呉智英「左翼は市民運動を讃えるが、在特会の活動は市民運動そのものなんだが？」←論破せよ [511393199]

的井圭一

呉オルテガは「専門能力を持っているが、視野が狭い人間」を大衆としたけど、もっとまずいのは、
専門能力もなくて、ネットをいじるのだけが上手な人間、ネット右翼みたいなわけのわからないのが出てくること。

ちゃんちゃらおかしいのは、市民一人ひとりが自主的に集まる市民運動を左翼が讃えていたけど、それは在特会そのものだろう。
冗談でもパロディでもなくて、在特会って本当に市民運動なんだよ。なんでそういうことにみんな気づかないんだろう?

適菜私はそれに対して『産経新聞』でル・ボンとキルケゴールを紹介しながら2回書きましたよ。
関西の右派系市民グループが、幹部らの相次ぐ逮捕により解散に追い込まれたのですが、「朝鮮人は呼吸するなーっ!」などと街宣活動を行い、
関係ない人にも暴力をふるっていたと。それでル・ボンを引用して、市民運動は必然的に劣化するということについて書いた。

ル・ボンが言っていることは、個別にはたとえ優秀な人間であっても、群衆になった瞬間に、人間性が変質していくということでしょう。
ル・ボンは「愚かな人間が集まっても意味がない」などとつまらないことを言っているのではなくて、市民社会の論理の危険性を、フランス革命などを例に出して説明しているわけです。

左翼のデモも同じですね。集会やデモを行う市民団体が毎回のように参加者数の水増し発表をしていますが、要するに数に頼るというのは反知性なんですよ。
キルケゴールは市民の本質を「第三者」「傍観者」と規定しましたが、彼らは無責任に権威を引き摺り降ろすだけ。
そんなものは、逃避、気晴らしに過ぎないとキルケゴールは言っています。

呉数に頼るどころか、マボロシの数に依拠しているんだね。仮に実数だとしても、人間が自主的にやることは無前提にいいわけではなく、
それどころかしばしば怖いことが発生するということになぜ気づかないんだろうね。

適菜誰もが発言できる世の中は、あまりいい世の中ではありません。

呉高校のクラス会でも、黙ってる奴に無理に意見を言わせてもいい結論

ぜんぶんはそーす
呉智英 × 適菜収　【第3回】
「国民主権というフィクションはなぜ生まれたのか」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40086