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【新ジャンル】「台詞系SS総合スレ」( ^ω^)

1 :創る名無しに見る名無し:2010/08/03(火) 11:42:40 ID:US9tVtIP.net
ここは新ジャンル系、ブーン系、台詞系の総合スレです

単発スレを立てる前に、まずはこのスレの利用を検討してみて下さい
また、単発スレを立てたい方は↓の≪単発スレについて≫をお読み下さい


≪過去スレ≫
台詞系SS総合スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1250934033/

≪注意点≫
このスレは常時age推奨です


≪単発スレについて≫
創作発表板はVIPと違い、放っておいてもスレが落ちません
新ジャンルなど台詞系の単発スレを立てるときは、
そのスレを>>1000か容量いっぱいまで投下する心づもりで

457 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/08/05(金) 17:33:26.09 ID:+gwUOYdX.net
読んでいただきありがとうございました

もし発音できないはずの言葉を喋っているとか、
ここわかりにくいとか、指摘があれば遠慮なく言ってくださいね

458 :創る名無しに見る名無し:2011/08/26(金) 14:07:47.13 ID:UIquROW1.net
いいなこれ

459 :創る名無しに見る名無し:2011/09/24(土) 13:18:51.92 ID:U+7MIjxq.net
.

460 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 17:34:54.32 ID:0YTBEfSv.net
>>457
素敵なお話でした。GJ!!

461 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/09/26(月) 22:51:52.08 ID:WLqvjZzW.net
ブログの方で忠告いただいたのですが
「E」を発音できなくなった直後に「れ」を発音してました
すみませんwww

462 :創る名無しに見る名無し:2011/10/18(火) 22:18:41.81 ID:LWbHm5QW.net
久しぶりに来たら良い話が投下されてた

463 :創る名無しに見る名無し:2011/11/17(木) 08:07:22.99 ID:9muQbZSE.net
     _ ―- ‐- 、    「 ageてみるか 」
    (r/ -─二:.:.:ヽ
    7''´ ̄ヽ-─<:.:.',                  __
.   〈t<  く=r‐、\:く       _ ...-::‐::¬::::: ̄:::::::::::::::::::::::::::::::
   ∠j ` / ,j={_/ヽヽr'       >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.    っ Y _/ ヽ了       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.    し イ --─¬       /::::::/:/|:::/::∧:::∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::
      f: :_: : :_:_:_└ 、     |/f|/|/ .|/ |/ ∨ ヽ|\:::::::::::::::::::::::::
     /-ー/: : : : : : :\      {            ヘ:::::::::::::::::::::
    /7: : : :r: : : : : : : : : }     ',  .j /     }   .}::::::::::::::::::::
   /: : : : : :.|: :j: : : :\: : j      } /_       ミ   ヘ::::::::::::::::::
  /: : : : : : : j: ヘ、: : : : \|    /く<l´::<ニ二 ̄`>   ミ:::::::::/
 ./: : : : : : : \::::ヘ: : : : : : :ヽ    {::ア{:::::::}厂¨,`_______j:::::://
 {: : : : : : : : : : ヘ:::ヘ: : : : : : :',    V ヘ::::ノ` ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ .{::::|ヽ
 ',: : : : : : : : : : : :\ヘ: : : : : :ヘ.   /  ヘ¨       //:}::::|/
  ',: : : : : : : :::::::::::::::::::〉: :_:_.r--―く   >ヽ      /   _ノ::::{ _/
  '; : : : :.::::::::::::::::::::::r</ :.:..   `ー¬\__        /::::/
  〈: : : : :ー---‐‐r―'´  :.:.:.  ヘ: .  ヽ . . }ー、    ./::::<   「 ああ 」
  〈: : : : : : : : : : 〈r-‐、:.:.:.:ヘ.:.:.:.:.  ', : :  ',: . .|: : 〉  /:::::::/

464 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 17:32:12.82 ID:1Cj7bgUJ.net
一本投下します
前の話とよく似てますが…

・地の文あり
・新ジャンルではなく普通のSS
・エロなし過剰な萌えなし



男「あの頃の僕らにはもう戻れない」


465 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 17:37:14.99 ID:1Cj7bgUJ.net
「おはよう」

彼女が起きだしてきた。

「おはよう」

僕は笑顔で彼女を迎えるが、口の端が不自然になってしまった。

「お腹すいた」

よし、気付かれなかったようだ。
テーブルに向かう彼女を横目に、焦げついたフライパンをこっそり洗う。
また目玉焼きに失敗した。
何がサニーサイドアップだ。黒点しかないじゃないか。
部屋の中は焦げくさいにおいでいっぱいだが、彼女は気づかない。

そういう病気なんだ。



466 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 17:42:40.91 ID:1Cj7bgUJ.net
ソラニンという名前の病気が流行り出したのは、年号が変わって間もなくの頃だった。
僕は当時、彼女との同棲生活をスタートさせたばかりだったこともあり
TVをつける余裕もなく自分のことで精いっぱいだった。

初めは珍しい症例として時々取り上げられるだけだったが、僕がその病気を知る頃には
国民の5%近くが感染していた。

今ではもう20%の国民が感染しているらしく、大きく取り上げられることも減った。
そのかわり、社会は大混乱で、日本はもうどうしようもないところまで来た。
海外のニュースでは大騒ぎらしいが、日本もそれどころではない。

