【能力ものシェア】チェンジリング・デイ 6【厨二】
- 1 :創る名無しに見る名無し:2011/06/23(木) 14:24:20.46 ID:1iTnd9uD.net
- ここは、人類が特殊な能力を持った世界での物語を描くシェアードワールドスレです
(シェアードワールドとは世界観を共有して作品を作ること)
【重要事項】
・隕石が衝突して生き残った人類とその子孫は特殊な能力を得た
(隕石衝突の日を「チェンジリング・デイ」と呼ぶ)
・能力は昼と夜で変わる
(能力の名称は地域や時代によって様々)
・細かい設定や出来事が食い違っても気にしない
まとめ:http://www31.atwiki.jp/shareyari/
うpろだ:http://loda.jp/mitemite/
避難所:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1267446350/
前スレ:http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1293009392/
以下テンプレ
- 363 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2012/08/15(水) 13:16:46.66 ID:YTDUBQyC.net
- 夏休みが終わってしまう・・・
人物まとめなど
能力などはストーリーネタバレがあるので幕を降りた人から書きます
銀ウサギ組
○ シルバーレイン(銀大刀持ち銀髪赤眼)ヨシユキを保護、訓練。エデンの計画を妨害。
○ リリィ(真っ白ドレス金持ち幼女枠)眠いです〜。
○ 蒼乃マトイ(青服青本女)旧機関・第七研究所総長。ハイドラ。死亡?
○ 風魔ヨシユキ(捨てられ男)エデンにやられ、組織に捨てられ、自分探し中。右腕欠損。
○ 風魔マヤ(ツバキ)黒髪ピアス女。夏でもマフラー手袋の耐寒装備。
○ 正木正義(謎男枠)科学者。女だらけのため、バランスを取るために登場。
機関第七研究所
○ エデン(軍服髑髏ドレッド)短剣を空中操作する。ボス。口が悪い。
○ 参の目(赤和服下駄女)額に目がある。夜は心が読めるよ。
○ ジュセル(包帯男)マミー。でも服は着る。心臓貫かれても死なない高い耐久度。
○ イザナミ(女学生黒鞄斧仕込み翼)ぁたし。日本語がおかしい。後に保護される。
○ 九龍(チャイナ女)アルアル。ホイコーロー食べるアルか?
○ ベルベット(黒いローブ女子)カラス女子。夕方には家に帰る予定。
○ アッシュ(田舎短パン少年)狼少年。嘘はつかない。
※クロスは第七研究所所属ではありません
以上。
- 364 :創る名無しに見る名無し:2012/08/16(木) 23:21:26.84 ID:BCr9fDDN.net
- >>358
おお、お久しぶりです&乙です!
また謎を呼ぶ新キャラが……
続きが気になります。
※避難所でヨシユキと猫娘お借りしました!
- 365 :創る名無しに見る名無し:2012/08/18(土) 23:41:37.82 ID:Q4AcyGRT.net
- 乙
マヤさん同姓ですと!
関係が気になる
- 366 :創る名無しに見る名無し:2012/08/27(月) 23:40:37.41 ID:1LpXr5MU.net
- 小ネタ1レス投下すんよ
- 367 :東堂衛のキャンパスライフ 番外編 〜4年後〜 ◆KazZxBP5Rc :2012/08/27(月) 23:41:56.10 ID:1LpXr5MU.net
- かれんです。
私は今、高校に通う傍ら、主婦をやっています。
あっ、衛さんに迫られてってわけじゃないんですよっ!
むしろ……私が説得したんです。えへっ。
だってですよ、今までもずっと一緒に暮らしてきたじゃないですか。
私も16歳になりましたし、衛さんも働きはじめました。
結婚した方が役所の手続きなんかも楽ですよ――って感じで。
……なんだか全然結婚する理由になってませんね。
本当は堂々と恋人面したかったからなんです。
衛さんには言いませんでしたけど、気付いてくれていますよね?
変身体質は相変わらずですが、今では夜でも思い通りに動けます。
私の方が大きいので衛さんを襲いやすいんですよ。なーんて。
たまに機嫌が悪いときに、コントロールが効かないことにして八つ当たりしてるのは、衛さんには内緒です。
……やっぱり今でも夜は性格も変わってるんでしょうかね。
あ、もうすぐ衛さんが帰ってくる頃です。
今日はこれから二人で――
「……ん。」
西日が差してきて私は目を覚ましました。
どうやら昼から眠っていたようです。
さっきの夢――4年後の夢のことが頭を巡ります。
なんだか顔が熱くなってきました。あれって、私の願望なんでしょうか。
ずいぶん積極的だったなぁ、私。
部屋に誰もいないのが分かってても、やっぱり恥ずかしいです。
そうだ! 掃除しましょう! 衛さんが帰ってくるまで!
そうやって、変な夢のことはさっさと忘れるんです!
「でも、いつかあんな風に、きっと……。」
おわり
- 368 :代行:2012/08/28(火) 22:48:47.41 ID:ZWwjc7m/.net
- おお、カズさん小ネタ投下乙です〜
積極的なかれんちゃんもかわいいですねっw
以上、避難所より
- 369 :創る名無しに見る名無し:2012/09/01(土) 04:18:19.32 ID:WwuzvHAl.net
- かれんちゃんきゅわきゅわ!
正夢になるといいな
- 370 :創る名無しに見る名無し:2012/09/10(月) 00:03:58.40 ID:hR2fUixl.net
- ◆zKOIEX22Eさんに聞きたいんだけど、ヨシユキの短刀って普段は鞘に入ってるん?
- 371 : ◆zKOIEX229E :2012/09/16(日) 02:22:50.96 ID:xZZFNZR+.net
- 返信おそくなりまして、申し訳ない。
普段使いの短刀は鞘に入れています。腕には隠し剣を装着しています。
でも、彼の気分によって変えたりするので、そこはお好きなようになさってください。
- 372 :創る名無しに見る名無し:2012/09/16(日) 03:11:50.77 ID:3ryPFUym.net
- ありがと!
