政府の総合海洋政策本部（本部長・安倍晋三首相）は４日、海底資源開発の権利を独
占できる「大陸棚」の拡大に向け、政令を速やかに制定する方針を決めた。２０１２年
に国連大陸棚限界委員会が拡大を認めた太平洋の４区域が対象で、国土面積の約８割に
相当する計約３１万平方キロを大陸棚に設定する。将来的には、レアメタル（希少金属
）などの資源採掘につなげたい考えだ。
大陸棚は、排他的経済水域（ＥＥＺ、沿岸から２００カイリ）の外でも海底の地形が
連続していれば認められる。日本は海底調査の結果を踏まえて０８年、同委員会に太平
洋の７区域で大陸棚拡大を申請。１２年にはこのうち４区域に関し、拡大の「お墨付き
」に当たる勧告を受けた。
４区域のうち、四国沖（１７．４万平方キロ）と沖大東島南側（０．３万平方キロ）
について「政令制定に速やかに着手」する方針を確認。小笠原諸島東側（１２．１万平
方キロ）と南硫黄島南側（１万平方キロ）は、周辺に排他的経済水域を持つ米国と調整
した上で、政令制定を目指すこととした。政令制定で日本の大陸棚が確定すれば、総面
積は約４３６万平方キロ（領海は除く）となる。
政府は、拡大された大陸棚でレアメタルのコバルトを多く含む「コバルトリッチクラ
スト」など海底資源の探査を進める考え。首相は本部会合で「海からもたらされる資源
は日本の未来を切り開く可能性を秘めている。国益に関わる大きな成果だ」と強調した。
一方、勧告が先送りされた沖ノ鳥島南側（２５．２万平方キロ）に関し、政府方針は
「早期に勧告が行われるよう努力する」とした。中国、韓国は沖ノ鳥島を「岩」と主張
し、日本の大陸棚拡大に異議を唱えている。
http://mainichi.jp/select/news/20140705k0000m010054000c.html