国民の20%だ。5人に一人は感染者だ。
僕も、彼女も、それに感染しないなんて、誰が断言できるだろう。



467 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 17:47:35.85 ID:1Cj7bgUJ.net
ソラニンは脳の病気だ。
脳の中から芽を出し、脳を侵す。
脳をスキャンすれば、まるでジャガイモのように芽を出した影がくっきり映るそうだ。

人から人へはうつらないらしい。
原因不明の治癒不能。
医学の発達でかろうじて進行は遅らせられるものの、今のところ治る手立てはないそうだ。

人から人へうつらないのになぜ感染者が膨れ上がったのか。
最初の感染者は誰なのか。
治す手立ては発見されるのか。
神も仏もいないのか。

なにもかもわかっていない。
僕も、国も。



468 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 17:52:56.51 ID:1Cj7bgUJ.net
ソラニンに感染すると、なにかを失う。
それは、聴覚だったり、視覚だったり、言語だったり。
記憶だったり、運動能力だったり。

人によってさまざまだそうだ。
ある一定期間の記憶だけを失った人もいれば、昨日の記憶もない人もいる。
下半身だけが動かなくなった人もいるし、右目だけ見えない人もいる。
日本語だけを忘れ、カタコトの英語で話すようになった人もいるらしい。

病気が進行すれば、さらに失うものが増える。
生ける屍になる。いつかは。

恐ろしい。



469 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 18:01:11.86 ID:1Cj7bgUJ.net
彼女の異変に気付いたのは、1カ月ほど前だった。

仕事から家に帰ると、どうも家の中が焦げくさい。
カレーを焦がしたようだ。

「ただいま」

「おかえり」

「どうしたん、焦げてるよ」

「え??」

彼女はニコニコ笑いながら、なべの底をお玉でかき混ぜていた。
笑いながら、何を言ってるのかわからない、といった顔をした。
ぐるぐる、ぐるぐる、鍋をかき混ぜる。



470 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 18:06:26.41 ID:1Cj7bgUJ.net
「焦げてるって」

僕は慌ててガスを止めたが、彼女はまだ理解できないようだった。
換気扇を回し、鍋の中身を別の鍋に移している僕を、奇妙な目で見ていた。

鍋の底で黒く固まるコゲを見てようやく、彼女も変だと気づいたらしい。

「鼻、詰まったのかな」

グスグスと鼻を鳴らし、呟く。
でも僕は、そんな、風邪とかそんなもので片付く話じゃないと予感していた。

やはり彼女は感染していた。
嗅覚を、失っていた。



471 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 18:35:26.65 ID:1Cj7bgUJ.net
病院で見せられた、脳のスキャン。
見事に芽が、咲いていた。

その晩、彼女は僕の胸に顔をうずめて泣いた。
涙が出なくなるまで泣いた。

「においが、しない…」

「あなたのにおいが、わからない…」

そう言って、何度も泣いた。
僕はどうすることもできず、ただ抱きしめて頭を撫でた。

ごめん。なにもできない僕で、ごめん。



472 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 18:40:23.61 ID:1Cj7bgUJ.net
それからというもの、彼女は嗅覚のない生活を送ることになった。

僕は、最初は鼻づまりの延長のようなものとして考えていた。
だけど、そんな程度ではないようだ。

「これ、シチューみたいな味がする」

カレーを食べながら、彼女が言った。

「辛くないの??カレーだよ、これ」

「舌がピリってするけど、辛さが、わからないの」

だそうだ。それから彼女はカレーを作ってくれなくなった。



473 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/03(土) 19:04:11.00 ID:1Cj7bgUJ.net
というか、辛いもの全般が食卓に出なくなった。
舌がピリピリするだけで美味しくないのだそうだ。

明太子とかワサビとか、好きなんだけどなあ。
彼女のためだ。仕方ない。
どうしても食べたいときは、自分で買ってきて食べることにする。

そうしているうちに、いつの間にか夏になっていた。
外に出るのは億劫だけど、この部屋も蒸し暑い。
遠くでセミが鳴く声がする。

室外機が唸りをあげて夏に対抗しようとしている。
静かなのに、うるさい。



474 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/04(日) 17:39:51.34 ID:4WiWrzXq.net
ベランダから外を見ると、真っ青な空が広がっていた。
雲が並んで、千切れて、広がって、飛んでいる。

ベランダの下では向日葵が花を広げようとしている。
一階は大家さんの敷地だ。
花の綺麗さを話題にしようと思ったが、彼女は花の匂いも嗅げないんだ。

少し考えて、その話題を振るのはやめにした。

「ねえ、去年の冬のこと、覚えてる??」

突然話題を振られた。

「ん…覚えてるよ、いろいろと」

そう、いろいろあった。



475 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/04(日) 17:50:37.92 ID:4WiWrzXq.net
「あのとき、別れないで、本当によかった」

「…」

そう、僕たちは一度だけ、一週間だけ、他人になった。
よくある話だ。
いわゆる倦怠期。
僕たちもそれにかかった。

「ねえ、あなたは??」

「うん、僕も、別れないでよかったと、本当に思う」

元に戻れて、本当によかった。
そう思う。
あのときの一人寂しい夜とか、君が最後に編んでくれたマフラーとか、一人の年越しとか。
思い出して寂しくなってきた。

「本当に??」

「本当」

「嘘」



476 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/04(日) 18:22:56.01 ID:4WiWrzXq.net
嘘じゃない、と言おうとした僕よりも先に、彼女は堰を切ったように喋り出した。

