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宇宙大帝ゴッドシグマ

1 :名無しか・・・何もかも皆懐かしい:2006/01/28(土) 02:40:48 ID:qBawoMc0.net
1980年にTV放映されたロボットアニメ。
空雷王、海鳴王、陸震王が合体して
巨大ロボット・ゴッドシグマとなり
地球制服を企むエルダー軍と闘う。


175 :名無しか・・・何もかも皆懐かしい:2006/12/04(月) 02:59:08 ID:mCEdN058.net
第15話「敵将テラルの秘密」

1【イオ エルダー基地】
    赤く凶々しい木星が天空を領している。
2【テラルの部屋】
    窓越しにじっとみつめるテラル。
テラル「赤は鮮血・・・、赤は憎しみ・・・、あの星を目の当たりにしながら、ときとして私の闘志が鈍るのはなぜ・・・。」
    悲しみを帯びたその表情。テラルはゆっくり窓を離れて、硬質ガラスのテーブルに近づく。
テラル「なぜ・・・、なぜ・・・、それは私が所詮テラルではないためか?この体も顔も借りものであるためか?」
    拳をかためる。
テラル「なぜ――!」
    があんとテーブルを打つ。ゆっくりと崩壊していくガラスのテーブル。インターフォンが鳴る。はっとするテラル。
テラル「誰だ。」
ジーラ「ジーラでございます、閣下。」
テラル「何だ。」
ジーラ「記憶再生装置を持参致しました。」
テラル「そうか。・・・はいれ。」
    ジーラ、はいってくる。手にした小型軽量のメカ。
ジーラ「ご承知と存じますが・・・。この電極を・・・」
テラル「もうよい。」
ジーラ「え。」
テラル「さがっておれというのだ。」
ジーラ「はい。」
    テラル、席につき――記憶再生装置の電極をこめかみにとりつける。
    テラルの目が爛々と輝きはじめる。部屋は夜のように暗くなり・・・ぼんやりと前方の空間に出現するテラルとリラ。

176 :名無しか・・・何もかも皆懐かしい:2006/12/04(月) 03:00:17 ID:mCEdN058.net
3【回想。テラルの船内】
リラ  「あのとき私たちはエルダー星の中央港へ急いでいました。辺境の守備についていたテラルが、ある重大任務を命ぜられたのです。」
    テラルとリラは、宇宙船のコクピットに座っている。
テラル「トリニティパワー――・・・。」
リラ  「え?」
テラル「そいつが地球軍の切り札だ。いかなるバリヤーも無効。すべての物質を高次元の空間へふきとばす!」
リラ  「(呆然)それで、あなたの任務というのは・・・?」
テラル「(頷いて)そのトリニティパワーの発現を、未然に防ぐことさ。」
リラ  「いったい、どうやって!」
テラル「きみにだけは話しておこう。実はエルダー星でも同じエネルギーを研究していた・・・。
     残念ながら新エネルギーの開発はできなかったが、研究の途中に成功した装置がある。」
リラ  「装置・・・それはなに。」
テラル「タイムマシンさ!」

4【地球、トリニティシティ】
    スチルショットで映される、エルダー軍に攻略されるイオの町々。歯を食いしばって見つめている闘志也、健作、ジュリィ。
風見博士 「何度見てもおそるべき奴らだな・・・。エルダー星人、あの情け容赦ない攻撃ぶりは、屠殺者そのままだ。」
    後ろで見ていたマルティーノ親子に振り向く。
風見博士「納得いただけましたかな、マルティーノさん・・・。彼らとの戦いに出費をためらえば命取りであることが。」
ミナコ 「そうよ。そうよ!ミサイル1発がいくらだの、レーザー電力使用量がいくらだの、そんな計算してて宇宙人に勝てるもんですか!」
風見博士「(にこやかに)よろしくお願いしますぞ、お嬢さん。今やあなたのパパはトリニティ市のスポンサーでは無い、地球人類のスポンサーです!」
    仕様ことなしに笑ってみせるマルティーノ。
マルティーノ「そのうち世界中に私の銅像が建つだろうて・・・。その銅像を建てる金も、わしの懐から出るんだろうが・・・。」

