Apple、新iPhone向けメモリで“Samsung外し”

John Appleseed

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1209/07/news069.html

　米Appleは次期iPhoneの製造で、主要なサプライヤーであり、競合でもある韓国Samsung Electronicsに対するメモリチップの
発注数を削減した──。この件に詳しい筋が9月7日（現地時間）にそう伝えた。

　Samsungは、Appleにとって主要なサプライヤーだ。同社は、AppleのiPhone、iPad、iPod向けのマイクロプロセッサ、ディスプレイ、
メモリチップ（DRAMおよびNANDメモリ）を製造している。

　Rerutersの情報筋によると、Samsungは依然として次期iPhone向けの主要サプライヤーの1社ではあるが、Appleはメモリチップの
供給元多様化を図っており、Samsungへの発注を減らしたという。この交渉は部外秘のため、情報筋は匿名を希望した。

　Korea Economic Daily（韓国経済新聞）は7日、匿名の情報筋の話として、Appleが次期iPhoneの初期ロット向けメモリチップサプ
ライヤーのリストからSamsungを外したと報じた。次期iPhoneは、9月12日に発表されるとみられている。

　この記事によると、AppleはSamsungに代わるDRAMおよびNANDチップの供給者として、東芝、エルピーダメモリ、韓国SK Hynixを
選んだという。

　「Samsungは（次期iPhone向けの）メモリチップサプライヤーリストに残っている。だが、AppleのSamsungへの発注数は減少しており、
Samsungはこの受注減少を、主に自社端末事業で補っている」とReutersの情報筋は語った。

　この情報筋は、AppleがSamsungへの発注を減らしたのは世界での特許訴訟でこう着状態になっている両社の関係が原因だとする
憶測を否定し、Appleは以前からサプライチェーンの拡大を計画していたと語った。

　Appleは新製品の立ち上げの際、製品供給不足になることが多い。消費者が殺到し、部品供給や製造能力を超える需要が生じるた
めだ。

　ある情報筋によると、エルピーダメモリは同社が製造するモバイル向けDRAMチップの半数以上をAppleに供給していたという。

　AppleとSamsungは急成長中のモバイル市場で競合関係にあり、10カ国以上で特許訴訟を争っている。

　Appleは先月、米連邦地裁においてSamsungに対する歴史的な勝利を収めた。SamsungがiPhoneの機能をまねたとして10億5000万
ドルの賠償金をAppleに支払うよう命じる陪審評決を獲得したのだ。

　Samsungはコメントを拒否し、Appleからはすぐにはコメントを得られなかった。