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【王道ファンタジー】ホワイトクロス騎士団【TRPG】
- 1 : ◆9tRgsDTMos5G :2017/04/16(日) 01:27:43.91 ID:07SdzMkW.net
- ジャンル:王道ファンタジー・組織もの
コンセプト:宗教色の強い西洋風ファンタジー世界のとある騎士団の物語
期間(目安):定めなし
GM:なし(NPCは基本的に全員で共有とする。必要に応じて専用NPCの作成も可)
決定リール・変換受け:あり
○日ルール:一週間
版権・越境:なし
敵役参加:あり(基本的にGMが出すが、必要に応じて)
名無し参加:なし
避難所の有無:なし
名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
スリーサイズ:(大体の体格でも可)
種族:
職業:
性格:
能力:
武器:
防具:
所持品:
容姿の特徴・風貌:
簡単なキャラ解説:
- 232 :フィッチャー :2017/09/04(月) 02:50:34.41 ID:YhonPkrR.net
- 「ホワイトクロス騎士団団長、セレスティーヌ・ジゼル・ド・ラ・シュヴィヤール、同公爵の名と
騎士団の代表として、貴様の成敗をここで完了させる!」
セレスティーヌが叫ぶと、周囲が辛うじて拍手をしたり口笛を吹いたりする。しかし、
その手や口は恐怖によって震えているのは明らかだった。
大天使が錫杖を振り上げると後ろの扉が不意に消滅し、完全に逃げ場はなくなった。
「本来ならば“彼”一体で充分なんですが、特別に私もお前たちの死を見届けるとしましょう。
では、行きなさい、我が息子よ! まずは娘を殺しなさい。親衛隊も前へ。すぐに補助しなさい」
フロアの両側からどこに隠れていたのか五人ずつの司祭が現れ、補助魔法の詠唱を始めた。
全てが女性で、薄い布地の脚を露出させた神官服を着ている。
恐らくはシュタインの身の回りの世話もしているのだろう。
その表情はなく、命令が出るとすぐに詠唱を開始し、大天使に補助魔法をかける。
「続け、行くぞ。はぁぁああ!!」
セレスティーヌが団員たちに掛け声をする。
まず彼女が大剣を二本抜いて大天使の方へと駆けていくと、
その後ろをカバーするようにフィッチャー、ユニス、カボスが続き、
両翼にマーテルとチホリが展開し、飛び道具を構える。
そしてアレクとデルタはその後ろから補助魔法をかける役割だ。
綺麗なフォーメーションは大天使の魔力の篭った巨大な錫杖による初撃をセレスティーヌが受け止め、
残りの三人が牽制しながら反撃してかなり深い傷を負わせた。
再びセレスティーヌが進撃する頃にはマーテル、チホリの飛び道具も到達しており、傷を負わせることに成功している。
ギェェ、という醜い声を大天使は張り上げる。
「たあぁぁ!」
と、順調なのはセレスティーヌの二撃目が入ろうとしたところまでだった。
「ぐっ!!」
突如地面から生えてきた脚によってセレスティーヌは頭を押さえつけられ、地面に倒れ伏す。
普通の人間なら粉々、彼女であっても骨は無事で澄むまい。
さらに玉座に居たシュタインがいつの間にか立ち上がり、醜い姿になって翼を生やして
バリアの外から光弾を撃ち込んできた。素早いそれはあっという間にセレスティーヌを叩きつけ、焦がしていく。
それでも起き上がるセレスティーヌに、大天使の蹴りによる攻撃が放たれる。
「良いぞ、その女さえ死ねば、あとは烏合の衆、さあ、さっさと片づけてしまいなさい……ヒヒヒヒ!!」
シュタインの声と、女司祭たちの加護の声が混じり、既に場面は敵に圧倒されつつあった。
【大分無茶のあるネタ振りを拾っていただき、ありがとうございます。】
【強化人間を撃退し、研究所最深部に到達。フェイシアが死亡して対峙するホワイトクロス側は8名。
敵はシュタインと、大天使(ユニオン・アンゲル)に、女司祭10人がそれを補助しています。
現在セレスが狙われて負傷、大天使の拳による重い一撃が目前に迫ります】
- 233 :アレク :2017/09/05(火) 01:14:30.26 ID:3x8W0jsZ.net
- アトラの力を得たアレクの覚醒によって流れは変わり勝利をおさめることが出来たが、
仲間になったばかりのフェイシアが犠牲となった。
そして声しか聞こえぬシュタインとセレスティーヌが言い争いを始める。
>≪黙れ! 黙れ黙れ黙れ! 強姦を繰り返す盗賊どもと癒着し、あちこちで掠奪や淫行を行ってきた
貴様には領地など必要ないのデス! では使徒どもよ、集まれ、“リユニオン”!≫
>「リユニオン、図書館の本でそんな単語を見たことがある。……あいつらと融合するつもりだ、くそっ!」」
――リユニオン、といえば再集合、ぐらいの意味だったか。
まだ息があるアテナとヘラ、そしてフェイシアの体が浮上し、階段の上へ向かって消えて行った。
それを目の当たりにしつつも薬の保管庫の方に行こうとするセレスをフィッチャーが制止する。
>「セレス、それは後だ!」
>「あ? 私は病気だ。病人が治療をして何が悪い! 薬を必要としているのだぞ。私が……」
薬は薬でもそれはヤク的な意味の薬である。
治療したいのなら猶更駄目だと思うが、そんな全うなツッコミは今の彼女には意味を為さないので黙っておく。
>「セレス、悪いが、今の状況を見てくれ。俺たちはこれから教会の代表として、ヴィクサス神聖国の代表として
悪に立ち向かう。外には今も「光」の脅威にさらされてる連中がいる。分かるか、お前の親父もお袋も泣いてるぞ」
>「そうであったな。すまなかった……」
フィッチャーの親父お袋作戦は効いたようで、とりあえずいったん薬を後回しにさせることに成功した。
そんな彼女だが、並外れた騎士としての能力は衰えていないようで、危険をいちはやく察知した。
>「危ない、お前たち、私から離れろ!」
床から飛び出してきた巨大な手を斬りつけたその剣戟で扉を開くセレスティーヌ。
広大な空間の最奥にシュタインが鎮座し、その前には様々な者が融合したと思われる異形の「天使」が浮遊していた。
背に広げるは純白と漆黒の四対八枚の翼、手に携えるは巨大な錫杖。その姿は醜悪にしてある意味荘厳。
あまりの光景に、一瞬呆気にとられて息を飲む一同。
「まさか、フェイシアもあの中に……!? なんてことだ……」
シュタインの狂気の野望に利用された者達を解放するためにも、倒すしかないのだ。
>「さぁ、ご覧になったでしょう。これが私が作った「大天使ユニオン・アンゲル」。天才と呼ばれたフローレンの技術を
応用し、神に相応しい知恵でハエのような天使兵どもを一つに纏め上げたのですよ、アレクサンドラ。
そもそも私には忠実な「執行者」が一人居れば充分。私自身はこれで全世界を支配するのぉみィ……」
シュタインは分厚いバリアの奥におり、バリアの発生源と思しき青い水晶球を破壊しなければ攻撃を加えることはできないだろう。
まずは前衛の大天使を相手にするしかなさそうだ。
>「本来ならば“彼”一体で充分なんですが、特別に私もお前たちの死を見届けるとしましょう。
では、行きなさい、我が息子よ! まずは娘を殺しなさい。親衛隊も前へ。すぐに補助しなさい」
シュタインの合図を受け、総勢10名の司祭がわらわらと出現する。
- 234 :アレク :2017/09/05(火) 01:17:37.88 ID:3x8W0jsZ.net
- 「一体で十分な割には随分大勢出てきたなおい!」
- 235 :アレク :2017/09/05(火) 01:18:32.81 ID:3x8W0jsZ.net
- >「続け、行くぞ。はぁぁああ!!」
- 236 :アレク :2017/09/05(火) 01:19:24.57 ID:3x8W0jsZ.net
- セレスティーヌを先頭に、八人でフォーメーションを組み、突撃する。
アレクはパーティー内で最も強力な補助魔法や防御・回避・回復等の魔法が使えるため、敢えての後衛だ。
「――ヴァルキリーブレス!」
戦乙女の加護――その名の通り、味方全員の勇猛さと能力値全般を飛躍的に向上させる、最上級の強化魔法だ。
セレスティーヌが相手の攻撃を受け止め、その隙に中衛の三人や両翼の二人が攻撃するという形で着実にダメージを与えていく。
「いけるか!?」
しかし、セレスティーヌが二撃目を入れようとしたところで流れは変わることとなる。
>「たあぁぁ!」
>「ぐっ!!」
地面から生え出た足によって倒されるセレスティーヌ。
続いてシュタインがセレスティーヌを中心に、戦闘域全体に光弾を放つ。
降り注ぐ光弾が、仲間達が団長の援護に駆けつけることを阻む。
「まずい――スターライトヒーリング!」
慌てて強力な全体回復魔法を発動するアレク。
協力な全体回復魔法を持っていたら負けることはないと思われるかもしれないが、それは気のせいだ。
いくら全体回復魔法を連発したところで敵がそれを上回る勢いで攻撃してくれば、余裕で全滅するのである。
まさに今そのような状態に陥っていた。
>「良いぞ、その女さえ死ねば、あとは烏合の衆、さあ、さっさと片づけてしまいなさい……ヒヒヒヒ!!」
尚起き上がろうとするセレスティーヌに、大天使の巨大な足による蹴りが迫る。
流石の彼女とてまともに受ければひとたまりもないだろう。
「やめろ――――――――ッ!!」
気のせいかもしれない、ほんの一瞬だけ、相手の動きが止まったような気がした。
セレスティーヌは地面を転がって避け、間一髪で難を逃れる。
今一瞬声に反応した? そんなはずは――そう思い改めて相手を見ると、その顔は筋肉で覆われた異形でありながら、
どこか顔立ちが自分に――ということは必然的にアトラスムスにも似ているようにも見える。
天使兵を主とした集合体らしいが、天使兵とアトラスムスに何らかの魔力的な繋がりがあるのだろうか、と思う。
そして、おおかた絶賛洗脳中のアトラスムスが自らの忠実なしもべとするべく生み出した存在だろう、というところまで推測する。
