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オリジナルキャラ・バトルロワイアル2nd Part2

1 :創る名無しに見る名無し:2011/08/09(火) 22:34:44.96 ID:QKgd1MCd.net
オリジナルキャラてバトルロワイアルをするというスレです。
様々な人々の感情が交錯し、一つの物語を作る。
それが、バトルロワイアル。

まとめwiki
http://www10.atwiki.jp/orirowa2nd_ver2/

前スレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1283567387/

351 :創る名無しに見る名無し:2013/02/01(金) 21:14:07.43 ID:+zIF6TMY.net
久々に来てみた
停滞?

352 :創る名無しに見る名無し:2013/02/01(金) 22:33:13.94 ID:ognADf8y.net
ちまちまだけど一応、書いとるで

みんなもっと雑談してもいいのよ?

353 :創る名無しに見る名無し:2013/02/03(日) 09:07:14.66 ID:BQYMSk2/.net
うーむ、前のロワ語りの時は滅茶苦茶話したんだがなあw
そんときだしつくして振る話題がねえええ

354 :創る名無しに見る名無し:2013/02/03(日) 15:00:52.15 ID:iF6ZPLsi.net
同じくw
早めに続き書いて話題を増やさないとなあ

355 : ◆BUgCrmZ/Lk :2013/02/05(火) 00:46:44.75 ID:tDylYwcf.net
じゃあ投下します

356 :エゴイズム ◆BUgCrmZ/Lk :2013/02/05(火) 00:49:38.26 ID:tDylYwcf.net
恐るべき殺人鬼の襲撃を辛くも退けたものの、その結果、加山圓は精神的にも肉体的にも疲労困憊となっていた。
そのため、ひとまず身を休めようとしていたのだが、休憩するにしても辺りは見る限り血と肉片のまき散らされた地獄絵図である。
流石にこの場に居続ける気にはなれないし、何よりイロハにこんな光景を見せ続けるわけにもいかないので已む追えずその場を離れ、深い森を後にした。

『やぁやぁ、久しぶりだね。ボクだよ』

そして場を移し、ようやく休息が取れると思った矢先の出来事だった。
どこから流れているのかすら不鮮明でありながら、だが確かに聞こえる声。
聞き覚えのあるその声が、この場に連れてこられる直前に聞いた声と同一のものであると気づくのにさして時間は必要なかった。
ふと時計を見れば、時刻は6時丁度。
脳内に直接響くかのように聞こえる、これが事前に告げられていた『放送』なのだろう。

いったいどんな内容が告げられるのか。
警戒心を強めながらも、聞き漏らさぬよう耳を傾ける。

まず放送によってもたらされた情報は『禁止エリア』についてだった。
何でも侵入しただけで死亡するエリアが追加されるという、どうにも聞き流せない情報である。
忘れぬよう慌てて荷を漁りメモを取りだしその内容を書き記してゆく。
告知された禁止エリアは『B-2』『D-4』『E-8』の三つ。
今いるエリアは地図で言うところの『E-7』エリアであるため、禁止エリアに指定された『E-8』エリアに近い。
誤って踏み込むことはないだろうが、注意は必要だろう。

『さて、それではお待ちかね、参加者の告知をしよう。
 と言っても、既に参加者名簿を各自の荷物の中に転送しいるので、各自で確認してくれ。
 荷物ごと無くしてしまったモノは、近くのモノに見せてもらうといい』

言われて荷物を確認してみれば、何時の間に紛れ込んだのか、参加者名簿と思しきものが確かにあった。
先ほどメモを取り出した時にはなかったものがある。底知れぬヨグスの力に、うすら寒いものを感じながらも、名簿を開きその内容に目を通す。
ずらりと並ぶ36の名。
日本人だけではなく外人のような名前もあり、多国籍にわたり多種多様である。

「って、姫さんまでいんのかよ……!?」

その中で、もっとも脅かされたのはとある事件で知り合った某国の王女の名である。
それだけではない。他にも、幼馴染にクラスメート、学校の先輩や近所の知り合いまでいる。
イロハの様な例外はあれど、北で激戦を繰り広げていた奴らや、先ほどであった男の様な殺し合いに則した化物が参加者の殆どであるのだと思っていただけに、知った名がいくつも連なっているというのは完全に予想外の事だった。
どんな基準で人選をしているのか。全くの謎である。

『確認したかい?
 それではそれを踏まえた上で、この6時間で脱落した死者を発表する』

天からの声に思考が引き戻される。
死者の発表。
その言葉に、全身が総毛立つような感覚を覚える。
それはつまり。
この名簿に載っている者は。
日常を共に過ごした同級生も。
子供のころから知る幼馴染も。
共にあれほどの事件を潜り抜けた姫様も。
全て今から死者として呼ばれる可能性があるという事。
そんな、こちらの気持ちを無視して、死亡者の名が淡々と告げられていった。

357 :創る名無しに見る名無し:2013/02/05(火) 00:50:49.57 ID:TDXj7DHg.net
 

358 :エゴイズム ◆BUgCrmZ/Lk :2013/02/05(火) 00:51:46.61 ID:tDylYwcf.net
「――――――――」

思わず、無意識のうちに地面に拳を打っていた。
告げられた名は12。
呼ばれた中には、知った名がいくつかあった。
言いようのない無力感。
この殺意と悪意を持った化け物たちが跋扈するこの場で、自分が何ができたとも思えない。
それでも何かできなかったのか、そう思ってしまう。

打ち付けた拳にジワリとの痛みが感じられてきたころ、ハッとしてすぐ近くで佇むイロハを見る。
自分のことばかりでイロハを気にかけるのを忘れていた。
この少女も、自分と同じように知り合いが巻き込まれ命を落としているかもしれないというのに。
己の気のまわらなさに心底呆れながらも、イロハに向かって問いかける。

