渋滞緩和に専門家が提言「東京五輪中は会社に行かない。無駄な外出をしない。通販を使わない。台風や地震に来させない。」 [533895477]

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会場分散、狭い高速、災害…東京五輪特有の“輸送リスク”

２年後に五輪開催を控える東京都と大会組織委員会は、期間中１千万人以上に達すると見込まれる観客、選手らの輸送計画づくりを進めている。
円滑な運営と巨大都市の活動維持との両立を図るため、期間中は都心の交通量を平日の８５～９０％ほどに抑制したい考えだが、
大会関係者からは、競技会場が集中する「オリンピックパーク」がないため輸送ルートが複雑になるといった、東京大会特有の“弱点”が指摘されている。
協力を求められる市民や企業の理解を得ることが、重要な成功の鍵になりそうだ。

過去の五輪・パラリンピックでも、それぞれの開催都市が抱える特有の弱点があった。２０１４年ソチ五輪では、地形の関係でアクセス道路が１ルートしかなく、交通事故で滞留が起こるリスクが懸念された。
そのため、プーチン政権は他地域や他国ナンバーの車の流入規制を徹底し、交通量を抑制した。こうした対策は大企業の本社がなく、人口が少ない地方都市だからこそできた。
１６年リオデジャネイロ五輪ではブラジルが財政難に陥り、都心と競技会場を結ぶ地下鉄の開通が危ぶまれた。だが、ブラジル政府が緊急融資を発表。開幕４日前に開業にこぎつけた。

東京大会は交通対策が成功裏に終わった１２年のロンドン大会の取り組みを参考にしているが、ロンドンになかった特有の問題を抱える。
一つは、オリンピックパークが存在せず、各地に競技場が分散しているため、選手村や宿泊地から選手や観客を運ぶ輸送ルートが輻輳（ふくそう）することだ。対
策を誤れば、朝夕ラッシュ時に乗車率２００％の鉄道が５割増しになる路線が生じるとする専門家の指摘もある。

加えて、都心の高速道路には片側２車線にとどまる区間が多いため、１車線をつぶして選手や大会関係者らの車両だけを通す「専用レーン」が網羅できないことも東京大会特有の悩みとなる。
首都高で一般車両が１車線しか通れなければ渋滞の悪化は必至だ。
渋滞回避について都幹部は「ネット通販業者や消費者側にも協力を呼びかけなくてはならない。企業の事務用品や百貨店の冷凍食品などは、大会前に注文して備蓄を増やすことも検討してもらいたい」と語る。

このほか、東京大会では、期間中に台風や地震が襲うといった自然災害のリスクも軽視できない。
大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は「どうしても開催が不可能であれば、決勝戦や閉会式がないまま、開催が終了することも考えなくてはならない」と懸念する。
都などは今年度中に輸送運営計画の改良版を国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）に提出する予定だ。
災害発生時の対応などについては今後、ＩＯＣ側や各競技連盟とも合議体で協議を進めていくとみられる。

中央大理工学部の田口東（あずま）教授（交通ネットワーク）は「交通網は１カ所詰まると次々に連鎖し、全体に混雑が発生してしまう」と指摘。
交通量抑制のためには「期間中、会社に行かず、自宅で仕事をする日を増やすといった思い切った対策が必要。働き方を見直すチャンスでもある」と提言する。

https://www.sankei.com/tokyo2020/news/181117/tko1811170001-n1.html

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