国道２６号を封鎖せよ イレブンスリー暴走阻止へ 大阪
大阪府岸和田市での集団暴走を阻止しようと、府警が幹線道路の封鎖に踏み切る。毎年、１１月３日に発生する「イレブンスリー暴走」。
例年３日午前０時ごろから始まるため、来月２日夜〜３日未明、国道２６号の車道約２キロを閉ざす。状況に応じて区間を変え、
約１１・８キロまで延ばす方針。警察官も昨年の４倍の約８００人を配置する。
警察庁によると、集団暴走対策で幹線道路を完全封鎖するのは全国でも異例。
今回は大阪市から和歌山市へ南北に走る国道２６号のうち、岸和田市内の車道約２キロが対象だ。２日午後１０時〜３日午前５時ごろ、
中井町３丁目〜西之内町の両側６車線をすべて閉ざす。国土交通省大阪国道事務所によると、夜７時〜朝７時の半日の交通量が２万台を
超える「大動脈」という。
「イレブンスリー」とは何か。捜査関係者によると、１９７９年ごろまでに堺市で結成された暴走族「イレブンスリー連合」にちなんだという
説などがある。岸和田でのイレブンスリー暴走は１０年以上前から確認されていた。しかし、ＬＩＮＥ（ライン）などソーシャルメディアの普及で、
２０１１年から、「何か起きるかも」というお祭り感覚で来るやじ馬の“期待族”が急増。昨年はバイクと車で計５０台ほどの暴走を見るため、
関西を中心に集まった約２５００人が歩道と車道を埋めた。
府警は昨年、検問したうえで一般車両は走らせた。しかし、一般車両を装った暴走車両が検問を通り抜けて暴走し、大騒ぎに。渋滞が起こり、
見物人同士のけんかも起きた。道路交通法違反（禁止行為）や道路運送車両法違反（ナンバー隠し）の疑いで、暴走参加者ら計９人を逮捕した。
見物人が最も集まるのは、封鎖する２キロ区間のほぼ真ん中にある総合体育館前交差点（岸和田市小松里町）。昨年はこのあたりに約１千人が
集まった。
府警は来月２日夜、交通部長をトップに「イレブンスリー暴走対策本部」を設ける。国道２６号につながる脇道にもくまなく警察官を配置し、車両が
入り込まないようにする。２キロを封鎖したものの、周辺を暴走しそうであれば封鎖区間を徐々に拡大する。ただ、歩道は封鎖できない。機動隊員
らが「車は来ないから移動しなさい」と期待族に呼びかけ、歩道に人がたまらないようにする。府警幹部は「目立ちたい暴走グループを、期待族が
あおる。車道の完全封鎖で、悪循環を断ちたい」と話す。
http://www.asahi.com/articles/ASJBS566TJBSPTIL01M.html
やじ馬を止める警察官ら＝２０１４年１１月３日午前０時２１分、大阪府岸和田市小松里町
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20161024004325_comm.jpg
イレブンスリー暴走の車両と見物人
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20161024004310_comm.jpg
イレブンスリー暴走の封鎖区間の地図
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20161024004313_comm.jpg