MRJ、中国の卑怯なロビー活動で売れなくなったと判明！対抗するには挙国一致のMRJ推しが必要と識者は語る [748768864]

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　続いて、ARJ21とC919の販売動向と今後の販売戦略について、日本のMRJと比較しながら話を進めたいと思います。

　中国の航空機産業を語る際に決して外せないのは、旺盛な国内需要を生み出す「地の利」があることでしょう。
中国の国土は、広大で山岳地帯が多く、道路が整っていない、という特徴があります。
そのため、航空機の需要は非常に高いのです。近年の経済成長に伴い、市場規模も拡大し続けています。

　極端な話、中国の国産旅客機は国内向けに生産・販売していくだけで十分に黒字化できると思われます。この点は、国内市場が小さく、事業化のためには海外市場での販売展開が不可欠であるMRJとの大きな違いです。

　実際に、現時点における受注数の内訳をみると、ARJ21もC919も中国国内の航空会社からの注文が大半を占めています。ちなみに海外からオーダーしているのは、インドネシア、シンガポールなどのアジア諸国です。

　ただし、決して中国が海外販売に消極的であるというわけではありません。
ARJ21に関しては、国際販売に当たって必須ともいえる米国の型式証明取得に向けて現在も活動しており、先日も中国国内では実施できない極低温下の横風試験のため、アイスランドで試験飛行を実施しました。

　C919も、当初こそ中国国内に限定した販売になるとみられていましたが、欧州での型式証明取得に動いていることが報じられており、米国市場についても無視し続けることはまず考えられないでしょう。

クラスの異なるC919はともかく、ARJ21は日本のMRJと国際市場で明確に競合します。中国国内のネット掲示板でも、MRJをライバル視する書き込みが数多く見られます。

　本稿を読んでいる読者の中には、「中国製の航空機は品質が悪く、すぐ空中分解するのではないか」と揶揄する方もいるかもしれません。
しかし、たとえ格下と思われる相手であっても、市場では冷静に彼我の違いを分析することが大切です。

そうした目線に立って両機種を比較すると、既に就航を始めている分、中国のARJ21の方が運用実績面で一歩リードしていることは認めざるを得ません。
米国の型式証明の取得にARJ21は手間取っていますが、それはMRJにとっても同様で、昨年（2017年）にはわざわざ配線の設計変更を迫られています。

　また、「MRJは性能面では負けていないのだから、販売は問題ないと」する声も日本では聞かれますが、航空機は性能で勝ることがセールスの決め手になるわけではありません。

　というのも、航空機のようなビッグビジネスにおいては、コストパフォーマンス以上に購入決定権者へのロビー活動が重要になるからです。
特に中国がターゲットとしている東南アジア諸国は、先のインドネシアにおける高速鉄道の日中受注競争のように、政府関係者とのパイプこそが最大の決め手になるでしょう。

　国際市場では、性能面での優位をアピールすることはもちろん重要ですが、それとともにロビー活動をはじめとするマーケティングを欠かすことはできません。
特に中国はそういったロビー活動の仕方がえげつなく、無茶を押し通すことには長けているだけに、油断できません。

　MRJは納入が度々延期されるなど、その開発の苦闘ぶりは周知の通りです。
筆者もMRJに期待しているだけに歯がゆい思いを禁じ得ませんが、だからこそ、官民揃って性能面のアピールだけでなく、多種多様な国際市場への売り込みを今後しっかり行っていく必要があるでしょう。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53231?page=4