「…………イロハちゃん、大丈夫?」

何を問われたのか分からないといった風に、イロハは小首をかしげる。
放送の内容を理解できていないのか、それとも本当に思うところはないのか。その表情にこれといった変化はない。
言葉を話せないこともあり、この少女に関しては分からない事の方が多い。
イロハが名簿を確認した様子もなかったようなので、この場に知り合いがいるのかどうかすらわからない。

「この中にイロハちゃんの知ってる人っているかな?」

自分の名簿を開いてイロハに向かって問いかける。
その問いに、イロハはしばらく名簿を眺めてからふるふると首を横に振った。

名簿に知ってる名がないということは、この場に知り合いはいない、ということだろうか?
だが、先ほどの男は明らかにイロハを知ってる風だった。
どういう関係かまではわからないので、むこうが一方的に知ってただけという可能性もあるが。逆ならともかくそれは少し考えづらい。

「イロハちゃん、さっきのあの男ってイロハちゃんの知り合いなの?」

なので直接疑問を投げかけてみた所、この質問にイロハは肯定の意を示すように頷く。

「……えっと、どういう関係?」

思わず漏れたこちらの質問に、イロハは少し悩むような素振りを見せた後、小さな手足を動かし身振り手振りで応じてくれた。
なにやら答えを伝えようとするその様は大変可愛らしいとは思うのだが、答えとしては要領を得ない。
雰囲気的に険悪な関係ではなさそうである。
あの殺意の塊のような男と交友的な関係だというのも想像できないが。とりあえず知り合いなのは間違いないようだ。

なら、この名簿に名前がないのはどういう事だろうか?
この名簿に載っていない、あるいはジョーカー的な存在なのか。
もしくは、考えられるのはイロハの知る名と、ここに乗っている名が異なっている可能性か。
この名簿には魔王とかフィクションとか明らかに本名じゃない。偽名か異名みたいな名前も載っている(というか魔王ってのは北で戦ってた魔王っぽい奴だろこれ)。
奴もそうなのかもしれないし、他にも、そうであるというだけで認識できないイロハの知り合いがいるのかもしれない。

なんにせよ、いると分かった以上(あの男は例外としても)お互いの知り合いとの合流を目指したかったのだが。
イロハの知り合いを探すというのはいるかどうかも分からない以上、ひとまず保留にせざる負えない。

359 :エゴイズム ◆BUgCrmZ/Lk :2013/02/05(火) 00:52:41.12 ID:tDylYwcf.net
「…………となると、まずは加奈子と姫さんあたりか」

他にも知り合いは何人かいるみたいだが、探す宛てをつけるなら、まずはこの二人にしたい。
まぁ二人とも俺なんかよりもよっぽど逞しい女ではあるのだが、なんだかんだで女一人を放置しておくのは気が気でない。

探すにあたって性格上、あの二人が大人しくしているとも思えないので、おそらく人の集まる場所に向かっている可能性が高い。
ならば市街方向に戻るべきだろうか。
だが、その場合、北部で激戦を繰り広げていた奴らに出会う可能性や、先ほど立ち去ったあの男とまたかち合う可能性もある。
先ほどの戦いで生き残れたのは殆ど運だ。
また戦いになれば、今度こそ生き残る自信はない。

とはいえ、市街地を避けて移動するにしても、すぐ東の『E-8』エリアは禁止エリアに指定されているため移動は不可能。
北の発電所方向も死体の破片が撒き散らかされているため、できれば避けたい。
そして市街方向も除外するなら南しかないが、離れの小島が一つあるだけである。
そんな所に探し人がいる可能性は低いだろう。

西か南か。
西は彼女たちがいる可能性は高いが、リスクも高い。
南は彼女たちがいる可能性は低いが、リスクも低い。
どちらにするか、リスクと目的の両天秤だ。

自分だけじゃなくイロハのリスクも背負っているとなると迂闊な選択はできない。
だがそれでも、

「イロハちゃん。ここに俺の知り合いがいるみたいなんだ。
 だから少し危険かもしれないけど、人が集まりそうな市街方面に戻りたいんだけど、いいかな?」

こちらの言葉に何の疑いもなくイロハは頷く。
その様に、チクリと罪悪感の様なものを感じる。

自分の知ってる人間が自分の知らないところで死ぬなんてことは耐え難い。
これはそんな己のエゴだ。
この罪悪感は、そんなものにこの少女を突き合わせることに大してのものなのか。
いや、それだけではない。
疑うことを知らない無垢なこの少女に、応じると分かっていながら問いかけたことにだ。

己のエゴに巻き込んだ代償ではないが、この少女を守る。
その決意をより一層固めながらも、休息もそこそこに市街地に向かって動き始めた。

【一日目・朝/E-7 森】
【加山圓】
【状態】疲労、全身に細かな切り傷、過剰感覚による少々の気持ち悪さ
【装備】小太刀
【スキル】『五感強化』
【所持品】基本支給品
【思考】
基本:徹底的に抗う
1.加奈子とフランドールを探す
2.イロハを守る

【イロハ】
【状態】健康
【装備】なし
【スキル】なし
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、不明支給品×1〜2
【思考】
1.マドカに付いていく

360 :エゴイズム ◆BUgCrmZ/Lk :2013/02/05(火) 00:53:13.18 ID:tDylYwcf.net
短い繋ぎだけど投下終了

自己リレーばっかになってるけど、もっとみんな作品書いてもいいのよ?

361 : ◆IjfUSUNsIR9f :2013/02/05(火) 22:26:34.81 ID:nxDMZUtO.net
乙です。加山君マジ主人公!ロリコンじゃ無理やったんや!