……流石にまさか錬金術で魔改造されてデイドリームには無い器官を据え付けられた上で
何とも原始的な方法で生み出したとまでは思い至らないのだが。
――クルシイ……タスケテ……
幻聴かもしれないが、大天使の材料にされた者達の心の声が聞こえたような気がした。
「ああ、すぐ楽にしてやる――」
もしも――もしも予測が当たっていれば、アトラスムスの力を受け継いだ自分なら、対抗できるかもしれない。
そう思い、両手に二本の光の剣を作り出し、目にも止まらぬ速さで切りかかる。
「団長! 位置交代だ!」
- 237 :フィッチャー :2017/09/05(火) 06:24:21.77 ID:MABVTzEt.net
- 後方からの強力な加護がありながらも、セレスティーヌら前線は大きなダメージを負っていた。
>「やめろ――――――――ッ!!」
倒れこみ、起き上がろうとするセレスティーヌへの脚の攻撃に対し、
アレクが突如、大声で何かに取り付かれたように叫ぶ。
セレスティーヌはその声のおかげか、もしくは敵の攻撃が遅れたためか、血を流しながらも
その攻撃をかわし、完全に回避した。
>「ああ、すぐ楽にしてやる――」
「団長! 位置交代だ!」
何かを悟ったかのようにアレクが後方から二本の光の剣を発現し、突撃してくる。
目の雰囲気も、これまでのアレクとは大きく違う。
「アレク! 分かった、私は向こうから回り込もう。この怪物を挟み撃ちにするぞ!」
セレスティーヌは立ち上がるとすぐさま、聖歌での援護を続ける女司祭たちの方へと向かう。
アレクの攻撃が当たるや否や、大天使に変化が訪れた。
「グ……グォォ……」
そのアレクの面影を僅かに残す敵は、一瞬呻くと輝き、周囲に六匹ほどの天使兵を「離脱」させた。
これで魔力は若干落ちたような感じはする。しかし、羽根を二本減らし六本になった大天使兵の外見は、
より醜い顔となり、肉体もより歪で不気味さを放っていた。
「何が……! 何があったのです!? さっさと殺しなさい!」
- 238 :フィッチャー :2017/09/05(火) 06:24:46.51 ID:MABVTzEt.net
- 「ヒィィィ!」「ぐぇぇ……」
セレスティーヌは建物端側の女司祭たちへと素早く駆けると、二本の剣で衝立や聖像ごと
容赦なく斬り伏せていった。一人一撃。
ほぼ防御性能のない装備では紙を切り裂くに等しく、彼女たちは上半身と下半身を分断されて吹き飛ばされ、
臓腑を噴射させながら命を落としていった。
四人目、五人目は恐怖のあまりに逃げ出し、涙を流して叫びながら同じように地面を汚すただの肉片と化した。
「行くぞ、シュタイン!!」
横から襲い掛かる三体の天使兵の頭を潰すように剣を振り、それらを屠りながら、
ついに防御壁の向こうにいるシュタインへと突撃していった。
「うぁぁぁ!!!」
ビリビリ、と電撃のような魔力がセレスティーヌを襲い、倒れる。しかし、魔力の篭った一撃は
防壁へとダメージを与えていた。法衣を破られ鎧も焦がされ、倒れ伏したセレスティーヌは下にある青い宝玉に気付く。
ここに魔力の一部が帯同しているようだ。
一方、アレクが大天使を一時的に追い込んでいる間に、フィッチャーはセレスティーヌの心配もあるが、
あったが、まずは周囲の天使兵に斬りかかった。大きな加護の力で一体は辛うじて相手にできたが、
残りの二体の戦闘能力はかなりのもので、ユニス、カボスの二人で倒せるかは不安だった。
「後ろ、もっとこっちの援護に回せるか!? 時間がない! セレスが……」
フィッチャーが叫ぶと、マーテルがデルタとチホリに掛け声をする。
「二人とも、前線に出て戦ってきて、私はこのまま敵を狙い撃ちするから」
チホリがまず曲刀を取り出し、チャクラムを天使兵へと投げながら飛びかかろうとし、
デルタが走り出そうと剣を抜いて前に出ようとしたところだった。
- 239 :フィッチャー :2017/09/05(火) 06:25:32.15 ID:MABVTzEt.net
- チホリが敵たちに肉薄するところを、マーテルは逃がさなかった。
その目は一瞬だけでも邪悪に染まっていたことだろう。
――今なら、チホリを狙うことができる―!
マーテルの連射式のボウガンはチホリの首を正確に射抜き、同時に天使兵にも数本が刺さっていた。
その隙にフィッチャーが二体目の首を刎ねる。
「あ、ごめーん! 大丈夫!!?」
デルタは一瞬だけだがマーテルの表情を見てしまった。少しばかり口元が緩んでいたような気がする。
しかし、そんなことに怯えている状況ではない。
「チホリ! おのれ、うおぉぉぉ!!」
デルタはその怒りや悲しみを、目の前の天使兵へとぶつけていた。ユニスとの挟み撃ちで、
最後の一体も頭を潰し、止めを刺すことができた。
マーテルは自分の女としての嫉妬、猜疑心、怒りが一瞬とはいえ頂点に達したことを感じた。
デルタを取られるかもしれない、という恐怖からでもあった。
倒れたチホリは、一瞬、マーテルの方を振り返って睨みつけるも、そのまま口から血を吐いて、命を落とした。
一方、セレスティーヌの接近を感じたシュタインは目の前で戦う「息子」である大天使への
加護魔法を止め、素早くセレスティーヌの近くへと向かった。今が好機と思ったのだ。
「セレスティーヌ。わざわざ無敵の私に殺されに来るとは、なんという無防備さ、あの時と、
変わっていないではないですくわッ!」
まずは片手から闇属性と思われる光線のような魔法を繰り出し、地面へと再び叩きつける。
「シュタイン……貴様の最後だ!」
- 240 :フィッチャー :2017/09/05(火) 06:26:53.77 ID:MABVTzEt.net
- セレスティーヌは立ち上がると、すぐに剣の片方を落とし、もう片方の剣で地面の青いオーブに一撃を見舞った。
パリィィン……
その瞬間、防壁の一部、特にセレスティーヌの付近が薄まり、弱体化されたのが分かった。
「皆の者! 天井と地面にあるオーブを破壊せよ! シュタインの祭壇を一気に攻めるぞ!」
「あ、はい! 分かった」
「な、何だって? じゃあこいつの攻撃は……」
フィッチャーはその言葉を受けている間に大天使が大きく変化し、フィッチャーたちを閉じ込める壁を作ったのを確認した。
大きな腕のような幻影がフィッチャーの視界と移動を遮り、行動を限定させている。
「殺してさしあげますよォォ!!」
シュタインはまず天使兵の遺骸と遠くで詠唱している五人の女司祭から一瞬で魔力をかき集め、
全身を強化させる。そしてまずは近くにあったセレスティーヌの剣を吹き飛ばす。
これで残りの5人の女司祭たちは精神力・魔力を失って床に倒れた。
次に大天使からも魔力を貰い、防壁の内側に脚を踏み入れて斬りかかってくるセレスティーヌの剣筋を読んで両腕に魔力を込め、
その膨大なパワーを受けながら吸収し、逆にそこで魔力を暴発させ、自分へのダメージと引き換えに
セレスティーヌに大きな傷を与えた。
「くぁぁぁっ!!!」
シュタイン自身も傷を負いながらも、膨大な魔力で傷は徐々に回復しようとしている。
一方のセレスティーヌは爆発をもろに受け、剣と鎧を破壊され、ほぼ丸裸の上体で床へと投げ出された。
勿論、彼女の膨大な体力と強靭な肉体がなければとうに内臓ごと弾け飛んでいるはずである。
それでもセレスティーヌは起き上がり、素手と脚でシュタインに襲い掛かった。
普通の兵士なら一撃で急所の骨を折って絶命しているだろうが、彼には大した打撃にはならない。
ようやくマーテルによって上のオーブ二つを破壊した頃には、既にセレスティーヌは地面に倒れ伏し、
シュタインの創りだした魔法の剣で一撃、一撃を叩き込まれている頃であった。
「恐ろしい耐久力だ。まるで怪物ではありませんか……でも、これで終わりです……」
それでも起き上がろうとし、シュタインに食らいつこうとしたセレスティーヌは、シュタインの魔力の剣によって
胸から背中までを貫通され、上へと持ち上げられていった。
髪を振り乱し顔を苦痛に歪め、美しいほどに筋肉質で傷跡だらけの裸体をビク、ビクと痙攣させる。
強化された故にまだまだ意識があるようだ。先ほどまでの傷と腹部、口から血が噴き出す。
- 241 :フィッチャー :2017/09/05(火) 06:27:09.68 ID:MABVTzEt.net
- 「シュヴィヤール地域ではかつて、槍を失えば剣で戦い、剣を失えば拳で戦い、拳が使えなければ歯で戦うという戦士たちが居たようです……
お前もその末裔のようですね……まるで歩く武器のようだ。しかし、これで終了ォ、さぁ、死になさい、蛆虫の、シャルルの娘よ!!」
「あぁァ……おの……れ……」
剣が胸から首のあたりまで上がり、大量の出血のためかガクリ、と首を落としたセレスティーヌは、そのまま剣を抜かれると地面に倒れ、
シュタインによって尻を思い切り蹴られて防壁の外へと転がった。
殆ど白眼を剥きながら時折首をビク、ビクと痙攣させている。
「では、せめてもの再利用に我が「息子」に食べてもらうとしましょう。オォ、私は頭が良い!」
セレスティーヌから受けた傷を癒しながら、大天使に後ろから指示を出し、セレスティーヌの肉体が浮き上がると
徐々にそちらに引きずり込まれていく。同時に近くに転がっているチホリの死骸もだ。
「くそっ、セレス!!!」
フィッチャーは一瞬だけ弱体化した大天使の腰のあたりに一撃を浴びせる。
たまたま腰布の部分に直撃し、僅かな傷を負わせると、そこからは醜く大きな男根が飛び出してきた。
「こんな汚ねぇ奴にセレスを食われるだって!? 冗談じゃねぇ、みんな、阻止してくれ!
それにあいつはまだ生きてる! 俺らの団長が死ぬ訳ねえだろ!!?」
勢いに乗ったシュタインは、両腕の十本の指に大量の魔力を帯同させ、
そこに居る一人ひとりに追尾する形で紫色をした高速の魔力弾を発射した!
同時に大天使が魔力の篭った錫杖を振るい、セレスティーヌ吸収を阻止するメンバーを襲う!
