明日の貴金属相場はどうなるか PART 307

ラフィー

「叩き続けよ、されば扉は開かれん」という言葉が、聖書にしたためられている。
俺が少年時代の頃、オオクワガタが大流行した時期があった。当時は「黒いダイヤ」と呼ばれ、規格外の個体は2000万という高値がつけられるくらい、当時は大ブームになっていた。
そのブームの中、俺は麦わら帽子をかぶって親父と一緒にオオクワガタを探しに森林へ出かけたことが懐かしい。
意を得て俺はオオクワガタを見つけることができた。ところが、樹皮の狭間に身を隠してなかなかつかまえることができない。
俺は、木の棒で叩き続けた。叩けば叩くほどクワガタは身を隠して出てこない。親父に「奴が出てくるまで少し待て」と言われても、短気な俺はそれを無視してひたすら付近を叩き続けた。
何十分も叩いて叩いて叩きまくった。
すると、不思議なことに、クワガタが叩かれた振動で疲れたのか、コロッと落ちてきた。
俺は、無傷のオオクワガタを手に入れることができた。俺の執念勝ちだった。

今、俺は、相場で大金を手にするべく何度も何度も相場の扉を叩き続けている。跳ね返されても、倒れても、挑み続けている。呆れるくらいに。
だが、やがて相場の方が悲鳴を上げて俺に大金を差し出すだろう、と本気で考えている。
だから、俺は叩き続けることをやめない。