あ、板垣を予約しときます。

362 : ◆IjfUSUNsIR9f :2013/02/13(水) 18:55:49.78 ID:99M8tr8q.net
あー…ダメだ、ろくに進んでない
とりあえずは一旦破棄しときます…

363 : ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/20(水) 23:36:24.54 ID:eLRt9WCl.net
投下します

364 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/20(水) 23:38:33.31 ID:eLRt9WCl.net
椎名祢音は真剣な面持ちで放送に耳を傾けていた。
そして放送を聞き終え、静かに息を呑み天を仰いだ。

「……………よかった」

ひとまず最悪の事態だけは避けれたことに安堵の息を漏らす。
少女の望みは一つだけ。
それは己の勝利でも、己の生存でもない。
ただ一人、片嶌俊介を生きて元の場所に還すこと。
ただそれだけだ。

そう、ただそれだけのために、他の人間の生命を全て捧げる。
その覚悟を、決めている。
放送で同じ名字が二つ―――この手で殺した姉妹と思しき名が―――流れた時には、チクリと胸が傷んだけれど耐え切れないほどじゃない。
辛くて苦しいけれど、耐えられないほどじゃない。

幸いにと言うべきか、名簿を確認した限り、この場に片嶌の他に、祢音の知っている名はなかった。
誰であろうと殺す覚悟はできていたつもりだったが、それでも、知り合いがいないに越したことはないだろう。

それよりも気にすべき事は別にあった。
この六時間で十二人も死んだ。
そのうち彼女が殺したのはたったの二人だけ。
つまり、十名以上が他にいる殺人者によって殺されたということだ。

そんな奴らがこの狭い孤島に蠢いている。
もし、このまま同じペースで進んで行ったら、十二時間後には全員死ぬ。
このままでは守りたかったあの人も危ない。

「ダメだダメだダメだ」

そんなのは駄目だ。
それだけは、絶対に。

事態は火急を要する。
故に、休息を取るというプランは破棄せざるおえない。
一刻も早く残り二十二名を殺さなくてはならなかった。

だが、それには足りなさ過ぎる。
武器が。
時間が。
体力が。
彼女には何もかもが足りない。

休息を取らずに体力を回復させる方法はある。
先ほど得たスキル『エネルギードレイン』である。
これさえあれば数を減らせて武器を奪えて、更には体力も奪い取れる。
まさしく一石三鳥である。

故に、危険人物は排さねばならない。
危険でない人物も、全て奪って、殺さなければならない。

「…………はっ」

そんな思考に、自傷するように息を零す。
まさしく外道の所業。正義の味方とは程遠い。
今さら。
今さら何を思うのか。
何の罪もない人間を一方的に殺した時点で、今さら、そんな資格はもう。

365 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/20(水) 23:41:30.79 ID:eLRt9WCl.net
「ッ…………!?」

深く沈みかけた思考を、祢音は慌てて打ち切る。
人の気配が近づいてきているのを感じたのだ。
誰か来る。
殺すべき誰かが。

視線の先、まず祢音の目についたのは天をつくような大男だった。
その表情はどこか険しく、強面であることも相まって人を寄せ付けぬ雰囲気を感じさせる。
そして、その動きには見る限り隙がない。おそらく訓練を受けた軍人か何かだろう。
その傍らに守られるように佇むのは、美しい女性だった。
女である祢音ですら一瞬状況を忘れて見蕩れてしまうほどの美貌。
さながら美女と野獣。
不釣り合いであり、不釣り合いであるからこそ釣り合いが取れている、そんな二人だった。
そのうち一人、美女の方が祢音に向かって語りかけた。

「初めまして、私はフランドール・オクティルと申します。こちらはフランツ。
 私たちに戦う意思はありません。どうか警戒なさらず私の話をお聞き願えませんでしょうか?」

透き通るような凛とした声。
見る者の警戒心を溶かすような柔らかな笑み。
まるで、お伽噺のお姫様みたいだ、祢音は思わずそんな事を考えてしまった。
こんな状況でもなければ素敵な出会いになったのかもしれない。

けど殺す。
殺さなければならない。
問答無用で襲いかかるか。
それとも、善意を利用して懐に潜り込むか。
祢音の頭の中では目の前の二人をどう殺すか、それしか考えられていない。

屈強な大男が相手でも、万全の状態で変身が出来れば負ける気はしない
だが、体力の尽きた今の状態では変身は不可能である。
この状態で小さなナイフ一本で二人を相手にするのもかなり厳しい。
となると残る武器は『エネルギードレイン』だけ。

だが『エネルギードレイン』の効果範囲は手のひらのみと非常に狭く、複数を相手にするには向いてない。
何より、まだ一度も使用していないため、どの程度の効果が見込めるのかが不明だ。
油断させて懐に潜り込んだところを狙うにしても、それで狙えるのは一人が限度。
ならば、一人をエネルギードレインで吸い殺し、奪い取ったエネルギーでもう一人を変身して殺す、これがベストだ。

そんな殺害への算段を巡らす祢音の思考を知る由もなく。
無言を話を聞く意思があると捉えたのか、フランドールは言葉を次いだ。

「まずは、貴女のお名前を聴かせていただいても宜しいでしょうか?」
「……椎名、祢音です」

このまま無言で押し通すのは不自然と考え、ひとまず祢音は名乗りを返す。
殺すことは決定済みだ。
時間をかけるつもりもない。

「……それで、なんですか、お話って?」
「私達はこの状況を打開すべく、ともに力を合わせ立ち向かう意志を持つ者を探しています」
「立ち向かうって……何か具体的な手段があるんですか?」
「今はありません。
 ですが、諦めず共に力を合わせ必ず希望は生まれると信じています」

その答えに、僅かながらに落胆する。
現実の見えていない、ただの理想主義者の意見だ。

366 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/20(水) 23:44:19.43 ID:eLRt9WCl.net
彼女の望みは片嶌の生存である。
それが果たされるのであれば、その手を取ることもあっただろう。
だが、ただの希望論でしかない可能性に賭ける事なんてできない。
手をつないで共に歩む。そんな道はもう、選ぶことは許されない。

「貴女も同じ意志を持つ者であるのならば、どうか私の手を取り、そのお力をお貸しいただけませんでしょうか?」

言って、手を差し出すフランドール。
子供である祢音に対しても、保護や同情ではなく、あくまで対等な協力関係として話しかけている。
きっと、いい人なのだろう。
だが、対等には見ているが、こんな子供が殺し合いなどに応じるはずがないとタカをくくっているのも事実である。
出来れば大男の方を不意打ちで仕留めたかったが、向こうから手を差し出したというのなら、是非もない。