……ホワイトクロス騎士団、絶体絶命のピンチである。
【大天使が天使兵を吐き出し縮小されたものの凶暴化。ダメージは殆ど与えられていない。
シュタインは防壁の内側でオーブの4個中3個を破壊されたものの、セレスから受けた傷を回復しながら
攻撃を繰り出している。同時にセレスが大天使に取り込まれようとしている天使兵らは死亡、消滅、司祭は5人死亡、5人気絶。】】
【チホリ死亡、セレスティーヌ瀕死、フィッチャー軽傷、アレクはパワーアップ】
- 242 :アレク :2017/09/06(水) 01:17:46.54 ID:CN7lx5BL.net
- >「アレク! 分かった、私は向こうから回り込もう。この怪物を挟み撃ちにするぞ!」
アレクに大天使の相手をバトンタッチし、セレスティーヌは女司祭達の殲滅へ向かう。
アレクが光の剣戟を叩きこむと、六匹ほの天使兵が分離して羽根が二本消える。
若干魔力も落ちたようで、分離による弱体化に成功したようだ。
しかしその外見は怒りのためか、より醜悪なものとなった。
それでもアレクはひるむことはない。
振るわれる巨大な錫杖や手による攻撃を宙を自在に舞って掻い潜りつつ、着実に一撃一撃を与えていく。
分離された天使兵の相手は、すかさずフィッチャーが引き受けた。
一方、5人の司祭を早々に殲滅し終えたセレスティーヌはシュタインへ突撃。しかし電撃の返り討ちに合う。
>「後ろ、もっとこっちの援護に回せるか!? 時間がない! セレスが……」
>「二人とも、前線に出て戦ってきて、私はこのまま敵を狙い撃ちするから」
フィッチャーの要請を受けたマーテルが、デルタとチホリを前線に送り出す。
後衛に留まったマーテルのボウガンが、チホリの首ごと天使兵を射抜いた。
同士討ちの悲劇だが、乱戦ではよくある不幸な事故――もしくは尊い犠牲だ。
しかし、マーテルの態度があまりに不自然だった。
>「あ、ごめーん! 大丈夫!!?」
あまりにしらじらしい。どう見ても致命傷なのに大丈夫も何もあったものではない。
普段のマーテルとは明らかに違うと直感したアレクは、シュタインを睨みつけた。
「シュタイン! 何をやった!?」
「私は何もやっていませんよ。ただその娘の素直な願望を後押ししてあげたまぁでェ。
人間はもっと己の願望に忠実に生きるべきなのです」
――そういうのを思いっきり何かやっていると人は解釈するのである。
「貴様……!」
人間誰しも心の奥底には、人には決して見せられぬ部分を隠し持っていたりするものだ。
だからといって人間の本質が悪かというとそれは違う――悪の心を封じ込める事が出来る良心も含めて人間なのだから。
だからこそ、その良心を無碍にする術は許せない。
アレクは激昂しつつも、せめて他の者はこの術の餌食にならないよう願った。こんなことが続出すれば同士討ちで総崩れ必至だ。
そうしている間にもセレスティーヌは電撃の衝撃から立ち上がり、オーブを一つ破壊することに成功する。
>「皆の者! 天井と地面にあるオーブを破壊せよ! シュタインの祭壇を一気に攻めるぞ!」
- 243 :アレク :2017/09/06(水) 01:19:54.66 ID:CN7lx5BL.net
- 一つ目のオーブを破壊されてシュタインもほんの少し危機感を覚え始めたのだろう。
- 244 :アレク :2017/09/06(水) 01:20:32.12 ID:CN7lx5BL.net
- 腕の幻影を作り出し、フィッチャー達をシュタインの方に行かせないように遮る大天使。
- 245 :アレク :2017/09/06(水) 01:20:56.30 ID:CN7lx5BL.net
- 「ワタシ達の相手はこっちってことか……!」
無数の腕に翻弄されるアレク達。
シュタイン側では、マーテルのボウガンが冴えわたり、上の二つのオーブの破壊に成功。
しかしシュタインに直接対決を挑んだセレスティーヌは追い詰められていた。
>「恐ろしい耐久力だ。まるで怪物ではありませんか……でも、これで終わりです……」
ついにシュタインの剣に貫通され、頭上に持ち上げられる。これにはアレクも悲痛な叫びをあげる。
「お嬢ッ!!」
>「では、せめてもの再利用に我が「息子」に食べてもらうとしましょう。オォ、私は頭が良い!」
>「くそっ、セレス!!!」
フィッチャーが死にもの狂いで一撃を浴びせる。
命中したのはいいが、たまたま当たり所が悪く(?)様々な意味で筆舌に尽くしがたいブツが露わになってしまった。
それを見た一同は一瞬引き、阻止しなければ、という決意を一層強めるのだった。
>「こんな汚ねぇ奴にセレスを食われるだって!? 冗談じゃねぇ、みんな、阻止してくれ!
それにあいつはまだ生きてる! 俺らの団長が死ぬ訳ねえだろ!!?」
「そうだ、これ以上……死なせてたまるか!」
しかし、決意も空しくシュタインが放った追尾型の魔力弾で阻止どころではない状況に陥る。
「ぐああッ!!」
衝撃波の魔法で何とか魔力弾を相殺するも、その隙に錫杖の一撃を食らい、吹っ飛ばされた。
魔力弾が直撃して倒れる者も出てくる。
「ここまで……なのか……?」
今までの記憶が走馬灯のように流れ始める。
- 246 :アレク :2017/09/06(水) 01:21:50.06 ID:CN7lx5BL.net
- 『神が遣わした聖天使よ――お会い出来て光栄だ――』『左遷されてきただけだけど。とりあえずしくよろ』『なっ――!?』
『アレク、貴様の自由っぷりにはほとほと呆れている。罰として――』『あ、やっぱクビっすか?』『第二分隊副隊長に任命する!』
『よく合同で任務やるけどお嬢は第三分隊長と仲いいの?』『馬鹿言え! アイツは重戦士としては有能ゆえ戦略上仕方なくだ』
これは第三分隊で過ごした頃の記憶。
『良いですか? 異教の邪神と契約してはいけません。奴らはあの手この手で籠絡しようとして来るので気をつけなさい』
『プレシャス!』『プレシャス!』『ああ、眠いなあ』
教会で洗脳教育を受けていた頃の記憶。
そして最後に行きつくのはやはり――自分と瓜二つだった頃のアトラが微笑んでいる。妖精のような輝く虹色の翼を広げて。
「アトラ、今そっちに……ん? 虹色の……翼……?」
≪やっと思い出したようだね。本当の記憶。私達の翼が本当は何色だったか……≫
「そうか、簡単なことだ、天使では神に勝てるはずは無い……!」
何か重要な事に気付いたように、ゆっくりと立ち上がるアレク。
デイドリームは幼少期に教会に預けなければいけないという鉄の掟の理由――それは利用価値もさることながら、放置しておいたら脅威となるからだ。
そこで幼少期から忠実な神のしもべとして洗脳し、脅威の芽を摘んでいたというわけだ。
デイドリームは神々と人とを繋ぐ使徒――それは間違ってはいない。
しかしここでいう神々とは八百万の神に近い概念であり、それは本来、神官というよりも一般的なイメージでいうところの精霊使いに近いもの。
アレクの背に、蝶の羽根のようにも見える極彩色の翼が現れる。
「――センスオブワンダー!」
味方全員に光が降り注ぐ。それは確かに回復魔法だが、今までのものとは全く系統が違っていた。
今までのものが対象の中にある生命力を活性化させるものだとしたら、これは自然界に存在する生命力を直接分け与えるもの。
デイドリームの中でも並外れた素質を持つアレクは、教会に捕まる前、すでに数々の精霊と契約していた。
教会に捕まってから記憶と共に封印されたそれらを全て、たった思い出したのだ。
「シュタイン! 偽りの神がどっちか、決着を付けようじゃないか!」
エントの力を借りて手から蔦を出してセレスティーヌを繋ぎとめ、フィッチャーの方に引き寄せる。
「生命力は与えておいた……あとはこれを振りまくるんだ!」
そう言って祝福の杖をフィッチャーに渡し、自分は敵の方に向き直る。
「みんなそいつから離れて――ファイアストーム!!」
大天使の周囲で、獄炎の嵐が渦を巻く。炎の上位精霊イフリートの力を借りた業火の攻撃魔法だ。
- 247 :フィッチャー :2017/09/07(木) 01:01:47.12 ID:qDv2Quro.net
- >「ぐああッ!!」
アレクがシュタインの闇魔法を衝撃波で相殺しようとするも、その追尾能力と破壊力は凄まじく、
アレク他数名が魔法に巻き込まれて大きな打撃を受ける。
魔力抵抗の低いカボスに至ってはこれで倒れ、ほぼ戦闘不能となった。
さらに大天使による錫杖の一撃がアレクに入る。
団員たちは天使の血による毒と魔法による衝撃で次第に立ち上がる気力すら危うくなってきた。
「くそッ!」
フィッチャーは傷つきながらも剣を振りまわし抵抗するも、幻影のようになった太い腕が邪魔をして
簡単にそうさせてはくれない。
既にチホリの死骸は大天使の一部として取り込まれたようだ。
セレスティーヌがゆっくりとこちらに引き摺られていく。血の跡を残しながら。
(くそっ、団長のために、愛する女のために、俺は何もできねえってのか!?
ホワイトクロス騎士団は、もうこれまでってのか!?)
自分にそう問いかけるフィッチャーに、不意に光が差し込んだ。
>「――センスオブワンダー!」
その場全体に光が差し込む。それはまるで世界がアレクを祝福しているかのようだった。
虹色の光を纏った翼のアレクは、今や聖書の「神」のような姿になっていた。
めきめきと団員たちが回復していく。
- 248 :フィッチャー :2017/09/07(木) 01:02:21.27 ID:qDv2Quro.net
- >「シュタイン! 偽りの神がどっちか、決着を付けようじゃないか!」
アレクが叫ぶと、エントの蔦がセレスティーヌを絡め取り、フィッチャーの方に引き寄せる。
そして祝福の杖を渡す。
アレクが続けて放ったファイアスt−ムで腕による幻影は消えうせた。
ほぼ裸のフィッチャーは、セレスティーヌの裸体を抱きしめると口付けをし、剣を素早く祝福の杖に持ち替えて
全力で念じた。
「プレシャス! 本当の英雄はお前だ!どうか力を与えてくれ……神サマよォ……!!」
セレスティーヌの肢体が輝き、次第に輝いていく。
「さぁ、あたしらはあたしらの仕事をするよ! さぁデルタ!」
デルタと共に駆け出したマーテルは、先ほどセレスティーヌが倒れた方向とは反対側に駆け出し、
シュタインが大天使の援護に夢中になっている隙を突いて素早く駆けた。
マーテルがボウガンから矢を放つ。移動しながらの乱射だ。ぐるりと90度回転しながら、
大天使、続いてシュタイン、祭壇と攻撃目標を変える。シュタインは素早くそちらに対応し、
魔力の弾をマーテル目掛けて放つ。マーテルが辛うじて直撃を避けて倒れるも、
――本命はデルタの一撃にあった。
「うおぉぉぉおお!!」
パリィン、という音とともに、床に埋め込まれた最後の青い水晶が破壊された。
これでシュタインの間を隔てていた分厚いバリアが消える。
「おのれぇえぇl、小賢しい、雑魚どもがァ、五月蝿いのですよ!」
慌てたシュタインは翼をブワリと羽ばたかせ、空中へと浮くと魔力をチャージし、
デルタに一撃をぶちかます。
「……フィッチャー、これは、アレクが……私は、死んだのではなかったのか!? うっ……」
(まずい、あちこちの骨が折れてやがる……!)
