一見、何の利益もない嫌がらせを行う人たち（ヽ´ん`）「自分が2ドル失っても、相手が8ドル失ったら相対的に『得』だ」 [687522345]

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悪意や嫌がらせに関する研究で最も有名なのは「最後通牒ゲーム」だろう。このゲームは、隣接する部屋にいる二人の人間で構成される。片方の人間は10ドルなどいくらかのお金を与えられ、もう片方の人間と好きに分け合うように提案される。
9:1で配分してもよいし、5:5でもいい。代わりに提案を受けた側は、二人の取り分をゼロにする「拒否権」が与えられる。9(分配する側):1で配分された場合でも、1の利益が出るので経済合理性の観点からいえば拒否する理由はない。しかし、実際には約半数の人が10ドル中2ドル以下の提案は拒否するのである。

（中略）

本書ではホモ・リヴァリスといわれるこのタイプの人間は、最後通牒ゲームで10ドル中2ドルのオファーを断る場合、自分は2ドルを失うが相手は8ドルを失うので、相対的に得をすると考える。罰を与えるタイプのゲーム（自分が1ドル失って相手が3ドルを失うなど）で実験したところ、自分が1ドル払うごとに相手も1ドル払うようなゲームでは、ホモ・リヴァリスは罰を与えない（2％だけはそれでも罰を行使した）。
冒頭に述べたものもそうだが、一見不可解な嫌がらせ行為を行う人たちのうちのいくらかはこうしたホモ・リヴァリスに属する人間である可能性は高いだろう。

https://honz.jp/articles/-/52863