「死刑制度が不要な訳」というブログが正論過ぎると話題に [324064431]

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　前回、前々回の記事で死刑制度について書きましたが、よく考えると「なぜ死刑制度が不要か」という根本を明らかにしていませんでした。このままなのも居心地が悪いので、
私の考えをはっきり示しておこうと思います。
　死刑制度が不要な訳は主に2つです。第一に「執行させられる側はたまったもんじゃない」。第二に「死刑が必要な理由がない」です。

　「執行させられる側はたまったもんじゃない」
　現在日本では刑務官によって死刑が執行されています。ボタン3つを押し、うち1つが本物だという話はあまりにも有名です。さて、刑務官は業務の一環とはいえ「人を殺したかもしれない」という状況に追い込まれます。
実際に刑務官に会って話を聞いたわけではないので実態は不明ですが、この状況は精神的にこたえるだろうことは想像に難くありません。
国家によって殺人の片棒を担がされるというのは人権侵害にあたるのではないかというのが私の考えです。
　ちなみに「刑務官は死刑執行する可能性があるのわかっててなってるから問題ない」的な批判は間違ってます。
「ワタミがブラック企業なのわかってて入ったのだからサービス残業なのは仕方ない」と言ってるようなもんです。人権侵害を正当化する理由になりません。

　「死刑が必要な理由がない」
　これについては「死刑が必要な理由」だとされているものに反論する形で示しましょう。
　まず「犯罪の抑止のため」という理由が挙げられそうですが、死刑制度が犯罪の抑止に役に立つかは不明です。
確かに現在死刑制度を採用している日本においては先進国の中でもトップクラスの犯罪率低下を見せていますが、一方で死刑制度を廃止している国でも同様に低下しており、
低下の理由を死刑制度に求めるのは早計と言っていいでしょう。死刑制度が犯罪率の低下に関係していないとする研究もありますが、犯罪の増減はあまりにも多くの要因が関係しており、
最新の犯罪学研究でも説得力のある説明が得られていないのが現状です(詳しくは犯罪社会学研究38号を参照してください。犯罪率の低下について特集しています)。
死刑制度と犯罪率の関係がはっきりとわからない以上、「犯罪の抑止」という理由で死刑制度を採用することはできないでしょう。
　次に「犯罪者を社会から排除するため」という理由が挙げられそうですが、言うまでもなく終身刑を導入すれば殺さなくても排除は可能なので、死刑存続の理由になりません。
「犯罪者を養うお金が無駄」という反論が出そうですが、これについては前回の記事で否定してます。
　「被害者や遺族の感情を満たすため」という考えもありそうです。考え自体はわからなくもないのですが、刑罰というのは被害者遺族の報復のためにあるのではありません。
もし仮に刑罰の存在意義が被害者遺族の報復にあるとすれば、遺族のいない天涯孤独の人が殺害された場合刑罰の存在意義がなくなってしまいます。刑罰というのは社会の保全のためにあるのであって、
死刑はなくてもこの目的は達成できると考えます。
　こんなもんでしょうか。少なくとも主要な理由は否定できたと思います。

　以上が私が死刑廃止を唱える理由です。細かく言えば「死刑が非人道的」とか「思想犯弾圧の法律ができた時の保険」とかもあるんですが、別に主要な理由ではないので割愛します。

http://blog.livedoor.jp/kudan9/archives/35667912.html