フィッチャーはセレスティーヌの全身が悲鳴を上げ、既に限界に達しようとしているのを感じた。
骨があちこちで折れ、筋肉は不自然なほど収縮してこわばり、もはやその肉体は魔力と薬物と強い意思によって繋ぎ止められている状態なのだ。
だが、黙っている他なかった。
「もう少しの辛抱だ。あいつ、アレクも無理してやがる。お前はもっとそうだろうがな。
すぐ楽させてやる。ちょっと耳貸してくれ」
膝の上にセレスティーヌを抱え、背中から髪にかけてを撫でる。そして手を握り、
フィッチャーは耳元でそっと囁いた。コクリと頷くセレスティーヌ。
- 249 :フィッチャー :2017/09/07(木) 01:03:01.08 ID:qDv2Quro.net
- フィッチャーがおもむろに立ち上がり、倒れたカボスの剣を二本ほど拝借すると、
罵倒し叫びながら大天使に斬りかかる。
「汚ねぇモンぶら下げてんじゃねぇよ、ゴミの集まりが!!」
その雑な攻撃は素早くかわされたが、その後方から長い脚の股を抜けるように一陣の風が吹き抜けた。
瞬時に、大天使の股間の男根が切り落とされる。
「グギヤァァァァ!!!!」
獣とも怪物とも言える叫びとともに、フィッチャーに向けて襲い掛かる大天使。
錫杖を投げ捨て、次々と腕や脚を使って地面を抉りながら長いリーチの攻撃をフィッチャーに繰り出してくる。
避けられない。フィッチャーは次々と傷を受けながら、何本もの剣で耐えていた。
と、奥では気絶したデルタ目掛けて魔法の剣による一撃で止めを刺さんとしているシュタインがいた。
「まずはそこの若い男女から確実に、殺してさしあげましょう……ぬ?」
シュタインの脇腹が何者かによって抉られる。血が噴き出し、グラリと視界が揺れる。
それは祝福の力で復活し、フィッチャーの大剣を獲物としたセレスティーヌだった。
「おのれ……娘!? どうして……何故!」
次々とセレスティーヌの攻撃は繰り出され、翼は飛び散り、法衣は裂け、その筋肉質で肥満体質の
巨体がぐらりと揺れた。
片方の翼が捥げ、大量の血をj噴出したところで、激しい蹴りを浴びせ、祭壇の方へと吹き飛ばす、
「…私は憎しみのために何十人、何百人の命を奪ってきた。だが、ここでその憎しみも消える……
父上、母上……仇は終わる。死ね、シュタイン……!! ……っ!?」
- 250 :フィッチャー :2017/09/07(木) 01:05:04.25 ID:qDv2Quro.net
- セレスティーヌは信じられないものを見た。シュタインの欠けた片翼は徐々にボコボコと再生し、
斬り刻まれたはずの肉体の傷もまたたく間に塞がっていく。
「馬鹿な……くっ!」
翼からの衝撃波で転んだところをさらに両腕からの膨大な魔力の波動で引き摺られ、直撃を受けるセレスティーヌ。
尚も彼女が握り締めるはフィッチャーの大剣。しかしそこにシュタインの収束された魔力が止めを刺そうとしていた。
「セレスティーヌ。あなたは人を殺しすぎたのですよ。だからこの場で私が「神」として、「処刑」する……
ついでにデイドリームとあの男も潰してくれる……
終わったら、「オリンパスの光」で、残りのゴミどもに私が「神」となったことを見せ付けてやりましょう……」
後ろではフィッチャーが徐々に怒り狂った大天使によって剣を全て折られ、追い詰められようとしている。
結構なダメージを与えたものの徐々に再生する大天使はこの人数と破壊力では力不足だ。
ユニスが横から一撃、一撃を繰り出すも、傷は入るが決め手にはならないようだ。
マーテルはようやく意識を取り戻し、起き上がろうとしているところだ。
アレクは祭壇の近くまで侵入したセレスティーヌが追い詰められようとしているのがはっきり見えた。
二本の燭台には「オリンパスの光」の装置と紫の水晶球。
そして祭壇の天井には煌々と輝く黄色いオーブが埋め込まれ、それがシュタインへと活力を送り込んでいた。
【祭壇の手前のバリアを何とか完全破壊。
ユニオン・アンゲルにそれなりのダメージを与えるも、尚も激しい攻撃が続いている。
シュタインに大きな打撃を与えるも、セレスが後ろに突き飛ばされている間に再生。
セレス重傷、フィッチャー重傷、マーテル重傷、デルタ、カボス気絶。アレク、ユニスは軽傷】
- 251 :アレク :2017/09/08(金) 23:50:32.02 ID:cxLfdXvK.net
- 降り注ぐ虹色の光に、全滅しかけていた団員達が瞬く間に持ち直す。
聖書に刻まれた原初の神のうちの一柱、虹色の翼持つ全属性を併せ持つ精霊神アルカンシエル――
今のアレクはその姿に酷似していた。
それは、反逆者であるはずのアレク達の側こそが真のヴィクサス神聖教の姿を体現していることを裏付けていた。
ヴィクサス神聖教の聖書は前後編の2部構成となっており、前編は他の幾つかの信仰と共通の部分で、神々の創生譚。
後編はヴィクサス神聖教独自のもので、外界より襲来した邪神から世界を救った聖者ヴィクサスの伝説が刻まれている。
彼はこの世界古来の神々のもとを巡って彼らを味方に付けることで、侵略者を討ち果たしたという。
>「さぁ、あたしらはあたしらの仕事をするよ! さぁデルタ!」
>「うおぉぉぉおお!!」
マーテルとデルタが息の合った連携で最後の青い水晶が破壊される。
これによりついに、シュタインのバリアが破壊され、今まで高見の見物に近かった彼を同じ土俵に引きずりおろす事が出来た。
>「おのれぇえぇl、小賢しい、雑魚どもがァ、五月蝿いのですよ!」
「させるか――シールドオブアイギス!」
激昂したシュタインがデルタに放った一撃を防護魔法で阻む。それは神話に刻まれた無敵の盾。
そのままなら跡形もなく消し飛ぶ攻撃をほぼ無傷に抑え、それでも衝撃事態は防ぎきれずに気絶するデルタ。
>「汚ねぇモンぶら下げてんじゃねぇよ、ゴミの集まりが!!」
>「グギヤァァァァ!!!!」
フィッチャーは大天使に捨て身の攻撃を畳み掛け、セレスティーヌは尚も仇を討たんとシュタインに立ち向かう。
一瞬、こちらの攻勢に傾き始めたようにも見えたが……
>「…私は憎しみのために何十人、何百人の命を奪ってきた。だが、ここでその憎しみも消える……
父上、母上……仇は終わる。死ね、シュタイン……!! ……っ!?」
シュタインが瞬く間に再生していく。
「そんな……!」
>「セレスティーヌ。あなたは人を殺しすぎたのですよ。だからこの場で私が「神」として、「処刑」する……
ついでにデイドリームとあの男も潰してくれる……
終わったら、「オリンパスの光」で、残りのゴミどもに私が「神」となったことを見せ付けてやりましょう……」
フィッチャーは剣を全て折られ、セレスティーヌはシュタインに追い詰められようとしている。
相手は無尽蔵に再生する一方、こちらは回復魔法は使えるとはいえ着実に消耗していく。このままではジリ貧だ。
- 252 :アレク :2017/09/08(金) 23:52:54.23 ID:cxLfdXvK.net
- 「ああ、貴様は確かに神だよ――邪神シュタインボルグ!!」
- 253 :アレク :2017/09/08(金) 23:54:16.50 ID:cxLfdXvK.net
- シュタインボルグ――それは聖書において、ヴィクサスが立ち向かったとされる邪神の名。
- 254 :アレク :2017/09/08(金) 23:55:12.48 ID:cxLfdXvK.net
- 屍を集め自らの手駒として使う非道の術の前に、ヴィクサスは苦戦を強いられた。
そして滅せられる時に、お約束の捨て台詞を残したという。人に悪の心がある限り、我は必ず復活する――と。
人の心の闇を憑代に、あろうことか宿敵の名を冠したヴィクサス神聖教を長い時をかけて内部から蝕み、
邪神は今ここにシュタインとして復活を果たした――アレクはそう解釈したのであった。
「団長! 駄目だ……恨みや憎しみ、人間の負の感情がそいつの糧になる……」
だからといって、どうすればいいのか。恨むなといったところでどだい無理な話だ。
アレクは、決意のこもった目で大天使の方を見据えた。
このままでは全滅必至、一かバチかの賭けに出ることにしたのだ。
あろうことか、自ら大天使の前に進み出て、身を差し出すように両手を広げた。
「さあ、取り込むんだ――」
巨大な怪物を打ち破る常套手段として、わざと食べられて内部からぶち破るという無茶な方法があるが、これはその発展形。
大天使の材料は、元はといえばシュタインに利用された被害者達だ。
シュタインの呪縛によって操られているような状態なのだとしたら、
今の状態のアレクならわざと取り込まれて内部から干渉することによって呪縛を断ち切れる可能性は――ある。
もちろん失敗すれば普通に敵に取り込まれて万事休すの大博打だ。
「なっ――馬鹿なのですかァ!?」
これには流石のシュタインも度胆を抜かれている様子。
その声音には僅かに焦りも含まれており、「多分大丈夫だけどちょっとヤバいかも!?」ぐらいに思っているのかもしれない。
そうしている間にアレクの体が大天使に吸い込まれる。
その直後、大天使は凄まじい叫びを発しながら悶え始めた。中で激しいせめぎあいが繰り広げられているのだ。
そんな中、フィッチャーの頭の中に聞き覚えがある声が響いてきた。
≪イオです――念話で話しかけています。伝え忘れていた事があって、手短に言いますね。
あなたから魔力を貰ったあの時、貴方の中に竜の力の欠片を仕込んでおきました。
偽りの神に立ち向かうならきっと役に立つはずですよ≫
ところで、聖者と邪神の決戦を描いた有名な絵画では、聖者ヴィクサスは左右に二柱の神を従えている。
片方は精霊神アルカンシエル――そしてもう片方は、竜神ファーヴニルだ。
竜とはもともと神に連なる聖なる存在であった。
仕込まれた竜の力の欠片が具体的にはどの程度のものなのかは分からないが、状況を打開する力の一端になるかもしれない。
- 255 :フィッチャー :2017/09/09(土) 17:52:14.95 ID:U6TWcNsP.net
- >「ああ、貴様は確かに神だよ――邪神シュタインボルグ!!」
セレスティーヌに魔力の塊を見舞おうとするシュタインに、アレクの一言が刺さる。
「ぬ、虫ケラめ、聖書のお勉強ですか。その名は懐かしい……シュタインボルグと私とは無関係……
それに、シュタインボルグは確かに殺戮を犯しましたが、“調停者”でもあったのですよ……
お分かりですくァ……? 世界を正すには、多少の犠牲は止むを得ない、とね!
