シングルマザー「かわいそうなんて言わないで！」←子供は確実にかわいそうだろ… [275723402]

シングルマザーを悩ます「かわいそう」の視線
東洋経済オンライン 6月20日(土)6時0分配信

■　確かに「40歳前後の働くバツイチ子持ち女性」だが

「悲壮感漂う貧困の象徴か、男に頼らないカッコいい生き方としてのブランディングか。
シングルマザーは、メディアによってそのどちらかを誇張され、わかりやすく描かれがちなんです」

そう話すのは、広告関係の会社で営業をしている高井洋子さん(仮名、38)。
都内のマンションに3歳の子どもと2人暮らしをしている。
大学卒業後、約10年にわたってマスコミ関連の企業に勤めたのち、35歳で転職。
新たな職場では新事業の立ち上げに携わるなど、生活の8割以上を仕事に捧げてきた。妊娠したのは36歳のとき。
子どもの父親である当時の恋人と、「結婚してともに子育てしながら暮らしていく」イメージを持てず、シングルマザーとして生きていこうと躊躇なく思ったという。

「親や友人に『一度してみては？』と説得され妊娠中に結婚したのですが、一緒に生活するとささいなことでどうしてもケンカしてしまう。結局、数カ月で離婚しました」

元夫とは、月数万円の養育費をもらうことや、子どもと月に1～2回会うことといった約束を交わし、円満離婚。
子どもはまだ「離婚」を理解していないため、週末になると「今週はパパとママと3人でご飯を食べよう」と言うこともあるという。
「子どものやりたいことには全力で応えたいので、3人がいいと言われたら迷いなく出掛けています」。

毎日、朝10時から夜22時近くまで働く高井さんにとって、強力なサポーターは、同じマンションに住む実母だ。
離婚後、たまたま実家のマンションの別フロアに部屋が空き、1階と8階という近距離での生活をスタートさせた。
平日は、保育園のお迎えから夕食、入浴なども頼んでいるため、今の生活は実家なしでは成り立たない。
子どもが小学校に入ってからは時短勤務に切り替えるべく、今後3年間で事業を軌道に乗せることが現在の目標だ。

「華やかな世界でキャリアを積んでいるシングルマザー」というイメージによってか、雑誌やWebメディアから「シングルマザー取材」の依頼が舞い込むことが多いという高井さん。
ただ、取材者側の”個人を枠にはめたがる姿勢”に強い違和感を抱くことも多い。

（※続く）