フラダンス、振り付け考案者に著作権を認める判決 [247662382]

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「フラダンス」の振り付け著作権認める判決大阪地裁
2018年9月20日 17時53分

　「フラダンス」の振り付けを考えた人に著作権を認めるべきかどうかが争われた裁判で、大阪地方裁判所は、
「振り付け全体の中で、作者の個性が表れている部分が一定程度ある場合は著作権が認められる」という判断を示しました。

　この裁判はハワイでフラダンスを教えている女性が、九州や中国地方でダンス教室を運営している熊本県の団体に対して、自分の考えた振り付けを無断で使わないよう求めたものです。

　振り付けを考えた人に著作権が認められるかどうかが争われ、団体側は、「曲の歌詞をそのまま手の動きで表した手話のようなもので、著作権はない」などと主張していました。

　20日の判決で大阪地方裁判所の高松宏之裁判長は、「フラダンスの手の動きは歌詞を表現するもので、動作自体はありふれたものであっても作者の個性が表れる。
振り付け全体の中で、こうした個性の部分が一定程度ある場合は著作権が認められる」という判断を示しました。

　そのうえで、原告の振り付けを無断で使わないよう命じました。

　判決について、原告の女性は「権利が認められたことはとてもうれしく、ハワイの人たちにとっても喜ばしいことです」と話しました。

　原告の代理人を務める苗村博子弁護士は「振り付けの著作権は非常にハードルが高いと言われる中、積極的な判決をいただけた。
今後、さまざまな舞踊にも影響があるのではないか」と話しました。

・振り付けの著作権司法の判断分かれている

　小説や音楽、映画などの作者に著作権があることは広く知られていますが、著作権法は「舞踊」についても表現に創作性が認められるものは「著作物」として保護の対象としています。

　しかし、どのような振り付けを著作物とするのか、評価が難しいこともあり、裁判で争われるケースは少なく、司法の判断も分かれています。

　平成14年、日本舞踊のある流派の振り付けをめぐる裁判では
「流派を象徴する舞踊で、これまでの伝統的な踊りとは離れた独自性のある振り付けで、コンクールで受賞するなど客観的な芸術性が高い」として著作物と認められました。

　一方、６年前、社交ダンスをテーマにした映画「Ｓｈａｌｌｗｅダンス？」の振り付け師がテレビで無断で放送されたと訴えた裁判では、
「著作物に該当するというには、単なる既存のステップの組み合わせにとどまらない顕著な特徴を有していて独創性を備えることが必要である」として著作物と認められませんでした。

・別のフラダンス教室では

　大阪・摂津市にあるフラダンス教室では、本場・ハワイでフラを学んだ男性が振りつけを教えています。

　この教室によりますとフラダンスの振りつけは、ハワイで「クム」と呼ばれる指導者が曲の歌詞から物語をイメージし、それを手の動きや足のステップを組み合わせて表現しているということです。

　ハワイでは振りつけを新たに考えたり、既存のものをアレンジすることは「クム」にしか許されていないということです。

　教室を運営するカレオ・ポロレイさんは、「フラダンスの振りつけは、クムの芸術作品だと思います。表現者の権利をもっと尊重してほしい」と話しています。

・被告側「九州ハワイアン協会」は

　判決について、裁判の被告側で、フラダンス教室を運営する熊本県の「九州ハワイアン協会」は、「担当者が不在で対応できない」としています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180920/k10011637971000.html