もう少しでいい。もう少し多くの人に死んでいただきます。世界は私によって「調停」されるゥ……」
邪悪から世界を救ったヴィクサスが立ち向かった悪に、確かに邪神「シュタインボルグ」の名があった。
「そう、私は悪の心を少しずつ、人々から取り除いているのです。支配欲、金銭欲、名誉欲、
そして、愛欲……アンナがシャルルとの欲に溺れていったのも、同じこと。だから、浄化して差し上げた……」
「それは違う……! 貴様が身勝手な思い込みで、母上に付き纏ったのだ。全て父上から聞いている!」
ヒューヒューと喉から声を絞り出し、血を流しながらも、セレスティーヌが叫ぶ。
シュタインがこれまで数々の虚言で正義をでっち上げ、数々の無罪な人々を処刑し、
あるいは実験台にして死よりも苦しい目に遭わせてきたという証左である。
>「団長! 駄目だ……恨みや憎しみ、人間の負の感情がそいつの糧になる……」
- 256 :フィッチャー :2017/09/09(土) 17:52:44.99 ID:U6TWcNsP.net
- セレスティーヌの憎しみに満ちた言葉を諌めるように、いつになくアレクが言葉を紡ぐ。
そして、自ら大天使の前へと進み出て、両手を広げた。
>「さあ、取り込むんだ――」
「ヌゥゥ……」
大天使は醜い苦悶の表情を少し困惑しながら和らげ、アレクの方へと向かった。
フシュゥゥゥ、という音とともに虹色の光が輝き、アレクが大天使に取り込まれる、
というよりは大天使と融合し、姿をすっかりと変えていった。
その姿はまさに、聖書にあった「大天使降臨」の図、デイドリームが神と関連付けられる文献とされている
箇所に描かれているその天使の姿に似ていた。
色とりどりの翼はまさに聖者。しかしアレクには絶大なる苦痛が伴う。
何故なら、その「素体」には大量の薬物、毒物、不死者が融合されているのだから。
とはいえこれで、「ユニオン・アンゲル」の存在自体を封じることに成功した。
ユニオン側とアレク側との魂の干渉が続き、大天使は動くことができない。
>「なっ――馬鹿なのですかァ!?」
「アレク! いくら何でもそれは無茶だ! すぐに戻ってこい!」
――と、その時、フィッチャーの下腹部のあたりが痛み出し、そこから脊髄を経て、
脳の方へ、耳の方へと声が聞こえてきた。イオのものだ。
>≪イオです――念話で話しかけています。伝え忘れていた事があって、手短に言いますね。
あなたから魔力を貰ったあの時、貴方の中に竜の力の欠片を仕込んでおきました。
偽りの神に立ち向かうならきっと役に立つはずですよ≫
- 257 :フィッチャー :2017/09/09(土) 17:53:52.83 ID:U6TWcNsP.net
- 「俺の中に竜の力……だって? 俺は確かお前に……」
精神力を注入させたのはフィッチャーの方だったはずだ。しかし、イオの話によれば、
その際にイオがフィッチャーに竜の欠片を仕込んだという。
(種を植え付けられていたのは、俺の方だったのか……)
どんどん下腹部が熱くなり、全身へとエネルギーが分散されていく。
フィッチャーの肉体は魔力を纏い、傷がみるみる塞がり、まるで竜のような鱗に覆われていた。
全身の筋肉が膨張し、巨大化も同時に行われる。イオほどではないが、
飛竜ほどの大きさにはなっているだろう。翼はないが、飛行できるだけの浮力は持っている。
「うおオォォォォ……!!!」
フィッチャーが咆哮を上げる。同時に物凄い敏捷性を身に付けたフィッチャーは、
勢いに乗って攻撃をまさに受けんとしているセレスティーヌの元へ駆けていった。
大天使の意思と戦い、「アルカンシエル」のごとく七色に光るアレクの横を通り抜けながら。
その動きには迷いはない。
「乗れ、セレス!」
アレクの光によって意識を徐々にはっきりさせているセレスティーヌは、しっかりと大剣の柄を
握り締めると、素早くフィッチャーに騎乗した。
- 258 :フィッチャー :2017/09/09(土) 17:55:51.42 ID:U6TWcNsP.net
- フィッチャーの背中、肩からセレスティーヌの腰の素肌が触れ、そこから熱い竜の力は
さらにセレスティーヌへと流れ込んでくる。
シュタインの攻撃はあっさりとかわされ、地面が大きく抉れる。
「あぁ……お前は、フィッチャー、なのだな……私はどうなるのだ?」
「良いから、とりあえずそこの黄色い悪趣味なヤツをぶっ壊してくれ!」
「分かった!」
パリィィン、と祭壇の天井に埋め込まれた黄色いオーブが破壊された。
さらにぐるりと壇上をフィッチャーが飛行し、監視の水晶球と、「オリンパスの光」の
起動装置もセレスティーヌの一撃で破壊され、辺りに破片が散らばる。
「おのれ……オノレェェ……!!」
シュタインは翼を大きく広げ、フィッチャーらに魔法と翼から放たれた複数のナイフのような毒羽根攻撃を仕掛けるも、
フィッチャーが身を起こして魔力の盾で防御し、毒羽根はセレスティーヌによって弾かれる。
そしてすれ違い様の一撃が首の近くから腰にかけて袈裟斬りとして入り、
シュタインは法衣を破られ血を噴き出しながらブヨブヨとした醜い裸体を曝け出した。帽子はとうの昔に落ちており、
禿頭に肥満体に翼の生えたただの醜い生き物となってしまった。
魔力も減退し、もはや「神」としての威厳は欠片もない。眼に怒りを滲ませ、セレスティーヌらを睨む。
「オノレ……私はここでは終わらぬゥ……もっと、チカラヲ…… ……ぬ?」
倒れた司祭たちの魔力はは既に枯渇している。慌てて魔力を「いつものように」
大天使から奪おうとするも、どうやら失敗したようだ。どうやら内部干渉に遭い、拒否されたらしい。
ついに、シュタインは全ての自分を強化している依り代を失い、孤立してしまった。
ユニスは大天使に敵意が無いことを悟ると、そのままフラフラとへたり込んだ。カボスも同じような状況だ。
「さあ、アレク、一緒に止めを刺すぞ!」「覚悟せよ、全ての元凶よ! 教会の病巣、いや、世界の病巣、シュタイン!!!」
フィッチャーとセレスティーヌが叫び、よろめくシュタインに止めとなる一撃を浴びせる構えをし、
同時に未だに大天使の内部意思と戦っているアレクへと呼びかける。取り込まれれば万事休す、
しかし、アレクが勝てば全てが終わる。
「貴方たち、今何をしようとしているかもう一度……もう一度考えてミナサイ……
世界の、歴史上の偉大ナル救世主に刃を向けているのデスよォ…… 命だけはァ、お助けヲヲヲォォ……!」
シュタインが醜くしゃがれた声で悲鳴に近い声を上げる。終焉は目前だ。
【シュタインは丸裸で加護を全て失った状態、大天使はアレクと融合。】
【ほぼ全員が重傷になっています。ちなみに次でこの戦いは終わります。さぁ、トドメをどうぞ!】
【(提案ですが、アレクさんは次のレスか、終わらないようならその次のレスでキャラクターエピローグを書いてください。
最後に私がグランド・フィナーレを書いて終了にする予定です!)】
- 259 :アレク :2017/09/10(日) 23:32:04.51 ID:YDthMA8j.net
- 「ここは……!?」
アレクは、凄まじい瘴気が充満する異空間のような場所にいた。
そこに、苦悶と憎しみに表情を歪めた者達が、一斉に襲い掛かってくる。
「やめろ! 助けに来たんだ!」
驚きながら応戦するアレク。
襲い掛かってきた者達の顔ぶれをよく見ると、教会を出奔する時に一行を送り出すために犠牲となった者達や、
道中で倒したデイドリームの部隊の者達。
天使兵や先しがた取り込まれたアテナとヘラ、そしてなんとフェイシアとチホリの姿もある。
味方敵様々だが、皆道中で犠牲になった者達や前に進むためにやむを得ず倒した者達だ。
――タスケニキタ!? ドノクチデイウ!
――ナゼタスケテクレナカッタノ!? コノヤクタタズ!
――オマエノセイデシンダンダ!
――オノレまーてる! コンナセカイホロビテシマエバイイ!
「うわあああああああああッ!」
亡者達の猛攻を受け、吹き飛ばされて倒れこむアレク。
起き上がろうとするアレクに、優しく微笑んで手を差し伸べる者がいた。
その顔はフローラ――紛う事無き育ての親。
「これで分かったでしょう? 人間など救う価値も無いのですよ。さあ、私と共に楽園へ――」
しかしアレクはその手を振り払った。
「お前偽物だな!? ばっちゃは……そんなにおしとやかじゃない!」
「――そこか……!」
偽フローラは割とあっさりと観念して正体を現す。
現れたのは、フローラによく似た顔の、しかし教皇のような白い衣装をまとった男性。
「フローレン……!」
悪の錬金術師と相対し、臨戦態勢を取るアレク。
しかし、そこに幼い頃の姿のアトラが現れ、悪戯っぽく笑って言う。
「フローレン……賭けは私の勝ちです。約束は守ってもらいますよ?
