【悲報】サッカーの親善試合で領土を主張する政治的横断幕が掲げられる

◆親善試合　アルゼンチン２―０スロベニア（７日、アルゼンチン・ラプラタ）

　アルゼンチン代表が７日、地元のラプラタで行った国際親善試合のスロベニア戦前に掲げた政治的な横断幕により、ＦＩＦＡ（国際サッカー連盟）から何らかの処分を科される可能性が出てきた。
英ＢＢＣ放送（電子版）によると、代表チームが「マルビナス（英領フォークランド）諸島はアルゼンチンだ」と書かれた横断幕を掲げたという。

　アルゼンチンは同諸島の帰属をめぐり英国と緊張関係にあり、１９８２年にはフォークランド紛争に発展した。
Ｗ杯でも同紛争の４年後に行われたメキシコ大会準々決勝で当事国が対戦。伝説となった５人抜きゴールなど２得点したマラドーナは試合後、「少年兵が小鳥のように殺されたのを知っている。この試合は復讐（ふくしゅう）だった」と述べた。

　現在、ＦＩＦＡは試合会場での政治的な宣伝活動を禁じており、親善試合もＦＩＦＡの監督下にある。
１２年ロンドン五輪の３位決定戦で日本戦後、竹島（韓国名・独島）の領有権を主張するプラカードを示した韓国選手に、ＦＩＦＡと国際オリンピック委員会が罰金や出場停止などの処分を科している。

　この日のスロベニア戦は途中出場したエースＦＷメッシ（２６）＝バルセロナ＝が後半３１分に得点をあげるなど２―０と快勝し、順調な調整を続けている。
だが、今回の件で処分を科されることになれば、８６年メキシコ大会以来となる３度目のＷ杯制覇を目指すチームにとって思わぬ水を差されることになりそうだ。

　◆フォークランド諸島と紛争　アルゼンチン沖の約５００キロの南大西洋上にある約２００の島で、アルゼンチンではマルビナス諸島と呼ぶ。
１９８２年３月から英国とアルゼンチンが領有権を巡り３か月にわたって戦った。双方に約１０００人の死者が出て、英国が勝利。１８２０年にアルゼンチンが領有宣言したが、１８３３年から英国が実効支配していた。
１９９０年に両国が国交回復も、アルゼンチンは現在も領有権を主張している。

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