「私が、ソラニンにかかって、私のこと、重荷になってる」

「あのとき別れてれば、あなたはそれを知らず、きっと幸せだったわ」

「辛いもの好きだったのにね」

「お香も焚かなくなったもんね」

「花も飾らなくなったよね」

「それもこれも、私が…」

あとは、言葉にならなかった。
また彼女は泣いた。
僕はどうすることもできず、ただ抱きしめて頭を撫でた。



477 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/04(日) 19:40:00.45 ID:4WiWrzXq.net
「失うものは、人によって違うんだってさ」

僕は、頭の中で整理する前に言葉にした。

「ソラニンで失うものは、自分自身が決めるんだってさ」

「それ、誰が言ってたの」

「テレビに出てた、偉い学者さん」

「…」

言葉は続く。
それが彼女を慰めるのか、傷つけるのか、判断できないまま。

「君は、嗅覚を失うことを、望んだ??」



478 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/04(日) 19:53:28.32 ID:4WiWrzXq.net
「…」

長い沈黙。
こんな言い方でよかったのか。
いや、そもそもこんな不確定な話を聞かせて、僕はなにがしたいんだろう。

「望んでない」

彼女はきっぱり言い切った。

「ほんの少しの、心の声で、失うこともあるんだって」

「…覚えてない」

においを拒絶するとしたら、僕の体臭がきつかった、とか、そんな理由だろうか。
そうだとしたら、少々ショックだ。
いやかなりショックです。



479 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/04(日) 20:01:31.45 ID:4WiWrzXq.net
もし、そうだとしたら、絶対に喧嘩はしたくない。

僕のことを忘れられたら、と思うと、怖くて。

「僕のこと、忘れないでくれよ」

「…うん」

届いたかな。
真夏だって言うのに、少し寒さを感じた。
悪寒でないことを祈ろう。

「さ、夕食の食材でも買いに行こうか」

「うん」

「今はなにが旬かな」

「…夏野菜のカレー、食べたい??」

「…うん」

「じゃあ、それ、作ろ」



480 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/04(日) 20:09:20.21 ID:4WiWrzXq.net
「カレーは嫌じゃないの」

「いいの」

「辛くなくてもいいからね」

「…うん」

甘口と中辛の間に決めて、僕らは近所のスーパーにでかけた。
なんだか少しだけ距離が近づいた、気がした。

遠くなかったはずなのに。

不思議だ。

手をつないでスーパーまで歩いて行った。
影が伸びる伸びる。なんてことない光景だけど、笑えてきた。



481 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/04(日) 20:15:50.62 ID:4WiWrzXq.net
「ね、ナスは入れようね」

彼女はポイポイとナスをかごに投入する。

「オクラは??」

「サラダも作ろうね」

彼女はポイポイとジャガイモやトマトをかごに投入する。
却下されたようだ。なんでだ。

「お、牛肉が安い」

「夏野菜カレーなら鶏肉だよね」

彼女はポイポイと鶏肉をかごに投入する。
僕の意見はどこに行った。



482 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/05(月) 22:13:18.15 ID:z8pEIGOt.net
「パプリカもいいよね」

彼女はポイポイとパプリカをかごに…

「いや、これ嫌いなんだ」

投入する前に、僕が止めた。

「なんで??」

「色が嫌い」

「きれいじゃん」

「でも形はピーマンじゃん」

緑色じゃないピーマンは変だ。
ピーマンは食べられる。小学生じゃないんだから。
でもパプリカは無理。生理的に無理。



483 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/05(月) 22:19:52.37 ID:z8pEIGOt.net
「むう」

彼女はちょっと不機嫌になったけど、なんとかパプリカは阻止した。
そのかわりピーマンで手を打った。

…ピーマンって夏野菜じゃないよな。
まあいいや。

「お腹すいた」

袋の中のジャガイモは、ソラニンを思い出すからあんまり好きじゃないけれど。
でもカレーにもサラダにも必要だ。

そう、ジャガイモに罪はない。



484 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/05(月) 22:26:37.71 ID:z8pEIGOt.net
結果から言うと、カレーは旨かった。

久しぶりの味だ。

彼女も嬉しそうだった。

それが僕を安心させた。

そして、一緒に皿を洗って、一緒にドラマを見て、シャワーを浴びて、寝た。

「おやすみ」

「おやすみ」

どこかで「さよなら」と聞こえた気がした。



485 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/05(月) 22:33:41.76 ID:z8pEIGOt.net
次の日、僕は目をこすりながら、白い天井を見上げていた。

なんだか変だ。
でも、知っている天井だった。
なんだろう、この違和感は。

窓の外を見ると、今日は天気が悪いのか、空は一面曇っていた。
こういう朝は気分が悪い。
スカッとした青空が見たいのに。

なんだかのどの調子が少し悪い。
そういえば昨日は冷房をかけっぱなしにしてしまった気がする。



486 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/05(月) 22:41:15.92 ID:z8pEIGOt.net
「おはよう」

彼女が先に起きていた。
声に元気がない。
顔色も悪いようだ。

「夏風邪、引いちゃったかも」

鼻をすする音がする。

「熱は??」

僕は彼女のおでこに手をあてる。

「…手、冷たい」

彼女が笑う。
違う、君が熱いんだ。



487 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/05(月) 22:50:12.98 ID:z8pEIGOt.net
「熱あるよ。もうちょっと寝てな」

薬を探そうと棚を漁りながら、また違和感を感じた。

顔色が悪いだって??