まあそのような下手糞な芝居では最初から結果は分かっていましたけどね」
「アトラ!?」
「ええ、約束を違える気はありません。今となってはもはや全てがどうでもいいのですよ。
あなたと賭けをしたのも暇つぶしにやったまで――。アレクサンドラ、付いてきなさい」
おそらくその言葉のとおり、シュタインにしてやられて全てがどうでもよくなったのだろう。
しかしもしかしたら、彼に残された良心の欠片がそのような賭けをさせたのかもしれない。
- 260 :アレク :2017/09/10(日) 23:35:57.97 ID:YDthMA8j.net
- 「亡者達は私が抑えておく! 行け! アレク!」
この二人だけ大天使に取り込まれたにも拘わらず自我を保っていたのは、フローレン自身が設計者であった故。
そしてアトラには気まぐれに話し相手として自我を残させたというところだろう。
導かれるままに辿りついた場所には祭壇があり、一振りの剣が刺さっていた。
「聖者シュタインが邪神を打ち倒した際に使った剣……私はこれをユニオン・アンゲルの核として使用したのです」
「つまりこれを引き抜けば死者達は解放される……!」
アレクは剣の柄を両手で持ち、一気に引き抜いた。その瞬間、辺りが眩い光に包まれる。
その中で、死者達の声が聞こえた気がした。
――ありがとう……。これで眠れる……。どうか、シュタインを……世界の敵を討って!
>「さあ、アレク、一緒に止めを刺すぞ!」
>「覚悟せよ、全ての元凶よ! 教会の病巣、いや、世界の病巣、シュタイン!!!」
その瞬間、ユニオン・アンゲルの巨体が光の粒となって弾け飛び、その場所には七色に光る翼のアレクがいた。
手にはシュタインの聖剣を握っている。
傍らには、ドラゴンのような姿と化したフィッチャーと、それに騎乗したセレスティーヌ。
すでにシュタインを強化していたオーブは全て破壊され、シュタインは丸裸の状態で命乞いしていた。
>「貴方たち、今何をしようとしているかもう一度……もう一度考えてミナサイ……
世界の、歴史上の偉大ナル救世主に刃を向けているのデスよォ…… 命だけはァ、お助けヲヲヲォォ……!」
フィッチャーの背から飛び降りざまに、セレスティーヌがとどめの一撃を放った。
しかしシュタインが残された力を全力投入してそれを阻む。
「甘ァい! 私はこの程度では……」
「――かかったな」
攻撃を阻まれつつもセレスティーヌはニヤリと笑った。
セレスティーヌが着地するのと入れ替わりに、一瞬遅れてアレクが剣を突き立てる姿勢で自由落下してくる。
それは、あろうことかつい先刻までユニオン・アンゲルの核として使用していたヴィクサス聖教会の至宝。
その剣にフィッチャーの竜の魔力が付与され、その姿はさながら流星。
「シュタイン! 悪夢はここで……終わりだ!!《ヴァニシング・スターライト》!」
「ぐぎゃァあああああああああああああああ!」
剣が突き立った瞬間、凄まじい光が迸り、シュタインの断末魔が響き渡る。
ヴァニシング・スターライト。消えゆく星の煌き――
星とは暗闇の中の僅かな希望。それが見えなくなるという事は希望が無くなったのではなく、朝が来たということ。
もう僅かな希望に縋らなくていいということ。
それは永遠に終わらぬと思われた夜の終わり、長き暗黒の時代の終わりを意味していた。
『ありがとう、やっと輪廻の円環に還れる……』
「ずっと……見守ってくれていたのか……」
フローラの幻影が現れ、アレクと皆に感謝を告げたような気がした。
戦乱で荒れた大地に、癒しの雨が降り注ぐ――
- 261 :アレク :2017/09/10(日) 23:37:00.53 ID:YDthMA8j.net
- ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
- 262 :アレク :2017/09/10(日) 23:40:30.80 ID:YDthMA8j.net
- そして時は少し流れ――世界は様変わりしていた。
天界への扉があった場所には突如として生えてきた大樹が聳え立ち、聖都の新たなシンボルとなっていた。
デイドリーム達は歪められた教会の呪縛から解放され本来の姿を取り戻し、
竜族などの少し前までは異端とされていた種族も大手を振って歩いている。
アレクは「団員募集中」という幟旗を立てて道の傍らに座っていた。
どう見ても不審者である。それでも藁にもすがりたい失業者とかが時々寄ってくる。
「えっ、店が倒産して路頭に迷ってる? はい採用」
こんな感じでクオリティはともかく団員は徐々に集まった。
アレクは新生ヴィクサス聖教団直轄の実働部隊を率い、聖都の治安維持や事件以後の世界に起きた様々な変化の調査を行っていた。
今度命じられた任務は、大樹の調査。
何故か蔦や枝などを伝ってずっと上まで登れそうな感じになっており、
実は天界に繋がってるんじゃないかとか人々の間でまことしやかに噂されている。
「まあ天界はこの前崩壊したんだけどね」
「でも天界の別地方とかあるかもしれませんし……」
大樹の下までくると、ごろつきの集団が根城にしているらしく木の根元にたむろしていた。
「おう、ここを通りたいなら通行料払ってもらおうか」
数十秒後、あっという間にのされたごろつき達が地面に転がっていた。
「な、なんだァお前ら!?」
「名乗る程の者ではないけど知りたいなら教えてあげよう。我らは聖教団直属の実働部隊――
その名も……"ホワイトクロス騎士団"!」
【とりあえず終了です。裏話などはエンディングの後で!】
- 263 :アレク :2017/09/10(日) 23:47:40.66 ID:YDthMA8j.net
- あらら、ラスボスと聖者の名前がごっちゃになってる……
・「聖者ヴィクサスが邪神を打ち倒した際に使った剣……私はこれをユニオン・アンゲルの核として使用したのです」
・手にはヴィクサスの聖剣を握っている。
です!
- 264 : :2017/09/11(月) 08:24:41.91 ID:+38246fG.net
- 【了解、良い感じですね。ありがとうございました!
では次でこちらもラストにしてグランド・フィナーレに入ります。少しお待たせすると思います。】
- 265 :フィッチャー :2017/09/12(火) 21:38:21.99 ID:or+hapfr.net
- >「――かかったな」
シュタインは降参を宣言してもなお、余力を残していた。セレスティーヌの攻撃を辛うじて受け流し、
左腕に魔力を溜め、反撃の機会を伺っている。
>「シュタイン! 悪夢はここで……終わりだ!!《ヴァニシング・スターライト》!」
>「ぐぎゃァあああああああああああああああ!」
が、そこにはついに大天使に宿る亡者たちの誘いに勝利したアレクの攻撃が迫っていた。
フィッチャーとセレスティーヌはその動きを察して連携を取ったのだ。
その一撃は燦燦とした光とともにシュタインの首から胸にかけて突き破り、
それが致命傷となり、シュタインはついに倒れた。
「……お、おの……レ……お前たち……本当の救いはココニハナイ……
ワタシガシセバ、世界は再び……コント……ン……グェ……」
セレスティーヌはフィッチャーから降り立つと大剣を握り、まずは首を刎ねる。
殆ど胴体と頭を切り離しただけの肉体からは血が噴き出すも、その醜い肉体を何度も何度も斬り刻んだ。
それでもビクビクと体を波打たせ、動くのを止めないシュタイン。その生命力、執着心は驚異的ですらあった。
やがて、左胸の心臓を貫通させ、地面に突き倒すと、心臓と逆の右胸に埋め込まれていた紫色の水晶を破壊する。
バリィィン、とそこから闇のオーラが破裂すると、ついに肉体は動きを止めた。
「プレ……シャ……」
横では苦悶の表情でシュタインの青筋と禿頭でブクブクとした醜い頭が、何かを呟いていたが、
セレスティーヌが思い切り踏みつけると、頭蓋骨は割れ、灰色の脳漿と目玉を飛び出させてついにシュタインはただの肉片になった。
さらにそれだけでは飽き足らず、股間から男根を切り取った。
フィッチャーは仕方なく、落ちている剣を腹に突き刺し、
柄の部分がまさにホワイトクロスの十字になるようにして、祈りを捧げた。
- 266 :フィッチャー :2017/09/12(火) 21:38:53.59 ID:or+hapfr.net
- 「プレシャス……」
セレスティーヌは先ほど見た研究室を思い出したのだろう。奇声を上げながら、
そちらに向かい、次々と残った「成果物」を破壊していった。
もう二度と、このような悲劇を繰り返さないように。
フィッチャーやマーテルは、倒れた女司祭たちや、その奥にいるだろうシュタインのかつての
「しもべ」たちをセレスティーヌの暴行から守るようにして「保護」していった。
彼らも後に裁かれるのだろう。
アレクは重傷のメンバーたちを次々回復させていく。大天使が遺した大きな錫杖は
尚も癒しの力を残しており、今後聖遺物になるには充分だった。
「お疲れ様。よく頑張ったな」
フィッチャーは研究所を破壊し尽して失意にくれるセレスティーヌを抱きしめると、
そのボロボロになった肉体を癒してもらい、メンバーと捕虜を連れて研究所を出た。
「遅いよ、君ら!」
ザトーラップはすっかりコボルトたちと仲良くなっており、「オリンパスの光」が止んだ後、
図書館の地上部分を共同で制圧したようだ。こちらでも多くの捕虜が出た。
彼の周囲にはジャイプールの侍女たちが侍り、既にチホリのことは忘れているようである。
下からはシュタインの砕けた頭部が証拠物としてフィッチャーの大剣に吊るされ運ばれてきており、
いくつかの証拠物としての書類も運び出された。
そこには前教皇からフローレン、シュタインに至るまでの様々ないきさつが描かれており、
後に時間をかけて、フローレン以降の悪事、そしてカリスト将軍とアトラスムスの野望、その陰で動いている
