Apple、ユーザーが求める操作を予測する特許申請

John Appleseed

http://www.computerworld.jp/topics/573/206583

　米国Appleが申請した特許技術の内容から、将来のiPhoneに「状況認識モジュール」が組み込まれ、環境特性データ
からユーザーの用途を予測して特定の機能を自動的に呼び出すという、“モード切替機能”が加わる可能性が明らかに
なった。

　米国特許商標庁（USPTO）は2月26日、「Electronic device with automatic mode switching（自動モード切替を備えた
電子デバイス）」と題する特許申請書の内容を公開した。それによると、Appleの新技術は、環境的な特性を判断するセ
ンサーを使ってユーザーがどのような操作を求めているかを予測することで、ユーザーからの入力なしで特定の機能を
動作させるという。

　同社の説明によると、照度センサー、力センサー、温度センサー、環境雑音センサー、モーションセンサーといったセン
サー類がこの機能に利用される。また端末のモードを切り替える制御メカニズムも新技術に含まれているという。

　これらのセンサーのほか、タッチの有無や端末の向き、時間などの要素も、状況判断技術に用いられる可能性がある。

　特許申請書の内容には、“ユーザーによる入力を制限するホールドスイッチを用いた携帯電子端末”とあり、ホールドス
イッチにより、端末が鞄やポケットの中にある時に偶然操作してしまうことを避けることができるという。ホールドスイッチの
機能には、ユーザー自身が入力を許可するために必要な複数の操作を加えることができ、ユーザーの操作の回数を減
らすことが可能になるようだ。

　将来的には、センサー類の示すデータにより入力モードとスリープモードを自動的に切り替える、ホールド・スイッチ機能
が加わるかもしれない。たとえば、端末周辺の光量が低い場合、ユーザーがポケットや鞄の中に端末を入れたことを推察
し、自動的にスリープモードにする、という仕組みだ。また「ユーザーがポケットや鞄から端末を出し、新しい曲を選ぶ」といっ
た状況では、周辺の光量が変化したことを察知してスリープ機能を解除することも可能になりそうだ。

　他にも、周辺の雑音レベルから判断して音量を調節したり、照度と時間から着信音を鳴らすかバイブレーション・モードに
するかを判断するといった使い方も考えられる。　また、端末がユーザーの望まない操作を勝手に実行しないよう、機能の
カスタマイズも可能だという。