チェコの議員トミオ・オカムラ。日本で受けた人種差別を参考に日本の排外主義をチェコに導入。 [308223134]

学校では「目の細長い人が来た」「ベトナム人が来た」とからかわれた。「頼りにできるのは自分だけ」。
15人が眠る部屋で消灯後に毛布をかぶり、パイロットになりたい、ノーベル平和賞を取りたい、そして、
人に好きになってもらいたいなどという夢を描き、忘れないように紙に書き付けていたという。

　17歳の時にビロード革命で共産党政権が崩壊した。18歳で大学を中退し、夢の実現のために日本に渡った。
だが、日本でも「変なガイジン」と笑われた。ゴミ収集や東京・日比谷の映画館の売店でポップコーンを
売るといった仕事に就いたが、この国では夢を実現できないと諦め、チェコへの帰国を選んだ。

日本とチェコで差別を受けたオカムラ氏が、なぜイスラム排斥を掲げるのか。オカムラ氏は
「イスラムは宗教のファシズム」と言い切る。自分たちだけが正しいと思い込むイスラム教こそ
が女性やイスラム教徒以外への差別を内に含んでおり、チェコを守るためには押し寄せる難民らを
「１人も受け入れるべきではない」というのがオカムラ氏の主張だ。

生い立ちは政治活動にどんな影響を与えたのか。こう質問すると、少し考えてから「日本は愛国主義
が強い。自分たちの習慣、安全、文化を守ろうという意識が強く、そこは参考になった」と話した。
自分の国や文化、国民性を守りたいと言いにくいのが欧州で、メルケル氏のドイツがその典型とみている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23440020U7A111C1FF1000/