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後味の悪い話 サブカル板支部

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2023/07/05(水) 15:23:04.62 ID:c9pJTmzy.net
漫画「華中華(ハナチャイナ)」

主人公は中華街一の大きな有名店で料理人を目指して下働きする二十歳前後の女の子。
性格の悪い先輩にいびられ、強欲·傲慢な当代オーナー夫妻(嫁が先代の娘で経営·家庭ともに実権を握ってる)に冷たく扱われ、実家の両親には実態と真逆の状況報告を手紙で伝える日々を送る(実はカリスマ一流料理人でもある先代オーナーが大叔父だが、特別扱いを善しとしない為か威光の通じない程度の遠縁を自称してる)。
しかし、中華街に住み着くかの楊貴妃の幽霊、小さな中華店の老夫婦などの協力と、持ち前の明るく前向きな性格で頑張る主人公は人々を笑顔にする料理を人知れず作り続ける。
老夫婦の店はオヤジさんが肩を壊し休業していたが、主人公は修行の為、空き時間にその店を無償で手伝いアイデア料理を作っている。
短い営業時間ながら好評を得る一方、主人公の本来の勤め先の有名店は関係者らの不徳が祟ってか、人気で押され売上が下がったり他にも手痛い貧乏くじを引いて終わるパターンが多い。

パッと見、明るい作風·作画のファンタジー混じりな料理人情物で、不届きな連中も報いを受けて溜飲が下がるが、読み続けてるとどうも違和感を覚える。
というのも、主人公の女の子は上からの不遇を悲しむ事はあっても、人を恨むことは無い。
自分が同じ立場なら笑いが止まらないだろうが、主人公はそういう性格じゃない。
明るい絵柄や主人公と老夫婦や楊貴妃のぽかぽかした関係と、悪役たちの卑劣さのギャップも中々強い。
昨今、いわゆる復讐·制裁モノが人気になった背景に前時代の娯楽作品が「何があっても人を憎むな」と押し付けがましい説教を続けて来た反動があると思ってるが、この漫画はそういうひずみが先駆けて別の形で発現した様にも思えるw。

尚、この漫画は原作と作画が別で、原作者は違う作画で「あんどーなつ」という和菓子修行の漫画も出してる。
こっちも善良で素直な頑張り屋の主人公、見守り支える人々、アグレッシブな悪役という基本構造は共通してるが、絵柄とのギャップは多少引けを取る。

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