シュタインの陰謀の大雑把な内容が紐解かれるようになった。
- 267 :フィッチャー :2017/09/12(火) 21:40:45.92 ID:or+hapfr.net
- これにて、ホワイトクロス騎士団は、教会内部の膿を潰し、世界を救ったのである。
現在はアトスを開放した一派に過ぎないが、この事も後に解き明かされ、ホワイトクロス騎士団の存在は伝説となる――
――
今回の戦いでジェノアはアースラント王国側に、アトス周辺はかつてヴィクサス神聖国の最大勢力であった
シュヴィヤール家へと割譲され、さらに北方のコボルト、エイプマンの多くが協力し、
帝国所属のホビットやエントが動いたことにより、大陸で行われていた大きな戦もまた、休戦協定や同盟により収まりを見せた。
アースラント王国は幼い11歳のテオドロ王子がテオドロ2世として王都セントニスにて即位し、
その摂政として王国側最大の功労者であるステッセル将軍が選ばれた。イオは新生ヴィクサス教団の
アースラント支部を運営し、南はアストラ方面までを幅広く任されることとなる。
すぐ北には同盟を結んだ北方のカボス、ジローらコボルト、そしてエイプマンの勢力が、
かつて北方で大勢力を誇ったヒルホトの軍勢に対する緩衝役となっており、安全だ。
ジェノアにはホワイトクロス騎士団を抜けたユニスが、今では司教をやっているらしい。
ジェノアでは自警団が新たに組織され、老人たちばかりだったこの街にも若者が増え、活気が戻りつつある。
一方、東ではセレスティーヌがシュヴィヤールを奪回し、都をかつての本領にあったクレルモンから西のアトスに移動させ、
アトスの周辺を支配し、同時に「アトスの大樹」を守護することで宗教勢力としても確立し、、
「シュヴィヤール公国」を樹立してアースラント側との主従関係を結び、「ヴィクサス神聖連合」として
南で独立したゾロアニア公国と同盟を結んで南の脅威も落ち着いた。
この国はレクトゥスを都とし、ザトーラップが治め、同時にエントたちを保護することで、。帝国・シュヴィヤール双方と同盟を
結んでいる。やり手のザトーラップらしい二枚舌外交が功を奏したらしい。
帝国も当分は貿易の利を得て、大人しくなるだろうと思われる。
やがて、程なくしてシュヴィヤール公国では、跡継ぎがいないからということで、とある男子と
セレスティーヌ女公との間で結婚式が行われた。相手は、フィッチャー・レーガン。
彼はこの日をもって婿として、「フィッチャー・ジゼル・ド・シュヴィヤール」と改め、セレスティーヌの腹の子を
育て、国を守るという誓いの言葉を立てる。
式にはヴィクサス教団、ホワイトクロス騎士団も現れ、アレクの祝福のもとに、盛大に行われたという。
- 268 : :2017/09/12(火) 21:41:38.02 ID:or+hapfr.net
- 「フィッチャー、我が国にはまだこの子以外は跡継ぎがいない。これからも沢山子を育もう」
「勿論だ、セレスティーヌ。いや、女公閣下。これから何人でも何十人でも産ませてやる」
そんなやり取りが交わされ、周囲は祭りムードに沸きあがったという。
――六年後。
アースラントでは17歳となり精悍になったテオドロ2世がアストラの領主の娘との婚儀を交わし、
それを主催した宰相のステッセルが荘厳なセントニス教会の屋上でイオと会話をしていた。
「イオよ、国王陛下もご立派になられた。もう先の戦での怪我は大丈夫か? 二人も子を産んで、骨などは痛まないか?」
イオの傍には小さな角を生やした男の子が甘えている。イオとステッセルにそっくりだ。
そしてベランダから外を何か心配そうに眺める女の子は、今年で5歳になる。
あまり親に似なかったためか懐かず、それがイオの悩みの種だが、利発な彼女が呟いた。
「ねぇママ、ジェノアに、もう一度行ってみたいな。綺麗だったよ、あそこ」
マーテルはクレルモンの涼しい風にあたりながら、一人娘に乳をやりながら、夫であるデルタの帰りを待った。
クレルモンではヴィクサス教よりもシュヴィヤール家信仰が篤いほどであり、信徒が絶えず、
多忙のためマーテルは最初にできた子を孤児院に預け、それからしばらく司教としての仕事に専念し、
ようやく一人目を設けた。
四日前には公国建国六周年式典も終わり、そろそろデルタが帰ってくる頃だと思っていたが、
どうやら予想以上に向こうでの「営業」は長続きしそうだ。人に好かれやすい彼のことだ、とマーテルは微笑んだ。
セレスティーヌは三男のジョルジュに乳をやった後、湯浴みをしながら次男・ポールと次女・ジャンヌの体を洗った。
「ふぅ……」
子守役にポールとジャンヌを預けると、布で全身を拭きながら一息をついた。
背中あたりまで伸びたブロンドの髪はフィッチャーとの間に産まれた五人の子を育てた豊かな乳房を隠し、
臍に向けて縦に割れた筋肉と傷でできた腹部と臍は艶かしいほどに美しく、股から臀部への無駄のボリュームのある膨らみ、
何人もの人間を屠った太股は太く筋が通っており、光を浴びててらてらと輝いていた。
まだ二十代でも通用する美しい顔は、傷があっても映え、安堵の表情で満ちていた。
と、この休息も束の間、この後は嫡男であるクロードとの剣術での稽古が待っている。
下着姿のまま、もうクロードが三歳になる頃からセレスティーヌは剣を教え続けた。
フィッチャーとの共闘、教会の暗部との死闘の間に腹の中にいた子だ。それだけに期待も大きい。
「殺されると思って母に斬りかかってこい。大体の筋は教えたはずだ。もう下がっていいぞ」
「はい、母上」
今日はクロードの調子があまり良くないようだ。式典で沢山料理を食べたためか、それとも
久々に訓練に力が入りすぎたか。
教会での修行に出ている長女のプルミエールの心配をしつつも、余った時間で少し散歩に出ることにした。
愛するフィッチャーはまだアトスの大聖堂での式典で団を率いていることだろう。アレクとは仲良くやっているのだろうか。
夫の頑張る姿を思い浮かべながら、ふっと笑う。
セレスティーヌほどの長身と美貌だと正装では目立つ。なるべく目立たぬよう、村娘の格好に扮して、馬で一気にジェノアへと向かった。
- 269 : :2017/09/12(火) 21:45:44.35 ID:or+hapfr.net
- 目的地は、久々に訪れるユニスの家だった。
最近子供が産まれたと知ってはいたが、遠いからといって挨拶に行かない訳にもいくまい。
着いた頃は既に夜になっており、孤児院から灯りが漏れていた。
そこは孤児で溢れかえっている。予想以上にジェノアの治安の回復は芳しくないらしい。
孤児たちと目が合うセレスティーヌ。誰かに見られているような気がした。
――まさか、フィッチャー?
ユニスの家は真っ暗だが明かりが点っていた。
よく見知った二人の声が聞こえてきた。とても愉しそうであり、嬉しそうであった。
- 270 : :2017/09/12(火) 21:46:28.99 ID:or+hapfr.net
- 「ユニス、やっぱお前すげえわ、ジェノアの女どもの中でも最高だぜ」
「本当? フィッチャー、なんか私、頭の中おかしくなりそう。また子供できちゃうかも」
セレスティーヌは剣を抜き、そっとその声の元へと近づいていく。何かを呟く。
その口は、p・r・e・c・i・o・s、というワードを紡いでいたに違いない。
「俺さ、お前となら「天界」もイけそうだ。マジ、今「天界」の資料見てんだ。お前のために作ってやる」
「本当!? 理想の楽園、デキちゃうのぉ!?」
それが二人の最後の台詞だったという。その時転がっていた男根と四つの肉片は、
その後も見つかることがなかった。
後に、「セレスティーヌの婿殿にしてホワイトクロス騎士団団長フィッチャー・ジゼル・ド・シュヴィヤール、行方不明」
との噂があちこちで広まった。そのまま団長はアレクが引き継いだ。
この頃からデイドリームを含めたやコボルト、エルフ、ホビット、エントなどの異種族も各地で活躍するようになる。
――さらに一年後。
「貴様ら、生き残りたくば、死ぬ気で戦ってみせよ!」
セレスティーヌの声が響く。彼らは七年前の事件でシュタインと共に捉えられた教会の囚人。
中にはセレスティーヌに直接暴行を働いたものも居るだろう。
それぞれが得意の武器や思い思いの鎧を着せられ、無理やり戦わされている。
「さぁ、クロード、やるぞ、お前の初陣だ!」
クロードが迷いながらも、シュタインの兵たちに洗練された剣技を見せる。
自分よりも二つ周り以上も大きな相手の剣を弾き、そのまま喉下に剣を突き、急所を狙う。
グェェ、という呻き声とともに鎧兜を着た男が倒れ、次の男がクロードを狙う。
よろめくクロードの背後から槍で襲いかかる「敵」を槍ごと甲冑を真っ二つにするセレスティーヌ。
臓物が弾け飛び、周囲にオォォ、という同様の声が響く。
「一人殺したぐらいで一々怯えるな。お前はシュヴィヤールの嫡男、将来の領主なのだぞ!」
「はい、母上!」
クロードを狙う敵を彼と共に次々裁断し、飛び散る臓物とともにそのまま怯える敵を追い回すセレスティーヌ。
その目はすっかり曇り、正気の沙汰ではなかった。
「まだだ! 死ぬ気で来い! 私の剣はまだ血を欲しがっているぞ!!」
ついにほぼ一人で全ての敵を斬殺した後、それでも飽き足らず牢獄の向こうにいる武器を持たない囚人たちも
次々と殺害していった。この日だけで30人は殺害しただろうか。
手にしているのは液体の入った瓶。それをゴクゴクと飲み干す。
勿論、研究所にあった「アレ」だ。既に各地から呼び寄せた錬金術士により量産も始まっているという。
「はぁ、はぁ、次はクロードに部隊を率いさせたいものだな……さて、敵はどこにいる? そうだ……」
七年間に亘って続いた平和はこれからも守られるのだろうか?
未来は「神」だけが知っていることなのだろうか?
その「神」とは何なのだろうか?
