美少女戦士セーラームーンのキャラで誰とセックスしたい？ [633827841]

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紙の雑誌じゃ載らない　「先生、あたし誰にも言いません」

漫画偏愛主義
　高校でのスクールカーストの上位と下位に位置する男女２人を交錯させた傑作「イメージファイト」を読んで、私は藤緒あい信奉者となり、コミックスは必ず買うことに決めた。だが、女子高生と教師の恋、そして扇情的な表紙イラストの本作は、私の中にモヤッとした何かを引き起こし
私は「ラストを見届けるまでは判断つきかねる」と心の中の「保留」棚に置いてしまった。そしてこの度、完結巻となる３巻が発売され、読後、私は「やはり藤緒あいに一生ついていこう」との確信を強くしたのだった。この作品もまた傑作だ。

　特別いいことが一つもない、という気持ちを持ったまま女子校の教員になった清野。受け持ちの生徒には、口数の少ない寄原や、清野にあからさまに好意を寄せる結木がいる。美少女の結木に迫られて悪い気はしない清野だが、ある日、寄原に強引に言い寄られ、関係をもってしまう。

　清野のことを「好きだ」といいながら心を開こうとしない寄原に対し、バレたら社会的地位を失うことの不安から「好きだから寄原とつきあってる」ことにしようとする清野。ちぐはぐな主役２人を取り巻くのが
堅物な女性教頭・砂掛や
寄原を気にかけるＢＬ好きな同級生・野田らだ。美少女・結木も母からの「愛してくれる男性を選べ」という言葉にしばられている。巻を追うごとに、それぞれの登場人物たちの裏側が描かれ、物語に深みを与えている。

　特に私が自分を重ねてしまうのが、学校では堅物で通っているけれども実はＢＬ大好きな教頭先生なのだが、それはおいておいて。主人公の清野は、早く初体験をしたいからと好きでもない女の子と関係した高校時代をひきずっていたりと、ぐずぐずウジウジで
少女漫画の理想的な王子様と言いがたい性格だ。寄原にさえ「好きだ」とうそをつく。だが、この清野のダメさが、物語を進めるうえで必要だったのだと、読み進めていくうちに気づく。

　大人はいつも正しい判断ができているだろうか。いつも真実を言えているだろうか。大人の言うことが真実ばかりじゃないことを、寄原たち子供は知っている。清野のだらしなさも、寄原はちゃんと知っている。
だからこそ、最後に清野が自分のダメさと向き合うことで、寄原がようやく、秘密にしていたことを口にするのだ。すべての伏線がラストで解き明かされるストーリー運びは圧巻としか言いようがない。

　それにしても、１８歳未満と知りながらの教員と生徒の淫行、これは紙の雑誌じゃ載らないよな、と思ったら、やはりｗｅｂ雑誌掲載だった。「先生、私としてください」なんてせりふも、紙の少女雑誌に載ってたら、オバサンである私はちょっと引いたかも。かわいらしい絵柄からは想像もつかないような、挑戦的な作品を生み出し続ける藤緒。期待しつつ次作を待ちたい。