ISISの巧妙なPR戦略「参加するか、死か」 [171929663]

ISISの新兵獲得戦略：ソーシャル・メディア、米ジャーナリスト殺害ビデオさえも利用

19日に「イスラム国」が公開した、米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー(James Foley)氏の殺害ビデオにはショッキングな要素が様々あるが、その1つは見かけのスマートさだろう。
HD画質で撮影し、プロ並みに編集されたビデオは、ソーシャル・メディアやマーケティング戦略を駆使して新加盟者を募集し、
自分たちの綱領を発信することを狙った、同過激派グループの最新のPRキャンペーンなのだ。

またの名を「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」とも自称するこのグループが支配地域の拡大に成功している背景には、こうした巧妙なPR作戦もある。
中東専門家によれば、彼らは新メンバーの忠誠を高めるため、恐怖を利用しているという。
また、さまざまなソーシャル・メディアやマルチメディア、ネット世代にアピールするためヴァイス・ニュースのビデオにさえ出演して自称イスラム国家のニュース拡散に努めている。
主たるメッセージは、「参加か死か」だ。

聖戦主義者のグループを研究するノースイースタン大学のマックス・アブラムス(Max Abrahms)教授によれば、フォーリー氏のビデオは上手い勧誘戦術になっている可能性があるという。
「イスラム国」が「地域で最も凶悪で、暴力をためらわないことをライバル集団に見せつけた」からだ。こうした力の誇示は、「ライバル集団からISISへの参加を促す」かもしれない。

5万人の屈強な戦闘集団は、世界中から集まった、多くは若者から組織されている。ISISは、コミュニティ形成のために、ツイッターやフェイスブックのアカウントを持つことを推奨している。
表向きの個々人のアカウントには、攻撃の画像や内輪向けのジョーク、祝福のコメント等が掲載されていることもしばしばだ。
また、交流イベントや公的業務に関するコメントのためにアカウントを利用することもある。

ある動画では、支配地域で供されるイスラム食を特集し、「神の恵みで状況は素晴らしく、何事も上手くいっている」と語る若者のカットが続き、
「おいしい！シリアのラッカ市でのISISのイスラム食。極上ケバブをはじめとするごちそうを召し上がれ！」というキャプションが付いている。

http://jp.ibtimes.com/articles/60599/20140822/isis.htm