もう一度彼女に近づいて頬を手で挟む。

「冷たいよ」

違う、君が熱いんだ。
君の頬は熱いんだ。
なのになぜ、君の顔色はそんなに悪いんだ。
なぜそんなに青白いんだ。

…白い。白すぎる。
まるで人形のように。
死人のように。



488 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/05(月) 22:59:03.26 ID:z8pEIGOt.net
急に気分が悪くなり、流し台に吐いた。
口からは胃液しか出ない。
昨日、なにを食べたっけ。

横を見ると昨日の鍋があった。
ああそうか、カレーを食べたんだ。

蓋を取って中を覗くと、真っ黒な液体が入っていた。

「なんだ、これ…」

彼女が心配そうに、僕の背中を撫でてくれる。

「これ、なに…」

「昨日のカレーじゃん」

「焦げてる…」

「焦げてないよ」



489 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/05(月) 23:06:35.88 ID:z8pEIGOt.net
脳が鈍く回転を始める。
昨日のカレー。
昨日は焦げていなかったのに今日は真っ黒だ。

訳がわからない。
僕は頭を振る。
ひじがガラスのコップにあたり、床でガラスの割れる音がした。

「あらあら、危ないから、ほらどいて」

彼女が片付けようとしゃがみこむ。
僕もしゃがみこんで、ガラスを拾おうと…

「痛っ」

「あらあら、大丈夫??」

指先を切ってしまった。
指先から墨汁が流れ出す。



490 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2011/12/05(月) 23:15:27.35 ID:z8pEIGOt.net
遠くでテレビの音がする。

「今日は全国的に快晴です」

アナウンサーが天気予報を告げる。
フラフラとベランダへ向かう。

「ねえ、どうしたの??本当に大丈夫??」

彼女の声が後ろで聞こえる。
君こそ、熱があるんだから早く寝なさい。
そう言おうとしたが声にならない。

空を見上げると真っ白な曇り空だった。

下を見下ろすと真っ白な向日葵が僕を見上げていた。

僕はようやく理解し、声をあげて泣いた。

★おしまい★


491 :創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 11:34:04.34 ID:RiiAW2SD.net
おつ

492 :創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 18:48:01.10 ID:iP1lgJLr.net
オチが理解できない
誰か説明よろ

493 :創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 21:53:19.02 ID:mZ/l2Vbf.net
投下乙です。胸のあたりが重苦しくなるような怖さが印象的でした
>>492
色覚を失ったって事かと。
理由は…前日パプリカの色が嫌いとかやってたあたり?

494 :創る名無しに見る名無し:2011/12/13(火) 02:46:10.79 ID:zrKW3E2Q.net
.

495 :創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 07:52:03.36 ID:gZlpaSDq.net
乙です
純愛と少しの不気味さがたまらないな

496 :創る名無しに見る名無し:2012/01/08(日) 07:03:49.10 ID:YEkMYmKs.net
age

497 :創る名無しに見る名無し:2012/02/01(水) 04:37:34.03 ID:kiXA1REa.net


498 :創る名無しに見る名無し:2012/02/06(月) 21:25:32.39 ID:2baFQ1FB.net
age
vipは今書ける環境じゃないねえ

499 :創る名無しに見る名無し:2012/02/19(日) 22:18:41.26 ID:Nk34kw9y.net
兄「ただいま」

妹「おかえりー。卒業式なのに帰ってくるの早いね」

兄「クラスの奴らにカラオケ行誘われたけど、断って帰ってきた」

妹「そっか。制服のボタンが全て無事な事と関係があるのかと思った」

兄「はいはい俺はモテねぇよ。後期試験対策で明日も学校行くからな。遅くまで付き合いたくなかっただけだ」

妹「あれ、それじゃ明日も普通に制服で行くの? お母さんが制服クリーニングに出すって」

兄「小論文書いたの見せに行くだけだし、先生にも私服でいいって言われた」

妹「なんだ。んじゃ着替えたらちょうだい。渡しておくから」

兄「おう、悪いな」


妹「はい、お兄ちゃんの制服持ってきたよ」

母「ありがとう。あら、第二ボタンなくなってる。まだこんな習慣続いてるのね」

妹「……物好きもいるんだね」

母「そう? 美男子だけがモテるって訳でもないのよ……何、にやにやして」

妹「し、してないし!」

500 :創る名無しに見る名無し:2012/02/19(日) 22:22:17.21 ID:Nk34kw9y.net
兄妹物の場合、直接的なエロじゃなくてこういうのが良いと思うんだ

501 :創る名無しに見る名無し:2012/02/19(日) 23:25:42.22 ID:j5VY8i6X.net
うむ、いいかもしんない

502 :創る名無しに見る名無し:2012/02/21(火) 21:28:15.51 ID:Rv42F5S3.net




ワイが聞いた情報によると、もうじき中国はバブルがはじけて昔の貧乏な中国に戻るらしいで
もう経済は破綻してて、取り戻すのは無理なんだそうや


その世界ではごっつい有名な政府関係者筋から聞いた確かな情報やで

まあお前ら頭の良い連中には、今さらなくらいのネタやな、
お前らからすればもう常識的なくらいの知識やろ?
2ちゃんねるやってるやつならこの情報でもう大儲けしてるしな♪






