福岡県太宰府市の総合体育館入札に関する市民団体の住民監査請求に対し、
市が入札手続きを正当化するため、国の通知を改ざんした答弁書を監査委員
に提出していたことが分かった。
市民団体は一般競争入札が指名競争入札に変更されたことを問題視したが、
監査委員は市の答弁書を基に請求を棄却した。
市総務部長は取材に「通知に書かれていないことを担当課が書いた」と認めた。
市民団体は関連文書を情報公開請求して不正に気付き、芦刈茂市長に第三者
委員会による真相解明を求めた。
芦刈市長は「初めて知った。経緯を検証したい」と話している。
総合体育館の入札は２０１４年８月に一般競争入札で行われたが、応札した３共
同企業体（ＪＶ）が全て予定価格を超えたため、入札は中止された。
市は設計を見直して事業費を５億２５００万円増額し、同１０月、今度は指名競争
入札を実施。
一般競争入札にも参加した準大手ゼネコンが２７億９７２０万円で落札した。
市民団体「住みよい太宰府を作ろうかい」は「入札は不当で市に損害を与えた」と
１６年６月に監査請求し、入札当時の井上保広市長や関係職員に必要な措置を
取るよう求めた。監査委員は同７月、請求を棄却した。
開示された関連文書によると、市総務部が監査委員に提出した答弁書は、
入札手続きに関する総務省と国土交通省の通知に
「『一般競争入札不調の場合、指名競争入札方式の活用等により事務効率化に
努めることができる』と書かれている」
と説明。
監査委員が入札の変更を妥当と判断する根拠になった。
市民団体が国交省に照会したところ、通知に「一般競争入札不調の場合」の
くだりはなかった。
総合体育館の一般競争入札は応札価格が予定価格を超える「不落」だったが、
答弁書は応札なしを意味する「不調」になっていた。
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/330804/
今回の指名競争入札の場合、市は原則として前回の入札に参加した業者を指名
できないが、答弁書は国交省監修の文書を参考に「当初指名者を含めて指名してよい」
と書いていた。
市の石田宏二総務部長は「国の通知がそう読めると判断して、書き加えた」と釈明した。
市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は
「入札の経緯に疑問点が多い。専門家を入れて検証すべきだ」
と指摘する。
総合体育館（とびうめアリーナ）は３階建て、延べ床面積７２７８平方メートルで、
１６年１１月に開館した。総事業費は約３４億８千万円。
【ワードＢＯＸ】一般競争入札と指名競争入札
官公庁の発注事業は透明性や競争性、公正性を確保するため、入札情報を公告して
希望業者が入札する「一般競争入札」を原則としている。
官公庁の登録業者から選定基準を満たす業者を指名する「指名競争入札」は、予定価格
が少額（国の工事は５００万円以下）の場合や特殊な工事、災害復旧時などに限られる。
業者間で談合しやすいため、指名基準の公表などを通じて、発注者の恣意（しい）性を
排除する必要がある。
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同和のチカラ強いからその絡みかな