- 373 :創る名無しに見る名無し:2012/09/30(日) 21:03:13.97 ID:9/Ywugrl.net
- (TK都:P.N. エージェント・ジョッシュ)
「ちょ、ドクトルJ! なに勝手にヒトのP.N.つけてるんですか!」
「おっと失礼。ラジオネームだったね。R.N.・・・と」
「いやそうじゃなくて・・・」
→http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/495
- 374 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 04:50:22.09 ID:yN/NgWRt.net
- 夕暮れの坂道を登る、二つの影がある。
遠藤直樹とクロスがその道を並んで歩いていた。
「クロスの友人って、どんなんなんだ?」
坂道を歩いている遠藤直樹に聞かれ、クロスは思い出す。
彼女は目が赤い。長い銀髪で、銀の長剣……グレートソードと言うのだろうか。巨大な剣を持っていた。よく思い出してみれば剣の形状をしていない事もあったが。
灰色の戦闘服を着ていて、武具防具ともどもネズミ色だ。戦闘の時は眼だけ赤く光って少し怖い。
「目立つ、戦闘服を着た変な格好の奴だ」
「人の事言えるか?」
直樹はクロスを半目で見ながら言った。
クロスは自分の黒い戦闘服の姿を見降ろした。夏バージョンの、袖のない涼しい服装だ。生地は最高級品だし、何よりかっこいいと自負している。しばらくして、「そうか」と言った。
「言い間違えた。戦闘服は変ではないな。つまり戦闘服を着ていないナオキが変だ」
「どういう理屈だ!?」
「今度、ナオキ用に調達してきてやろう。何色がいい?」
「いらねー!」
「……クロス、私に何か用か?」
クロスが振り返る。
そこには白のシャツに青色の長いスカートを履いたラフな格好のシルバーレインがいた。
背中には黒革のギターケースを抱えている。
「えーと、クロス。この人は」
「友人の、シルバーレインだ」
「つーか、普通の格好じゃないか……」
「久しぶりだなシルバーレイン、変わりないか?」
直樹の言葉を無視しつつクロスは言った。
久しぶりにあう彼女は、どこか疲れた雰囲気が出ていたが、つとめて気にしていない振りをした。
「……変わりないと言えば、嘘になるだろうな」
「シルバーレイン。奴はどこだ?」
「……」
「機関本部には、お前を重要参考人として捕らえる責任がある」
クロスは低い声で言った。
遠藤直樹が場の雰囲気が冷えたのに気付き、身を固くする。
良い兆候だとクロスは思った。ナオキも戦闘に多く関わってきて、戦闘が始まる空気というのを感じ取れるようになってきている。
もともとナオキが持っている戦闘のセンスが磨かれつつあるという事だ。
「……何が目的だ?」
「ホーローを引き渡してもらう」
瞬時にシルバーレインが右手をギターケースへと伸ばした。
ギターケースから銀刀が大剣の形に変形しつつ抜刀される。コンマ一秒もかからない早技にクロスは感嘆の吐息を吐いた。
彼女は2mほどあるその剣を片手でクロスにゆらりと向けた。
「……奴は渡せない」
「誰かに強要されているのか」
「……」
その沈黙は肯定か否定か。
どちらにせよ、とクロスは片手のみ短剣を持つ。
ここからは実力行使だろう。
「シルバーレイン。お前を機関の一員として制圧する」
クロスが戦いの始まりを静かに口にした。
- 375 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 05:00:36.82 ID:yN/NgWRt.net
- 夕暮れの残滓が水平線上に残っている。
シルバーレインは目視で昼のエクザの残留時間を計測。
残り、3分30秒といったところか。
目の前の敵を見る。
機関の精鋭、クロス。昼の能力はslowか。
空中に体があるのならば、1000倍の時間浮遊される遅滞能力に捕まって終わりだろう。
隣にいる遠藤直樹はドグマが過去に襲った記録があったが、特殊な能力を有しているのだろうか。
だが、銀の大剣をクロスへと向ける。遠藤直樹の脅威性は低いと判断し、無視する。
「……“対抗者”起動」
私の昼の能力を起動させた。
大剣が二つに割れ、瞬時に長剣と短剣が具現する。
短剣は刃に無数の溝がある厚い剣で、相手の刃物を折る事に特化したソードブレーカーというものだった。
私の身体能力がクロスに合わせ、向上する。
「……私の能力は、以前のフェイブ・オブ・グール討伐の時に話したか」
「ああ。『対抗者』。厄介な能力だ。相手の実力や状況に応じて、『身体能力と銀の武器が相手と拮抗するようになる』能力」
「……私の夢の、最後に残った燃え滓だ」
一歩進む。
指先で地面を掴み、一歩、二歩、三歩、そして全力で間合いを詰める。
クロスはその両手にナイフを持ち、私に向けていた。
右手のロングソードを振り下ろす。
威嚇ではなく、殺す気で振り下ろす。
これくらいの気概で行かなければ、機関の精鋭は退かせられない。
ロングソードを両の短剣で受けとめ、衝撃を殺しつつゆっくりと右へ逸らされる。
クロスの左からの返しの一撃は、そのナイフを私の左手のソードブレイカーが噛み、捻りと共に折って防御した。
好機。
クロスが地面を蹴り、下がるのに合わせ、ソードブレイカーを突き出しながら右肩を狙う。
切っ先がクロスの右肩に触れるか触れないかという時、彼女が笑った。
彼女は両の手に握っていたナイフとナイフの柄を手放した。
その一瞬で、私のソードブレイカーが消失した。
『ナイフを持たない相手には、ソードブレイカーは必要ではない』という能力の判断だ。
前傾姿勢の空になった私の左手を、クロスの両手が掴む。
彼女の体が回転し、引っ張られた。
背負い投げと気付いた瞬間、私の体は彼女の上を舞っていた。
「slow!!!」
クロスの声が響いた。
- 376 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 05:03:50.70 ID:yN/NgWRt.net
- クロスは戦闘の終わりだと感じた。
私の手から能力の波動を受け、シルバーレインは宙に固定される。
その後は、瞬時に縄で縛ってしまえば問題ない。
しかし、とクロスは疑問を感じた。
こんなにあっさりと終着するものなのか。
以前は彼女をライバルと視ていたのだが、こんなにもあっさりと?
否。
本能がそう告げていた。
これで終わりではない。
終わるはずが無い。
だから、能力を発動した後も、警戒を解くことなくその結末を見ていた。
そして見た。
先に発動したはずのクロスの能力が、後に発動したシルバーレインの能力に破られるのを。
背中から四本の銀の鞭が噴出する。鞭の先端は鋭い刃となっており、それらが地面や街路樹に突き刺さる。
能力がシルバーレインの体に触れるが、体が地面と繋がっているため効果が発動しない。
彼女の姿は蜘蛛を思わせた。
「『アラクネ=ギア』展開」
まるで四肢のようにその鞭はシルバーレインの後ろに付随していた。
真一文字に結ばれた唇と、深淵を見据えるような赤い瞳。
銀の戦鬼。
「流石だ」
クロスは威圧と高位の闘争への歓喜とで、体を軽く震わせた。
彼女が歩くたびに蜘蛛のように背中から伸びた四本の鞭が交互にアスファルトを抉る。
「クロス……」
遠藤直樹が声をかけた。
心配しているのかと思えば、その声にはそのような色は無かった。
むしろ、その声には信頼を宿したような響きがあり、彼は指を海岸線に向けていた。
太陽がその残滓も、海の向こうへと引き連れ消えていくところだった。
はぁ、と嘆息をする。
これから面白くなりそうだったのに。
クロスは両手を軽く挙げ、こう言った。
「休戦だ」
- 377 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 05:04:41.53 ID:yN/NgWRt.net
- 日が暮れた海岸通りを、ツバキと歩いていた。
お互いに交わす言葉は無く、ただ、さざ波だけが響く。
月がうっすらと浮かぶ水色の空が、海岸線の向こうに広がる。
何か言おうと口を開くも、言葉が出ず、歩行を続行する。
ツバキは相変わらず俯いたまま、ときどき鼻をすする音が聞こえた。
……コード:ツバキ。風魔マヤ。
同姓ということは俺の姉か妹なのか。それとも親戚か。
……夢の中の俺は、幼馴染と認識していたが。
