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魔女と一緒に人間を滅ぼす事になった
- 1 : ◆omJMkyhMVh3k :2015/05/05(火) 02:35:30.80 ID:TDTV0N92.net
- この世界では、災厄の象徴として魔女は忌み嫌われていた。
魔女なんてどこにもいない、空想上の魔物なのに。
アンテロ大陸、オルゲルト歴660年
この大陸の王アードルフ・アンテロ・ヴィクトール3世は42日に1回、大陸一大きい広場で民全員を集めて一斉に聖水を飲む"魔女狩り"を行う事を決める。
「ふぅ、やっぱり父さんには敵わないなぁ。流石剣士団の団長だね」
「オウルも中々の剣の腕前だぞ、15歳でこれは将来に期待できるな、流石俺の息子だ」
「2年後には父さんと同じ剣士団に入って、町を守るんだ!」
「頼もしいな」
俺は父さんとの日課の剣の稽古を終え、体にべっとりと付いた汗を流すために森に囲まれた池へ行く事にする。
いつもと変わらない日常ならば、池もいつもと変わらない澄んだ水色をしているのだろう、だが今日の池は赤い、血の色をしていた。
辺りに漂う鉄の匂い、俺は恐怖で体が竦む。
原因は何なのか調べるために辺りを見回すと、血に塗れた1人の少女を発見する。
このままじゃ少女の命が危ない、俺は焦りながら、駆け足で少女の元へ向かう。
だが、俺が少女だと思っていた物は、人ではなく魔。魔物であった。
綺麗な銀髪の髪を靡かせ、最後の力を振り絞るかのように歯を食いしばり、俺に襲いかかる。
という夢を見たのだった、気付いた時には俺はうつ伏せに倒れていた。
池は依然赤いままで、恐らくこの池の状態を見てショックで気絶したのだろう。
随分長い時間気絶していたのだろう、汗はすっかり引いており、少し右目が痛いくらいだ。
俺は家へ続く獣道を歩く。
「そういえば明日、大広場で魔女狩りが行われるんだったなぁ、めんどくさい」
- 2 : ◆omJMkyhMVh3k :2015/05/05(火) 02:50:29.59 ID:TDTV0N92.net
- ギラギラと輝く朝日が俺の体を照らす。
もう朝だ。
厨房の方からは母の得意料理、シチューの匂いがする。
そして家の庭の方からは、剣と剣が交わる音、恐らくお父さんと剣士が手合わせでもしているのだろう、今日は魔女狩りだから。
「魔女なんて居るわけない、絵本の中の生き物だよ」
俺は階段を降り、既にテーブルに置いてあるシチューにスプーンを作る。
とても美味しい。流石母さんだ。
優しくて強い父、料理が上手くて世話上手な母の間に産まれた俺は、とても恵まれているな。
そう感じたひと時であった。
大陸の大広場まで20分、俺の住んでる街は近い所にある。
遠い所だと1週間も前から移動を開始するらしい。
大広場の入り口まで行くと、かなりの行列ができている。入り口でコップ一杯分の聖水が配られているからだ。
俺はこの並んでいる時間、退屈しない様に友達と並ぶ。
友達と笑い話をしながら並んでいると、とても時間が短く感じる、すぐに大広場の入り口付近まで来ていた。
俺はコップ一杯分の聖水を剣士から受け取り、大広場の中へ入っていく。
大陸の民が全て収まる大広場、どのくらい大きいのだろうか、見当も付かない。
俺は民全員に聖水が配られるまで5人の友達と話す。
みんな優しくて良い奴だ。俺はこいつらが大好きだ。
2時間ほどして、民全員に聖水が配られた。
早速魔女狩りが始まる。どうせ今年だって魔女は現れないだろう、そもそも魔女は女だ、男の俺らが参加する必要はあるのか?
俺の居る場所は王の掛け声が聞こえないため、近くにいる剣士の掛け声で聖水を一気に飲み干す事になっている。
「それにしても、今年の聖水はかなり嫌な匂いがするな。臭いとかじゃ無くて、嫌な匂いだ」
「何言ってるんだオウル、42日前と変わらないだろ」
そうだな、聖水の匂いが嫌な匂いなわけがない。
俺は剣士の掛け声と同時に、聖水を口に含む
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