アメリカ様が大ジャップ帝国を倒してくれたおかげで今日も嫌儲で自由に書き込みができる [323988998]

　終戦記念日が巡ってくる。だが、この日の強烈な思い出をともに語れる人はだんだん少なくなってきた。

　▼「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」という昭和天皇の詔勅は、まだ耳に新鮮だ。
旧制田辺中学校の３年生だった私は、勤労動員先の田辺市文里の造船所でこの放送を聞いた。
国中が空襲で焼け野原となり、広島、長崎への原爆投下でとどめを刺された国民に、天皇は「戦局、必ずしも好転せず」と苦しい表現で語り掛けた。

　▼最近読んだイアン・モリス著『人類５万年・文明の興亡』（筑摩書房）は、この部分について「歴史上、最も控えめな表現」と述べている。
万策尽きた日本の指導者の負け惜しみと受け止め、英国人らしく皮肉ったのだ。

　▼ちなみに、著者による史上２番目の控えめな表現は、蒸気機関の発明者ジェームス・ワットの父親に対する手紙だ。
この中でワットは産業革命を引き起こした自分の実験を「かなり成功している」と、高ぶる気持ちをぐっと抑えて書いた。

　▼この発明によって、英国は世界一の工業大国への道を歩むが、それに立ち向かったのが軍国・日本。
この戦争で英国は勝者にはなったものの覇権は米国に移り、斜陽の道をたどり始める。

　▼第２次世界大戦の結果に対し、連合国側、とくに中国と英国は「有無を言わさぬ」という態度を明確にする。
彼らにとっては、敗戦国日本が戦後史の見直しを唱えるなど、とんでもないことなのだ。　（倫）
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