混乱してきた。
なにせ、俺は一切ツバキとの記憶を覚えていないのだから。
「ツバキ」
覚悟を決めた。
「最初に言っておく事がある。俺は……君の事を何も覚えていない」
彼女の方を見ず、ただ、海岸通りを歩く先を見つめて言った。
ヘッドライトをつけた白い車が一台、俺たちの横を通り過ぎていった。
はぁ、と溜め息のような、安堵のような音が聞こえてきた。
ようやく顔をあげる。鼻をやや赤くして、潤った瞳で俺をみていた。
「それなら……それでいいわ」
「……それでも、どこかで会ったという覚えはある」
「どっちよ」
フフ、とツバキがようやく笑った。
俺も軽く笑みを返しておく。
泣いている女は、正直、苦手だ。
「風魔マヤ?お前は俺の妹なのか?」
「違うわ。お姉ちゃんよ」
「姉か」
「……ふふっ。嘘よ。そもそも私はあなたと血のつながりは一切ないから……待って。止まって。そう、そこに」
ツバキが片耳、赤いピアスに手を当てて言う。
「敵が来るわ」
山道の階段から三人が歩いてくるのが見え、ツバキを後ろに下がらせた。
戦闘を歩く女はもう見慣れてしまったシルバーレインで、背負っている黒革のギターケースの中にはおそらく銀刀が入っているのだろう。
あちこちにかすり傷のようなものを負った跡があるのが気になるが。
その後ろを歩いているのは書類で顔を確認した事がある遠藤直樹と言う少年で、その横には最悪な事に『機関』のクロスだ。
「いつもなら『カーニバルだぜぇ!』って突っ込むファングがいるんだがなぁ……」
呼び出せばすぐに来そうな気がするが、所在不明な現在では無理な相談だろう。
三メートルほどの距離をおいて、クロスと遠藤直樹と対峙する。
シルバーレインはそのまま歩き、俺の横に立つ。
「シルバーレインが裏切って機関に通報した、という事ではなさそうだな。さて、機関の精鋭が俺に何の用だ?」
落ち着いた声を出す事に努めながら、左手はすぐに隠し剣を抜ける様に準備していた。
片腕だけで強敵と相手する状態は危険すぎると、改めて理解した。
「機関本部に第七研究所から寄せられた情報から、昔の友人の元にお前がいる可能性が高いということだったのでな。こうして寄らせてもらったわけだ」
「それで?」
「そうだな。機関にはお前を引きいれる準備ができていると言おう」
「……は?」
腕組みをしたまま、クロスがうんと頷いた。
「仲間になれ、ホーロー。そうすれば我々が安全を保障しよう」
- 378 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 05:08:18.46 ID:yN/NgWRt.net
- 海沿いの白いレストランの、テラス席。
夜の暗闇が支配する海を、銀の満月が道のように一直線に照らして切り裂いていた。
丸いテーブルには俺の隣にシルバーレイン、クロス、直樹、ツバキの順に座っていた。
急に戦闘になっても、俺とシルバーレインは遠藤直樹を人質に取れないし、逆にクロスもツバキと俺を人質に取れない席順だ。
店内から店員が料理を運んできた。
ムール貝とエビのドリア。イカスミパスタ。鯛の活き作りの刺身など、充実した料理が並ぶ。
腹が減っていたので早速食う事にする。左手のみで行儀が悪いが、こればかりは仕方ない。
「それで、どうだ?仲間にするという話だが」
「まず、断わっておく。仲間にはならない。そちらの機関の一部、第七研究所とは現在、ドグマに関係なく敵対関係だ。身の安全が保障されるとは信じられない。
だが……情報交換なら受けようか。俺の知っている情報と、そちらが持つ情報で取引だ……そもそも情報交換の為に来たことが本筋で、仲間にするなんて事は建前だろ?ドグマと機関の遺恨は深過ぎる」
犬歯でパスタを食いちぎりながらクロスに答える。
対してクロスは何も口にしない。あたりまえだろうな。俺だって敵地に居たならそうする。
「取り引きを受けよう。ドグマの情報はことさら貴重だ。その情報を持っていれば他の組織より有利になるし、何よりフェイブ・オブ・グールの対抗策があれば尚更だ」
「フォグか……あいつに対しては何もしらない。能力が何であるか、なぜ死なないのかも」
ムール貝の身をナイフでそぎ落とし、ナイフを突き刺して食う。
「ただ、幹部なら知っているかもな。リンドウやフール。ファング……は知らないって言ってたか……」
「彼らは今、何処だ?」
「知らないし、知っていても答えない。次は俺からの質問だ。機関第七支部、第七研究所とは何だ」
情報交換で気をつけなければならないのは、手の内を晒し過ぎる事だ。
互いに互いのカードを多く出させようと画策しなければならない。
俺が欲しいのはエデン率いる第七支部の情報だ。
この数ヶ月、やつらは俺を探している節があった。
この場所が見つかるのはそうたやすくは無いが、再び遭遇する危険性を考え、奴らの能力の秘密などを知っておきたい。
「まず、機関の構造から説明しなければならないな。機関には本部と、七つの支部が存在する。主な業務が本部で精査され、適切な仕事が本部、あるいは支部に振り分けられ、実行される。七つの支部のうちの一つが、第七研究所だ」
「第七研究所の主な役割は?」
「発足当初は戦闘員の戦闘力増強の為の武器、装甲、義腕または義足の開発研究、製造にあった。所長は私の知る限り、若かったが才能のある蒼乃マトイが担当していたはずだ」
「蒼乃マトイは戦死したと聞いたが?」
「ああ。戦死だ。現在はその部下だったエデンという男が所長を務めている」
さて、とクロスが腕を組んで俺を見る。
「交代だ。冬。イタリアの某国を壊滅させたのはドグマの仕業か?」
虚空に視線をさまよわせ、あの件かと思考を巡らす。
答えても大丈夫だろう。
「そうだ。正確にはフールの仕業だ。奴は単独でイタリアに乗り込んだ後、わずか三日で全てを終わらせた」
「目的は?」
「あるものの強奪。最重要機密で、俺にも知らされていない」
「フールの能力は?」
「不明だ。さらに、どんな技を使っているのか知らないが、鑑定士ですらやつの能力が見抜けないという。いつでもあいつは非協力的で、何を考えているのかわからない」
っと、これは私的な意見だな。
左腕を上げて、店員に飲み物を頼む。
そこで遠藤直樹が俺の顔を注意深く見ていた事に気付いたが、よくわからないので視線を横に移すと、ツバキは携帯を弄っていた。
シルバーレインはというと目を軽く閉じて話を聞いていた。
彼女には以前こういった話を聞いたことがあったのだが、何も答えてくれなかった。
機関の事。エデンの事。それらに何一つ踏み込んでほしくないように見えた。
今日のような情報収集はしかたないと思っているのだろうか。
彼女のやや疲れた雰囲気が気がかりだが、今はクロスとの対話を優先としよう。
「ただ、俺の元の部隊。つまり、リンドウの部隊が昼間にイタリアのサンタンジェロ城からフールが襲撃する場面を監視した所では、フィニッツ兄弟が互いに争っているように見えた、とか」
「服従の能力か?」
「そこまではわからない。しかし、ハッキリしているのは奴の能力は、夜はタロットカードに関係する能力だ。やつは部隊は持たず、常に単独で行動している。おそらく、現在も単独でこの世界に残っているはずだ」
話きった後、冷水で唇を湿らした。
- 379 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 05:10:25.60 ID:yN/NgWRt.net
- 「次はそちらだ。エデンの能力は何だ」
「こちらも初めに断わっておく。私は本部に属しているが、支部の情報は基本的に共有されない。本部も支部に情報を共有しない。それぞれが情報を守秘することで、占領された時に連鎖的に情報が漏洩することを防いでいる」
「内部腐敗があっても気付けない構造だな」
「確かに。本部さえ守れればいいと、上の役員は思っているようだが……ハッキリ言って、エデンの能力は不明だ。本部との合同任務でも奴が能力を使った事は無い。しかし、能力とは別に短剣を操作する技術を持っている」
「“固有磁場”か。特殊な配列の金属と己の間にだけ磁場を発生させ、動かす技術だ」
「お前の方が詳しいようだな」
「まあな。俺は右腕を斬られたせいで“固有磁場”は使えないが。おそらく奴は金属を弾き飛ばす強力な技である“逆磁場”も使えるはずだ。奴と戦うときは死角に注意しろ」
「情報を与えるつもりが、貰ってしまったようだ」
「では、俺から質問だ。“複雑系エクザ”と“スフィアネット”とは何だ?」
