【速報】Windows10 [865355307]

　【シリコンバレー＝小川義也】米マイクロソフト（ＭＳ）が次期基本ソフト（ＯＳ）
「ウィンドウズ10」の提供を29日に始める。目玉は「ウィンドウズ７」以降のＯＳ利用者を
対象にしたウィンドウズ史上初の無料アップグレードだ。売り切り型のソフト会社から
クラウドで安定的に稼ぐサービス会社への脱皮を目指すサティア・ナデラ最高経営責任者
（ＣＥＯ）は、これまで30年続いたＯＳのビジネスモデルも転換しようとしている。

　無料アップグレードは１年間の期間限定で、「７」や「8.1」を搭載したパソコン（ＰＣ）や
タブレットを利用する個人が対象となる。法人や「ビスタ」「ＸＰ」を搭載した古い端末を
利用する個人は従来通り、購入する必要がある。

　すべての対象者が29日からアップグレードできるわけではない。「ウィンドウズ・
インサイダー」と呼ばれる評価プログラムに参加し、「10」の開発に貢献した500万人の
利用者が最優先で、事前にアップグレードを予約した利用者がそれに続く。ＭＳは世界に
15億台あるウィンドウズ搭載端末のうち、10億台を３年以内に「10」に切り替える
目標を掲げる。

　「最後のメジャーリリース」。日本マイクロソフトの幹部は「10」をこう呼ぶ。1985年に
「ウィンドウズ1.0」を発売して以来、ＭＳは数年ごとに機能を大幅に刷新したＯＳを発表し、
買い替えを促してきた。だが、今後はネット経由で機能を随時無償で更新し、従来の形式での
大幅な刷新はしないと決めた。

　ウィンドウズはこれまで「世代交代」のたびに、ＰＣの買い替え需要を生み、半導体や
ＰＣメーカーの懐を潤してきた。ＭＳもＰＣメーカーから多額のライセンス収入を
受け取ってきたが、スマートフォン（スマホ）の普及で状況は一変する。

日本経済新聞　2015/7/28 20:45
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM28H7D_Y5A720C1FF2000/