503 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 03:56:32.60 ID:f0i3wAY4.net
【友】

1「おー、元気そうじゃん」

2「そっちもな」

1「今何してんの」

2「呼吸」

1「そういうのいらねーから」

504 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 03:57:15.49 ID:f0i3wAY4.net
2「お前は?」

1「えー適当に。バイトしてる」

2「相変わらずだな。定職つかねーの?」

1「まあそれは後々。やりてーことあるし」

2「やりたいことって何よ」

1「なんでもいいじゃん」

2「そう言われると尚更気になる」

505 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 03:57:52.06 ID:f0i3wAY4.net
1「ん、あれだよあれ。世界一周」

2「は?」

1「だから、世界一周」

2「なんで?」

1「いや、色々見ときたいじゃん」

2「ほー」

1「なんだよ」

2「いや、なんかお前らしいけどな」

1「そうか?」

2「んー、衝動的というか奔放な感じが」

1「それ誉めてんの?」

2「まあ羨ましくはあるけど、真似したくはない」

1「まあそうだよな(笑)」

506 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 03:58:17.51 ID:f0i3wAY4.net
2「お前いつもそうだな」

1「なにが?」

2「今いるところに執着心がない」

1「そうか?そんなことないぞ」

2「すぐふらっとどっか行くし」

1「んー」

2「ひとつのところに留まった試しがない」

1「まあ、そうかもだけど」

2「部活もころころ変えてたし今は仕事も」

1「あー。すまん」

2「なんで謝る」

1「なんとなく」

507 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 03:58:41.27 ID:f0i3wAY4.net
2「責任感とかないのか」

1「それなりにはあるつもりだけどな」

2「そういうとこ本当嫌いだわ」

1「知ってる」

2「そういうところもな」

1「ごめん(笑)」

2「まあ良いけど」

508 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 03:59:23.22 ID:f0i3wAY4.net
1「俺だって執着心無い訳じゃないぞ」

2「へぇ」

1「変わらない物があるから俺は自由にやれる」

2「変わらないもの?」

1「うまく言えないけど、友達とか?」

2「人は変わるもんだぞ」

1「お前は何年経ってもお前だ」

2「俺だって変わった」

1「ちょっと老けたな(笑)」

2「そういうのいらねーから」

1「(笑)」

509 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 03:59:50.78 ID:f0i3wAY4.net
2「お前は本当変わらないよな」

1「ちょっとだけカッコよくなったろ」

2「気のせいだ」

1「お前は」

2「は?」

1「お前はなにしてんの」

2「ああ。普通に社畜」

1「社畜か」

2「社畜だ。お前と違って堅実派なんでな」

510 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 04:00:23.13 ID:f0i3wAY4.net
1「お前らしいな」

2「どうも」

1「お前の夢、まだ覚えてるぞ」

2「忘れろ」

1「でっかい男になってでっかい事をする」

2「忘れろって(笑)」

1「あんまり大きくはなってないな。身長的な意味で」

2「身長の事は言うな。お前は無駄にでっかくなりやがって」

1「牛乳飲んでたからな」

2「俺だって飲んでたわ」

511 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 04:00:57.19 ID:f0i3wAY4.net
1「将来は一流企業の社長か(笑)」

2「まあ、後々な」

1「お前ならなれる気がする」

2「どーも。俺も覚えてるぞお前の夢」

1「へ?」

2「おっきくなる」

1「ああ。おっきくなれたな(笑)」

2「分けろバカ」

1「牛乳が足んねーんだよ」

512 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 04:03:49.75 ID:f0i3wAY4.net
2「アホか」

1「じゃあ気合いが足らん」

2「うるさい。で?」

1「ん?」

2「次の夢は?」

1「次の夢?んー世界各国に愛人を作るとか」

2「アホ」

1「夢はでっかく。だろ」

2「本当にやりかねないから怖いな」

1「やるんだよ」

2「ハーレムでも作る気か」

1「それも良いな」

513 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 04:04:46.80 ID:f0i3wAY4.net
2「他にはなんか無いのか」

1「他?何だろうな」

2「色々あるだろ」

1「んー例えば?」

2「えー家を建てるとか有名になるとか金持ちになるとか」

1「それも良いかもなー」

2「適当だな」

514 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 04:05:17.85 ID:f0i3wAY4.net
1「そうか?」

2「お前って欲があるんだか無いんだかわからん」

1「普通にあると思うけど」

2「実はあまり興味無いだろ」

1「なんで?」

2「なんとなく」

1「そうか」

515 :創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 06:49:56.59 ID:f0i3wAY4.net
2「見つかると良いな」

1「ん?」

2「生きがい」

1「生きがいか」

2「俺は変わらないで待ってるから」

1「そうだな」

2「ああ」

1「ハゲてたら笑うからな」

2「ハゲねーよ」

1「ハゲましてくれてありがとう(笑)」

2「うるせーバカ」

516 :創る名無しに見る名無し:2012/02/27(月) 02:39:50.40 ID:YloicEog.net
女「男よ、今日の配給だ」
男「またおにぎり一つか…これいつまで続くんだろな」
女「おにぎりがあれば幸せじゃないか」
男「食えるだけ有り難いとは思うが…」
女「おにぎりがあって君がいる、私には何の不満もないぞ」
男「///」
女「おにぎりがあって良かった」
男「…」



