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☆☆★ 放送大学スレ Part.277★☆★

894 :名無し生涯学習:2015/10/24(土) 14:05:34.61 .net
放送大学テレビ授業 日本美術史('14)
第15回【モダニズムの諸相 − 大正・昭和期(戦中まで)】

・・・こうして松本俊介までを辿る時、高村光太郎が「緑色の太陽」で述べた
「芸術は自然の再現ではなくて、芸術家の人格の表現なのだ」という主張は、
大正・昭和期の美術で多くの豊かな実例を得たことが明らかです。
しかし、芸術の自由を追い求めた試みは、芸術家たちがけっして自由ではない事を
思い知らせる体制に押しつぶされ、あるいは組み込まれていきます。

高村光太郎も、戦時下には戦争を賛美する詩人となっていたのでした。
自由の希求、その敗北という節をこれで終えます。

日本美術の美しさを語る。その素晴らしさが、世界の中で傑出していることを喧伝する。
そういう形で、美術史家もまた、当時は戦争に協力したと、言えます。

これは、私たちにとっての戒めです。
日本美術史について、常に認識を更新していくこと。最新の認識を、世界に通用するように伝えていくこと。
それは日本美術史に興味を持つ者の義務でしょうが、日本という国の利益だけを考えてやると、その行為は危ういものになると、いうことです。

戦後の美術は、戦争のイメージを反芻(はんすう)するところから出発し、益々多様な展開を見せます。
20世紀後半の出来事にまで、ここで話が及ばないのは残念ですけれども、
印刷教材に掲げた参考文献の中には、戦後の美術にも言及するものもありますので、まず、それらを手掛かりに探索していただけたらと思います。

みなさん一人ひとりが、なにかしら自分にとって、のっぴきならない問題、自らが織り糸を紡いでみたいと思うなにかを、
日本美術史をきっかけに見出してもらえればと、そんな風に最初の回に臨みました。

なにか見つかったのならいいのですけれども。
私の案内は、これでおしまいです。
あとは皆さんの探究に期待しております

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