マウスのオスの性フェロモンESP1は、メスの性行動を誘発する以外に、他のオスへの攻撃性を増し、
さらには分泌する自分自身のオスらしさ（攻撃性）を高める作用がある（提供：東大）
「涙は女の武器」とは言われるが、東京大学の研究チームはマウスを使った実験で、
オスの涙に含まれるフェロモンが、メスを惹きつけたり、オスらしさを作る攻撃性を高める作用があることを発見した。
東大大学院の東原和茂教授らの研究チームは、オスマウスの涙に含まれている「ESP1」というフェロモンに注目。
このフェロモンを嗅ぐと、メスは背中をそらして交尾を受け入れやすく体勢をとることから、
性行動を促進させる性ホルモンとして機能するが、他のオスや自身にどう作用するかはこれまで謎だった。
そこで研究チームは、性ホルモンを分泌しないよう遺伝子操作したオスの巣箱に、去勢された他のオスを侵入させて、攻撃性がどう変化するかを比較した。
マウスのオスは、他のオスが縄張りに侵入すると攻撃するが、去勢されたオスは相手にしない性質がある。
ところが、あらかじめESP1を嗅がせたマウスは、通常ならば対象ではない去勢オスでも攻撃した。
次に、嗅覚の機能を失ったオスマウスの巣箱に去勢マウスを入れたところ、攻撃するそぶりは見せなかった。
さらに、性ホルモンを分泌する正常なオスの嗅覚機能を失わせた結果、攻撃性が低下し、ホルモンを分泌しないマウスと同じくらいおとなしくなった。
http://sp.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/3/13864.html