押井守「ネットに書き込みするほど文章力が落ちる。好き嫌いで気持ちを吐き出すだけ、相手に物事を論理的に伝える訓練にはならない」 [913590994]

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押井守

ネットにテキストを書けば書くほど、文章力は落ちる。なぜなら「書き言葉」を使っていないからだ。

これはアニメスタジオで企画書を提出させて驚いたことだが、今の若い製作者たちは自分が作りたい作品について、その魅力を的確な文章で伝えることができない。
自分の頭の中にあるイメージを相手に論理的に伝えるという訓練ができていない。そのための言語を持ちえていないのだ。
これはおそらくアニメ業界に限った話ではないだろう。

　軍事関係の命令書を読んでいると、日清・日露から太平洋戦争にかけて言語能力が低下していくのが如実に見て取れる。

　明治時代、日清戦争のころの命令書は別に格好いいセリフが書いてあったわけではない。
命令に曖昧さがなかったのだ。それはどこまでも論理的で、的確に記されていた。

今、ツイッターやブログで一方的に垂れ流されている言葉は誰かに伝えるためのツールとしての言葉ではなく、ただ、気持を吐き出すためだけの言葉だ。

多くの人が集まる映画のレビューサイトがあったとしても、そこは成熟した批評空間とはほど遠い。
単なる好き嫌いと気分を吐き散らした独り言でしかない感想文が溢れかえっているだけだ。
ttp://blog.goo.ne.jp/s-matsu2/e/486e825078f916aaceb9e0f1168c96d4

P.IDL EXPO!2017と押井守氏の原作・総監修作品「ちまみれマイ・らぶ」がコラボレーション！
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000018.000008674&g=prt