被災してた時に書いたSS

517 :創る名無しに見る名無し:2012/02/27(月) 23:46:23.05 ID:L922xphC.net
男「もう陽が落ちるな」

女「また、夜が来るんだね」

男「怖い??」

女「怖いよ…でも…」

男「でも??」

女「君といれば、少しは平気」

男「そっか」

男「おれもだ」

女「夜怖いんだ」

男「そっちじゃねえよ」

女「私といると、怖くないんだ」

男「そうだよ、わかってるなら言うなよ」

女「えへへ」


518 :創る名無しに見る名無し:2012/02/28(火) 22:50:11.37 ID:i6owpL/Y.net
兄「おい、くりぃむレモンのビデオ見ようぜ」
妹「いやだよ」
兄「いいじゃん。お前、特等席で見ろよ。俺の膝の上」
妹「おい、触るなよ」
兄「いいだろ。兄妹なんだしぃ」
妹「イヤだって言ってるだろ。ハゲ!」
兄「なんだと? お前だって無毛じゃないか!」
妹「無毛のどこが悪いんだよ。ハゲよりは需要があるぜ」
兄「ねーよ」
妹「あるって言ってるだろ包茎!」

母「まあまあ仲がよろしいこと。もう少し盗み聞きしましょ。新たなる展開を期待して……」

519 :創る名無しに見る名無し:2012/03/08(木) 04:09:04.88 ID:/pZi7U5/.net
a

520 :創る名無しに見る名無し:2012/03/11(日) 17:49:05.43 ID:rcUeQBeu.net
流れ切って申し訳ないんだけど、地の文が多いタイプのブーン系なんかは何処でやればいいんだ?

521 :創る名無しに見る名無し:2012/03/11(日) 18:04:51.55 ID:P+oA5RfK.net
ここでかまわんと思うが。↓とかも

他に行き場所の無い作品を投稿するスレ4
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1322313024/l50

522 :創る名無しに見る名無し:2012/03/11(日) 18:04:53.44 ID:lLu5md1o.net
ここか行き場のないスレじゃない?

523 :創る名無しに見る名無し:2012/03/11(日) 18:29:25.88 ID:rcUeQBeu.net
>>521 >>522
成る程サンクス

524 :創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 04:37:00.68 ID:aWqttZUX.net
なんでこんなつまらないゴミばっか投稿されてるのか不思議
センスも欠片もない奴が集まってんのか?

525 :創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 01:42:01.92 ID:093AgQDr.net
そういうこというなよ
ヘタクソ達が傷なめあってるんだから

