弥生時代の編みカゴが出土世界に誇れる工芸品レベル [533895477]

瀬田遺跡出土の脚つき編みかご、専門家も絶賛「弥生時代の工芸品」

奈良県橿原市の瀬田遺跡で出土し２１日、奈良文化財研究所が公開した弥生時代末期（２世紀末）の脚（台）付き編みかご。四方転びの箱を活用した「弥生の工芸品」と言える精巧なつくりで、「今後の基準資料になる」と専門家は驚いている。
国内での編みかごの出土例は、粟津湖底遺跡（滋賀県）で見つかった約１万２千年前の縄文時代早期の編みかごが最古。弥生時代の編みかごは青谷上寺地遺跡（鳥取県）などでも見つかっているが、脚付き編みかごは確認されていなかった。
これまでに５０～６０例の編みかごを調査したという佐々木由香・明治大黒曜石研究センター客員研究員は「四方転びの箱が付いた編みかごは初めての出土で、今後の研究の基準資料になる貴重なもの」とし、「かごの編み方はこれまで出土した編みかごを含め、どれもよく似ている。
当時、同じようなかごのつくり方が、かなり普及していたことが考えられる」と解説する。
約１００遺跡の編みかごを調査し、縄文時代の編みかごの復元にもかかわった「あみもの研究会」代表の鈴木三男（みつお）・東北大名誉教授は「薄いタケ・ササ類の材料の幅を統一し、その表が、かごの外側になるように織るなど精巧につくられている。
四方転びの箱と一体的になってよくできており、当時の“工芸品”といえるものだ」と語る。

一方、今回の発見でこれまで謎だった四方転びの箱の用途も判明した。箱について詳しい上原眞人・京大名誉教授は「四方転びの箱をつくるためには普通は差し金やコンパスが必要だ。
建築技術に関連した造形物で、当時の人たちが高度な技術を持っていたことがわかる。箱の用途がわかったことは大きな成果だと思う」。
奈良市の平城宮跡下層からも古墳時代の四方転びの箱が出土している。箱について研究する奈文研の浦蓉子特別研究員は「箱の下部を円弧状に加工するなど装飾性が感じられる。
安定性を高め、かごの下が汚れないように四方転びの箱形の脚を付けたことが考えられ、四方転びの箱は大陸から渡ってきた人たちが持ち込んだ技術の可能性もある」としている。
http://www.sankei.com/west/news/170622/wst1706220042-n1.html

平城宮跡の下層で見つかった古墳時代の四方転びの箱。同じような箱が編みかごに脚として付いていた
http://www.sankei.com/images/news/170622/wst1706220042-p1.jpg

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