「多額の貿易赤字が出ても、国富の流出や喪失というべきではない」――。
地方裁判所の一裁判官が独自の“国富論”を展開し、再稼働を目指す大飯原発の運転差し止めを命じた。
菅直人元首相ら反原発派は大ハシャギだが、今回の判決は本当に妥当なものと言えるのか。
〈福井地裁で裁判の傍聴。勝った、勝った、勝った〉（菅直人氏のツイッターより）
五月二十一日、関西電力大飯（おおい）原発三、四号機（福井県おおい町）をめぐり、住民らが運転差し止め
を求めた訴訟の判決が福井地裁で言い渡された。
「大飯原発を運転してはならない」
樋口英明裁判長が主文をこう告げると、福井まで傍聴に駆けつけていた菅直人元首相は、「勝った、勝った」
と大喜びで、ガッツポーズまで繰りだしたという。
その後も興奮冷めやらないのか、菅氏は自らのブログにこう綴った。
週刊文春[2014.08.16 07:00]
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4254
福井地裁の法廷
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原告団代表の中嶌哲演氏（中央）
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樋口裁判長
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原告団は大喜び
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手前の2つが3号機と4号機
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>>1つづき
〈法治国家である以上判決が確定すれば政府も従わなければならない〉
現段階では一審判決が出ただけで、名古屋高裁での控訴審が控えており、法律上は何ら確定していない。
それなのに「確定すれば」と妄想を飛躍させた挙句、〈今こそ、再稼働に反対する脱原発をめざす党が必要だ〉
などと大ハシャギ。
ジャーナリストの徳岡孝夫氏が嘆く。
「菅さん自身が現場に行こうが行くまいが、何ら結果は変わらないのに、現場に飛んで行って騒ぎまくる姿は、
福島第一原発に視察に行って現場を混乱させたのを思い出させますね。東日本大震災当時の総理だった
人が、その座を去った今になって、無用な口出しをするのは止めてもらいたい」
菅氏をここまで大喜びさせたこの判決、本当に妥当なものなのだろうか。
原告団代表で住職の中嶌哲演氏（小浜市）は、一九七〇年代から原発反対運動に取り組んできたという。
「とても素晴らしい判決でした。我々、市民の視点でいえば当たり前の判決を出してもらうために、四十年以
上もの年月がかかった、という感無量の思いもあります。世界一の原発密集地帯である福井県において、
地元裁判所によって出された本判決の意義は計り知れません」
中嶌氏が判決文の中でも特に激賞するのが、次の一文である。
〈本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではな
く、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくな
ることが国富の喪失である〉
>>1>>3つづき
この一文を巡っては、評価が分かれている。ベテラン司法記者が語る。
「裁判官が『国富』とは何ぞや、という点についてここまで情緒的に書くとは驚きです。この判決文を書いた樋
口裁判長は、昨年七月の福井県議会の政務調査費を巡る住民訴訟でも、住民側勝訴の判決を出すなど、
ややリベラルな傾向のある人物として知られています。ただ、これまでさほど有名な判決は書いたことがな
く、地味な印象の裁判官です」
判決文には次のようなくだりもある。
〈原子力発電所の稼働は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由に属するものであって、
憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきもの〉
と、まずは「人格権」を強調して、ひとの命を最優先する姿勢を打ち出し、
〈大きな自然災害や戦争以外で、人格権という根源的な権利が極めて広汎に奪われる事態を招く可能性があ
るのは原発事故のほかは想定しがたい〉
と原発事故を大自然災害や戦争と並べて見せる。ちなみにこれは反原発活動でよく用いられるロジックだ。
その上で、
〈このような危険を抽象的にでも伴う経済活動は憲法上容認できないというのは極論に過ぎるとしても、少なく
とも具体的危険性が万が一でもあれば、その差し止めが認められるのは当然〉
であり、
〈具体的危険性が万が一でもあるのかが判断の対象となるべきで、この判断には必ずしも高度の専門技術
的な知識、知見は必要ない〉
>>1>>3>>5つづき
とまで言い切っている。
つまり、万に一つでも危険なものかどうかは専門的知識がなくても判断していい、と言っているのだ。