「――――ええ、貴女の力、頂きますッ!!」

差し出された手を、祢音はガッチリと両手で握り締める。
その瞬間、フランドールが膝からガクリと崩れ落ちた。

「!?」

両腕から流れこむ生命のエネルギー。
全身が満たされてゆく言いようのない感覚が祢音の全身を奔る。
それは命を直接喰らっているようであり、ある種、性行為にも似た恍惚を感じさせる。

「ッ!?」

だが瞬間、身の危険を感じた祢音は咄嗟に両腕を放しその場から飛びのいた。
その目の前を黒い残像が横切った。

それはフランツの放った斬撃だった。
予想以上に早い反応。そして思った以上に容赦がない。
一瞬でも飛びのくのが遅れていたら、彼女の両手は手首から断ち切られていただろう。
フランツはすぐさま、倒れこんだフランドールと飛び退いた祢音との間に身を割りこませ、盾のように立ち塞がる。

「フランドール様!?」
「…………大丈夫です。心配は、いりません。
 それよりも…………」

フランドールの顔は青ざめ息苦しそうにしているが生きている。
ドレインのスピードは祢音の予測を下回るほどではなかったが、全て吸い尽くすには離れるのが早すぎた。
絶命に至るほどのエネルギーは奪いきれなかった。

だが、それなりに回復はできた。
完全とはいかないが、部分的な変身ならば十分可能だ。

祢音を見つめる二人の目が驚愕に見開かれた。
見る見るうちに、幼く可憐だった少女の姿が、醜い化物の姿へと変貌していったのだ。

小学生特有の柔らかで張りのある肌が、ひび割れた石のように硬質化してゆく。
腕の爪は鋭く、肉など容易く切り裂く刃のようだ。
その脚の密度と弾力はタイヤのゴムを思わせる強靭さと靭やかさを兼ね備えていた。
そしてその背には、人間には存在しない部位、石の翼が生まれ羽ばたく。

全身変身ではなく、体力の消耗を抑えた四肢と翼の限定変体。
この二人もこの場で殺す。
もう後戻りなどするつもりはない。

367 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/20(水) 23:46:29.19 ID:eLRt9WCl.net
「フランドール様。ご指示を」

忠実なる騎士は対峙する化物を睨みつけながら、主君に指示を仰いだ。
騎士とは主君に剣を捧げた身。振るう意思は主君ものである。
どのような指示にも異議を唱えず、ただ望みを叶えるべく全力を尽くすのが剣の務めである。
主君たる王女が下した決断は果たして。

「……殺さぬよう……制してください」

体力を奪われ息を切らしながら、それでもはっきりとフランドールはそう言った。
この期に及んでも、血の決着を望まぬ決断。それは戦いに血の流れる事を知らぬ戯言か。
否。彼女はそれを知っているし、何より自らが痛みを受けた直後だ。
それでもなお、甘言を唱えれるならば。
それは現実の見えない理想主義者などではなく、現実を見据えたうえでなお理想を唱える、もっと欲深い別の何かだ。
そして、その決断はフランツにとっても好ましい。

「御意に」

主の意志に応えるのが騎士の務め。
務めを果たすべく、フランツは無言のまま漆黒の大剣を上段に振りかぶる。
フランツほどの大男が、上段から繰り出す一撃は正しく必殺だろう。
それ故に、この構えは相手を殺さず制圧するには向いていない。
何故その構えを選択したのか。
見守る姫君は信じるのみである。

争いを好まぬ気質とはいえ、その技量は騎士団の中でも随一。
騎士の鑑とまで呼ばれた男である。
そして、代々武勲で功を上げてきたブリュデリッヒ家が賜りし名は'Overcome(打ち勝つ者)'。
その名を誰よりも体現しているのがこのフランツという男だ。
一度、戦うと決めた以上、その刃の波紋が曇ることはない。

そのフランツと対峙する祢音は、圧し掛かる様な重圧を感じていた。
上段に構えるその姿は、ただですら巨大なフランツの体躯が更に一回り大きく見で、威圧感が増す。

隙はある。
隙はあるが、上段の隙は誘いの隙だ。
その間合いに迂闊に入り込もうものならば、電光石火の一撃をもって一刀両断にされるのがオチだ。

だが、同時にそれが弱点でもある。
一度振り下ろした剣は、必殺であるが故にそう簡単にはきひ戻せず。
標的を仕留めそこなったならば、それはすなわち相手に死に体を晒すこととなる。
さらに言えば、既に剣を振り上げている以上、行動は限定され狙いも絞れるため、行動は読みやすい。
それでも素人には対応できないだろうが、生憎と祢音は素人ではない。

――――椎名祢音は改造人間である。

謎の組織『GODS』によりその身を攫われ、改造手術を施された、
肉体の改造が終わり、洗脳手術を施そうかという直前に、組織を脱出。
その後、自分を改造した連中をたった一人で壊滅させた経験を持つ。

以来も正体を隠しながら平和を脅かす存在と日夜戦い続けてた。
人間とは次元の違う身体能力を持った怪物や、あり得ない超能力を操る怪人たちを倒してきた。
今は変身のために必要なアイテムを没収されているためスキルに頼っているが。
それでも見た目にそぐわない数多の戦闘経験を誇る彼女に、教科書通りの上段など通用しない。

タンと、思いのほか軽い音と共に、祢音が駆けた。
瞬発力と持久性を兼ね備えた人外の脚力は、一足で最高速度まで到達する。
常人には消えたとしか見えない急加速、少なくともフランドールには見えなかった。
だが、フランツは捕えている。

