創価学会員の男性「もう選挙で公明党を応援する気にならない」

「集団的自衛権」揺れる思い　京都の公明関係者

憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に向けた閣議決定が１日にも行われるのを前に、公明党の対応をめぐって京都府内の党関係者や支持母体・創価学会の会員が揺れている。
自民党との協議について「政権与党として踏ん張った」と理解を示す声がある半面、「閣議決定で憲法解釈を変更してはいけない」と怒りの声も上がり、複雑な思いが交錯している。

党府本の大道義知幹事長はこれまで、党員向けの会合に呼ばれ、集団的自衛権を巡る議論の経緯や現状を話してきた。
２７日夜に京丹後市で開かれた会合では、出席者から「平和の党として誇りの持てる判断を」など、行使容認に慎重な意見が出た。
政権内でのあり方については「連立を離脱すべきだ」との声があった一方、「与党にいることで（自民に）ブレーキがかけられる」との主張もあった。
ただ、集団的自衛権を理解しているかどうかを尋ねると、ほとんどの人が「分からない」として手を上げたという。

２８日に党本部であった地方組織幹部を集めた会合にも参加した大道幹事長は、「地方議員や党員、支持者に理解してもらうのには相当な時間がかかる。
どう決断し、判断したのか、党中央の幹部はしっかりと説明してほしい」と求める。

党員や学会員らの反応も割れている。元府本代表の角替豊氏は「（閣議決定最終案の）文言修正など政権与党の一員として踏ん張った。
連立を離脱しても、平和・リベラル勢力による反転攻勢の展望は乏しい」と、党の立場に理解を示す。
同時に「平和国家を維持できるのか、公明の真価が問われるのはこれから。平和と人権の勢力を広げて信頼を獲得し、政治情勢を変えるべきだ」とも強調した。

一方、丹波地域の５０代の学会員の男性は「閣議決定で憲法解釈を変えること自体が間違っている。戦争に巻き込まれる可能性を広げている」と党の対応に憤る。
その上で「公明は同じ思いを持った同志だと思ってきた。これではもう選挙で応援する気にならない」と言い切った。

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140630000149