「カオスエクザ?」
クロスが疑問符を浮かべた顔で俺を見る。という事は機関全体で使える技術では無いのか。
「……私が答えてやる。……“複雑系エクザ”とは、能力の上位を決める数式のようなものだ」
急に声が聞こえ、俺とクロスがそちらを見る。
間に座っていたシルバーレインが赤い眼を開け、話し始めた。
「……仮に能力者Aが最強の矛の能力、能力者Bが最強の盾の能力だとする。……この場合、どうなると思う?」
「何も起きないんじゃないか?」
「……違う。……この場合、能力の強いものが勝つ。……互いに噛みあう能力が対峙するとき、その優劣を決めるのが能力本来の強さだ」
「本来の強さ?」
「……そう。……例えば、ホーロー。……お前の能力は“能力を否定する”能力だが、これは全ての能力と噛みあう。……だが、基本的に“相手の能力を潰す”だけに特化したお前の能力の方が強い。
……しかし、能力には出力がある。……精神状態や体調に依存するが、“複雑系エクザ”では最高出力を超えた能力を出すことができるようになる。……つまり、“複雑系エクザ”を使う相手には、“能力を否定する”能力の効果内でも能力が打ち消されず、発動できる」
イザナミやジュセル、第七研究所の戦闘員“騎士”が俺の能力内でも能力を発動できたのは、そういう理由か。
しかし、疑問点が残る。
「しかし、そんな技術があるのならバフ課や機関本部、もしくはドグマが使っていてもいいんじゃないのか」
「……この技術には前提がいる。……“スフィアネット”に接続する事だ」
「スフィアネット?」
「……機関で第七研究所が所有するマザーコンピューターだ。……スフィアネットに接続するためには『改造人間』である事が前提だ。
……まぁ、一部の最上位に位置する能力者の中には、自身の能力のみで“複雑系エクザ”と同じ状態まで自身を持っていけるものも存在するらしいが」
「第七研究所の戦闘員“騎士”や“不死男”ジュセルは確か、全員が改造人間だったな。本来は義腕、義足を用いて本部をサポートする支部だったはずだが。マトイが死んでから全て狂ってしまったな」
「……いや…………そう、だな」
シルバーレインが何か言おうとしていたが、急に口を閉じてしまった。
俺には一瞬、マヤが鋭い視線を彼女に向けた気がしたのだが、気のせいだろうか。
「エデンの目的は分かるか?」
俺が問うと、シルバーレインは再び目を閉じ、しかし、力強い口調で言った。
「……かつて一度聞いただけだが、奴は奴の理想の世界を創ろうとしている。……つまり“楽園”を創造することだ」
“楽園”。つまりエデンか。
その内容はシルバーレインにも分からないが、相当数の戦力を有して行われると考えられる。
クロスによれば第七研究所は現在、戦力を集中させつつあるという。
「……心配するな。……エデンの計画は私が必ず潰す」
シルバーレインは両手に力を込め、射抜くような視線で虚空を睨んでいた。
- 380 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 05:12:12.91 ID:yN/NgWRt.net
- まぁ、なにはともあれ彼女の力は本物なので、俺は手伝えることだけ手伝うとしよう。
「第七支部は中国大陸の主力である『クーロン』と、ロシアの『ベルベット』、『アッシュ』を日本に呼びこんでいる。やつの計画が近いのかもしれないな。シルバーレイン。エデンや第七支部の件は私に任せてくれないか?特派の派遣を本部に進呈してみるとしよう」
クロスが言った。
機関本部には何か手があるのだろう。
これでエデンもろともその計画が潰れてくれれば大助かりだ。
俺を狙う第七支部がいなくなれば、ある程度自由にドグマを探すことができる。
俺は見返りの情報として、第七研究所で行われていた“流星の欠片”の謎の実験を伝えた。
「だいたいの話はわかった。昔の友人が保護しているお前を尋問するのは気が進まないし、どうやら機関本部はお前よりもフールを優先して探したほうが良いみたいだな。それでは、最後の質問にするが」
クロスが立ち上がりつつ聞いた。
「ドグマの目的とは何だ」
……やはりそれを聞くか。
俺がドグマに入り、最初にフォグに聞いた言葉と同一だ。
だから俺はフォグが返した言葉をそのまま返す。
「これは、幹部にしか知られていない情報だが、俺は特別に教えてもらった。今となってはお前たちにも教えていいのだろうな。ドグマの目的、それは世界の再起動だ」
「何だと?」
「理解できなくていい。ただ、言い表すにはこれが一番的確な表現だ」
クロスが怪訝な顔をするが、俺はすぐに立ち上がり情報交換は終わりだということを態度で示す。
クロスは最後の質問には不満げだったが、シルバーレインが隣でナイフの装備を点検し始めたのを見て、肩をすくめた。
夜は十分に更けた。これで終わりだろう。
ツバキはというと、話に飽きたのか柔らかな寝息を立てていた。
苦笑しつつ、揺らして起こそうとするが、それよりもはやく声が飛んだ。
「ヨシユキ?風魔ヨシユキなのか?」
シルバーレインでも、ツバキでも無かった。
声の持ち主は男で、つまり俺の視線の前に座っている。
「ヨシユキだろ?うわっ、久しぶりだな!おいおい!」
目の前ではしゃぐ男を前に、俺は困惑していた。
また、覚えてない。
いや、思い出そうとすると何かが邪魔をする。
思わず左手で、額を抑えた。そのせいで、
その光景をツバキが薄目で見ている事に、俺は全く気付かなかった。
- 381 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 21:55:09.81 ID:yN/NgWRt.net
- 遠藤直樹の言う事によれば、俺は彼の中学生時代の転校生で3ヶ月ほど同じ学校で過ごしていたそうだ。
しばらくしてまた親の都合とかで転校したらしいが、その間、俺と遠藤直樹は親しく遊ぶ仲だったらしい。
「しかし、本当に覚えてないか?俺の事。けっこー世話したんだけど」
「悪いな。マジだ」
「ヨシユキが転校するときは大変だったんだぜ。フード被った通り魔とかが出てよ〜。特に俺の学校の生徒ばかり狙われて、3人くらい怪我した」
ルローみたいなやつだろうか。それともドグマの手先が俺を追って何かしていたのだろうか。ともかく記憶がない。
「つーか、何で忘れてんだ?」
「何でって……」
何で、だろうな。
能力の記憶による消去なら、バフ課の7班が有名だが。
断片的な記憶はある。ということは何度も記憶を消されていたという事になる。
そんな事をされる理由は……ドグマが俺を探していた事と関係があるのだろうか。
わからない。
だが、調べてみるべきなのだろう。
俺の失われた記憶を調査する事。手が回しやすい行動のはずだ。失った記憶を取り戻すことで、何か得られる事があるかもしれない。
おまけに夜、変な夢をみることも無くなるかもしれない。
エデンの計画は気になるが、きっとクロスや機関の本部が対処してくれることだろう。
「すまない、遠藤直樹。とりあえず、記憶を取り戻してから再び挨拶に行く」
「おいおい。ナオキでいーぜ。そう呼んでたろ、ヨシユキ」
「わかった。ナオキ」
白銀の月が照らす中、俺たちは互いの手を固く握った。
「必ずまた会いに行くよ、ナオキ」
- 382 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 21:55:50.54 ID:yN/NgWRt.net
- とりあえず、と言うべきか。
クロスとナオキと別れを告げた後、ハーゲンダルク家に戻った俺とシルバーレインは今後の計画を話し合った。
俺の記憶を取り戻す事。
俺が過去を調査する旨を言い出したらシルバーレインの表情がひどく曇った気がしたが、彼女は承諾してくれた。ただし、顔を隠すのは絶対条件で、機関本部とハーゲンダルク家に保護された地域のみを限定とすること。
機関本部がそこまで協力してくれるのかわからないが、シルバーレインとクロスの間で何らかの取引があったのだろう。感謝しておく。
「……お前の答えが見つかるのなら、それでいいのだろうな」
互いの寝室に戻るとき、彼女が呟いた。
俺は深く考えることもせず、ただ疲れていたのですぐさまベットに潜り込んだ。
今日は色々なことが起こり過ぎた。
そう言えばツバキの名字が俺と同じ理由は何だったのだろうかと思ったが、明日でも聞けばいいかと布団をかぶりながら考えていた。
