風神・雷神の思い出

雷神２「待ちに待った」
2014年05月25日
　東北大と北海道大が共同開発した超小型地球観測衛星「雷神２」を積んだＨ２Ａロケット２４号機が２４日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。雷神２は計画通り軌道に乗り、打ち上げは成功した。

　雷神２は陸域観測技術衛星「だいち２号」など４機と相乗りして、午後０時５分に宇宙へ飛び立った。打ち上げから約２５分後には無事に地球周回軌道に投入され、地上との交信も確認できた。雷神２が観測するデータは防災に役立てる。

　２００９年に打ち上げた衛星「雷神」は電源系統のトラブルで失敗しただけに、開発研究者にとって今回の成功は喜びもひとしおだった。
坂本祐二・東北大助教（３８）（航空宇宙工学）は「開発から５年目で待ちに待った瞬間。また明日から初心にかえって研究したい」と安堵（あんど）の表情を浮かべた。今後、１か月間は通信状況や機器にトラブルがないかチェックする。

　仙台市青葉区の仙台市天文台では、打ち上げの様子が生中継され、集まった親子連れや近くの住民約１５０人がその瞬間を見守った。打ち上げに向け、カウントダウンが始まると、来場者はロケットの映像をじっと見つめた。
ロケットが噴煙を上げて飛び立つと、「行けー」との歓声や拍手が沸き起こった。

　仙台市宮城野区、小学４年の本田浩杜（ひろと）君（１０）は「雷神２が先に宇宙に行ったけど、僕も将来は宇宙飛行士になって、宇宙に行きたい」と目を輝かせていた。
http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20140524-OYTNT50401.html