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【昔を】みんなの馴れ初めをおしえて【思い出して】 その17

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2016/01/23(土) 14:21:38.88 .net
では、>>11さんが帰ってくる幕間に、こちらもおっさんの話

アフガニスタンからソ連軍が撤退を開始したころ。

当時の勤務していた会社の取引先は、テナント雑居ビルの3階にあった。
そのビルの1階は洋菓子屋だったが喫茶室も併設していたので、
取引先は来客があるとそこからコーヒーなどの出前を取っていた。
俺は取引先には週に3〜4回訪問していたので、週に最低1回はコーヒーをご馳走になっていた。
出前に来る女性はだいたい決まっていたので、自然と顔見知りになっていた。
出前にコーヒーにはサービスでいつも小さいカップケーキが付いていたが、
甘いものが苦手な俺はいつもそのケーキを残していた。

ある日のこと。
取引先に行く際に出前の女性と同じエレベーターに乗り合わせたのだが、
軽い会釈の後にその女性がこう言った。

『ケーキはお嫌いですか?』
「あ、すんません。甘いものはちょっと苦手で・・・」

ちょっと気まずい雰囲気だったがすぐに3階に到着したので、
俺は逃げるようにしてエレベーターを降りた。
しかし、取引先はいつも通り俺にコーヒーの出前を注文してくれたので、
数十分後にまた先ほどの女性と顔を合わせることになった。

いつも無表情でコーヒーを運んでくるその女性は、そのときは珍しく笑顔だった。
『今日のケーキは私が焼いたんですよ』
「あ、そうですか。では今日は残さずに頂きます」
取引先の担当者(年配の女性)はなぜか俺をニヤニヤしながら眺めている。
『どうですか?お口に合いませんか?』
「い、いや、甘ったるくなくて美味しいです」
少し不安そうだった女性は満面の笑みに変わった。

女性が帰った後、担当者は俺に質問をした。
「どう、あの娘?」
へっ?
「さっきの娘よ。一度デートしてみない?」
あ、はぁ、まぁ、いいですケド
「じゃ、決まりね。今度の週末は空いてるかしら?」

そんな感じで初デートを迎えることになった。

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