「絶対にめぐみちゃんは元気で生きていると信じているから、必ず日本に帰ってくると思う」。37年前に当時13歳の娘を
北朝鮮に拉致された横田早紀江さん(78)は今年３月、孫にあたるキム・ウンギョンさんに思いを伝えた。
めぐみさんが異国で産んだ孫娘。やっと会えた時には26歳の一児の母になっていた。
それから約４カ月。北朝鮮は今月４日、拉致被害者などの特別調査委員会設置を発表した。
北朝鮮の最高指導者、金正恩第１書記が直轄し、全ての機関を調査する強い権限が与えられたことから、
安倍晋三首相は出入国や送金規制など独自制裁の一部解除を決めた。
中略
◇救出活動
拉致が発覚した97年以降、横田夫妻はめぐみさん救出活動に多くの時間を費やしてきた。
これまで、橋本首相から安倍首相まで11代の首相全員に面会。全国で開催した講演会は1400回を超えたという。
今月４日には古屋圭司拉致担当大臣らと官邸を訪れ、安倍首相に要請書を手渡した。
安倍首相は頑張ります、と応じたという。
早紀江さんは自らの歩みを「なんというひどい人生だろう」と振り返るが、拉致問題の解決という
「一つの使命が与えられたのだと思って、頑張らなきゃいけない」とも語った。高齢で活動を続ける生活で
疲労もたまっているが、めぐみさんの帰国を「待っていてあげないといけない」と話す。
◇孫
３月に面会しためぐみさんの娘で横田夫妻の孫にあたるキム・ウンギョンさんの印象を聞くと、
早紀江さんは「元気な女の子がいたんだなあという喜びがあった。めぐみに似ていた」と語った。
めぐみさんに伝えたいことを聞くと、早紀江さんは「せっかくここまで頑張っても、病気で倒れてしまえば会えない。
帰る日が近づいてきているから、頑張ってください」と話した。
北朝鮮の調査委員会は、今年の夏の終わりから秋の初めにかけて第一次報告を日本政府に提出する。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N8UI3O6TTDS201.html