離婚で母に引き取られた女児、面会時に父に無理心中を強いられる。母「子供好きでこれまでの面会は問題なかった」 [711847287]

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　兵庫県伊丹市で４月、離婚後の面会交流中だった父親（４０）と長女、松本侑莉（ゆうり）ちゃん（４）が死亡した事件で、
長女の母親が毎日新聞の取材に応じた。主な一問一答は次の通り。【まとめ・矢澤秀範】

　－－事件のあった４月２３日は。

　◆午前１０時から午後５時が娘と元夫の面会時間で、引き渡し場所になっている親族宅に私が連れていった。その後元夫が迎えにいき、一緒に遊んだ。
時間になって連絡をしても全く返事がなく、午後７時半ごろに警察に相談に行き、警察官がマンションに入ると２人の遺体が見つかった。

　－－離婚後、元夫とはどのような関係を保っていたのか。

　◆離婚は昨年１１月、元夫が感情のまま離婚届を出して受理された。その後、メールのやりとりはあったが話がまとまらず、弁護士に相談し、裁判所で調停となった。
その間の３カ月間にも月１回、元夫と娘を面会させていた。ショッピングモールや公園に遊びにいったり、おもちゃを買ってもらったりして、ちゃんと夕方には帰ってきた。その実績があったから、今回も面会させた。
元夫はものすごく子どもを可愛がっており、絶対にそのような事件を起こす人ではないと、周りの人もみんな思っていた。

　－－調停中の面会で、娘は元夫と会ったことをどのように話してくれたか。

　◆すごくうれしそうに「これ買ってもらったよ」って喜んでいた。パパのことが大好きな子どものためにも会わせてあげたいと思っていた。
事件のあった日も、刑事さんから見せてもらった防犯カメラの映像にはうれしそうな娘の姿があった。

　－－元夫の性格は。

　◆自分に納得できない部分があると感情のコントロールができず、ギャンブルをしたりお酒を飲んだり、テレビやパソコン、食器棚などを壊したりした。
直接的な暴力はなかったが、夜通しの説教など言葉の暴力が続いた。

　－－娘と面会させることに心配はなかったか。

　◆私は結婚生活で嫌な思いやつらい思いをしたけれど、それは私の感情。
子どもには全く関係ない。娘が元夫に会いたいという気持ちは別だと思っていた。
元夫も可愛がっていたので会わすことに心配はなかった。

　－－こういう悲しい結果になってしまったが、面会交流についてどうあればいいと思うか。

　◆家族それぞれに事情があり、ひと言で「ああしていればよかった」というのはどれだけ考えても分からない。
ただ、有料の施設で面会させるという話もあったが近くになく、料金も高額で利用できなかった。身近にそういう施設があればよかった。
また、もう少し相手方の情報を知っていればよかったと思う。
亡くなってから会社に行っていなかったことや精神科に通っていたことを知った。
精神が不安定なら面会の日をずらすとか、会社を長期休むのなら養育費が払えないことも分かった。

　－－調停や審判で、元夫側の状況などはどこまで把握できたか。

　◆連れ去りの心配がないか弁護士には聞かれたが「その心配は全くない」と答えた。それだけはする人ではないと思っていたから。
調停委員には「お子さんはお父さんと会うことを喜ばれていますか」と聞かれたが、「喜んでいます」としか言いようがなかった。
おもちゃを買ってもらって楽しく帰ってきているので「嫌がってはいない」としか。幼い子はそんなものだし、この判断は難しい。だから調停委員の方も間違ってはいないと思う。
ただ、私は怖いので離婚後すぐに携帯電話を替えたんですが、調停委員に「子どものためにも父母間で連絡が取れるようにしておいてほしい」と言われ、面会のことだけならいいという条件を付けて連絡先を教えました。

　－－娘への思いを。

　◆今でも娘から何らかのメッセージがあるみたいで、おもちゃが急に鳴り出したり、夢にも出てくる。
亡くなる前々日、庭に植えた花の種がこの前の「母の日」に発芽した。まだ近くにおるんやなって思う。
今、社会問題になっている面会交流についても娘が考えさせてくれたものだと思う。
今後、誰かを助けることになるのならば、私は娘の供養のためにと思って伝えていきたい。
事件についてはいまだに答えは出ないが、本当に無念。死ぬようなことは何一つなかった。それだけが納得できない。
https://mainichi.jp/articles/20170523/k00/00m/040/092000c