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アンパンマン強さ議論スレ Part3
- 1 :名無しさん@お腹いっぱい。 天才です(2段) (ワッチョイ 61c2-0RaK):2017/02/13(月) 15:57:39.94 ID:mtDB/jn/0.net
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アンパンマン強さ議論スレ
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- 982 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 21:57:39.85 ID:IqMH65DQ7
- 憐む可きクラリモンドは、聖水がかゝると共に、美しい肉体も忽ち塵土となつて、唯、形もない、恐しい灰燼の一塊と、半ば爛壊した腐骨の一堆とが残つた。
- 983 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 22:10:55.40 ID:IqMH65DQ7
- 「お前の情人を見るがよい、ロミュアル卿。」
- 984 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 22:24:11.34 ID:IqMH65DQ7
- 決然として僧院長は此悲しい残骸を指さしながら、叫んだ。
- 985 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 22:37:26.88 ID:IqMH65DQ7
- 「是でもお前は、お前の恋人と一しよに、リドオやフシナを散歩しようと云ふ気になるかの。」
- 986 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 22:50:42.96 ID:IqMH65DQ7
- わしは、無限の破滅がわしにふりかゝつた様に、両手で顔を隠した。
- 987 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 23:03:58.55 ID:IqMH65DQ7
- わしはわしの牧師館へ帰つた。
- 988 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 23:17:14.12 ID:IqMH65DQ7
- クラリモンドの恋人ロミュアル卿も、今は長い間不思議な交際を続けてゐた、憐れな僧侶から離れてしまつたのである。
- 989 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 23:30:29.68 ID:IqMH65DQ7
- が、唯一度、其次の夜にわしはクラリモンドに逢つた。
- 990 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 23:43:45.19 ID:IqMH65DQ7
- 彼女は、教会の玄関で始めてわしに逢つた時にさう云つたやうに「不仕合せな方ね、何をなすつた?」
- 991 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/29(火) 23:57:00.64 ID:IqMH65DQ7
- 「何故、あの愚かな牧師の云ふ事をおきゝなすつたの?
- 992 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 00:10:16.23 ID:cgcKQUV4A
- 私が貴方に何か悪い事をして?
- 993 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 00:23:31.69 ID:cgcKQUV4A
- それだのに貴方は私の墓を発いて、私の何もないみじめさを人目にお曝しなすつたのね。
- 994 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 00:36:47.43 ID:cgcKQUV4A
- 私たちの、霊魂と肉体との交通はもう永久に破られてしまつたのよ。
- 995 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 00:50:03.03 ID:cgcKQUV4A
- それでも貴方は屹度私をお惜みになるわ。」
- 996 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 01:03:18.95 ID:cgcKQUV4A
- 彼女は煙のやうに空中に消えた。
- 997 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 01:16:34.52 ID:cgcKQUV4A
- そしてわしは二度と彼女に会つた事はない。
- 998 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 01:29:50.13 ID:cgcKQUV4A
- あゝ、彼女の言は正しかつた。
- 999 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 01:43:05.73 ID:cgcKQUV4A
- わしは一度ならず彼女を惜んだ。
- 1000 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 01:55:38.31 ID:cgcKQUV4A
- いや今も彼女を惜んでゐる。
- 1001 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 02:08:53.77 ID:cgcKQUV4A
- わしの霊魂の平和は、高い代価を払つて始めて贖ふ事が出来たのである。
- 1002 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 02:22:09.48 ID:cgcKQUV4A
- 神の愛は彼女のやうな愛を償つて余りある程大きなものではない。
- 1003 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 02:35:25.37 ID:cgcKQUV4A
- 兄弟よ、之がわしの若い時の話なのだ。
- 1004 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 02:48:40.88 ID:cgcKQUV4A
- 忘れても女の顔は見ぬがいゝ。
- 1005 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 03:01:56.35 ID:cgcKQUV4A
- そして外へ出る時には、何時でも視線を地におとして歩くがいゝ。
- 1006 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 03:15:11.80 ID:cgcKQUV4A
- 何故と云へば、如何に信心ぶかい、慎みぶかい人間でも、一瞬間の誤が、永遠を失はせるのは容易だからである。