■地元からは戸惑いの声が
この判決に対して、原告側は「司法は生きていた!」と喜びを爆発させたが、実は批判の声も多い。
まずは地元、おおい町の声を紹介しよう。前おおい町長の時岡忍氏が語る。
「原子力規制委員会が今、厳しい新規制基準を作っています。例えば、風速百メートルの風が吹いても安全
なようにしておく、などの対策を科学的な根拠に基づいて行っています。そうした中で、この判決はいささか
感情的で、万が一にも危ないものは危ないんだ、と言っています。科学というものにまったく耳を貸さないよ
うな言い方で、まさに『裁判官が日本を滅ぼす』という言葉を思い出しました。
あの論理なら、世界中のあらゆる原発がダメということになる。例えば、毎年四千五百人近くが交通事故で
亡くなっていますが、自動車はどうなんだ、という話にもつながります」
独特の“国富論”に関しても、こう語る。
「金儲けは人命に比べれば微々たるものだ、と書いてありますが、町が経済的に成り立たないことには、福祉
も何もかも成り立たず、人命にとっても大変な事態になる。
去年、大飯の三、四号機の点検がありました。点検の際は、大体五千人が原発内に入って生活するんです。
すると、昼の弁当ひとつとっても、おおい町の業者だけでは間に合わないので、近隣の小浜や高浜の業者
にも注文する。
原発を止めるということは、そうした業者の雇用にまですべて影響が出るということ。
実際、本音では再稼働すべきだと言いたいけれども、表だって言えない人も沢山いることを知ってほしい」
福井県には、大飯だけではなく、美浜、高浜、敦賀と四つの原発があるが、福井県商店街振興組合連合会の
副理事長を務める新道忠雄氏もこう語る。
>>1>>3>>5>>6つづき
「福井の原発がすべて止まっていることによって、いわゆる流動人口が、五千人〜六千人ぐらい減っています。
それが商店街に与える影響は大きい。たとえば飲み屋さんへ行く人が少なくなると、そこで働くホステスさん
も少なくなる。そうなれば、服屋や靴屋、パーマ屋さんも少なくなる。そういう波及がずっと続くんです。地場
産業としての原発に頼るほかないというのが地域の現状なんです」
さらに、新道氏は今回の判決にこう疑問を呈す。
「福島の原発事故と比較されますが、そもそも様々な条件が違い過ぎる。まず日本海側の福井であれと同じ
ような津波が起きるのかということがあります。過去千年の中で大津波が起こったことはないんですから。
大体、裁判官は科学者でも地質学者でもなく、法律の専門家なわけですよね。科学的な知識があっての判
決なのでしょうか」
■福島とは原発の仕組みが違う
まさに、その「科学的知識の有無」について、問題提起するのは、大阪大学名誉教授で原子力工学が専門の
宮崎慶次氏だ。
「原子力規制委員会の議論とは別に、司法が独立して判断を下すことはあっていいと思います。しかしながら、
そうした判断を下すのであれば、もう少しよく勉強してからでないといけません。一例を挙げれば、大飯原発
は加圧水型で、沸騰水型だった福島第一原発とは仕組みが違う。外部から冷却することは比較的容易です。
また格納容器の大きさも十倍ほどあり、水素爆発の可能性もかなり低くなる。こうした事実を一つひとつ確
認し、リスクがどれだけあるのか、科学的な議論をしないといけない。
あの判決が通るなら、『万が一の危険があるから、日本中の原発はすべてダメ』となってしまい、まったく科
学的ではありません。残念ながらあの判決は、素人が下した無見識、無謀な判決と言わざるを得ません。
あのような判決がまかり通れば、司法の威信が崩壊する恐れすらあります」
>>1>>3>>5>>6>>7つづき
なぜこのような判決が出たのか。前出の司法記者はこう指摘する。
「今回の訴訟が始まったのは一昨年十一月ですから、わずか一年半でのスピード判決です。日本で原発の
差し止め判決が出たのは史上二例目ですが、二〇〇六年に北陸電力・志賀原発に関して差し止め判決が
出た際は、提訴されてから七年かかりました。〇三年に裁判迅速化法が施行されてから、二年以内での一
審判決が目標とされてはいますが、そうはいっても、科学的にも難しい問題を多々含む原発訴訟の場合、
一審で四〜五年、高裁でも二〜三年かかるのが相場と言えます」
さらに、こんな事情も推測されるという。
「現在、原子力規制委員会による、再稼働に向けた審査が最も早く進んでいるのが、鹿児島の九州電力・川
内（せんだい）原発一、二号機で、地震に関する審査が終了しました。早ければ今秋にも再稼働する見込み
です。そうした動きに一石を投じる狙いがあったのではないか、との見方もあります」（同前）
現在、東京、大津、静岡などの地裁で少なくとも十六件、同様の訴訟が提起されており、反原発派は今回の
判決のようなロジックが他の地裁でも通用することを願っているのだろうが、21世紀政策研究所研究主幹の
澤昭裕氏はこう警鐘を鳴らす。
「ああいうロジックが実は一番の問題です。あの判決は、万が一にも危険があれば、原発は動かさない、と言