368 :創る名無しに見る名無し:2013/02/20(水) 23:49:07.46 ID:gRgxHTz4.net
 

369 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/20(水) 23:51:19.39 ID:eLRt9WCl.net
巨大な体格と大剣を持つフランツの間合いは広い。
既にフランツの射程圏。
今にもその剣を振り下ろさんとした刹那、祢音の疾走は、あり得ない軌道をたどる。
その身に宿した両翼で空を切り、弧を描くように滑空。
空中を泳ぐように、完全に意表をつく形で、フランツの側面を捉えた。

殺った。祢音はそう確信する。

「くっ…………ぁっ!」

だが、驚愕の声は少女の口から零れたものだった。
必殺を確信した一撃を繰り出し、騎士の側面をすり抜けた少女は、そのまま着地もできず崩れ落ちる。
すぐさま立ち上がろうとするが、全身に力が入らない。
見れば肩口から切り裂かれており、右腕は腱を絶たれたのいくらもがいても何の反応もしない。
果たして何が起きたのか、少女が理解できたのは全てが終わった後でだった。

あれほどの速度で迫る祢音に対して一切惑わされず、放たれたのは済まし通すような一撃。
スレ違いざま、振り下ろされた一撃はまさしく閃光だった。
上段が来ると予測し、予測通りの上段が来たのに、祢音は反応すら出来なかった。
鮮やか過ぎる切り口には痛みすら無い。
殺すほどには深すぎず、動けるほどには浅すぎない。
なんという技量。
たった一撃で、完全に無力化された。

変身や改造によって得た圧倒的身体能力や超能力とは全く違う。
ただひたすらに磨き上げられ積み重ねられた技術だ。
まさしく次元が違う。
先ほど心中で下した評価を改めざる負えない。
変身が完全だったとしても、果たして勝てるかどうか。

立ち上がれぬままの祢音にフランツ歩を詰め、剣の切っ先を突きつける。

「降伏を」

簡潔な一言。
圧倒的技量差を見せつける事。フランツの狙いはそこにある。
寡黙な騎士は黙したまま、抵抗は無意味だと雄弁に語っていた。

誰がどう見ても受け入れるしかない状況。
だが、このまま敗北を受け入れそうになる心を、唇をかみしめ必死で繋ぎ止める。

諦めるなどありえない。
諦めるなど許されない。
フランドールの態度からして、殺されることはないだろうが。
ここで拘束でもされようものなら目的が達せられなくなる。

370 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/20(水) 23:53:17.75 ID:eLRt9WCl.net
――――思い出すのはあの雨の日。

組織を抜け出して、復讐を果たしたあの日。
純粋な人間ではないとはいえ、初めて人を殺したあの日。

最新技術を詰め込まれたそのスペックで、組織を壊滅まで追いやったものの、彼女自身も無傷とはいかなかった。
雨の中傘も差さずとぼとぼと歩く少女の両腕は、自分のモノとも誰のモノともわからない血で塗れていた。
そして、そんな血にまみれた両手を見て、自らを巻き込んだしがらみを破壊したものの、もう日常には戻れないと悟った。
彼女はそこで日常を諦めた。

『…………祢音か?』

それは偶然の出会いだった。
相手は近所に住む高校生だった。

『って、おい! 怪我してるじゃないか! どうしたんだ!?』

彼は少女の様子に気づくと、驚いたように駆け寄ってきた。
彼とはミニバスのコーチをしてもらってからの縁だ。
時折、彼の家に行ってバスケを教わったりもした。

それは在りし日の象徴のようで、諦めたはずの日常を想起させる。
そんな相手に、今の自分の姿を見られるのが酷く恥ずかしかった。

『放っておいてください』

居た堪れなくなって、突き放すようにそう言い放った。
そして視線をそらして、足早にその場を後にしようとして。

『放っておけるわけないだろ!!』

本気で怒るような声に引き止められた

『怪我してる女の子を、こんな雨の中に放り出せるわけないだろ、バカ!』

そう言って、彼は彼女の手をとった。
そしてそのまま、手を引いて、治療を施すべく彼の自宅へ向かって歩きはじめた。
戸惑いながらも、彼女はその手を振り払うことはできなかった。

その手は温かかだった。
繋がれた手から、凍りついた何かが溶けてゆくようだった。

血に濡れた手を優しく包んでくれた。
何も聞かずにキズだらけの手を引いてくれた。

たったそれだけの事だったけど。
たったそれだけの事が、嬉しかったんだ。
涙が出たんだ。

あの温もりを、彼女は忘れたことはない。

あの温もりがあったから、彼女は日常に戻れたんだ。
この力を、大好きなみんなを守るために使おうと思えたんだ。
彼がいたから彼女は正義の味方になれたんだ。

だから、彼女が彼を生かそうとするこの行為は彼から得たものを、彼に返すだけだ。
与えてくれた生きる希望を、還すだけ。

371 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/20(水) 23:54:36.09 ID:eLRt9WCl.net
もう二度とこの手をとってもらえることはないとしても。
例え全てがなくなったとしても。

椎名祢音は片嶌俊介のために戦い続ける。

「―――――ぅああああああああああああああああああああああ!」

喉の張り裂けるような叫びを上げて、椎名祢音が立ち上がった。

敵の動きを封じるべく、的確にその身を切り裂いた。
その手応えがあったからこそ、動けないはずの相手が動いたという事態はフランツの反応を僅かに遅らせた。
その隙を逃さず、祢音は大きく後方に飛びのき、そのまま一直線にフランツたちとは逆方向に逃避した。

フランツはその背を追おうと踏み出した足を止める。
単純な速度ではフランツよりも祢音が上だ。追いつける速度ではない。
なによりダメージを受けたフランドールを置いていくわけにもいかない。

「申し訳ありません。取り逃がしてしましました」

騎士は主の前に向き直ると、申し訳なさ気に首を垂れた。

「いえ、見事でした。騎士フランツ」

その言葉に嘘はない。
目的こそ果たせなかったが、その力量は見事としか言いようがなかった。
初仕事としては及第点と言えるだろう。

「勿体ないお言葉。
 ですが、フランドール様。これからは無茶はおやめください。
 接触するにしても最大限のご警戒を」

そう騎士は苦言を呈する。
参加者との接触をする際には、まず彼女が話してみるというのは、フランドールの意向であった。

「いいえ、自ら踏み込まねば、信頼は勝ち得ません」

痛手を負ったにもかかわらず、姫君の信念に変わりはない。
あれほど圧倒的な技量を見せた騎士の鑑であるが、この筋金入りの頑固さを持つ姫君にはどうしたものかと頭を悩ませるのであった。