- 1007 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 03:28:27.47 ID:cgcKQUV4A
- 暑いフロックを夏の背廣に着換へて外の連中と一しよに上甲板へ出てゐると、年の若い機關少尉が三人やつて來て、いろんな話をしてくれた。
- 1008 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 03:41:44.00 ID:cgcKQUV4A
- 僕は新米だから三人とも初對面だが、外の連中は皆、教室で一度は講義を聞かせた事のある間柄である。
- 1009 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 03:54:59.52 ID:cgcKQUV4A
- だから、僕は圈外に立つておとなしく諸君子の話を聞いてゐた。
- 1010 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 04:08:15.13 ID:cgcKQUV4A
- すると其少尉の一人が横須賀でSとSの細君と二人で散歩してゐるのに遇つたら、よくよく中てられたと見えて、其晩から腹が下つたと云ふ話をした。
- 1011 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 04:21:30.75 ID:cgcKQUV4A
- 外の連中はそれを聞くと、あははと大きな聲を出した。
- 1012 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 04:34:46.59 ID:cgcKQUV4A
- 唯新婚後間のないSだけはその仲間にはいらなかつた。
- 1013 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 04:48:02.07 ID:cgcKQUV4A
- これは嬉しさうに、にやにや笑つたのである。
- 1014 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 05:01:17.55 ID:cgcKQUV4A
- 自分は、夕日の光を一ぱいに浴びた軍港を眺めながら、新らしい細君を家に殘して來たSに對して憐憫に近い同情を感じた。
- 1015 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 10:39:02.67 ID:cgcKQUV4A
- さうしたら、何故か急に旅らしい心細い氣もちになつた。
- 1016 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 10:52:18.40 ID:cgcKQUV4A
- 標的を曳いてゐる艦は、さつきから二隻の小蒸汽に艦尾を曳かれて、方向を右に轉じようとしてゐる。
- 1017 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 11:05:33.81 ID:cgcKQUV4A
- 素人眼には、小蒸汽の艫に推進機が起してゐる、白い泡を見ても、どれほどその爲にこの二萬九千噸の巡洋艦が動いてゐるかわからない。
- 1018 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 11:18:49.41 ID:cgcKQUV4A
- 先に錨をあげた榛名は既に煙を吐き乍ら徐に港口を西に向つて、離れようとしてゐる。
- 1019 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 11:32:05.00 ID:cgcKQUV4A
- それがまた、梅雨晴れの空の下に起伏してゐる山々の鮮な緑と、眩ゆく日の光を反射してゐる水銀のやうな海面とを背景にして、美しいパノラミックな景色をつくつてゐる。
- 1020 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 11:45:20.62 ID:cgcKQUV4A
- この光景を眺めた僕には、金剛の容易に出航しさうもないのが聊かもどかしく思はれた。
- 1021 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 11:58:36.20 ID:cgcKQUV4A
- そこで、又外の連中の話に加はつて、このもどかしさを紛らせようとした。
- 1022 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 12:11:51.70 ID:cgcKQUV4A
- すると、すぐ側のハツチの下でぢやんぢやんと、夕飯を知らせる銅鑼の音がした。
- 1023 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 12:25:07.22 ID:cgcKQUV4A
- その音は軍艦の中とは思はれない程、古めかしいものであつた。
- 1024 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 12:38:23.87 ID:cgcKQUV4A
- 僕はそれを聞くと同時に長谷にある古道具屋を思ひ出した。
- 1025 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 12:51:39.47 ID:cgcKQUV4A
- そこには朱塗の棒と一緒に、怪しげな銅鑼が一つ、萬年青の鉢か何かの上にぶら下つてゐる。
- 1026 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 13:04:54.96 ID:cgcKQUV4A
- 僕は急に軍艦の銅鑼が見たくなつたから、ほかの連中より先にハツチを下りて、それを叩いて行く水兵に追ひついた。
- 1027 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 13:18:10.87 ID:cgcKQUV4A
- 所が追ひついて見るとぢやんぢやんの正體は銅鑼と云ふ名を與へるのが僭越な程、平凡なうすべつたい、けちな金盥にすぎなかつた。
- 1028 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 13:31:26.30 ID:cgcKQUV4A
- 僕は滑稽な失望を感じて、すごすご士官室の海老茶色のカアテンをくぐつた。
- 1029 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 13:44:41.84 ID:cgcKQUV4A
- 士官室では大きな扇風器が幾つも頭の上でまはつてゐた。
- 1030 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/05/30(水) 13:57:57.70 ID:cgcKQUV4A
- その下に白いテーブル掛をかけた長い食卓が二側にならんで、つきあたりの、鏡を入れた大きなカツプボオドには、銀の花瓶が二つ置いてあつた。
- 1031 :1001★:Over 1000 Comments
- このスレッドは1000を超えました。
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