っています。裏を返せば、万に一つの危険もないことを証明せよ、と国や事業者に突き付けている。一時代
前の反原発運動にはびこっていたこの考え方こそが、3・11以前に、事業者や国を『原発はリスクゼロ』とい
う『安全神話』に追い込んだ面もあるのです。今回の判決文は、まさにその典型です」
今回の判決に快哉を叫ぶ原告弁護団の中には、熱心な反原発活動家が多数存在する。例えば、海渡（かい
ど）雄一弁護士もその一人。
社民党の福島瑞穂前党首の事実婚の夫で、過激な活動で知られる環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」
で理事長を務めていたことでも有名だ。
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また今回、差し止め判決直後に東京の司法記者クラブで会見を行った、原告弁護団の一人、只野靖弁護士
も、過去にグリーンピース・ジャパンの代理人を務めていた。
前出の司法記者が言う。
「〇八年に、調査捕鯨に反対するグリーンピースが、調査捕鯨船乗組員による“鯨肉横領”を告発するための
証拠として、宅配中の荷物を盗み、幹部ら二人が窃盗容疑で逮捕されたのです。その時の弁護士が、只野氏
でした」
結局同事件では、一一年に幹部ら二人の有罪が確定している。
■二年前と賛否が逆転
今回の判決を受けて、小誌ではメルマガ読者を対象にアンケートを行った。
質問は、「あなたは原発再稼働に賛成ですか??反対ですか?」。
回答総数は千三人。賛成が五三・五四％、反対が四六・四六％と、僅差で賛成が上回った。
主な意見を紹介しよう。まずは「賛成」から。
「電力の供給安定、産業の発展の為には安定的な発電が必要。現在の福島を見ると不安も覚えるが、恐れ
るだけでなく、さらなる原子力のコントロールの為の科学技術の向上を願います」（神奈川・女・65）
「このまま再稼働しなければ電気料金のさらなる大幅アップは避けられない。万が一電力会社が倒産したら
経済は成り立たない。百％の安全のために毎日苦しい生活を送るならば、危険とうまく付き合うのが文化的
生活だと思う」（北海道・男・55）
「エネルギー資源に乏しい日本では、加工製品輸出主導の経済体制は簡単に変えられない。その場合、電力
コストの暴騰は特に国内中小企業にとって死活問題となる。中小企業とは経済の足腰であり、それを死地に
追いやることは日本沈没そのもの。理想だけでは生きてはいけない」（神奈川・男・43）
> も何もかも成り立たず、人命にとっても大変な事態になる。
ギャグとして言っているのか？
原発が無い過疎地域は福祉も成り立たないか調べてから書けボケ
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一方で「反対」にはこのような声があった。
「今なお、福島県民の皆さんは震災の痛みに加えて、原発の放射能の被害にも怯えていらっしゃいます。住
み慣れた我が家にも帰ることができず、三年経っても不自由な仮設住宅の生活を余儀なくされています。
こんなにも苦しめられる原発は、果たして必要なのでしょうか?」（愛知・女・57）
「今も仮設住宅で暮らしている大人も、子ども達もいます。未来に生きる子ども達を国は守るべき立場です。
原子力は人間が扱いきれない恐ろしいものだと、福島の事故から学ぶべきです」（京都・女・66）
小誌は一二年七月にも同様のアンケートを実施している。
この時も「大飯原発再稼働」の是非を聞いたのだが、当時は、回答総数千三百人のうち賛成が四二％。反対
が五八％だった。
この二年でメルマガ読者の世論が逆転したことになる。
ジャーナリストの櫻井よしこ氏が語る。
「アンケートの変化は、時間が経ち、冷静に様々な情報を得ることで、日本人の常識が働いていることを示し
ています。今回の判決は、ゼロリスクでなければならないと言っていますが、科学において完全に百％安全
だ、などということはありえません。だからこそ、人類の英知を結集し、極限まで原発の安全性を高める努力
をしていくのです。今回の判決は、結論ありきでイデオロギーに囚われており、司法の暴走というべきものです」
政界全体に配った資金は年間数億円に上ったという
ttp://www.huffingtonpost.jp/2014/07/27/kanden-kenkin_n_5625429.html
俺はスレを読むのをやめた
そういう態度が福島の爆発を招いたって
まだ原発村の連中はわからんのか
まあ高浜が先に動くんだけどね
長えんだよ
文春も必死だな
富の流出ガーではなく安定供給の１本だけ主張してればよかった
＞人命にとっても大変な事態になる。
じゃあ無駄にきれいな庁舎とかレジャー施設（笑）を建てずに
電源三法交付金を貯金しとけば良かったんじゃね？
>福島第一原発に視察に行って現場を混乱させたのを思い出させますね。東日本大震災当時の総理だった
>人が、その座を去った今になって、無用な口出しをするのは止めてもらいたい」
まだこんなこと言ってるのかｗ