526 :創る名無しに見る名無し:2012/03/30(金) 18:38:10.17 ID:WzCU9cSW.net
age

527 :1/28:2012/04/16(月) 00:51:40.92 ID:J9GmMEEf.net
勇者「あんま悪いことしとったらあかんでほんま」

勇者「分かってんの?」

魔王「はい……」

勇者「ほんま?」

魔王「はい……」

勇者「……分かってへんやろ」

魔王「はい……」

勇者「はい、ちゃうわ!」

528 :2/28:2012/04/16(月) 00:52:48.53 ID:J9GmMEEf.net
勇者「自分なんでこんなことしたん?」

魔王「世界征服、カッコええやん」

勇者「あーなるほどなるほど」

勇者「ってアホか!」

魔王「人生を賭けるのに値するのは夢だけやと思わへん?」

勇者「自分魔族やん!」

529 :3/28:2012/04/16(月) 00:53:17.39 ID:J9GmMEEf.net
魔王「しかしあんたも立派やね」

勇者「なにが」

魔王「まだ16やろ?」

魔王「若いのに世界の命運委ねられてるなんて」

魔王「めっちゃ凄いやん」

勇者「お前のせいや!」

530 :4/28:2012/04/16(月) 00:53:54.42 ID:J9GmMEEf.net
魔王「怒鳴らんといてよもー」

勇者「自分退治されんのわかっとんの?」

魔王「えー、ほんまー? 怖ー」

勇者「なめとんのかボケ!」

魔王「君カルシウム足りてへんのちゃう?」

勇者「なんで魔王に栄養の偏り指摘されなあかんねん!」

魔王「あ、やっぱ足りてへんねや」

531 :5/28:2012/04/16(月) 00:54:26.75 ID:J9GmMEEf.net
勇者「はー・・・」

勇者「もうええ、行くで」

魔王「どこに?」

勇者「王国や」

魔王「ここで倒さへんのかい」

勇者「それでもええねんけどな」

勇者「お前倒したらどうせ消えるやん?」

魔王「そらそうや、倒されたら消えるのが悪の美学や」

勇者「それめっちゃ困んねん」

532 :6/28:2012/04/16(月) 00:54:57.54 ID:J9GmMEEf.net
勇者「正直な、手ぶらで帰っても儲けになれへんのや」

魔王「そんなんゆうても、うちだけ生首なんの嫌や」

勇者「せやから王国で倒すねん」

魔王「ええんかそれ?」

勇者「なにが?」

魔王「魔王を王国に招き入れてええんか?」

533 :7/28:2012/04/16(月) 00:55:30.55 ID:J9GmMEEf.net
勇者「ちゃうよ」

魔王「?」

勇者「お前が押しかけてくんねん」

魔王「意味分からん」

勇者「自分頭悪いなー」

魔王「うっさいボケ」

534 :8/28:2012/04/16(月) 00:55:59.46 ID:J9GmMEEf.net
勇者「王国の近くで二手に別れんねん」

魔王「うんうん」

勇者「ほんでお前王国に攻め込む!」

勇者「やばい! 王国の危機! その時勇者が帰ってきた!」

勇者「ほんでお前のことしばいてめでたしめでたし」

魔王「うわー、うちよりアホな奴おったわー」

勇者「一発どついたろか」

535 :10/28:2012/04/16(月) 00:56:36.23 ID:J9GmMEEf.net
魔王「ええよ、面白そうやし」

魔王「どうせ一度あんたに倒された身や」

勇者「よっしゃありがとう!」

魔王「あんた変な奴やなー」

勇者「ほな行くで」

魔王「れっつごー!」

勇者「忍!」ドロン

536 :11/28:2012/04/16(月) 00:57:09.27 ID:J9GmMEEf.net
勇者「着いたで」

魔王「なんで忍者式やねん」

勇者「ええやんなんでも」

魔王「うわー、うち魔王やのに忍者に倒されてもーたー」

魔王「ってなるやんか」

勇者「信長みたいでええやん」

魔王「信長は忍者に倒されてへん!」

537 :12/28:2012/04/16(月) 00:58:20.83 ID:14uV3D0A.net
勇者「作戦はこうや」

勇者「俺はもう出発する、お前は少ししてから来い」

勇者「以上」

魔王「うわー頭悪い説明やなー」

勇者「お前徐々に調子乗り出しとんな」

勇者「まあええ、行ってくるわ」

魔王「ほなな」

勇者「日が沈んだ辺りで来いやー」

538 :13/28:2012/04/16(月) 00:59:00.82 ID:14uV3D0A.net
魔王「少しってどんくらい待つんやろ」

魔王「暇やなー」

魔王「あかん、眠なってきた」

魔王「寝たらあかん寝たらあかん寝たらあかん寝たらやかん」

魔王「ちゃうちゃう、やかんやのうてあかんや」

魔王「あははー」

魔王「zz」

539 :14/28:2012/04/16(月) 00:59:35.94 ID:14uV3D0A.net
勇者「おい」

魔王「うちだし巻き卵は塩辛派ゆーてるやんかー」

魔王「甘いのは嫌やー」

勇者「起きんかいボケ」

魔王「あと5分・・・」

勇者「永眠させたろか」

魔王「・・・んー?」

魔王「ゆ、勇者! ふはは、よく来たな!」

勇者「もうそのくだり終わってんねん!」

魔王「痛い痛い! 思い出しました思い出しました! だからつねらんといて!」

魔王「もー、うちなんもしてへんのにつねることないやんかー」

勇者「なんもしてへんからや!」

540 :15/28:2012/04/16(月) 01:00:04.52 ID:14uV3D0A.net
勇者「せめて逃げろや!」

魔王「ええの?」

勇者「あかんわ!」

魔王「どないやねんな」

魔王「今までなにしてたん」

勇者「日の出って間違えてゆうたかなー」

勇者「とか考えてさっきまで向こうで待機しとった」

魔王「うわーご苦労様やなー」

勇者「しばいたろか!」

魔王「今から行こか?」

勇者「朝に行ったら雰囲気出えへんやろ!」

魔王「細かいなー」

541 :16/28:2012/04/16(月) 01:00:40.20 ID:J9GmMEEf.net
翌日

勇者「あとで宿代半額出しや」

魔王「うわーケチくさ!」

勇者「今度こそきちんと来いや」

魔王「分かってるって」

勇者「ほんまやな?」

魔王「ほんまや」

勇者「ほんまにほんまやな?」

魔王「ほんまにほんまや」

勇者「ほんまにほんまにほんまやな?」

魔王「はよ行きや」

542 :17/28:2012/04/16(月) 01:01:09.57 ID:J9GmMEEf.net
