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曲直瀬道策は、もともと京都の人で、向日明神の神主六人部（むとべ）美濃守是香の次男として生まれました。

そして、曲直瀬正元の養子となって、戦国時代から続く名門の医家曲直瀬家を継ぐ事になります。ちなみに曲直瀬家は近江源氏佐々木氏（六角氏）の支族でもあります。

慶応二年七月、道策は実弟の六人部雅楽や北島秀朝、大越伊予介などと共に加賀に赴き、藩主前田慶寧に謁して勤王の大義を説き、西国諸藩と共に王権回復のために起つことを進言します。

更に前田家の姻戚である三条西公充にも協力を求め、里見次郎（紀州脱藩）や鯉沼伊織（＝香川敬三　水戸脱藩）らとも親しく交わり、国事に関して密議を繰り返したといいます。