シルバーレインが以前、彼女を奪ってしまったとはどういう意味なのだろうか。
ツバキはここにいるのに。
疑問点をいくつも持ちながら、それでも睡魔は等しく俺の上にも降りて来た。
- 383 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 22:50:21.35 ID:yN/NgWRt.net
- その日、夢を見た。
幼い頃の俺とツバキが一緒に避難所を歩いていた。
その頃、能力はあらゆる人に力を与えていた。
家を修復する能力者や、重力を操作する能力者が活躍していた。
能力に恐れを持ちながらも、いつかは俺も人の役に立つ能力を得たいと考えていた。
多分、隣にいるツバキも同じ考えだったと思う。
その日も少し遠くまで遠出した。
避難所のフェンスは高かったが、一部、下の方が捲れるようになっていて、よくそこから抜け出した。
立ち入り禁止の崩れかけた建物の中にはお菓子が残っていることがある。
避難所の子供たちの中でも年長だった俺たちはそれを取ってきて、小さな子供たちに配るのが日課だった。
だから、その日も同じように行動していた。
道端で子供が倒れていた。
ツバキが抱き寄せて、怪我や異常がないかと探したが、見当たらず、疲れて眠っているのだと気づいて安堵した。
その子は避難所の病院でしばらく眠り、意識を取り戻したあと、こう言った。
自分は『機関』の人間だと。
時間が経つにつれ、そいつと俺たちは仲の良い友達になった。
いつも三人、並んで遊んでいた。
そいつは大事な親友で、大切な仲間で、かけがえの無いやつだった。
そして唐突に。
そいつはツバキを殺した。
- 384 : ◆zKOIEX229E :2013/01/01(火) 22:51:39.57 ID:yN/NgWRt.net
- ひっさしぶりの投下です。
カズさんラジオお疲れ様でした。
新年がみなさんにとって幸多き年になりますように。
- 385 :創る名無しに見る名無し:2013/01/01(火) 23:56:48.90 ID:WRfK8wDx.net
- 投下乙っす
- 386 :創る名無しに見る名無し:2013/02/16(土) 15:46:19.48 ID:6AWzUdbi.net
- 意外な所でつながりが
- 387 : ◆VECeno..Ww :2013/05/15(水) 18:04:49.02 ID:vIK6GM7W.net
- ご無沙汰しています。
一応新シリーズの構想はあるのですがなかなか書き出す所まで詰められない日々。
アンセッドには一応設定だけはあるけど上手くストーリーに仕上がらないキャラが多数おります……
>>357
フォルトゥナさんは設定パット見だとどう考えてもチートキャラなので取り扱いにはご注意くださいw
鞍屋と戦った時のように熟練度がMAXでなければカオスエグザの能力強度で押し負けて苦戦する事は有り得そうです。
(熟練度MAXだと相性が完全に上回っていなければまず太刀打ちできない能力が設定してありますし)
>リリィ編
ツバキ、フール、カオスエグザ、イタリアの潰滅……
ますます謎は多く深く……先の展開が楽しみです。
対立組織との取引シーンって緊張感溢れていいですよね!
そしてシルバーレインの能力が厄介w
色んなキャラと戦わせてみた所を想像したくなる能力です。
----
・業務連絡
wiki編集してる時にページ名を間違えて作成してしまいました。
ログインできる人でないと削除もページ名変更もできないのでwiki管理人の方いらっしゃいましたらページ削除をお願いします。
http://www31.atwiki.jp/shareyari/pages/575.html
http://www31.atwiki.jp/shareyari/pages/561.html
- 388 : ◆VECeno..Ww :2013/05/15(水) 20:58:43.28 ID:vIK6GM7W.net
- あと、クロスとシルバーレインのお互いの能力特性を利用した攻防もドーパミン出まくりでした。
そういえばニコニコ動画に創発の野望って動画ありますよね。
このスレからは陽太とかアヤメとかが参戦して活躍してます。
そして後半から登場する比留間慎也博士。まさかこんな重要ポジションにくるとは……!
ありがとうございます。この場にてお礼兼宣伝をさせて戴きます。
- 389 :創る名無しに見る名無し:2013/05/15(水) 21:47:26.20 ID:K7SrzF08.net
- 編集乙
読み返してみたら「自分を殺す能力」って微妙に正しいよな…
- 390 :創る名無しに見る名無し:2013/05/23(木) 23:39:44.16 ID:mNgJ8Z1t.net
- ネタが増えたよ!
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1365246320/203
- 391 :創る名無しに見る名無し:2013/07/27(土) NY:AN:NY.AN ID:j8gz7656.net
- http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4369293.jpg
- 392 :創る名無しに見る名無し:2013/07/27(土) NY:AN:NY.AN ID:mtfNa2xK.net
- どういう状況なのw
- 393 :創る名無しに見る名無し:2013/10/28(月) 20:01:32.15 ID:rYHAMktA.net
- ーー勝てない。
体中が軋む。体中の痛みが無い部分を探すほうが難しい。
熱い痛みと共に、エデンの腕の一振りで体に刺さった黒い短剣が何本も引き抜かれていく。
「弱ぇ弱ぇ弱ぇ弱ぇ」
黒い短剣はエデンの周囲を規則的に周回し、手に触れている訳でもないのに勝手に宙を舞い、エデンのカーゴパンツに取り付けられた無数の鞘に収められていく。
体中が痛い。
いっそのこと死んでしまったほうが楽だと思えるが、躯は勝手に俺を生かし続けていた。
中央科学ドーム。
屋根など激闘の末に全て剥がれ落ちて、鉄骨の骨組みだけになってしまった。
屋上に居る、二人に夏の終わりの風が吹く。
一人は勝者で、一人は敗者で。
涼しい風は、傷口を嬲るように素知らぬ顔で吹き過ぎて行く。
冷たくて痛くて、それでも生きて生かされていて。もう俺自身が壊れてしまいそうだ。
「ホーロー、いや、ヨシユキ。一つ、良い事を教えてやるよ」
俺に背を向け、エデンは両手を広げた。
天空には黒い闇と、銀色の満月。
「ツバキを殺したのは、この俺だ」
暗い夜が更けていく。
- 394 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/10/28(月) 20:05:06.31 ID:rYHAMktA.net
- ーー勝てない。
体中が軋む。体中の痛みが無い部分を探すほうが難しい。
熱い痛みと共に、エデンの腕の一振りで体に刺さった黒い短剣が何本も引き抜かれていく。
「弱ぇ弱ぇ弱ぇ弱ぇ」
黒い短剣はエデンの周囲を規則的に周回し、手に触れている訳でもないのに勝手に宙を舞い、エデンのカーゴパンツに取り付けられた無数の鞘に収められていく。
体中が痛い。
いっそのこと死んでしまったほうが楽だと思えるが、躯は勝手に俺を生かし続けていた。
中央科学ドーム。
屋根など激闘の末に全て剥がれ落ちて、鉄骨の骨組みだけになってしまった。
屋上に居る、二人に夏の終わりの風が吹く。
一人は勝者で、一人は敗者で。
涼しい風は、傷口を嬲るように素知らぬ顔で吹き過ぎて行く。
冷たくて痛くて、それでも生きて生かされていて。もう俺自身が壊れてしまいそうだ。
「ホーロー、いや、ヨシユキ。一つ、良い事を教えてやるよ」
俺に背を向け、エデンは両手を広げた。
天空には黒い闇と、銀色の満月。
「ツバキを殺したのは、この俺だ」
暗い夜が更けていく。
- 395 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/10/28(月) 20:08:59.31 ID:rYHAMktA.net
- 揺れる電車の中。
対面に座るツバキがうっすらと目を開けるのが見えた。
「起きたか?ツバキ」
夏の雨にしてはやや肌寒さを感じる空気の中、彼女はぼんやりと外の世界を眺める。