【一日目・朝〜午前/C-3 警察署近く】
【フランドール・オクティル】
【状態】疲労(大)
【装備】なし
【スキル】なし
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、不明支給品1〜2
【思考】
1.すべての悲劇を止める
2.ヨグスにしかるべき裁きを与える

【フランツ・O・ブリュデリッヒ】
【状態】健康
【装備】勇者の剣・黒
【スキル】なし
【所持品】基本支給品、不明スキルカード
【思考】
1.フランドールに忠誠を誓い、その理想を叶える

372 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/20(水) 23:57:43.24 ID:eLRt9WCl.net
.

.

.
.
.
.
..
...
..............
..........................................


「ハッ……ハッ……ハッ……!」

息が切れる
心臓の鼓動がうるさい。
口から心臓が飛びだしそうだ。

動けないはずの彼女が動けた、その方法は実に単純明快。
動けない体を動けるように、切られた神経を繋がった神経に”変身”させたのだ。

だが、この方法はいわば、外法。
変身がとけてしまえば傷は再び開くし、変身に使用したコストは戻ってはこない。
ただの一時しのぎにしかならず、先ほど得たエネルギーをすべて使ったどころか、収支はマイナスにしかならない。
だが、一時しのぎとはいえ、逃走は成功した、とりあえずはそれで十分だ。
だが問題はこの疲労。

襲撃は失敗。
回復するという目論見も破綻。
回復するどころかむしろマイナスだ。

エネルギーが足りない。
今すぐ何かで補充しないと意識が途絶えてしまいそうだ。
必死になって辺りを見渡すと、ほどなくして見つけた。
というより、見つけてくれと言わんばかりに何か喚いて騒いでいる。

「うわぁぁああ!! 人が死んだ! 人殺しがいるぞ!! 人が、」

それは目の前で人の死を目撃し混乱するトーマス・A・エジソンだった。
何かを騒いでるが、そんな声は祢音には聞こえない。
もはやそんなものを気にしている余裕などない。
最後の力を振り絞り加速し、その勢いののまま跳びかかる。
掴みかかると同時に限界が来て、変身は解けたが、勢いだけで縺れ合うように倒れ込む。

「うゎ!? 何だお前は!? ヤメろ! 暴力はキライだ! ヤメろ! ヤメろ! 放せ!」

なおも騒ぎ立てるうるさい口を左腕でふさぎ、そのまま顔面へ体重を乗せて押さえつける。
変身前でも改造人間である祢音の身体能力はそれなりに高い。
だが、体力も底をつき、右腕が動かないため上手く押さえつける事が出来ず、相手に暴れる隙を与えてしまう。
エジソンは手足をバタバタと振り回し、拘束を解こうと無茶苦茶に暴れまわる。
その力は成人男性にしては非力な部類だが、それでも本気で暴れる大の大人を子供が片腕で押さえつけるのは体格的に至難の業だ。

373 :創る名無しに見る名無し:2013/02/20(水) 23:59:37.53 ID:gRgxHTz4.net
 

374 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/21(木) 00:00:17.91 ID:Jr5qlTrW.net
「ッ………うぅ! うーッ!」
「痛ッ!?」

エジソンは口元を押さえつけていた指を噛んだ。
手加減などない、ゴリゴリと噛みしめる歯が、柔い肉を破り血が滲む。
それでも祢音は決して手を放すことなく、必死で喰らいつくようにドレインを続ける。

「ぅぅううう!」
「このッ! このッ!!」

互いの口から洩れるのは獣のような唸りだけだ。
もはやそこに人間らしさなどない。
ただ殺そうと必死に食らいつく祢音。
ただ生きようと必死にもがくエジソン。
獣のように泥臭い命のやり取りだった。

だが、エネルギーを奪い続ける捕食者とエネルギーを奪われ続ける被食者では、その差は明確であり決定的だ。
時と共に、エジソンの指を噛む力や、暴れまわる勢いは徐々に弱っていき、最後には動かなくなった。

「ハァ……ハァ………ハァ……………ッ!」

息を切らしながら、動かなくなった男を見下ろす。
エネルギーとは熱量でもあるのか、手に伝わるのは冷たい感触。
エネルギーを吸い尽くされたその体に温かなどない。
生気を吸い尽くされた姿は干からびた木乃伊のようだ。

荒い息もすぐに整う。
傷までは治らないが、人一人の命を啜ったのだ、体力はだいぶ回復できた。
動かない右腕も、変身している間は動くようになる。いざとなれば問題はない。

当初の予定とはかなりずれたが回復という目標は果たせた。
次は武器だ。
死体を漁りその荷物を確認する。

支給品と思しきものは二つ。
粉末状の薬の様なもの。
どのような効果があるものなのかはわからない。
元の持ち主が捨ててしまったのか、それとも初めからないのか説明書の様なものは見当たらない。

そしてもう一つは鞭。
サーカスの獣使いが使うような長い鞭だ。
鞭など扱ったことはないが武器であることには変わりない。

未使用のスキルカードも見つけた。
躊躇うことなくスキルカードを宣言する。

「スキル【植物操作(プラントオペレート)】」

375 :その手の温もりを ◆Z2CJJz2v/o :2013/02/21(木) 00:02:19.87 ID:eLRt9WCl.net
スキルカードが光となり、新たなスキルが体に染みこんでゆく。
新たなスキルの効果が頭の中で自然に理解される、それと同時に別のスキルが生まれるのを感じる。

