マイクロソフト、中国版Windows 10の開発が完了したと発表。政府系企業と共同開発で「独自のセキュリティ機能」を組み込む [895142347]

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米Microsoftが、中国政府や同国の国有企業向けにカスタマイズしたバージョンの「Windows 10」の開発を完了し、販売を開始する準備が整ったことを、中国の国営新聞が現地時間2017年3月21日に報じた。
中国China Daily（中国日報網）の同日の記事によると、Microsoftで中華圏担当のCEOを務めるAlain Crozier氏は、
「セキュアで制御可能な製品にするために、広範囲にわたる作業を行った。市場に提供する準備は整った」と述べている。

このカスタマイズ版Windows 10は、中国国営の防衛関連企業である中国電子科技集団（CETC）とMicrosoftが2015年12月に提携したことで誕生した。
MicrosoftとCETCは、C&M Information Technologiesという合弁会社を設立しており、同社を通じて、中国の政府機関や、
エネルギー、通信、運輸などを統制する国営企業に、このOSをライセンスする。C&M Informationの出資比率は、CETCが51％、Microsoftが49％。

Windows 10にどのような変更を加えることで承認を得たのかは、Microsoftも中国政府も詳しく説明していない。だが、2015年9月の時点でMicrosoftは、
「Windows 10の中核技術の所有権は当社が保持する」と明言していた。「バックドア」の組み込みやソースコードの検閲に向けて中国が西側諸国のベンダーに不規則に加える圧力を批判する人々をかわすためだ。

China Dailyの記事では、このカスタマイズ版Windows 10について、「オーダーメイドのセキュリティ機能」を備えていると述べているが、詳しい説明はない。
米Wall Street Journalの現地時間2017年3月21日の記事によると、このカスタマイズ版Windows 10も、調達品目に加わるためには、中国政府による検査が必要である。
これまでMicrosoft製品の海賊行為が行われてきた中国で、同社はさまざまな経験をしてきた。Microsoftと中国政府との関係がどん底に陥ったのは2014年だ。
この年、中央政府調達センターは、中央省庁で「Windows 8」搭載パソコンの使用を禁じる通達を出した。また、中国の独占禁止当局が、警告の後、中国国内のMicrosoftのオフィスに立ち入り調査を行って、コンピューター、メール、財務データを押収したのも同じ年だった。
中国でのWindows 10の普及度は低い。中国の検索最大手Baidu（百度）の測定によると、2月の時点で、Windows 10はパソコン全体のわずか9％だった。
一方、米調査会社Net Applicationsのデータによると、世界全体でのWindows 10のユーザーシェアは、同月の時点で25％だった。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/idg/14/481709/032300310/