透明な雨が、冷たい窓に斜線を描くように降っている。
彼女が、突然俺に流し眼を向け、笑った。
「……ふふっ」
「どうした?」
「小さい頃のね?夢を、見ていたんだ」
「へぇ……」
俺は外を眺める。明るいが、大きな雲が空を覆っていて、晴れるのはしばらく後になりそうだ。
電車での旅はゆったりとしていた。
「お前から、俺の過去を教えてもらう事はできないのか」
ふと、思いついたことを俺は彼女に聞く。
うーん、とツバキは腕組をして、しばらく悩むような様子を見せた後言った。
「ダメ……って言うか、どうして過去にこだわるの?遠藤ナオキ君の事は無しにして。今が楽しければ、それで良くなくない?」
そうだな、と俺は逡巡する。
「迷うのは、弱さだと思う」
「迷う?」
「俺にはどこに進むべきかわからない。未来が見えない。だから今を迷う。迷って迷って、前に進めない。霧の中を進んでるみたいだ」
自嘲しながら告白する。俺の弱さを誰かに吐露して、楽になろうとする行動も俺の弱さだろう。
「だから過去に縋ろうとしている。きっと、過去と現在の延長線上が、俺の望む未来だと思うから。そうすれば、再び進める……気がする」
言いきったあと、これが本心だと再確認した。
きっと俺は前へと進みたいのだろう。
「……過去が全て人を幸せにするとは限らないよ」
珍しく、ツバキが表情を暗くして言った。
「わかっている。過去を知って、どんなに俺が傷ついても構わない。それでも俺は、前に進む力を得たい」
「誰の為に?」
ツバキの突然の質問に、俺は言葉に詰まる。
誰の為。
一体、誰の為だろう。
以前の俺なら、きっとリンドウの為だと答えていただろう。
彼女が居なくなった今、俺は誰の為に行動しているのだろうか。
「わからない」
「そっか……まだまだ私を心配にさせるなぁ、君は」
ツバキは、よしっ、と気合を入れるように言って立ち上がった。
同時に車掌のアナウンスが響き、目的地に到着することがわかる。
「君が答えを見つけるまで、今回は、シルバーレインに代わって私が守ってあげるよ。ヨシユキ」
彼女が俺に向けて片手を伸ばし、差し出してくる。
ひんやりとしたその手を、左手で俺はしっかりと掴んだ。
窓の向こうでは雨に濡れた街が、ぼんやりと灰色に光っていた。
- 396 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/10/28(月) 20:10:43.76 ID:rYHAMktA.net
- 雨に濡れるビルの屋上から、二人の子供が双眼鏡で覗いていた。
奇妙な二人組だった。
男の子はコードネーム『アッシュ』。第七支部に所属している機関の人間だった。
短パンと無地の白いシャツ。灰色の短髪が、滴る雨水に濡れていた。
少女と見間違えるほどの美姫な風貌を持つ美少年。だが、その表情は暗く、眼の下には泣き跡のような隈が浮かんでいた。
「あ、あ、あああれ、あれが、ほ、ほほほほ『ホーロー』?」
双眼鏡に顔をくっつけたまま、彼は隣にいる少女におそるおそる話しかける。
瞬間、少年の頭は踏みつけられ、地面に叩きつけられた。
「あれが『ホーロー』よ、豚。――じゃなくてアッシュ。それよりその話し方、どうしてどうにか矯正できないかしら。仮にも“第九十九席次”を受け持つ相方として、大変とても恥ずかしいの。」
小麦のように金色のカールした髪を揺らしながら、もう一人の子供が答えた。真っ黒なドレスに身を包んだ彼女の名は『ベルベット』。彼女もまた、第七支部に所属している人間だった。
ぐりぐりと頭を黒のヒールの踵で押さえられながら、アッシュが答える。
「あ、ああああああ。ご、ごめ、ごめんなさいいいいい」
今にも泣きそうなアッシュの顔を見て、少女は紫色の口紅をつけた下唇を人差し指で押さえながら、恍惚とした表情を浮かべた。
「ああ。いいわ、いいわよ、その顔。……エデン様からの依頼はあの男を捕まえる事よ。」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。わか、わか、わかりましたから」
とうとう泣きだしたアッシュに、ベルベットはその顔を片手でつかんで自分の方へ向かせ、無理やりキスをしようとしたが、必死に拒絶されたので頬を叩いておいた。
「あなた最高ね。最高よ。さぁ、エデン様の夢の実現のために、素早く手早く行きましょう。」
双眼鏡をアッシュのリュックに詰め込み、金色の髪を黒ゴムで一纏めにしながら彼女は能力を発動させる。
「スフィアネットによれば、本部が特派の派遣を検討しているみたいだわ。そして、本部の監視下では行動は断然絶対に起こせない。彼らが本部の監視を離れるこの機会しかないわ。」
彼女の姿は無く、金網のフェンスの上にいる小型のカラスが喋っていた。理性を宿した金色の瞳が光る。
「あら?『九龍』は……?」
「ま、まままままたまま迷子。き、きき気がつかなくてごごごごごめんなさいいい」
答えたのは少年の姿ではなく、灰色の毛並みをした小型の狼だった。
その背にリュックを背負い、逃げるように飛び跳ねて、ビルを垂直に駆け降りていく。
「……あとで罰とお仕置きが必要ね。アッシュに。」
黒い天鵞絨の翼を広げ、雨空へと飛び立っていった。
二匹の獣がホーローの後を追跡する。
- 397 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/10/28(月) 20:18:45.08 ID:rYHAMktA.net
- 「がはぁっ!」
鳩尾に強烈な一撃を受け、第七支部の騎士が大きく飛んだ後、倒れる。
ただの拳による一撃だが、たった一撃で改造人間である騎士を戦闘不能にする威力があった。
数十名の騎士が呻きながら道路に倒れていた。
倒れ伏した彼らを、銀色の髪の少女と正装をした男が越えていく。
シルバーレインと正木正義だった。
ヨシユキ達が電車から降りた頃、シルバーレイン達は調査の為、機関・第七研究所の跡地に来ていた。
一つは陽動。機関・第七支部の目をこちらに引きつけて、ヨシユキ達の行動を自由にするため。もう一つはエデンの『楽園計画』について探るためだった。
高層ビルの一角。ヨシユキが監禁され、何らかの実験を受けていた場所は、今は雑多に機械が散乱するだけで、廃墟の様になっていた。
「……あたりまえ、か」
ビルの壁は壊れ、書類は雑多に散らばり、コンピューターの中身は破壊されている。
壁際の電灯の電源をつけてみるが、点灯しない。
第七研究所は完全に放棄されていた。
そもそも、この場所はたまたま第七研究所であったにすぎない。全ての実験がスフィアネットを介して行われるため、スフィアネットに繋がる環境さえ整えられていれば、どんな場所であろうと新しい研究所となりうる。
……わかっていたが、このように易々と本部を移動されると厄介だな。
他に手がかりとなるものは……私ではわからないか。
「……正木、任せる」
「リリィといい、私といい、人使いが荒いな」
細身のスーツ姿の男が、そう言いつつも、手のひらを壁に向ける。
すると、乱雑な配線が整理され絡み合い、巨大な装置が分解されていく。
数秒のうちに配線が繋ぎ合わされ、ディスプレイや記録メディアが修復し、装置に接続されていく。
『あらゆる機械を構成する能力』
これが正木正義の昼の能力だった。
「さて、映像を再生するか」
正木が指を鳴らすだけで、画面が起動し、システムが再生される。
映像素子は多くが破壊されていた。しかし、その断片を組み合わせ、いくつかの映像を修復させる。
一つ目の映像は、ジュセルという男の実験を行っている場面だった。
ジュセルの胸元で黒い宝石が輝いていた。
「……何をしている?……あれは何だ?」
シルバーレインが映像を見ながら疑問を言う。
「隕石の欠片を使った実験みたいだ。あの石には、何の力も無いはずだ」
正木が顎に手を当て、深く考え込む。
「一説では隕石は、能力を与えると考えられていた。そのため、かつて研究者は飛散した隕石の欠片を調査したが、能力を持たない者に能力を与える力は無かった。
調べて分かった事は一つ。能力を与える原因となったものの『殻』のようなモノであるという曖昧な結論だけ。
そのため、多くの研究者からの興味は薄れていった。未だにあんなものを調べる奴らがいたとはな」
正木が嘲笑めいた笑みをみせる。
「次だ」
再び指を鳴らす。ヨシユキが映っていた。
“逆磁場”の能力で部屋の中が吹き飛んだあと、崩れた瓦礫の中からヨシユキが立ち上がる。