【食人植物(マンイーター)】
植物越しにエネルギードレインを行えるスキル。

複合スキルの発生。
彼女にとって思わぬ僥倖である。
これで体力回復もやりやすくなった。

能力を活かせる森を目指すべきか。
いや、殺すべき相手がいなければ意味が無い。
植物の少ない市街地は避けたいが、人の集まることろに行かなくては。

そう彼女は次の動きを考えながら。
もう自らが殺めた命を振り返ることもせず。
彼女は戻ることのできない道を突き進んでゆく。

【一日目・朝〜午前/D-3 中央付近】
【椎名祢音】
【状態】疲労(小)、精神摩耗、右腕不能、左腕指先に裂傷
【装備】ダイバーズナイフ、皮の鞭
【スキル】『変身』『エネルギードレイン』『植物操作(プラントオペレート)』『食人植物(マンイーター)』
【所持品】不明薬物、基本支給品×3、不明支給品×0〜2
【思考】
1:植物があり、人の集まりそうな場所を探す
2:早急に片嶌俊介以外全員殺す

【複合能力】『エネルギードレイン』+『植物操作(プラントオペレート)』
【スキル名】食人植物(マンイーター)
【効果】エネルギードレインを植物を通して行える
【持続】植物操作を使用している間
【備考】なし

【トーマス・A・エジソン 死亡】

376 :創る名無しに見る名無し:2013/02/21(木) 00:06:23.64 ID:f+llAKwa.net
投下終了
支援どもです

377 :創る名無しに見る名無し:2013/02/21(木) 01:38:25.23 ID:N1GYzO2+.net
投下乙です
騎士と姫の初戦は善戦したけど敵を逃がしたか
逃げた祢音ちゃんは新しい能力を手に入れて貴重な首輪解除要因のエジソンが……
これ、もしかしなくても積んだんじゃw

378 :創る名無しに見る名無し:2013/02/22(金) 21:18:55.12 ID:Ffq9ITOU.net
あああ…エジソン死んだ…
ただ逆にこれはまなみんに期待ですね(ニッコリ)


そして片嶌イケメンすぎワロタwww

379 :創る名無しに見る名無し:2013/02/22(金) 22:06:50.19 ID:mLYU+wLu.net
このロワのロリコンはかっこいい

380 :創る名無しに見る名無し:2013/02/23(土) 16:19:14.78 ID:QquO0MF6.net
某所で書き手紹介が流行ってるけどこのロワの場合、どんな感じになるのかな?
自分で書ければ一番早いんだろうけど文才も発想力もないからなぁ……

381 :創る名無しに見る名無し:2013/02/23(土) 18:44:36.13 ID:p9QexmQq.net
キャラメイクのテンプレ風じゃね?

382 :創る名無しに見る名無し:2013/02/24(日) 17:32:05.08 ID:I9gynjN4.net
これですな
【名前】
【性別】
【年齢】
【職業】
【身体的特徴】
【好きな事・もの】
【嫌いな事・もの】
【特技】
【趣味】
【備考】

383 : ◆BUgCrmZ/Lk :2013/03/06(水) 23:08:23.71 ID:RESC5A7Q.net
投下します

384 :病の呪い ◆BUgCrmZ/Lk :2013/03/06(水) 23:12:00.98 ID:RESC5A7Q.net
放送が流れる。
配布された名簿に三城愛理沙の名はない。
おそらくどこかで高みの見物を決め込んでいるのだろう。

愛理沙が何を考えているのか私にはわからない。
こんな目に合わせされているにもかかわらず、それでも私は愛理沙を切り捨てられないし、愛理沙もきっと私を切り捨てられない。
その共依存といえる関係性は、切り捨てようとしても簡単に切り捨てられるものではない。
私は彼女の望むように、与えられた役割を演じるしかない。
殺人鬼としての役割を、先ほどであった少年を利用して。
その利用すべき少年を窺って見れば、何やら様子が少しおかしいようだ。

「どうかした? ひょっとして呼ばれた中に、知り合いでもいた?」
「……いえ、知り合い…………っていうか」

返るのはいまいち歯切れの悪い微妙な反応。
ああ、そういえば、彼はもともと殺人鬼から逃げてきたとかいう話だったっけ。
目の前で殺された誰かの事を思い出していたのだろう。

「…………それより彼の容態はどうですか?」

露骨に話をそらそうとしている感はあるが、まあいいだろう、追及するほどの話でもない。
彼の言葉通り、現在私は放送前に発見した男を診ている。
もちろんこんな濡れ鼠を診たくて診ているわけではない。
彼にせがまれ、身に着けているナース服をまさかコスプレだと言い張るわけにもいかず、半ば強引に看護を任されてしまったからだ。

簡単にとはいえ、しっかりと脈拍や外傷の有無を確認してしまうのは職業病か。
打撲や裂傷などの外傷が多く、体温の低下も見られるが、命に別状はなさそうである。
体力の低下した状態で水中に飛び込んだため、溺れて意識を失ってしまったようだ。

「そうね、意識を失っているみたいだけど、」

ふと、そこで言葉を切り、眠り続けるクランケの顔を見る。
その無防備さは、ある意味いつもの通りの獲物のそれである。
必然、ふと頭の中をよぎる思考がある。

(試してみようかしら…………?)

