維新・橋下市長「公務員の労働組合をのさばらせておくと国が破綻する」 [208253486]

大阪市の橋下徹市長が主導した対労組施策をめぐる今回を含めた３件の大阪地裁判決は、いずれも同じ裁判長が市側の違法性を認定し、橋下市長の政治手法を厳しく断罪した。

判断にあたって重視されたのは、「公務員の組合をのさばらせておくと国が破綻する」といった組合活動に否定的な橋下市長の言動や、事前の労使交渉もなく頭ごなしに施策を推し進めた強硬姿勢だった。
一部の判決では「市長には職員の団結権を侵害する意図があった」とまで言及された。

その半面、組合活動の実態はほとんど判断に考慮されなかった。
市側は交通局職員が勤務時間中に組合活動をしていたことなどを主張したが、判決は「違法な活動をしたと認めるに足りる証拠はない」と指摘。
もっとも、市側が抽象的な少数事例しか法廷に持ち込まなかったために考慮できなかったとも推測できる。

大阪市ではかつて職員の厚遇が批判され、最近では交通局の独自調査で組合による「人事介入」の実態が浮き彫りになるなど、労使の異常な癒着ぶりがたびたび問題になってきた。

日本大の百地章教授（憲法学）は一連の判決について「職務命令で施策を強引に進めたことなど、橋下市長の手法には疑問も多く、判決はやむを得ない」としながらも、「労使関係の是正は必要だ」と強調。
「地方公務員の政治活動には罰則がなく、選挙の際の違法な活動が問題になることも多い」と指摘する。

　労使関係の適正化方針には市民からも一定の支持がある。ただ、その手法にも適正さが求められている。

橋下市長　対労組訴訟一審「全敗」　同じ裁判長が判断　組合の実態に踏み込まず
http://www.sankei.com/west/news/150121/wst1501210076-n1.html