「……あの晩の映像か」
あまり得るものは無いだろう。シルバーレインが飛ばすように指示しようとした口が止まる。
「……なんだ、あの影は」
ヨシユキが囚われていた部屋の隅に立つ人影があった。
真っ黒な闇に包まれていて、顔が判別できない。
「あの影、こっちの映像にもいるぞ」
正木が左手を動かすと、別のモニターが彼らの前に移動する。
映像の中で黒い影が、長いナイフを使って研究員を惨殺していく。
一人ひとり、ナイフを抉り刺して致命傷を与えていることから、明確な殺意を感じる。
まるで鬱憤を晴らすような殺人術。
顔は分からないが、シルバーレインにはこの影が愉快に笑っているようにみえた。
最後の一人が倒された後、黒い影が装置を破壊した瞬間に映像がノイズへと変わった。
シルバーレインと正木正義が無言で向き合う。
「……おそらくドグマの人間だ。……こいつには気を付けるとしよう」
- 398 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/10/28(月) 20:19:49.70 ID:rYHAMktA.net
- その他の映像には『楽園計画』に繋がるような記録は無く、二人は実験室を捜索し始めた。
実験に使われたと思われる隕石の欠片は無かったが、多くの機材が残されたままだった。
「ん、これは」
正木正義が何かを拾い上げる。
それは黒いHDDだった。半分に割れて使い物にならなかったが、正木の能力で修復される。
手持ちのパソコンで中身を確認した正木は薄く笑った。
「ふん。奴ら、相当焦っていたようだな。スフィアネットのコードだ。これでスフィアネットにハッキングできるはずだ」
「……だが、改造人間でないと接続できない。……まさかお前」
「『ホーロー』に接続させればいい。幸い、プロトタイプだ。スフィアネットを掌握しているエデンの支配を受けることは無い」
「……賛同しかねる。……私は奴を危険に晒させたくは無い」
シルバーレインが俯いたまま憂いた顔をのぞかせたが、正木に気が付いた様子は無い。
「しかし、他に誰が居る?君では無理だ。改造人間ではないからな。それに、その『剣』は近くに接続しているデバイスがいないと、割り込んで接続することができない」
どこか楽しげに顎に手を当てて、考えに没頭する正木。
「やはりホーローしかいない。このコードを使って、あいつに相応しい『眼』を造ってやろう。レギオンシステムの本来の力を使えば、例え力の一端でも、ホーローの戦闘力を格段に上昇させる事ができる」
「……ヴァルハラの眼か」
「ああ。ヴァルハラ=システムあってこその、私の最高傑作だ。本当なら散逸したコードをもっと集めたい所だが、欲は言うまい……さて、シルバーレイン。陽動は終了だ。これ以上、長居する必要もあるまい。我々も中央科学ドームへと向かおう」
「……ああ」
シルバーレインは不安の色を残しながらも、正木と共に旧第七研究所を後にした。
- 399 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/10/28(月) 20:23:00.66 ID:rYHAMktA.net
- 「あら?」
異国の少女は迷っていた。
茶髪のロングに、黒いチャイナ服には金色の装飾が誇っていた。
「あらららら」
標識を見て、そちらに歩いて行ってもいつの間にか迷っていてしまう。
“機関・第四十席次”という有数の力を持つ九龍だが、昼はさっぱり駄目だった。
迷子になる能力。誰かに案内されないと、目的地には辿りつけない。
アッシュ君の手を繋いでいたはずなのに。
信号待ちの間、ふと商店街の商品を眺めている隙に、お互いの手が離れてしまった。
はっと気付けば時すでに遅く、すっかり迷子だ。
「このままじゃ、エデン君に怒られちゃうなぁ」
それは困る。
エデン君は頑張って“楽園計画”を成功させようとしているのに。
私たちがその足を引っ張ってちゃいけないよね。
こっちかな、と路地裏に足を向けると、背後から声を掛けられた。
「姉ちゃん、そっちの道やないで」
「はい?」
九龍が視線を向けると、金髪にサングラスの男が立っていた。
いかにもチャラそうな男だが、雰囲気は優しそうだ。
「姉ちゃんも、その大会に行くンやろ」
男が指を指した先には、九龍が握っているチラシがあった。
『 EXA BULLET SUMMER FESTIVAL 』
要するに、エクザ使用可能なサバゲーの大会である。
男たちも参加者のようで、本物の兵士のような物々しい装備をしている。
しかし、全てエアガンやガスガンで実際に殺傷能力はないだろう。
「こっちやで。一緒に行こか?」
「あっ、お願いします!」
男たちが歩いていく方についていく。
しかし誰かに触れていないと、また勝手に迷子になってしまう。
九龍は離れないように男のフードを掴んだ。
- 400 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/10/28(月) 20:38:39.19 ID:rYHAMktA.net
- 「ぐえっ」
「あっ、すみません」
慌てて手を離す。
男が喉を擦りながら、怪訝な視線で見て来たので、自身の能力を説明した。
「ふぅん、迷子になる能力なんて聞いた事もないのう」
「なので……あの〜、どなたか手を繋いでいてもらえませんか?」
男たちを見まわす。
彼らは男性二人に女性一人だったので、おずおずと女の人に近づいた。
銀色のヘッドフォンをした、目もとまで黒髪を降ろした女性だ。
近づいて分かったことだが、非常に目付きが悪い。
カラコンだろうか。赤い眼をしていた。
「私に近づくな」
銃が突き付けられていた。
動作が速すぎて見えない。
風圧が後から発生した。
「やめい」
サングラスの男が銃を手で押して、制する。
すごくドキドキした。
本物の銃だったら戦闘に移行して殺しちゃっていたかもしれない。
「じゃあ僕が手を繋いであげるよ〜」
もう一人が近づいてきた。
長身で、白い髪をしていた。全体的に白っぽい服装で、不思議な事に銃を持っていない。
「そいつにも近づくな」
制されていない逆の手で、先程の女性が銃を私に構えていた。
「え〜。じゃあどうするの〜」
白い男が笑いながら言った。彼女とは好対照で、全く緊張感や危機感を感じない。
「黙れ。そして下がれ。私の後ろだ」
私は笑いながら、両手を上げて降伏の意を示す。
女性は戦闘に慣れているのか、的確な指示を出す。
「すごいですね、まるで本物の兵士みたいです」
「そうやろ?まったくコイツはゲームのしすぎやで」
聞くところ、女性はFPSのゲームにハマっているらしい。
「しゃあないな」
無造作にサングラスの男が九龍の手を握った。
「じゃあ行こか」
男の優しい手の感触に、どこか懐かしさを感じていた。
それはきっと、私には二度と手に入らないもの。
思いを振り払うように頭を振って、私はこれからの任務の事に集中した。
- 401 :リリィ編 ◆zKOIEX229E :2013/10/28(月) 20:50:16.40 ID:rYHAMktA.net
- 「……あそこね」
金色の眼をしたカラスが、中央科学ドームの天井で喋っていた。
六番ゲートの巨大な柱の影。黒いフードを目深にかぶった男と、赤いフードの女が柱に寄りかかっていた。
黒いフードがホーローだろう。
その横で、親しげに話している黒い中折れのツマミハットの男は誰だろうか。
誰だっていいわ。どうせ殺すのだし。
カラスはその腕だけを人間の腕に戻した。
手に握っているのは拳銃。天井から地上まではかなりの距離があったが、改造人間であるベルベットには関係がない。
必ず当たるだろう。
まずは邪魔な黒い帽子の男を排除する。次は女。
最後にホーローを致命傷を避けて撃って、死ぬ寸前まで痛めつけてあげるわ。
嗜虐的な視線を、その金色の瞳に映し出し、ベルベットは狙いを定め、引き金を絞る。
と、黒い帽子の男が、急に小さく動いた。
アンダースローのモーションで、何かを投げた。
それは、銀色の小さなアーミーナイフで。
それは、遥か高い天井にいたベルベットの元まで一直線に届いた。
「はっ?」
ベルベットの左目は貫かれ、天井から落下した黒いカラスは、誰にも気づかれること無く倉庫に墜ちた。
今日はここまで。
- 402 :創る名無しに見る名無し:2014/03/12(水) 14:03:39.11 ID:oYx51SGP.net
- .
