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ダークサンタクロース系作品

12 :創る名無しに見る名無し:2016/12/24(土) 21:02:19.14 ID:c3bh8rln.net
ダーク"セイント"クロースの両手で、サプレッサーを装着したキンバー1911A1が連続で咳き込むような音を奏でた。
いくつもの.45ACP弾がリズミカルに射ち出され、同数の真鍮の薬莢が弾き飛ばされ乱舞する。
.45口径の熱い鉛の弾丸は、デスクの向こうに座ったクソの高級スーツの胸に2つ、その両脇に立った二人のガードマンの腹と胸と顔面に1つずつ、よい子たちの悲しみと怒りと共に、帰巣本能に導かれるように飛び込んで行った。

「とどめが欲しいか」
セイントはデスク脇に立ってクソに言った。訊ねた訳ではなかった。
クソはなにか言いたげに、口と、胸に開いた穴から溢れる血に気泡を作った。
「聖なる夜だ。クソにも贈り物がある」
言ってセイントは、背負っていた大きく膨らんだ真っ白なふくろから、クレイモア対人地雷を取り出してデスクの上にクソに向けて置いた。クリスマスツリー仕様の時限信管を差し込み、起動する。
ちいさなツリーの上辺、☆のかわりに、ミニスカートのサンタクロースコスチュームを身に着けたコップのフチ子さんが色っぽく腰掛けていた。
クソが二人のよい子たちの親だった検事夫妻を毒殺した時、シャンパングラスに腰掛けていたフチ子さんだった。
「儂はキカイに弱くてわからんが、テレビだ。扉が開いて愉快な番組が始まる。彼女と一緒に愉しめ」
言ってセイントはふくろを背負い直し、クソが背にした、弾丸が嵌め殺しのガラスを叩いて砕いた窓に向かった。
窓の外では、四匹のトナカイの曳く橇が、地上100メートルの寒風に吹かれてセイントを待っていた。

3分弱の後、セイントを載せた橇の遥か後方、遥か下方から微かな破裂音が聴こえてきた。
「メリークリスマス。あっちに着いたら、あの子達のご両親に泣いて詫びろ」
振り向きもせず、ダーク"セイント"クロースは、口端の葉巻の紫煙と共に独り言を吐き出した。
トナカイの首の鈴が明るく鳴り響き、赤いノーズランプが澄んだ真冬の夜空を照らした。

メリークリスマス。全世界のよい子たち、楽しい夜と、新しい希望の朝を。

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