何を試すかなど言うまでもない。
スキルカードという名の病を発症させるという力である。
愛理沙の用意したオモチャがどの程度のモノなのか、無防備に眠るこの少年を利用して実験してみるのも悪くない。

だが何が発症するかはランダムというのがいまいち、使いどころを躊躇うところだ。
使えるか使えないかを判断するためにも試してみない事には始まらないのだが。
仮に実際に発症したとして、空気感染などでこちらも感染しては元も子もない。
仕方ないので、少しでもリスクを軽減して、使用するとしよう。

385 :創る名無しに見る名無し:2013/03/06(水) 23:12:17.17 ID:8AjzmjDB.net
 

386 :病の呪い ◆BUgCrmZ/Lk :2013/03/06(水) 23:13:35.01 ID:RESC5A7Q.net
「――――少し、危険な兆候が見られるわね」
「危険な兆候、ですか?」

深刻な顔をしながら片嶌が問い返す。
よく見ず知らずの他人のためにそこまで深刻になれるものだと関心しながら、そっと眠る青年の頬に触れ『病の呪い』を発動させる。

これで成功、したのかしら?
即時発症で潜伏期間はないと思うのだが。
というかそうでないと使い物にならない。

「ええ、ただ詳しい検査をしようにもここじゃちょっとね。
 出来れば病院かなにかで検査をしたいのだけど、私一人じゃ彼を運ぶのは難しそうだし手伝ってくれないかしら?」
「任せてください!」

快く引き受けてくれる好青年。
という訳で接触感染のリスクは彼に負ってもらうとしよう。
地図を見て確認したところ、病院は1ブロック隣にあるようだ。

「そうね、病院はそう遠くなさそうだし、急ぎましょうか」

そう言って作り笑顔を浮かべながら片嶌の方を見る。
だが、その片嶌は意識を失った青年を背負ったところで、呆けたような顔をして固まっていた。

「…………なんだ、あれは?」

こちらに向けられたものではない、思わず漏れたといった風な片嶌の呟き。
誘われるようにその視線の先を辿ると、私も思わず言葉を失った。

そこにはこちらに近づいてくる異様な影があった。
それは見るからにボロボロで、全身が紅い血に塗れていた。
何より目を引くのは、ここからでも見えるほどの大穴が胸に開いており、看護師である私じゃなくても分かるくらいに、生きているのか不思議な容態だ。
いや、その状態でも動けるのは不気味だが、言葉を失った理由はそこではない。

獣の様な角や異様な色をした皮膚。
それが人間と同じ二足歩行で歩いているのが不思議でしょうがない。
それは、人ではなく、まして獣ですらなかった。
およそこれまでの生涯で目にしたことのない生物。

それは、魔王としか形容し難いモノだった。

387 :病の呪い ◆BUgCrmZ/Lk :2013/03/06(水) 23:14:14.53 ID:RESC5A7Q.net
【一日目・朝/F-3ホテル周辺】
【片嶌俊介】
【状態】ダメージ(中)、疲労(大)
【装備】なし
【スキル】『ブレーキ』
【所持品】基本支給品、不明支給品1〜3(確認済み)閃光弾×2
【思考】
1.篠田を病院に運ぶ
2.弥音を探す
3.愛沢さんと協力

【愛沢優莉】
【状態】健康
【装備】ナース服
【スキル】『病の呪い』
【所持品】基本支給品、不明支給品1〜2
【思考】
0.え?なに?(本日三回目)
1.片嶌を利用…したいなあ
2.殺し合いに乗る
3.F-4病院を目指す
【備考】
※ヨグスは実在せず、この殺し合いの黒幕は三城愛理沙だと思っています。

【篠田勇】
【状態】疲労(極大)、気絶、何らかの病が発病
【装備】なし
【スキル】『重力操作』
【所持品】基本支給品、フラッシュグレネード×4
【思考】
0.…………
1.殺し合いを潰す為仲間を増やす

【魔王】
【状態】ダメージ(瀕死)、疲労(極大)、精神不安定
【装備】なし
【スキル】『落とし穴』
【所持品】基本支給品、釣り竿
【思考】
1.篠田と合流

388 :病の呪い ◆BUgCrmZ/Lk :2013/03/06(水) 23:14:46.82 ID:RESC5A7Q.net
投下終了

389 :創る名無しに見る名無し:2013/03/06(水) 23:16:34.24 ID:8AjzmjDB.net
 

390 :創る名無しに見る名無し:2013/03/08(金) 00:16:16.08 ID:T6esF+kZ.net
投下乙です。
マズい流れにマズい人が……
リア充高校生はどうなる、どうなれ!

391 :創る名無しに見る名無し:2013/03/10(日) 10:25:58.51 ID:j+pqw76N.net
唯一暴走止められそうな篠田を病気にしちゃって自ら首絞めてるな

392 :創る名無しに見る名無し:2013/03/12(火) 10:03:35.54 ID:XXX3/Q3L.net
乙!
これは光が見えないwww

393 :創る名無しに見る名無し:2013/03/15(金) 16:20:30.42 ID:YDxdKTzr.net
月報集計お疲れ様です。
オリ2v 40話(+4) 22/30(-1) 73.3(-3.4)

394 :創る名無しに見る名無し:2017/03/26(日) 22:20:13.62 ID:QmAdnb0w.net
保守

395 :創る名無しに見る名無し:2017/07/10(月) 05:00:08.17 ID:ugHrL6M5.net
☆ 日本人の婚姻数と出生数を増やしましょう。そのためには、☆
@ 公的年金と生活保護を段階的に廃止して、満18歳以上の日本人に、
ベーシックインカムの導入は必須です。月額約60000円位ならば、廃止すれば
財源的には可能です。ベーシックインカム、でぜひググってみてください。
A 人工子宮は、既に完成しています。独身でも自分の赤ちゃんが欲しい方々へ。
人工子宮、でぜひググってみてください。日本のために、お願い致します。☆☆

396 :創る名無しに見る名無し:2017/12/27(水) 10:20:12.81 ID:C1Z7QFDy.net
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

ZOOBL8I8KZ

397 :創る名無しに見る名無し:2018/05/21(月) 08:48:17.68 ID:tRZnwP6O.net
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

95WFN

398 :創る名無しに見る名無し:2018/07/03(火) 19:09:12.15 ID:f1dClnnX.net
SSH

399 :創る名無しに見る名無し:2018/10/17(水) 19:08:53.60 ID:ZU7x6aHX.net
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

EAB

400 :創る名無しに見る名無し:2022/05/18(水) 15:57:30.34 ID:U2/nV/Bm.net
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https://i.imgur.com/reni9X3.jpg
https://i.imgur.com/TywNHqM.jpg
https://i.imgur.com/pmSH4aO.jpg
https://i.imgur.com/ZVBGNbh.jpg
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