- 403 :創る名無しに見る名無し:2014/12/13(土) 02:16:13.09 ID:U4t3nagf.net
- にゃん!! にゃにゃん!!!!! にゃああああん!!!!! にゃんにゃああう!!!!!
- 404 :創る名無しに見る名無し:2016/08/05(金) 07:08:47.05 ID:HHjEZImo.net
- .
- 405 :創る名無しに見る名無し:2017/12/27(水) 12:27:32.93 ID:C1Z7QFDy.net
- 家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。
グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"
V9X1F5DBUP
- 406 :創る名無しに見る名無し:2018/05/21(月) 06:59:22.33 ID:tRZnwP6O.net
- 知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』
V6VK7
- 407 :創る名無しに見る名無し:2018/07/03(火) 20:54:25.53 ID:f1dClnnX.net
- CK2
- 408 :創る名無しに見る名無し:2018/09/08(土) 00:51:35.28 ID:hBVs7GOD.net
- すごく久しぶりに覗いたけど、幻の能力者といいレベル高い作品が来てるなぁ
リリィ編も主要人物がどうなっていくか仮と気になるという
止まったのは寂しいけど、いつかは止まるものだし仕方ないか
- 409 :創る名無しに見る名無し:2018/09/08(土) 00:55:02.77 ID:hBVs7GOD.net
- そして、人が居なかろうが、趣味で投げる
――声が、聞こえた
201X年、春と本格的な夏の節目となる季節。
夜間に限り、過去に類を見ない怪現象――大規模な能力の異変が頻発する。
異変は太平洋の一点を中心として、じわりと浸食するように世界全体を飲み込もうとしていた。
「ようこそ鑑定所へ、水野昌さん。記載では近頃はやりの"異変"であるとの事でしたが……」
発症者は未成人の少年少女、それも一部の感知系能力者に限られ、実害らしきものは確認できない。
そのため異様な規模にも関わらず、深刻視される事はなかった。
しかし、それは人類の存亡にも関わる奇禍への入り口だった。
「能力特区『アトロポリス』かぁ。うん、最近は話題だね」
「不吉な響きね。残虐の言霊か、運命の糸を断ち切る死の女神か――」
一方、表社会では一つのニュースが連日の報道を独占していた。
太平洋上にある人工島に築かれた、能力特区都市アトロポリス。
そこではチェンジリング・デイ以降、最大の規模の国際会議が行われようしているのだという。
「それは僕の考える事ではない。学会の運営者に任せる事にするさ」
「……むしろ、『こっち』の問題に巻き込まれないように、私が注意しないとね」
「場違いだろうが、仕事は仕事だ――と、いい加減、まとめ役をやって欲しいもんだがな、総隊長どの?」
秩序を担う者は黙々と備え、混沌を弄ぶものは嘲笑うかのように食指を伸ばす。
「敵ながら挑発的で面白ィですネェ。こォノ時世に、最大規模の国際会議トハ……」
「あなたなら聞くことができるはずだ。"彼女"の声を」
「救いたければ、押し通れ――その覚悟がなければ、この世界では永遠に奪われる側だ」
表裏問わず、様々な思惑が行き交うなかで、ひときわ濃く深い闇がその鎌首をもたげようとしていた。
『――いま、ここで全ての終わりが始まる。世界に流星の降り注いだ"あの日"のように』
運命に呑まれながらも、宿命に抗う能力者たち。はたして、彼らは闇を払う光となれるのか――
『劇場版Changeling・DAY 〜 星界の交錯点』 第一部
避難所にて公開予定
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/3274/1317903170/
- 410 :創る名無しに見る名無し:2018/10/17(水) 15:10:54.26 ID:ZU7x6aHX.net
- 中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね
YUB
- 411 :創る名無しに見る名無し:2023/04/22(土) 23:25:22.02 ID:MR+yCwo1X
- クソ航空機という史上最悪の地球破壊活動をスル─して,富士山に鉄道通すのが正解た゛のほさ゛くユネスコの正式名称は地球破壞推進協會な
工ネ儿ギ一無駄にして物価高騰させて人々の生活を破壊して貧困促進して.温室効果ガスまき散らして氣候変動させて
土砂崩れに洪水,暴風.大雪、干は゛つ.森林火災にと災害連発させることを推進する世界最悪の地球破壞人殺し推進協会な
キモチワ儿イ絵に├マトス−プやらふ゛っかける勇者がいるか゛.これこそ推進して褒め称えて英雄として賞賛するのか゛人類としての義務!
今度こそきっちり保護カ゛ラスまて゛フ゛チ破って歴史的な真の英雄になってくれよな!全力て゛応援してるぞ!どこに寄付したらいいのか教えてよ?
航空機の使用は人類に対する敵対行為だと國際社會全体て゛明確なメッセ━シ゛を出すとともに高い所と騷音か゛大好きな害虫どもを死滅させよう!
地球破壊に必死な人殺し税金泥棒クソ知事と゛もは.あちこちで枯渇しまくってる温泉を文化(笑)遺産に登録したら.
文化(笑)遺産ヘの観光目的での立入りを禁止しろや地球破壞クソテ囗リス├
創価学會員は、何百萬人も殺傷して損害を与えて私腹を肥やし続けて逮捕者まて゛出てる世界最悪の殺人腐敗組織公明党を
池田センセ―がロをきけて容認するとか本気て゛思ってるとしたら侮辱にもほどか゛あるそ゛!
https://i.imgur.com/hnli1ga.jpeg
- 412 :創る名無しに見る名無し:2023/09/30(土) 10:10:49.42 ID:DtPk0uO1V
- 温室効果ガスに騒音にコロナにとまき散らして人殺して私権侵害して私腹を肥やす強盗殺人組織ジェットクサーに爆破予告した環境先進国
ドイツの大先生,この場を借りてrespekt宣言するぜ!それにしても、ガキがいるから新幹線でなくクソ航空テロリストにテ口資金供与する
だのとナメたことほざいてたババァにはドン引きだよな、ガキがいるならガキの将来のために地球破壊するのはやめとこうとか思うのが親
としての最低限の良識た゛ろうに、貧乏やクズやバカだけど不幸な子を産み落としていいのかしらとか勘違いさせて,路上で親子切りつけた
不幸な少女みたいなのを増やす目的ですでに他人から強奪した莫大な税金くれてやってるわけだが、さらにマッチポンプ利権倍増させて
世界最悪の腐敗テロ国家を猛進してやがるし、わざわざ陸域縦断させて閑静な住宅地にまで大騒音まき散らさせて平穏な生活を根底から破壞
して、知的産業に威カ業務妨害して壊滅させて地球破壞して工ネ価格暴騰させて他人の権利を強奪して私腹を肥やし続ける害虫が跳梁跋扈
する腐敗テロ国家でマトモな子が育つわけがない、こいつらテロリストに破防法適用して全員処刑することのみが少子化対策だと気づけ力ス
(羽田)ttPs://www.Сall4.jp/info.php?type=iТems&id=I0000062 , Ttps://haneda-projеct.jimdofree.com/
(成田]тtps://n-souonhigaisosуoudan.amebaownd.com/
(テロ組織)tтps://i.imgur.com/hnli1ga.jрeg
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