今後、世界は――
END
【ありがとうございました!グランド・フィナーレが無事に終わり、
これにてホワイトクロス騎士団の物語を閉じたいと思います!】
【賛否両論あると思いますが、どうかご了承ください。】
【二人になった後も長らく続けてくださったアレクさんには特に感謝を。また、短い間ですが魅力的なキャラを
動かしてくれたセレスティーヌさんにも感謝します。】
【裏話などはここから遠慮なくどうぞ!】
- 271 :中の人 :2017/09/12(火) 22:54:10.33 ID:or+hapfr.net
- どうも、フィッチャーの中の人です。
早速ですが裏話を簡単に。
まず、こんなグランド・フィナーレでがっかりした、失望した方は、ごめんなさい。
喜んでくれている人は、多分私と気が合うと思います。握手してください。
恐らく出るだろう疑問に先にお答えします。
Q1.どうしてシナリオの流れを急に早めたのか
簡単にいうと
・セレスティーヌさんという「王道シリアスのメインキャラ候補」が抜けてモチベが落ちた
・リアルが忙しくなってきたので時間が割きにくくなった
・世界観を広げ過ぎてしまい、収拾がつかなくなった(もっと長引く恐れがあった)
・で、何よりライト寄りのアレクさん(ここではライトファンタジーの「ライト」じゃなくて「ダーク」の反対の意味
にダークファンタジーの世界観を長期間動かさせるのは苦痛だろうと気を使ったため
それが結果として、
・本来、敵はホビット族などを含め、いずれは「帝国」、「北方」とも絡めて
折角作った「天界」との戦いもやりたかったのが、3分の1ぐらいのスケールになった
・フィッチャーを遠慮なくセレスティーヌとくっつかせた(その方がヒロイズム的には動かし易いので)
・客観的に見て好き勝手なシナリオでバッドエンドを迎えさせた
に繋がったと思います。特に長く付き合いのあったアレクさん、すみません。
Q2.元ネタは?
・共に「ゼノギアス」を参考にしています。シュタインは「ストーン司教(スタイン)」がモデルで、
この作品で一番好きな悪役です。原作の彼はもっと小物で嫌われ者の二流ですが、そういう人間臭いところが好きです。
「天界」「地上が天界に反乱を企てる」あたりもゼノギアスから来ています。
・あとは、雰囲気や一部の台詞やキャラ名、雰囲気、展開はベルセルクや幻想水滸伝2から取りました。
セレスティーヌにガッツを重ねたり、豹変後はルカの台詞に近いものを言わせたりしました。
Q3.真の悪役は?
・基本的に全員が悪い部分を持っている、というつもりでシナリオを動かしてきました。
途中からはフィッチャーを悪人にしたい欲が強まりました。
なので、初期のジェノアの治安の悪さ、途中でジェノアに隠し子が居る、などの設定から
元々フィッチャーは女癖が悪く、治安の悪化に一役買っていたので、因果応報ということです。
アラジンみたいに「好き勝手やってた盗賊が改心する」なんてのは夢物語だと個人的には思っています。
最後の孤児院の視線のシーンはフィッチャーがジェノアで好き勝手やった結果で、あの中にユニスの子もいます。
(私は基本的にファンタジー世界はかなり「性的なもの」であり、それ無しに語れないと思っています。)
以上、他に何かありましたら遠慮なくどうぞ。アレクさんの方も裏話お待ちしています!
- 272 :中の人 :2017/09/12(火) 23:03:18.98 ID:or+hapfr.net
- × 共に「ゼノギアス」を参考にしています
○ 主に「ゼノギアス」を参考にしています
あと、ファンタジー世界での研究所なども好きですね。時間が割ければ、研究所のおどろおどろしい雰囲気を
もっと出したかったんですが、フローレン研究所も「テイン」も雑な描写になってしまい、すみませんでした。
「天界」も時間があれば「綺麗な世界」からうって変わって「暗部」を見せるような表現をやりたかったです。
そもそも、「王道ファンタジー」を名乗っているのに勝手にダークファンタジーをやっている時点で
話の説得力がないですが(笑)
- 273 :アレクPL :2017/09/13(水) 00:32:58.77 ID:FTBKdgYt.net
- ちょwまさかの「行方不明」オチ!
こちらこそ完走まで連れてきてくださってありがとうございました!
神官騎士団にスポットを当てた話というのはなかなか新鮮でした。
ほぼ一人で大勢の登場人物が登場する戦記物を描けるなんてすごい!
自分はどっちかというと特定少人数にスポットを当てた冒険物が管轄なので圧倒されちゃって途中お荷物になってごめんなさい!
フィッチャーモテすぎワロタ! シュタインは最初から最後まで分かりやすい悪い奴を貫いてくれて清々しかった!
なんか気を使わせてしまったようで申し訳ない!
お察しの通り「王道ファンタジー」って書いてあるので丁度最新作が出たド○クエ的なやつかな〜と思い
参加してしまったクチですw
なんとゼノギアスだったか! 嫌いじゃないどころかかなり好きですよー。
暗黒盆踊りに裸エンディングに人肉缶詰! あれはネタ的な意味でもガチな意味でも隠れた名作ですよね!
一番好きな悪役はグラーフかな。あのBGMも相まっての登場シーンのインパクトが忘れられない。「力が欲しいか!」
・デイドリームについて
もともとはソードワールド2.0に出てくるナイトメアという種族の光バージョンというコンセプトで着想した種族でした!
(人間の親から突然変異的に生まれる、本気を出すと角が生えて魔人っぽくなる、魔力が高い、という感じの種族です)
・アレクの年齢
最初の二人が24→27と来たから流れで3を足しただけ
でも双子設定になったアトラスムスは雰囲気的に長く世界を牛耳ってた一団の一人という感じもするので
もしかしたら本当は百の位に1があるのが教会の名簿上は消えちゃったのかも? ご想像にお任せします
・中盤からの精霊、ドラゴン推し
趣味です。というのは雑過ぎるので解説すると
教会勢力を悪い奴らが牛耳ってる→魔女狩りと称して都合の悪い奴ら排除してそう
→いっそ古代の多神教世界的な存在は全部迫害してそう という連想からあんな感じになりました。
勝手に投入したネタにいろいろ合わせてもらって感謝してます!
>ファンタジー世界が性的なもの
その点は魔法戦士リウイに似てるなあ!と思ってました!
あれもマッチョが女性パーティーを引き連れて冒険して何故か全員と深い関係になるというw
>「王道ファンタジー」を名乗っているのに勝手にダークファンタジーをやっている時点で
王道ファンタジーとしておいて門戸を広く開けようと思ったものと思いますが
もしも次をやる時は「重厚なのやります!」と最初からはっきり方向性を打ち出した方が案外人が集まるかも!?
まあそればっかりはタイミングや運もあるので何とも言えませんが。
とにかく本当にお疲れ様でした!&ありがとうございました!
- 274 :中の人 :2017/09/17(日) 13:22:29.47 ID:QccZC/xg.net
- >>273
なるほど、分かりやすかったなら良かったです。
実はシュタインはスタインと同じく中ボス的な役割で、適度なところで私欲に溺れて退場の予定だったんですが、
最初からいた黒幕の一人だし、この方が盛り上がるかなぁと思ってそうしました。
途中飛ばしまくりですみません。ノリで作ったブラッククロス騎士団に至っては、コードギアスの「ヴァルキュリエ隊」よりも
悲惨な扱いになってしまいましたね。
「ホワイトクロス」という単語も定期的にアレクさんに使ってもらえたおかげで、最後までタイトル詐欺をせずに済みましたw
なるほどゼノギアスご存知でしたか。ファンブックがありますので一言一句いつでも見れますw
最後のスタインが化けの皮を剥がしてぶちまけるところが最高に胸糞で惚れました(シナリオ作った人に)
ああいう自作自演は最高ですね。(そういやスタインが最後に搭乗していたギアが「アルカンシェル」でしたね)
私もグラーフ好きです。ヴァンダーカムといい、ハゲが何故か好かれる傾向にあるらしいですがw
曲だと「飛翔」の特にマリアがソラリス突入する場面と、シェバトが好きですね(そううえばどっかのTRPGの街にシェバトありましたね)
人肉缶詰からカレルレン研究所までの流れも特に好きです。ま、今回はカレルレンにあたる役もシュタインがやってしまいましたが。
分かり難かったと思いますが、今更補足すると、最初にフィッチャーが会話している相手がフローレン本人です。
浮浪者=浮浪人=フロウ+人(レン)という感じです。
なるほど、デイドリームについては「眠り姫」を真っ先に想像して、こっちも最初はギャグのように受け止めていたかもです。
アトラスムスの名前の由来は、蛾で最大の「ヨナクニサン」の学名アトラス・モスから取りました。まあ、対になるキャラにしたかっただけですね。
途中からこちらも追加設定を色々やった結果、アレクの30歳設定を忘れてプレイしてました。
たまに「若いって良いなー」と言われていたような気がしますw
精霊とかドラゴンについてはもっと長引いたりプレイヤーが増えればどんどん取り入れていく予定でしたが、
時間の都合で終戦を早めることになってしまって、申し訳ないです。
リウイは未読ですが、ソードワールド自体プレイしていて、リプレイもバブリーズ、へっぽこと読んでいたので、
たまに(水野さんが卓にいたのか)作品の評判が悪いみたいなことを愚痴られていたような気がします。
今調べてみたら、確かにソーワリプレイの地名がガンガン出てきますね。(ちなみにロードスは本編とアシュラムのスピンオフぐらいまでは読みました)
改めて言いますが、付き合っていただきありがとうございます。
大勢ぶった切ってそれに対する周囲の反応を書いたり、大惨事が起きてそれに怯える周囲のリアルな様子を書くのがとにかく好きなので、
次にGMとして開催するときは、堂々と「ダーク」と明記しておきたいと思いますw
ではでは。
- 275 :創る名無しに見る名無し:2017/12/27(水) 09:51:50.42 ID:C1Z7QFDy.net
- 家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。
グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"
PSVO8E2NP6
- 276 :創る名無しに見る名無し:2018/01/28(日) 14:26:23.83 ID:fJzwP6GC.net
- ageて書こう
- 277 :創る名無しに見る名無し:2018/02/06(火) 23:29:04.14 ID:CYcXDH0f.net
- 誰も書かない
- 278 :創る名無しに見る名無し:2018/04/08(日) 07:24:10.06 ID:Apjegm3p.net
- 相変わらず最後までスレ使わないんだな
>>1野郎はなりきり板時代から飽きっぽい上に気が短いのは変わってねーのな
進歩のない事で
- 279 :創る名無しに見る名無し:2018/05/21(月) 06:23:55.93 ID:tRZnwP6O.net
- 知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』
F53OF
- 280 :創る名無しに見る名無し:2018/07/03(火) 21:23:10.63 ID:f1dClnnX.net
- 48K
- 281 :創る名無しに見る名無し:2018/10/17(水) 15:58:37.31 ID:ZU7x6aHX.net
- 中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね
T3A
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