富山大空襲(死者2737人),長岡空襲(死者1486人)から73年。被害拡大の理由「祝賀爆撃の総攻撃」「逃げたら非国民」「死者の大半は防空壕」 [385687124]

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1945年8月1日富山大空襲死者2737人
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1945年8月1日長岡空襲死者1486人
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富山大空襲「７３周年のつどい」　戦争の記憶、次世代へ　幹事の佐藤さん「花火に平和願って」2018年7月31日
http://mainichi.jp/articles/20180731/ddl/k16/040/260000c
富山大空襲、被害拡大の理由　住民に避難指示せず　2011年4月18日毎日新聞
http://mainichi.jp/area/toyama/news/20110418ddlk16040460000c.html （リンク切れ）

県と市の対応を指摘－－「語り継ぐ会」和田事務局長
推定３０００人もの犠牲者を出した１９４５年８月の富山大空襲。同じ日に空襲を受けた新潟県長岡市、東京都八王子市、茨城県水戸市の被害と比べると、犠牲者数は格段に多い。
なぜこれほど多くの命が奪われたのか。その原因を調べている「富山大空襲を語り継ぐ会」の和田雄二郎事務局長（７４）が、３月に開いた集会でこれまでの調査結果を報告。
和田さんの報告をもとに、被害が拡大した理由を探る。【青山郁子】

◆大きかった被害
４５年８月２日未明、米軍は１３回目の中小都市空襲として、富山など４都市を同時に爆撃した。富山では１１１分の攻撃時間に１５００トン近い焼夷（い）弾を投下。
爆撃目標区域の９９・５％にあたる約１３・８平方キロメートルを焼き尽くした。被災世帯は２万４９１４戸、死者は約３０００人、負傷者は約８０００人に上る。
他の都市の死者は、長岡が約１５００人、水戸が３０４人、八王子が４５５人。富山の犠牲者が突出して多いことが分かる。

◆理由１　米軍の事情
８月１日は米陸軍航空軍の創立記念日。当時の総司令官はこの日に「最大努力」での攻撃を指示し、マリアナ基地第２０航空軍の爆撃機７００機のうち、故障機などを除く６７６機が４都市へと飛び立った。
富山にはこのうち１７４機が飛来し、街を焼き尽くした。総力を挙げた攻撃だったため、投下された焼夷弾の量は多く、焼失率や死者数が増える原因の一つとなった。

◆理由２　誤った「防空体勢」
当時、日本では米軍による空襲に備え「国民防空体勢」を呼びかけていた。しかし、実態は防空ごうを掘ったり、バケツリレーなどの初期消火を徹底したりするだけで、とても空爆に対応できるものではなかった。
東京から疎開してきた人々は、東京大空襲での経験から「防空ごうは危ない」と指摘していたが、だれも聞き入れようとしなかった。その結果、富山大空襲では防空ごうの中で焼け死んだ人も多かったという。

◆理由３　黙殺された予告ビラ
米軍は空襲の数日前、「爆撃するので避難してください」と日本語で書かれた予告ビラを空襲対象都市にまいていた。ビラは富山にもまかれた。これを受け富山県と富山市は対策会議を開催。
「疎開させた方がいい」という意見も出たが、結局「徹底抗戦する」といった意見に押し切られ、住民の避難は実現せず、当局から市民への積極的な情報提供もなかった。
しかし、富山市砂町の町内会長は市内で唯一、住民に避難を指示。同町からは犠牲者が出なかったという。水戸市や八王子市では当局から高齢者や幼児、女性、病人などに対する避難指示が出されていた。
富山では空襲の中、逃げ惑う市民を憲兵隊や警防団が「非国民」「戻って火を消せ」などと押しとどめた例も多かったという。

◆証言の重要性
これらの事実は、同会がこれまで８２回開催してきた「富山大空襲の体験を語る会」での証言などから明らかになった。
和田さんは「まじめで従順な富山の県民性が災いし、国の指示がより徹底されたことと、当時の市など当局の対応が市民の犠牲を増やした」と指摘。証言の積み重ねで新たな事実が判明したことを重視している。