5【回想。イオ、エルダー基地、テラルの部屋。】
    電極を取り付け、思い出にふけっているテラル――実は、リラ。
リラ  「予定どおりなら私達の船は、エルダーへ、あと三日と十五時間で帰り着くはずだった・・・。」

177 :名無しか・・・何もかも皆懐かしい:2006/12/04(月) 03:02:05 ID:mCEdN058.net
6【回想。宇宙空間】
     進むテラルの船。リラ、レーダースコープをのぞいて、
リラ  「テラル!何かが近づいてくる!」
テラル「なに。」
リラ  「エルダーの船じゃないわ・・・。呼びかけているのに反応がないもの・・・。」
テラル「(緊張して)地球人が、この星域までやってきたのか。」
     画面上に宇宙船の残骸があらわれる。
リラ  「なあんだ・・・スクラップだわ。」
テラル「このシルエットに見おぼえがある。最初の小競り合いで破壊された地球の巡洋戦艦だ。」
    ゆっくりすれ違おうとする二隻。ゲージをチェックしていたテラルが、ふと眉をひそめる。
テラル「エネルギーセンサーを見ろ!あの船は生きているぞッ。」
リラ  「ええっ。」
    地球の船に亀裂が走って――中から新しく、ひと回り小振りな宇宙船が出現したと同時に、ミサイルとビームの複合攻撃。
テラル「しまった!」
    猛烈なショックがテラルの船を襲う。パイプがへし折れ、リラの背へ――。
テラル「あぶない!」
    とっさに庇う。リラに代わって背を強打される。
コンピュータ「操舵不能、操舵不能・・・。」
テラル「うぬ・・・ぬかった・・・。」
リラ  「なんて卑怯な!」
テラル「そうじゃない、これが戦いというものさ。戦いにきれいも汚いもあるものか、私が油断したのだ。」
    船体が軋む。猛攻にさらされる二人。
テラル「憎むなら、最初に戦争の引金をひいたやつらを憎め・・・。それはあの船に乗っている地球人では無い・・・。リラ、救命カプセルへ行け。」
リラ  「いや!あなたこそ逃げて!あなたには任務があるのよ!」
テラル「自分の体は自分でわかる・・・。私の命は、もう長く・・・無い。」
リラ  「(恐怖して)テラル!」
テラル「(やさしく微笑む)おゆき、リラ。」

178 :名無しか・・・何もかも皆懐かしい:2006/12/04(月) 03:04:27 ID:mCEdN058.net
リラ  「(低く・・・)テラル、いま私が、なにを考えているかあなたにわかるかしら。」
     相次ぐ爆発音に、その声はテラルまで届かない。
     テラルの船から離れる救命用単座カプセル。
リラ  「さよならは言わないわ、テラル・・・。きっとすぐまたあえるんだもの!」
     ぐいぐい敵に迫っていくテラルの船。十分に距離を詰めてから電光が閃く。宙にもがき苦しむようなポーズをつくる地球船。大爆発を遂げる。
リラ  「やったわ、テラル!あの重傷で・・・あっ」
     蒼白になるリラ。テラルの船がゆがむ。窓が割れる。放り出されたテラル――。

7【テラルの部屋】
テラル「真空中に投げ出された人間は・・・体内のガス圧によって、ふくれあがり爆発する・・・。」
    のろのろと椅子から立ち上がるテラル。窓際に寄る。凶兆のように視界をふさぐ、圧倒的な木星の姿。
テラル「赤は鮮血・・・、赤は憎しみ・・・、エルダー星についた私は、テラルをモデルにしたアンドロイドの電子頭脳に、私の意識、記憶、性格を刷り込んだ。
     私はもはやリラではない。テラルだ・・・。」
8【回想】
    テラルそっくりの少年と、並んで横たわっているリラ。両者の間にスパークが飛び――
    やがて、ゆっくりと立ち上がるテラルに似た少年。
    

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