勇者「心配やなー」

勇者「あいつまた寝てへんやろな」

勇者「見にいこかな?」

勇者「あかんあかん、甘やかしたらあかんわ」

勇者「まだかー?」

勇者「・・・お?」

勇者「来た」

543 :18/28:2012/04/16(月) 01:01:51.71 ID:J9GmMEEf.net
魔王「ガオー」

兵士A「うわああああああああ」

兵士B「て、敵襲ー! 敵襲ー!」

兵士C「なんなんだこいつは! 一体どこから!」

兵士D「ど、ドラゴンなのか?」

魔王「魔王やでー」

兵士D「ま、魔王だー!」

兵士E「ひいいい! お助け!」

魔王「ガオー」

544 :19/28:2012/04/16(月) 01:02:57.01 ID:J9GmMEEf.net
魔王「ガオー」

チュドーン

魔王「ガオー」

チュドーン

魔王「んんー?」

魔王「あれなんか眠・・・」

魔王「zz」シュルシュルシュル

賢者「催眠魔法が効いて助かったわ・・・」

545 :20/28:2012/04/16(月) 01:03:29.41 ID:J9GmMEEf.net
勇者「うおー! みんな無事かー・・・ん?」

兵士A「いやー賢者様がいてくださって助かったな」

兵士B「まさか魔王を倒されるとは」

兵士C「まったくそれに比べて勇者ときたら」

兵士D「魔王を倒すことしか取り柄がないくせにな」

兵士E「まさかおめおめ王国に帰ってくることはないだろうな」

兵士「わはははは」

勇者「・・・あかん」

546 :21/28:2012/04/16(月) 01:04:11.11 ID:J9GmMEEf.net
魔王「んー?」

魔王「ここどこやー?」

賢者「お目覚めみたいね」

賢者「ここは王国よ」

賢者「ついでに言うと牢屋よ、それも結界がいくつも張られたね」

魔王「が、ガビーン!」

賢者「もうあなたはそこから出られないわ、死ぬまでね」

魔王「な、なんやて・・・!?」

547 :22/28:2012/04/16(月) 01:04:45.86 ID:J9GmMEEf.net
魔王「んなアホな話があるかい!」

魔王「ふんっ!」

魔王「・・・」

魔王「・・・あかん」

賢者「無駄な真似はしないことね」

賢者「精々死ぬまでそこで悔い改めなさい」

賢者「また後で来るわね」

魔王「アホー、一昨日来やがれー」

賢者(なんでゆーくんと同じ訛り方なんだろ)

548 :23/28:2012/04/16(月) 01:07:27.63 ID:J9GmMEEf.net
魔王「むー」

魔王「どないしよ」

魔王「それもこれもあのアホが早く現れへんからや・・・」

勇者「・・・やっと行きよったか」

魔王「ゆ、勇者!?」

魔王「こらー!」

魔王「なんで倒しに来なかったんや!」

魔王「うちはあんたやから倒されるゆうたんや!」

勇者「いや魔王として状態異常にかかるのはどうなん・・・?」カチャカチャ

魔王「お茶目や!」

勇者「アホか」カチャカチャ

549 :24/28:2012/04/16(月) 01:08:51.70 ID:J9GmMEEf.net
魔王「さっきからなにしとんの?」

勇者「結界壊しとんねん」カチャカチャ

魔王「・・・なにしとんの?」

勇者「助けたるゆうてんねん」カチャカチャ

魔王「・・・アホちゃう?」

勇者「アホちゃうわ!」

勇者「このままじゃ貧乏くじ引いただけや!」カチャカチャ

勇者「俺はなんとしても儲ける側に回ったんねん」カチャカチャ

勇者「心配せんでもお前を倒すのは俺や」

魔王「・・・バカ」

550 :25/28:2012/04/16(月) 01:10:59.39 ID:J9GmMEEf.net
勇者「よっしゃ、ほな行くで」

勇者「忍!」ドロン

パキーン

魔王「おお、やるやん忍者」

勇者「朝飯前や」

魔王「ほんまに朝飯前やな」

勇者「腹減ったわー」

賢者「朝食は食べてくの?」

魔王「あははー、そんなんしたら見つかるやんかあほやなー」

勇者「アホはお前や」

魔王「・・・?」

魔王「げげっ」



551 :26/28:2012/04/16(月) 01:12:24.99 ID:14uV3D0A.net
賢者「ゆーくん久しぶり」

勇者「久しぶりやな賢者」

賢者「今なら見なかったことにしてあげられる」

勇者「ほな頼むわ」

賢者「魔王は置いていって」

勇者「それは無理な話やな」

賢者「じゃあ見過ごせないわね」

魔王「ドキドキ」

552 :27/28:2012/04/16(月) 01:13:31.07 ID:14uV3D0A.net
勇者「お前のことはあんま傷付けたくないんや」

賢者「そう」

賢者「じゃあ私か・・・らっ!?」ゴンッ

勇者「でもどうせ傷付けるんなら早いうちに済ませとくわ」

賢者「きゅー・・・」

勇者「行こか」

魔王「あんたむっちゃ悪い奴やなー」

勇者「魔王に言われたないわ!」

553 :28/28:2012/04/16(月) 01:15:10.77 ID:14uV3D0A.net
魔王「ガオー」

チュドーン

兵士E「うわー!」

兵士C「な、なんで魔王が!?」

兵士B「て、敵襲ー! 敵襲ー!」

勇者「わはは、ざまーみさらせ!」

兵士A「だ、誰か乗ってるぞ!」

魔王「隠れてなあかんよ」

勇者「ええんや」

勇者「人影は見せとかなあかんねん」

魔王「? ガオー」

チュドーン

554 :29/28:2012/04/16(月) 01:15:52.31 ID:14uV3D0A.net
数日後

魔王「魔王を解放した謎の男、その正体やいかに!?」

魔王「やてー、賢者さんちくらへんかったんや」

勇者「やっぱな」

魔王「これからどないする?」

勇者「今考え中や」

魔王「折角勇者も魔王も休業中やし、どっか別の大陸行ってみいへん?」

勇者「そうやなー」

勇者「あ」

魔王「決まったん?」

勇者「そういや宿代!」

魔王「ケチくさ!」


555 :創る名無しに見る名無し:2012/04/16(月) 01:17:21.65 ID:14uV3D0A.net
おしまい

かっとなって書いた
反省はしている、後悔はしていない
番号は間違えた

556 :創る名無しに見る名無し:2012/04/16(月) 01:50:14.98 ID:YjIDPlmV.net
なんかごっつええあたりで脳内再生されたw
そして賢者がなんかかわいい。乙です

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