【画像】比叡山・魔よけの象徴「神猿」が怖い… [895142347]

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日吉大社に伝わる魔よけの象徴「神猿」。大きく口を開くと、威嚇するような鋭い牙が見えた＝大津市で
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◆神秘の神猿　京の守り神

休日になると、小屋の前には人影が絶えない。比叡山の東麓、大津市坂本の日吉大社では、室町時代から神の意思を伝える使いとしてサルを飼う。
参詣者はその「神猿（しんえん）」に親しみを込めて「まさるさん」と呼ぶ。

桓武天皇が京都に都を置くと、比叡山など北東にある寺社が鬼門を守る結界とされた。寺社を天皇の支配下に取り込む知恵。これら寺社には神猿の像が残る。
神猿の由来には諸説ある。「魔が去る」につながるとも、鬼門の反対が「未申（ひつじさる）」の方角だからとも。
「恐らく比叡山にサルがたくさんいたのが理由でしょう」。日吉大社の禰宜（ねぎ）、矢頭英征さん（３８）は言う。

知能が高いサルは、人の気配を感じると隠れてしまう。「当時はサルが里に来ることは少なく、神が宿る山でしか出合えない。そこに神秘を感じたのでは」
小屋を金網越しにそっとのぞくと、暗がりの中でサルが大きなあくびを見せた。
参道を行き交う人々を眺めるその目には、現世がどう映っているのだろうか。山の神の心は、簡単には感じ取れない。

（写真・榎戸直紀、文・野瀬井寛）

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