【地域ブランド】「神戸シューズ」登録で再興なるか

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　ケミカルシューズなど、神戸市とその周辺で製造された「神戸シューズ」が、地域ブラ
ンドの育成を目指す特許庁の「地域団体商標」に登録された。
　かつて全国有数の靴の産地だった神戸だが、阪神大震災後、安価な輸入製品との
競争にさらされ、苦戦。ブランド化を進めてきた日本ケミカルシューズ工業組合（長田
区）は「どこにもまねできない高品質の靴を全国にアピールする好機にしたい」と意気
込む。
　神戸市長田区はケミカルシューズの産地として知られ、１９９４年には約３１００万足
を出荷。全国の生産量の約８割を占めた。しかし、阪神大震災で多くの工場が被災。
９６年の生産量は約１６００万足まで落ち込んだ。再建後も、低価格を売りにした中国
や東南アジア製品との競争激化で伸び悩み、昨年の生産量は約１５００万足にとど
まっている。
　かつての勢いを取り戻そうと、日本ケミカルシューズ工業組合は２００６年から「神戸
シューズ」のブランド化戦略をスタート。組合が定める品質基準を満たした所属メーカー
の製品を「神戸シューズ」と定義付け、加盟８９社のうち３０社を認定した。
　０６年の地域団体商標創設を聞きつけ、直後に申請したものの、知名度不足などを
理由に認められなかった。このため、０９年には「神戸シューズブランド化委員会」を
発足させ、百貨店でのキャンペーンやインターネット販売などを展開した。
　知名度アップ戦略が奏功し、昨年の販売額は約１億円に到達。今年３月、２度目の
申請で地域団体商標に登録された。登録後は、勝手に「神戸シューズ」の商標を使用
している業者などに対して、使用の中止を要請したり、損害賠償請求したりできるよう
になる。
　同組合の正木貞良理事長は「登録を励みに、神戸シューズのオリジナルショップを
開き、全国展開も目指したい」と話している。

＜地域団体商標＞特許庁が地域ブランドの育成を目指し、２００６年に創設した制度。
特産品に地域名を組み合わせた名称で商標登録ができる。県内では「神戸シューズ」
以外に「神戸ビーフ」や「灘の酒」など３２件が登録されている。（藤基泰寛）

http://www.yomiuri.co.jp/job/wlb/topics/20140410-OYT8T50027.html