか?」
女「そうだ、そこに直れ」
男「はいはい、座れ……ね。つかちゃんと淹れられんの?」
女「少し黙って見ていろ」

男「ふーん……。(結構まともに茶道やってるじゃないか。和服姿もこうして見ると意外と……)」

女「できたぞ、ほら」
男「おお、さんきゅ」
女「……結構なお手前で?」
男「それ俺のセリフ。というかまだ一口も飲んでねえ」


416 :U:2011/06/25(土) 00:57:38.25 ID:ESas8AOc.net


 ○封筒の謎

男「ふぁ、眠……。また今日も一日学校に拘束されるのか。休みてぇ……」
女「おす、男」
男「なんだ、女か……。おはよう、お前はいつも元気だな」
女「自慢じゃねーが、元気だけが取り柄だ」
男「確かに自慢にはならんよな」
女「んなことはどうでもいい。…ほらよ」
男「ん、なんだこの封筒?」
女「ちっ、黙って受け取れや……」
男「おーい……。(どっかいっちまった……) えーっと、中身は手紙か」

 男へ

 このまえのひるめしだい

 かえしてやるよ

男「短っ! っていうか字が汚ぇ!(喋れるくせに書く方は駄目なんだな……)」

友「よ、男」
男「ん、友か。おはよう」
友「なぁ、今、女からその封筒受け取ったろ。中に何が入ってるんだ?」
男「ああ、これか。別に面白いものじゃないから気にすんな」
友「なんだ、そうなのか。じゃあいいよ――と見せかけて!」
男「あ、コラ! 封筒返せ!」
友「まあまあ、そう怒るな。どれどれ……」
男「ったく……(仕方ないやつだ……)」

友「……男、見損なったぞ」

男「え?」

友「封筒に入ってたこの5枚の諭吉さんは一体何だ?」 
男「諭吉って……一万円?!(しかも五枚! 昼飯代500円だぞ、入れ過ぎ!)」

友「何を驚いた振りしてやがる、白々しい。この人間の屑が」

男「待て、友よ。お前は何か勘違いしている」

友「はっ、勘違いだと? 女に売春させてその上前を撥ねる、それ以外にこの状況をどう解釈しろと?」

男「いや、だからその、昼飯代がね?」

友「言い訳なんか聞きたくない。お前とはもう絶交だ、じゃあな」

男「ちょっ…………なんでこんなことになってんの?」



417 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 01:46:19.48 ID:fBxZRC0j.net
友wwwww

418 :創る名無しに見る名無し:2011/07/20(水) 08:54:13.71 ID:VXY79KOK.net
___|ω・`)チラッ


419 :創る名無しに見る名無し:2011/07/23(土) 21:59:41.21 ID:uj/pbzVn.net
地の文ありのSSってどこで投下したらいいんだろうか

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